審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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平成25行ケ10161審決取消請求事件 | 判例 | 商標 |
平成24行ケ10285審決取消請求事件 | 判例 | 商標 |
平成21行ケ10227審決取消請求事件 | 判例 | 商標 |
平成20行ケ10023審決取消請求事件 | 判例 | 商標 |
平成18行ケ10374審決取消請求事件 | 判例 | 商標 |
元本PDF | 裁判所収録の全文PDFを見る |
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事件 |
平成
25年
(行ケ)
10162号
審決取消請求事件
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裁判所のデータが存在しません。 | |
裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
判決言渡日 | 2013/12/26 |
権利種別 | 商標権 |
訴訟類型 | 行政訴訟 |
判例全文 | |
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判例全文
平成25年12月26日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 平成25年(行ケ)第10162号 審決取消請求事件 口頭弁論終結日 平成25年12月3日 判 決 原 告 株式会社ゴールドウイン 訴訟代理人弁護士 塚 原 朋 一 同 岡 崎 士 朗 同 尾 関 孝 彰 同 鰺 坂 和 浩 訴訟代理人弁理士 長 谷 川 芳 樹 同 黒 川 朋 也 同 工 藤 莞 司 同 小 暮 君 平 同 魚 路 将 央 被 告 株 式 会 社 ミ ス ズ 訴訟代理人弁護士 千 原 曜 同 大 岩 直 子 訴訟代理人弁理士 岩 田 敏 主 文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 特許庁が無効2012−890091号事件について平成25年5月9日に した審決を取り消す。 第2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯等 (1) 被告は,「LOOPWHEEL」の欧文字を標準文字により書してなり,指 定商品を第24類「織物(「畳べり地」を除く。),編物,メリヤス生地,フ ェルト及び不織布,布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団 側,まくらカバー,毛布,ふきん,織物製いすカバー,織物製壁掛け,カー テン,テーブル掛け,どん帳」とする商標登録第5506202号商標(平 成24年1月12日出願,同年7月6日設定登録。 「本件商標」 以下 という。の ) 商標権者である。 (2) 原告は,平成24年10月25日,本件商標の商標登録を無効にすること を求めて審判の請求をした。 特許庁は,上記請求について,無効2012−890091号事件として 審理を行い,平成25年5月9日,「本件審判の請求は,成り立たない。」と の審決(以下「本件審決」という。)をし,同月17日,その謄本が原告に 送達された。 (3) 原告は,平成25年6月14日,本件審決の取消しを求める本件訴訟を提 起した。 2 本件審決の理由の要旨 本件審決の理由は,別紙審決書(写し)記載のとおりである。要するに,@ 本件商標をその指定商品中「織物(「畳べり地」を除く。)」又は「メリヤス 生地」に使用しても,これに接する取引者,需要者は,単に「吊り編み(機)を 用いて編んだ織物又はメリヤス生地」であると認識するにとどまり,自他商品 の識別標識としての機能を果たすことができず,また,本件商標は,「織物,メ リヤス生地」を取り扱う業界において,「織物,メリヤス生地」の商品の品質 を表示する語として普通に使用されている実情があるから,商標法3条1項3 号に該当する,A本件商標をその指定商品中「吊り編み(吊り編み機)を用い て編まれた織物(「畳べり地」を除く。)又は「吊り編み(吊り編み機)を用 いて編まれたメリヤス生地」以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認 を生じさせるおそれがあるから,本件商標は同法4条1項16号に該当する旨 の請求人(原告)の主張に対し,本件商標は,その取引者,需要者に特定の意 味合いを理解させない造語を表したと認識される商標であって,本件商標をそ の指定商品について使用しても,自他商品の識別標識としての機能を発揮し得 るものであり,また,商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないか ら,本件商標の登録査定時において,同法3条1項3号又は4条1項16号に 該当する商標であったと認めることはできないというものである。 