• この表をプリントする
  • ポートフォリオ機能


追加

この判例には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
平成25ネ10021商品販売差止請求権不存在確認請求控訴事件 判例 商標
元本PDF 裁判所収録の全文PDFを見る pdf
事件 平成 25年 (ネ) 10032号 損害賠償等請求控訴事件
裁判所のデータが存在しません。
裁判所 知的財産高等裁判所 
判決言渡日 2013/09/25
権利種別 商標権
訴訟類型 民事訴訟
判例全文
判例全文
平成25年9月25日判決言渡

平成25年(ネ)第10032号 損害賠償等請求控訴事件(原審・東京地方裁判

所平成22年(ワ)第44788号)

口頭弁論終結日 平成25年7月8日

判 決



第 1 審 原 告 和 幸 商 事 株 式 会 社




第 1 審 原 告 株 式 会 社 東 邦 事 業




第 1 審 原 告 和 幸 フ ー ズ 株 式 会 社



上記3名訴訟代理人弁護士 吉 峯 啓 晴

同 吉 峯 康 博

同 高 橋 拓 也

同 大 井 倫 太 郎

同 大 河 原 啓 充

同 中 村 栄 治

同 朴 鐘 賢

同 吉 峯 真 毅

同 吉 峯 裕 毅



第 1 審 被 告 和 幸 株 式 会 社





訴訟代理人弁護士 岩 渕 正 紀

同 岩 渕 正 樹

同 長 沢 幸 男

主 文

1 第1審原告らの控訴を棄却する。

2 第1審被告の控訴を棄却する。

3 第1審原告らの控訴に係る訴訟費用は第1審原告らの負担とし,第1審被告

の控訴に係る訴訟費用は第1審被告の負担とする。
事 実 及 び 理 由

第1 当事者の求めた裁判

1 第1審原告ら

(1) 原判決中,第1審原告らの敗訴部分を取り消す。

(2) 第1審被告は,第1審原告らに対し,それぞれ817万6692円及び

これに対する平成22年7月14日から支払済みまで年5分の割合による金

員を支払え。

(3) 第1審被告は,第1審原告らに対し,別紙謝罪広告目録記載の謝罪文を

同目録記載の要領で同目録記載の新聞に掲載せよ。

(4) 訴訟費用は,第1,2審とも第1審被告の負担とする。

2 第1審被告

(1) 原判決中,第1審被告の敗訴部分を取り消す。

(2) 上記取消部分につき,第1審原告らの請求をいずれも棄却する。

(3) 訴訟費用は,第1,2審とも第1審原告らの負担とする。

第2 事案の概要

本判決においては,原判決が定義した略称を用いる。

1 本件は,第1審原告らが,第1審被告が平成20年9月11日から平成22

年7月14日までの間,本件店舗において使用した被告各標章は原告商標と類




似しており,被告各標章の使用は第1審原告らが有する原告商標権の侵害(商

標法37条1項)に当たると主張して,第1審被告に対し,@民法709条

(商標権侵害)に基づく損害賠償として,それぞれ854万9033円及びこ

れに対する平成22年7月14日から支払済みまで民法所定の年5分の割合に

よる遅延損害金の支払を求めるとともに,A商標法39条,特許法106条

基づき,第1審原告らの業務上の信用を回復させるために必要な措置として,

謝罪広告を求めた事案である。

原審は,第1審原告らの請求は,第1審被告が第1審原告らに対しそれぞれ
37万2341円及びこれに対する平成22年7月14日から支払済みまで民

法所定の年5分の割合による遅延損害金を支払う限度で理由があるが,その余

は理由がないとして,第1審原告らの請求を一部認容する判決をしたため,第

1 審原告ら及び第1審被告双方が,それぞれの敗訴部分を不服として本件各控

訴を提起した。

2 前提事実,争点及び争点に関する当事者の主張は,原判決の「事実及び理

由」第2の1及び3並びに第3記載のとおりであるから,これを引用する(以

下,原判決を引用する場合,原判決が定義した略称を除き,「原告」を「第1

審原告」と,「被告」を「第1審被告」と,「別紙」を「原判決別紙」と,そ

れぞれ読み替える。)。

第3 当裁判所の判断

1 当裁判所も,第1審原告らの請求は,原告商標権侵害による使用料相当額

損害101万7023円及び弁護士費用10万円並びにこれに附帯する遅延損

害金の支払を求める限度で理由があると判断する。その理由は,次のとおり原

判決を補正するほかは,原判決の「事実及び理由」第4の1ないし5記載のと

おりであるから,これを引用する。

(原判決の補正

(1) 原判決28頁1行目「,118,119」の後に「,124〜128」




を付加する。

(2) 原判決29頁21行目冒頭から同頁26行目末尾までを次のとおり改め

る。

「ぐるなび等のホームページに「とんかつ いなば和幸」等,「いなば和

幸」の表示を含むクーポンを掲出する等の広告宣伝活動を行っている。」

(3) 原判決33頁26行目の「「和幸」は造語であって」から同34頁1行

目の「であることから,」までを次のとおり改める。