第3 当事者の主張 1 原告の主張 (1) 取消事由1(商標法3条1項3号該当性の判断の誤り) 本件審決は,@本件商標の登録査定前において,さほど多いとはいえない インターネットに掲載された情報をもって,我が国の取引者,需要者が「L OOPWHEEL」等の語(「LOOPWHEEL」,「ループホイール」及 び「ループウイール」の語)について,「吊り編み機又は当該編み機で生産 された生地若しくは当該生地で作ったウェットシャツ等の製品」を意味する 語として認識し得ることの根拠とすることはできない(ただし,本件審決記 載の「ウェットシャツ」は「スウェットシャツ」の誤記である。以下「@の 判断」という。 , ) Aそして,インターネットの記事以外に,「吊り編み機」に ついて,「LOOPWHEEL Machine」,「Loopwheel Machine」,「LOOPWHEEL」,「Loopwheel」な どの英語で表記した証拠は見いだせず,しかも,「ループホイール編み機( Loop wheel machine)」等,「ループホイール/Loo p wheel」に関連する編み機ないしその装置(部品)が,我が国にお いて,昭和50年頃以降,辞書や繊維関連の専門的な書籍に掲載された事実 を認めるに足りる証拠は見いだせず,また,「トンプキン機(ループ・ホイ ール編み機)」が,我が国ではほとんど使用されていなかった(以下「Aの 判断」という。)とした上で,これらを併せ考慮すれば,本件商標は,特定 の意味合いを理解することができない造語を表したと認識するとみるのが相 当であり,その登録査定時において,商標法3条1項3号に該当する商標で あったと認めることはできない旨判断した。 しかしながら,本件審決の上記判断は,以下に述べるとおり誤りである。 ア 繊維関連の専門書,辞書及び辞典類における「LOOPWHEEL」に 関する記載等 次の(ア)ないし(ト)に掲げる各文献の記載(要点は,別表記載の各文献 の記号に対応する箇所のとおりである。)によれば,「LOOPWHEE L」の語は,繊維関連の専門書,辞書及び辞典類において,主として「巻 き上げ機」の英語として,又は「吊り編み機」若しくは「つり丸編み機」の 英語の一部(別表の(イ),(シ),(ソ),(チ),(ツ),(ト))として,昭和 初期から平成24年に至るまで変わることなく定義づけられている。ま た,被告においても,辞書等に「LOOPWHEEL」の語が「巻き上げ 機」を意味するものとして記載されていることを自認している。 そうすると,本件審決のAの判断のうち,「ループホイール/Loop wheel」に関連する編み機ないしその装置(部品)が,我が国にお いて,昭和50年頃以降,辞書や繊維関連の専門的な書籍に掲載された事 実は認められない旨の部分は誤りであり,「LOOPWHEEL」の語 は,本件商標の登録査定時(平成24年5月30日)において,その取引 者,需要者の間で「編み機の名称」を指し示す一般的な用語として,認識 されていた。 (ア) 昭和4年9月25日発行「メリヤス製造法(米田英夫著)」(甲1 00の1)の114頁〜116頁,119頁 (イ) 昭和26年9月10日発行「繊維辞典(通商繊維局監修 繊維辞典 刊行会編)」(甲100の2)の883頁,932頁,933頁,12 18頁,1352頁 (ウ) 昭和27年5月30日発行「編物機械と編物組織(菊池武勝著) ( 」 甲100の3)の170頁〜172頁,175頁,177頁 (エ) 昭和28年1月31日発行「編組工學(米田英夫著)」(甲100 の4)の100頁,101頁,106頁 (オ) 昭和32年5月発行「メリヤス機械の進歩について(伊知地幸平 著)」(繊維学会誌)(甲100の5)の280頁 (カ) 昭和38年12月20日発行「丸編機の理論と実践(日本ニットウ エアデザイン協会出版部編)」(甲100の6)の33頁,34頁,3 6頁 (キ) 昭和40年5月15日発行「現代繊維辞典 初版(井上孝編著) ( 」 甲100の7)の492頁,531頁,727頁,814頁 (ク) 昭和40年12月10日発行「新らしいメリヤス学(岡本恒彦著)( 」 甲100の8)の257頁,263頁 (ケ) 昭和42年2月1日発行「新しいメリヤス学(岡本恒彦著)」(甲 50の3・審判乙3)の330頁,336頁,337頁 (コ) 昭和43年12月1日発行「現代繊維辞典 増補改訂版(井上孝編 著)」(甲100の9)の492頁,531頁,727頁,814頁 (サ) 昭和48年発行「繊維工学U 編組(日本繊維工業教育研究会編)( 」 甲50の4・審判乙4)の21頁 (シ) 1999年(平成11年)発行「JIS L0307 日本工業規 格 編組機械用語」(甲100の10)の4頁 (ス) 2002年(平成14年)10月10日発行「繊維総合辞典(繊維 総合辞典編集委員会編)」(甲100の11)の310頁,382頁,4 27頁,463頁,644頁 (セ) 2003年(平成15年)11月23日発行「最新・ニット辞典( 伊藤英三郎著,東京ニットファッション工業組合編)」(甲100の1 2)の165頁,179頁 (ソ) 2004年(平成16年)4月27日発行「専門用語対訳シリーズ 機械・工学17万語英和辞典(日外アソシエーツ辞書編集部編)」( 甲100の13)の345頁,491頁 (タ) 2006年(平成18年)12月20日発行「日英最新ニット用語 辞典」(甲100の14)の58頁,76頁,84頁,116頁 (チ) 2007年(平成19年)5月18日発行「日中英服装技術用語辞 典」(甲100の15)の201頁 (ツ) 2010年(平成22年)12月17日発行「日中英服装技術用語 辞典 新訂3版」(甲100の16)の201頁 (テ) 2012年(平成24年)2月1日発行「新・繊維総合辞典(繊維 総合辞典編集委員会編)」(甲100の17)の314頁,390頁,4 34頁,468頁,654頁 (ト) 2012年(平成24年)8月31日発行「日中英服装技術用語辞 典 新訂4版」(甲100の18)の207頁 イ インターネットにおける「トンプキン(機)」に関する使用例 インターネットのウェブページの各記載(甲101の1ないし16)に よれば,「Revo. , 」 「REMI RELIEF」 「JUNRED」 「 , , grn」,「ヘインズプレミアム」,「SILAS MARIA」,「in habitant」,「J.PRES.MEN」,「BACK NUMBE R」,「SCREEN STARS」,「X−LARGE」,「Ciaop anic」の各ブランド(ファッションブランド)によって,「トンプキ ン(機)」を用いた被服が製造・販売されている例が存在する。 したがって,本件審決のAの判断のうち,「トンプキン機(ループ・ホ イール編み機)」が,我が国ではほとんど使用されていなかったとの部分 は,誤りである。 ウ インターネットにおける「LOOPWHEEL」に関する使用例 (ア) 次のとおり,少なくとも被告以外の23ものブランド(ファッショ ンブランド)が,「LOOPWHEEL」を「吊り編み」,「吊り編み 機」として認識し,その被服を製造・販売しているから,本件審決の@ の判断は誤りである。 a FUJISO FUJISO Onlineshop(記事掲載日平成22年10月19日) 「…吊り編みとは,英語でloopwheel(ループウィール)=日本語で 吊り編み機という古き良き時代の編み機で編まれた生地のことで す。…」(甲103の1) b BARNS (a) 株式会社高荘ウェブページ(記事掲載日平成22年5月24日) 「…英語で「LOOPWHEEL=ループウイール」と呼ばれる小寸編み機 の写真です。…」(甲103の2) (b) favoriteブログ(記事掲載日平成24年4月4日) 「…このTシャツ,和歌山県に現存する大正時代の貴重な吊り編 み機で編みこまれています。『LoopWheel』ループウィールっていう んですがなにしろこの吊り編み機,1時間で編める長さはたったの 1mなので1日にわずか12,3枚しか出来上がらないペースでゆ っくりと時間を掛けて空気と一緒に生地を編んでいくんです…」( 甲103の3) (c) BARNSブログ(記事掲載日平成24年12月4日) 「…BARNSの今までの定番の生地とシルエットも違うLoopWheel( 吊り編み機)を使用したスウェットになりますが…」(甲103の 4) (d) FLAMINGOブログ(記事掲載日平成25年4月26日) 「…落ち綿を紡いだ不均一な糸を大正時代の旧式の吊り編み機( ループウィール)にて,ゆっくりと編まれた凹凸感がありたっぷりと 空気を含んだ柔らかな素材で作られた手の込んだ希少なTeeシャツ です。…」(甲103の5) (e) Flying Frog Kobe ABCブログ(記事掲載日平成25年6月15 日) 「…LOOPWHEEL(ループウイール)と呼ばれる旧式の吊編み機を使 用。…」(甲103の6) (f) BARNS直営オンラインショップ(記事掲載日不明・印刷日平成2 5年7月16日) 「…(ループウィール)=日本語で吊り編み機という古き良き時代の 編み機で編まれた生地。…」(甲103の7) (g) 楽天市場ウェブページ(記事掲載日不明・印刷日平成25年7月 16日) 「…BARNS『バーンズ BR-1000LOOPWHEEL(ループウィール)ポ ケ付無地クルーTシャツ』落ち綿を紡いだ不均一な糸を大正時代の 旧式の吊り編み機(ループウィール)にて,ゆっくりと編まれた凹凸 感がありたっぷりと空気を含んだ柔らかな素材で作られた手の込ん だ希少なTシャツです。…」(甲103の8) (h) ORGANウェブページ(記事掲載日不明・印刷日平成25年7月1 6日) 「…LOOPWHEEL(ループウィール)と呼ばれる旧式の吊編み機を使 用。…」(甲103の9) (i) MEN'S SELECT CLOTHING SHOP UTSURAウェブページ(記事掲載日 不明・印刷日平成25年7月16日) 「…落ち綿を紡いだ不均一な糸を大正時代の旧式の吊り編み機( ループウィール)にて,ゆっくりと編まれた凹凸感がありたっぷりと 空気を含んだ柔らかな素材で作られたVネックTシャツ。…」(甲1 03の10) (j) RADIO EVAウェブページ(記事掲載日不明・印刷日平成25年7 月16日) 「…明治時代から使用され,今や和歌山県にしか現在しないと言 われる大変希少な編み機“吊り編み機(ループウィール)”をご存 知だろうか。 …」(甲103の11) (k) ポンパレモールウェブページ(記事掲載日不明・印刷日平成25 年7月16日) 「…BARNS『バーンズ BR-1000LOOPWHEEL(ループウィール) ポケ付無地クルーTシャツ』落ち綿を紡いだ不均一な糸を大正時代 の旧式の吊り編み機(ループウィール)にて,ゆっくりと編まれた凹 凸感がありたっぷりと空気を含んだ柔らかな素材で作られた手の込 んだ希少なTシャツです。