「「和幸」の部分については,「和幸」が造語であって,その部分が取引
者,需要者に対し被告標章1の役務の出所識別標章として強く支配的な

印象を与えるものと認められることから,」

(4) 原判決36頁6行目の「重ねてきた結果」から同頁7行目の「至った」

までを次のとおり改める。

「重ねてきたものであり,さらに,第 1 審原告らは,平成11年頃から一般

の新聞,スポーツ新聞,ラジオ等に大々的に広告を行うなどしてその知名

度を高める経営努力を重ね,また,平成19年2月からはサッカーのJ1

及びヤマザキナビスコカップにおける川崎フロンターレのアップシャツス

ポンサーとなり,第1審原告らのロゴが表示されたアップシャツ等を着用

した選手が出場した試合がテレビ中継されたり,全国的なグルメ雑誌であ

る「おとなの週末」に第 1 審原告らの店舗を紹介する記事が掲載されるな

どした結果,遅くとも平成20年頃には原告商標が幅広い地域において有

名な豚カツチェーン店の名称として認知されるに至った」

(5) 原判決37頁19行目の「重ねてきた結果」から同頁20行目の「至っ

た」までを次のとおり改める。

「重ねてきたものであり,さらに,第1審原告らは,平成11年頃から一

般の新聞,スポーツ新聞,ラジオ等に大々的に広告を行うなどしてその

知名度を高める経営努力を重ねるなどした結果,遅くとも平成20年頃




には原告商標が幅広い地域において有名な豚カツチェーン店の名称とし

て認知されるに至った」

(6) 原判決38頁25行目から26行目の「重ねてきた結果」から同39頁

6行目末尾までを次のとおり改める。

「重ねてきたものであり,また,本件3社の中では,第1審原告らが最も

古くから「和幸」の名称を使用しており,かつ,最も多くの店舗を展開

していることは,前記1(1)ないし(3)において認定したとおりであり,

さらに,第 1 審原告らは,平成11年頃から一般の新聞,スポーツ新聞,
ラジオ等に大々的に広告を行うなどしてその知名度を高める経営努力を

重ねるなどした結果,遅くとも平成20年頃には原告商標が幅広い地域

において有名な豚カツチェーン店の名称として認知されるに至ったと認

められるから,「和幸」の文字部分が相応の出所識別力を有することは

前記のとおりである。」

(7) 原判決39頁21行目の「積み重ねてきた」から同頁22行目の「至っ

た」までを次のとおり改め,同頁23行目の「相当程度の」を「相応の」と

改める。

「積み重ねてきたものであり,さらに,第1審原告らは,平成11年頃か

ら一般の新聞,スポーツ新聞,ラジオ等に大々的に広告を行うなどして

その知名度を高める経営努力を重ねるなどした結果,遅くとも平成20

年頃には幅広い地域において有名な豚カツチェーン店の名称として認知

されるに至った」

(8) 原判決40頁21行目の「当てはまらないというべきであるし」から同

頁24行目の「いうべきである。」までを次のとおり改める。

「当てはまらないというべきであるから,第1審原告らの上記主張はその前

提において採用し得ない。また,第 1 審原告和幸商事と第 1 審被告との間

で成立した本件和解においても,第 1 審被告は,新たに出店する「とんか




つ店」については,「とんかつ和幸」の名称に冠を付する等,第1審原告

らの表示である「とんかつ和幸」と明確に区別できる表示に変更する義務

を負うものの,第 1 審被告が「和幸」の文字を使用すること自体は禁止さ

れていないこと,及び,本件店舗の営業形態からすれば,本件店舗は,い

わゆる「定食屋」として取引者・需要者に認識される店舗であり,第1審

被告がこれに被告各標章を使用したことは,本件和解条項における「和

幸」の文字の上記使用条件に合致しないものではあるけれども,第1審被

告は被告標章1につき商標の設定登録を受けた上でその使用を開始したと
の前記経緯に照らせば,これを悪質なものであるということもできな

い。」

(9) 原判決41頁14行目冒頭から同42頁6行目末尾までを次のとおり

改める。

「 しかしながら,原告商標が,遅くとも平成20年頃には幅広い地域にお

いて有名な豚カツチェーン店として認知されるに至ったとしても,多角的

経営がなされることが珍しくない現代において,豚カツ専門のチェーン店

が,従来から使用してきた商標そのものではなく,これと類似する標章を

使用して,豚カツ以外のメニューもそろえて定食屋のチェーン店を展開す

ることは,事業としては決して珍しくはないことであり,第1審被告が被

告各標章を使用して提供した料理の品質が劣悪であったとかの特段の事情

がない限り,これにより豚カツ専門のチェーン店を展開している第1審原

告らの信用が害されるものと認めることはできない。」

2 結論

よって,原判決は正当であり,本件各控訴はいずれも理由がないから棄却す

ることとし,主文のとおり判決する。

知的財産高等裁判所第3部





裁判長裁判官 設 樂 z 一




裁判官 西 理 香




裁判官 田 中 正 哉






  • この表をプリントする