…」(甲103の12) (l) SADDLEMEN ウェブページ(記事掲載日不明・印刷日平成25年7 月16日) 「…-LOOPWHEEL-生地作り ループウイールと呼ばれる旧式の吊り 編み機で作られた生地は,胴周り部分にハギ目のない状態,通称= 丸胴になります。…」(甲103の13) c nrab(BARNSのレディースブランド) NATTO CAFE & CLOTHINGブログ(記事掲載日平成23年11月12 日) 「…メンズの方ではおなじみ,Loopwheel。吊り編み。…」(甲10 3の14) d Desertic (a) Vaseブログ(記事掲載日平成23年6月23日) 「…吊り編みとは,英語でloopwheel(ループウィール)=日本語 で吊り編み機という古き良き時代の編み機で編まれた生地のことで す。…」(甲103の15) (b) Kink sakaeブログ(記事掲載日平成23年12月2日) 「…ボディはLOOP WHEEL(吊り編み機)でゆっくりゆっくりと編 みたてた生地を使用良質な素材使いもポイントなんです。…」(甲 103の16) e EDWIN JEANS CLUBウェブサイト(記事掲載日不明・印刷日平成25年7月 16日) 「…ワンポイントに胸とバックに大胆なプリントを施した,ジップ アップパーカ。吊り編み=LOOPWHEEL(ループウィール)で編まれた生 地が独特の風合いを出してます。…」(甲103の17) f FilMelange (a) happy‐go‐luckyブログ(記事掲載日平成20年2月23日) 「…■About Loop-Wheel Machine 20世紀初頭,日本に輸入さ れた世界初の機械量産丸編み機,通称『吊り編み機』。…」(甲1 03の18) (b) TYOマガジンウェブページ(記事掲載日平成22年5月10日) 「…FilMelange”製造のLOOP WHEEL丸編み機で編み上げたオーガ ニック丸胴生地を…」(甲103の19) (c) Web Magazine OPENERS(記事掲載日平成22年5月14日) 「…FilMelange製造のLOOP WHEEL丸編み機で編み上げたオーガニ ック丸胴生地を…」(甲103の20) (d) OSHMAN'Sブログ(記事掲載日平成22年6月8日) 「…LOOP WHEEL MACHINE FilMelange製品は,『吊り編み機』と いう1950年代生まれの丸編み機で生地を編んでいます。…」( 甲103の21) (e) F.O.B STOREブログ(記事掲載日平成23年1月7日) 「…LOOP WHEEL MACHINE FilMelange製品は,『吊り編み機』と いう1950年代生まれの丸編み機で生地を編んでいます。…」( 甲103の22) (f) Select Shop River Onlin Store(記事掲載日平成24年7月2 5日) 「…LOOP WHEEL MACHINE FilMelange製品は,「吊り編み機」と いう1950年代生まれの丸編み機で生地を編んでいます。…」( 甲103の23) (g) jkpt STORE(記事掲載日平成25年7月16日) 「…一部製品には,1950年代からひっそりと残る「吊り編み 機」【ループウィール】を使用して生地を生産しています。…」( 甲103の24) g J.CREW E.A.H.K online(記事掲載日平成25年7月16日) 「…ビンテージのループウィール(吊り編み機)で編まれた贅沢な 素材を使用しています。」,「…<LOOPWHEEL/ループウィール(吊り 編み機)製スウェット>」(甲103の25) h Pure blue japan (a) pure blue japanブログ(記事掲載日平成23年2月3日) 「…ループウィール(loopwheel)とは,”吊り編み機”という古 き良き時代の編み機で編まれた生地の事です。…」(甲103の2 6) (b) pure blue japanウェブページ(記事掲載日・印刷日平成25年 7月17日) 「…ループウィールとは吊り編み機という数少ない古い編み機で 編まれた生地のことで,糸に余分な力をかけずゆっくりと編まれる ため,柔らかでふっくらとした風合いに仕上がります。…」(甲1 03の27) i Gallery1950 DOUBLEDUTCH CO.,LTD.ブログ(記事掲載日平成23年11月24日) 「…ちなみにこちら,ヴィンテージのトレーナーなどに良く見られ る,昔ながらの吊り編み機(ループウィール)製法という今では日本 にしか実在しない,編み機で作られております。…」(甲103の2 8) j JIGSAW toi toi toi ブログ(記事掲載日平成25年2月28日) 「…※LOOPWHEEL(ループウィール)…吊り編み機という,数少ない 古い編み機で編まれた生地のこと。…」(甲103の29) k MINOTAUR (a) M a roundウェブページ(記事掲載日平成24年10月12日) 「…LOOPWEELマシーン(吊編機)をご存知ですか? 吊編機は世 界ではじめて,ニットの機械的量産を可能にした丸編機の原点であ り,一般的なVintege Sweat(1940?1960年代)は『ループ・ ホイール・マシン』=吊編機によって作られ,現在も独特な柔らか な風合い保ち愛されています。…」(甲103の30) (b) 天神サイト(記事掲載日平成25年1月26日) 「…ループウィール パーカ…」「…すでにアメリカにはなく, , 日 本でもごくわずかな工場にしか残ってない吊編機(ループウィー ル)。…」(甲103の31) (c) rumorsウェブページ(記事掲載日不明・印刷日平成25年7月1 6日) 「…Loopwheel Shawl Colla…」,「…空気を含み糸に余計なテン ションがかからず,洗い込むほどに手編みの豊かな風合い・フィッ ト感・暖かさが活かされた1940〜1960年代のヴィンテージ スウェットと同じ裏毛を制作するために「ループ・ホイール・マシ ン」=吊編機によってミノトールオリジナルの裏毛を編み上げたア イテムです。…」(甲103の32) l a Package from Art Decades (a) 1LDKブログ(記事掲載日平成22年4月9日) 「…その下に書いてある『KNNITTED BY LOOPWHEEL』という表記で すが,『LOOPWHEEL』とは日本語で,「吊り編機」を意味します。 ( 」 甲103の33) (b) MAKES co.,ltd.ウェブページ(記事掲載日平成23年4月10 日) 「…また,無地のシリーズは吊り編み機(Loopwheel)を使いなが らも,あえて細番手の高品質な糸(コットン90% / カシミア10 %)で編まれた天竺をベースに,上質なデイリーウェアとして構成さ れている。…」(甲103の34) m COLIMBO (a) OLD STAND UPブログ(記事掲載日平成25年3月30日) 「…”STOCMAN'S COAT” LOOPWHEELED COTTON…」, 「…素材 は吊り編生地『LOOPWHEELED』は専用の編み機によって,ゆっくりと 時間をかえて編立てられております。…」(甲103の35) (b) TIMES MARKETブログ(記事掲載日平成25年4月1日) 「…まずはその裏毛生地ですが,“LOOPWHEEL”そう!吊り編みで す☆…」(甲103の36) (c) the WILD ONEウェブページ(記事掲載日不明・印刷日平成25年 7月16日) 「…LOOPWHEELED COTTON FABRIC…」,「…“LOOPWHEEL”と呼ば れるこのファブリックは専用の編み機によってゆっくりと編み立て られています。…」(甲103の37) (d) JELADOブログ(記事掲載日不明・印刷日平成25年7月16日) 「…""LOOPWHEEL""(吊編み機)は,世界で初めて,ニットの機械的 量産を可能にした丸編機の原点であり,一般的なVintege Sweat(1 940?1960年代)は「ループ・ホイール・マシン」=吊編機に よって作られ,現在も独特な柔らかな風合い保ち愛されていま す。…」(甲103の38) n RIDING HIGH (a) 札幌アントニオロッドシアターブログ(記事掲載日平成25年2 月30日) 「…ライディングハイの定番Loopwheelのスウェットパーカーが入 荷しました。吊り編み機によってゆっくりと丁寧に編み上げられた 裏起毛素材のその生地はふっくらとした厚みのあるヘビーウェイト な仕上がりで札幌の気候に充分耐えうるクオリティ。…」(甲10 3の39) (b) RIDING HIGHブログ(記事掲載日平成25年7月8日) 「…STANDARD by LOOP WHEEL MACHINE…品質の高いスウェットシ ャツを編む為にライディングハイが選んだ編み機は,大正時代から 使われている”吊り編み機”と呼ばれる編み物の機械です。…」( 甲103の40) (c) JAKS GARAGE Online Shop(記事掲載日不明・印刷日平成25年 7月19日) 「…吊り編み機(L.W/ループウィール)で編みたてられた11ozの オリジナル生地を使用したスウェットパンツ,手編みの様なふっくら とした風合いと高い伸縮性,そして何よりこの生地カラーでしょ う。…」(甲103の41) o YOULUXE Edition ZOZO TOWNオンラインショップ(記事掲載日不明・印刷日平成25年 7月17日) 「YOULUXE Edition ループウィールパイルショールカラー」 「…現 , 在では希少なループウィール(吊り編機)で編まれた生地を使用して います。…」(甲103の42) p UNDERKING (a) UNDERKINGブログ(記事掲載日平成21年2月11日) 「…ループウィルが入荷しました…」,「…ループウィルとは! ?明治時代から,昭和30年代までに活躍した吊編み機です。 ( …」 甲103の43) (b) 株式会社PA Communicationウェブページ(記事掲載日不明・印刷 日平成25年7月16日) 「…UNDERKINGの下着に対するこだわりが顕著に表れているの が,吊り編機(ループウィール)の使用。…」(甲103の44) q STUDIO D’ARTISAN (a) STUDIO D'ARTISAN&SAブログ(記事掲載日平成23年1月6日) 「…昔の吊編み機(ループウィール)で時間をかけて生地を編む 為,繊維が潰れず柔らかさと極上の着心地・保温性を保っている …」(甲103の45) (b) STUDIO D'ARTISAN TOKYOブログ(記事掲載日平成24年11月 19日) 「…では,吊り編みとは..... 英語でloopwheel(ループウィー ル)=日本語で吊り編み機という古き良き時代の編み機で編まれた 生地のことです。…」(甲103の46) (c) STUDIO D'ARTISA TOKYONのブログ(記事掲載日平成25年6月2 1日) 「…では,吊り編みとは..... 英語でloopwheel(ループウィー ル)=日本語で吊り編み機という古き良き時代の編み機で編まれた 生地のことです。…」(甲103の47) r CHAMPION 古着 PICK online 記事掲載日不明 印刷日平成25年7月18日) ( ・ 「…ループウィール(吊り編み機)で編まれた脇シームレス(丸胴)Ch ampionボディ。…」(甲103の48) s TRANSIENT EXISTANCE UNIVERSAL RADIOブログ(記事掲載日平成21年12月27日) 「…お得意の吊り編機(ループウィールマシン)を使った上質なス ウェットシャツなどもライナップされており…」(甲103の49) t PILGRIM 古着 PICK online 記事掲載日不明 印刷日平成25年7月17日) ( ・ 「…ループウィール(吊り編み機)で編まれた脇シームレス(丸胴)ボ ディ。…」(甲103の50) u RADIALL CONNETICUTブログ(記事掲載日平成25年2月10日) 「Loopwheel Machine 最近店頭で一部の方々に人気があるスウェット。世界中で生産されて いるスウェット類の中でも日本のわずかな工場でしか稼働していない 旧式の吊り網み機。…」(甲103の51) v 株式会社登豊商事 株式会社登豊商事のウェブページ(記事掲載日平成24年6月25 日) 「…LOOPWHEEL(吊り編み機) 手編みのようなふっくらとした風合いと高い伸縮性を兼ね備えたオリ ジナルの吊り裏下を誕生させました!…」(甲103の52) w FABFOUR SKULL JEANS FABFOUR BLOG(記事掲載日平成20年6月27日) 「LOOP WHEEL MACHINE」,「…最近随分とポピュラーになっている吊 り編み=LOOP WHEEL(ループウィール)とはデニムの旧式シャトル機 同様に現代でいう非効率な旧式な織り機で編まれたニット生地の事で す。…」(甲103の53) (イ) 上記のインターネットにおける使用例によれば,アパレル産業に従 事する者によって,本件商標の登録査定日(平成24年5月30日)時 点において,「LOOPWHEEL」 「吊り編み」 「吊り編み機」 は, , を 意味するものとして現に認識され,使用されているものといえる。上記 の使用例中には,一部,本件商標の登録査定日以降の使用例や,記事掲 載日が特定できないものも存在するが,登録査定日からわずか1年程度 の間に,「LOOPWHEEL」の使用状況が大きく異なったとは考え にくいことから,これらの使用例も,本件商標の登録査定日時点におい て,「LOOPWHEEL」が「吊り編み」,「吊り編み機」を意味す るものとして使用されていた証左であるといえる。 このような「LOOPWHEEL」の使用は,そこで言及されている 商品が「吊り編み機(LOOPWHEEL)」によって作られているこ とを説明するにすぎず,商品の品質を表示するものであることは明らか である。 (ウ) 被告は,この点に関し,乙1ないし170(枝番を含む。)を挙げ て,繊維業界の日刊新聞,生地商,繊維メーカー等,「吊り編み」製品 を扱うブランドにおける多数の「吊り編み」,「吊り編み機」等の使用 例においては,その英語表記として「LOOPWHEEL」の併記はさ れておらず,「LOOPWHEEL」が「吊り編み」,「吊り編み機」を 意味するものとして取引者,需要者に認識されていない旨主張する。 しかしながら,「吊り編み」,「吊り編み機」等の言葉が使用されて いることと,「LOOPWHEEL」が「吊り編み機」を意味するもの として認識されていないことの間には,何の因果関係もなく,被告が挙 げる乙号各証から読み取れることは,その書証の記載者や作成者が,当 該文脈において,「吊り編み」,「吊り編み機」等を使用するのが相応 しいと判断したことだけであって,それが「LOOPWHEEL」を意 味するものとして認識していないことの根拠となるものではない。 したがって,被告の上記主張は失当である。 エ 被告における「LOOPWHEEL」についての認識 (ア) 被告は,「LOOPWHEEL」が「吊り編み」,「吊り編み機」を 意味するものと認識し,被告のホームページや被告製品に付属する商品 タグ等(甲104の1ないし3)に使用している。また,被告又は被告 製品を取り上げたインターネットにおける情報記事等(甲105の1な しい13,108の1ないし20),テレビ番組「ちい散歩」(平成2 3年11月21日放送。甲106),雑誌記事(甲107の1,2)に おいても,「LOOPWHEEL」は,「吊り編み機」を意味するもの として紹介されている。 そして,被告自身が,「LOOPWHEEL」が「吊り編み」,「吊 り編み機」を意味するものとして認識し,使用した結果,被告製品に触 れた需要者もそのような認識を持つに至っており,被告を取り上げたマ スメディアを通じて,その認識はさらに広まっている。 (イ) なお,被告は,この点に関し,日本で最初に吊り編み製品の普及を 目指し,ブランドを立ち上げた際,古い辞書等から「吊り編み機」の訳 語が「loop wheel machine」であると誤って認識 し,本件商標の出願をしたなどと主張する。 このように「吊り編み製品」をその事業の中核に据える被告のような 会社でさえ,「LOOPWHEEL」の語を「吊り編み機」と認識して いる事実を鑑みれば,被告とは異なり,「吊り編み製品」を専門に扱う のではなく,「吊り編み製品」を取扱製品の一つとして扱う会社であれ ばなおさら(そして,そのような会社こそが大多数である。 , ) 専門書,辞 書及び辞典類に「LOOPWHEEL」の語が「吊り編み機」を意味す る旨記載されていれば,それを自らの知識として取り入れると考えるの が自然である。 オ 小括 (ア) 以上のとおり,@多くの繊維関連の専門書,辞書及び辞典類におい て,「LOOPWHEEL」が「巻き上げ機」の英語,又は「吊り編み 機」若しくは「つり丸編み機」の英語の一部として説明されており,ま た,被告も,辞書等に「LOOPWHEEL」の語が「巻き上げ機」を 意味するものとして記載されていることを自認していること,A本件商 標の指定商品の取引者,需要者の間において,「LOOPWHEEL」が 「吊り編み機」を意味するものとして認識され,使用されているという 現状があること,B被告自身も,「LOOPWHEEL」は「吊り編み 機」を意味するものとして認識し,使用してきたことなどに鑑みれば,本 件商標に接する取引者,需要者の間では,「LOOPWHEEL」は,「 巻き上げ機又は吊り編み機で編まれた生地」程度の意味合いを認識させ るにとどまり,本件商標の指定商品である「織物「畳べり地」 ( を除く。」 )又 は「メリヤス生地」の商品の品質を表したものと認識するものといえ る。このように本件商標は,取引者,需要者によって被服の商品の品質 を表示したものとして認識されるから,自他商品の識別標識としての機 能を果たすことができない。 そもそも,商標法3条1項3号の商標が商標登録の要件を欠くとされ ているのは,同号の商標は,取引に際し必要適切な表示として何人もそ の使用を欲するものであるから,特定人によるその独占使用を認めるの は公益上適当でないとともに,一般的に使用される標章であって,多く の場合自他商品識別力を欠くものであることによるものと解される(最 高裁昭和54年4月10日第三小法廷判決・裁判集民事226号507 頁参照)。仮に本件商標が被告によって独占されたとすれば,他のアパ レルメーカーが,「吊り編み機」を使用した被服等の製造・販売に携わ るのが困難となるのはもちろんのこと,そのような状況になれば,吊り 編み機を所有し,その技術を継承し,吊り編み機による事業に特化して きた業者(カネキチ工業株式会社,和田メリヤス株式会社等)は,発注 元を失うことになり,商標法1条が規定する同法の目的(「商標を保護 することにより,商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り,も つて産業の発達に寄与し,あわせて需要者の利益を保護すること」)に 反することとなる。 (イ) したがって,本件商標は,商標法3条1項3号に該当するというべ きであり,これと異なる本件審決の判断は誤りであるから,本件審決 は,違法として取り消されるべきである。 (2) 取消事由2(商標法4条1項16号該当性の判断の誤り) 本件審決は,本件商標は,特定の意味合いを有しない造語よりなるものと 認識されるものであるから,これを本件商標の指定商品のいずれについて使 用しても,商品の品質について誤認を生じさせるおそれのない商標というこ とができるから,本件商標は,その登録査定時において,商標法4条1項1 6号に該当する商標であったと認めることはできない旨判断した。 しかしながら,前記(1)で述べたように,「LOOPWHEEL」は,編み 機(「巻き上げ機」あるいは「吊り編み機」)を意味する語として,その取 引者や需要者によって認知されており,「被服」を取り扱う業界において は,「巻き上げ機又は吊り編み機で編まれた生地」程度の意味合いを認識さ せるにすぎないものである。 そうすると,本件商標をその指定商品中「巻き上げ機又は吊り編み機で編 まれた生地」以外の商品について使用するときは,商品の品質について誤認 を生じさせるおそれがあるといえる。 したがって,本件商標は,商標法4条1項16号に該当するものであり,本 件審決の上記判断は誤りであるから,本件審決は,違法として取り消される べきである。 2 被告の主張 (1) 取消事由1に対し ア 本件商標を構成する「LOOPWHEEL」は,「巻き上げ機」の構成 部品のループホイールを意味する英語である「loop wheel」を 1語に合体させた造語であって,本件商標の指定商品に使用されたとき は,自他商品識別力を有するものであるから,本件商標が商標法3条1項 3号に該当しないとした本件審決の判断に誤りはない。 なお,被告は,日本で最初に吊り編み製品の普及を目指し,ブランドを 立ち上げた際,古い辞書等から「吊り編み機」の訳語が「loop wh eel machine」であると誤って認識し,自社のブランド名を「 Loopwheeler」と命名し,被告による造語である本件商標の出 願をした。 イ 本件商標が商標法3条1項3号に該当するとの原告の主張は,以下のと おり理由がない。 (ア) 繊維関連の専門書,辞書及び辞典類における「loop whee l」の認識について 原告は,繊維関連の専門書,辞書及び辞典類の記載例(別表)を根拠 として挙げて,「LOOPWHEEL」の語が,本件商標の登録査定時 において,編み機(「巻き上げ機」あるいは「吊り編み機」)を指し示 す一般的な用語として取引者,需要者に認識されていた旨主張する。 しかしながら,原告が挙げる記載例には,「LOOPWHEEL」の 用語が,「巻き上げ機」それ自体ないしその構成部品であるループホイ ール(loop wheel)を意味するものとして記載されている が,他方で,「吊り編み機」ないしその構成部品を意味するものとして は記載されていない。 そもそも,「巻き上げ機」(別名「トンプキン機」,「ループホイー ル機」)は,シリンダにひげ針を取り付け,ループホイールにより編成 し,編んだ編地を上方にある巻き取り装置に巻き取らせるものであるの に対し,「吊り編み機」(別名「吊り機」 「吊り」 「スイッツル」 は, , , ) 機 械全体が上から1本の軸で吊り下げられ,リング形針床へ放射状にひげ 針を取り付け,シンカーホイールにより編成し,編んだ編み地を下方で 巻き取り収容するものである。すなわち,「巻き上げ機」は,編んだ編 地を下から上に巻き上げ,その構成部品としてループホイール(loo p wheel)を備えることを特徴とするのに対し,「吊り編み 機」は,編んだ編地を上から下に巻き取り,その構成部品としてシンカ ーホイール(sinker wheel)を備えることを特徴とするも のであって,両者は,同じ丸編み機の範疇に属するとはいえ,構造的に 全く異なる編み機である。繊維関連の専門書,辞書及び辞典類(甲50 の2ないし8,100の1ないし18)においても,両者は,別項目で 説明され,異なる構造,種類の編み機として認識されている。もっとも,原 告が挙げる記載例の一部(別表の(イ),(シ),(ソ),(チ),(ツ),(ト))に は,「吊り編み機」の名称に対応する英語の訳語「French ci rcular loop wheel frame」 「French , loop wheel knitting machine」中に「lo op wheel」の語が含まれているが,構成部品がシンカーホイール であって,ループホイールではない以上,「loop wheel」を英 語表記として使用する根拠を明らかに欠いており,一見して明白な誤記 というべきである。 このような誤記を根拠に「LOOPWHEEL」が「吊り編み機」を 意味するものとして取引者,需要者に認識されることはあり得ない。 以上のとおり,「巻き上げ機」と「吊り編み機」が異なる構造,種類 の編み機として明確に峻別されている以上,「LOOPWHEEL」の 語が,本件商標の登録査定時において,「巻き上げ機」 「吊り編み機」 と を 包含する「編み機」を指し示す一般的な用語として取引者,需要者に認 識されていたものということはできないから,原告の上記主張は,理由 がない。 なお,原告は,本件審判手続では,「LOOPWHEEL」は,「吊 り編み」又は「吊り編み機」を意味するものと主張していたが,本件訴 訟では,上記のとおり,編み機 「巻き上げ機」 ( あるいは「吊り編み機」 を ) 意味するものとして主張を変更しており,この主張の変更は,原告が,辞 書等から「LOOPWHEEL」が「吊り編み機」だけを意味する語と して把握できないことを自認したからにほかならない。 (イ) インターネットにおける「トンプキン(機)」に関する使用例につ いて 原告は,インターネットにおける「トンプキン機(ループ・ホイール 編み機)」に関する使用例(甲101の1ないし16)を根拠として挙 げて,「トンプキン機(ループ・ホイール編み機)」が,我が国ではほ とんど使用されていなかった旨の本件審決の判断は誤りである旨主張す る。 しかしながら,本件商標については,「LOOPWHEEL」が「吊 り編み機」を意味するものとして取引者,需要者に認識されていたかど うかが問題なのであり,前記(ア)で述べたように,「巻き上げ機」と「 吊り編み機」が異なる構造,種類の編み機として明確に峻別されている 以上,取引者,需要者においても両者を峻別して認識されていたものと いえるから,「巻き上げ機」である「トンプキン機(ループ・ホイール 編み機)」が我が国で使用されていたか否かに関する本件審決の判断の 誤りをいう原告の主張は,本件審決の取消事由とは無関係な指摘にすぎ ない。 (ウ) 「吊り編み機」に関する取引者,需要者の認識について 原告は,インターネットにおける「LOOPWHEEL」に関する使 用例を根拠として挙げて,少なくとも23ものブランドが,「LOOP WHEEL」を「吊り編み」,「吊り編み機」として認識している旨主 張する。 しかしながら,原告の主張は,以下のとおり理由がない。 a 原告が指摘する23ブランドのうち,ブランドの公式サイトや公式 通販サイト,公式ブログでの使用例は9ブランドにすぎず,しかも,そ の中に大手ブランドは一切含まれていない。また,上記23のブラン ドのうち,大手ブランドは,EDWIN,J.CREW,チャンピオ ン(CHAMPION)の3件のみであるが,EDWINについては ブランドの公式サイトではなく販売店1店舗だけの使用例(甲103 の17),J.CREWについては並行輸入ショップ1店舗だけの使 用例(甲103の25),チャンピオン(CHAMPION)につい ては,古着販売店1店舗での使用例(甲103の48)にすぎない上 に,英語を母国語とする米国発の有名ブランドであるチャンピオン自 体は,その公式サイト等(乙39の1ないし3)において英語表記と して「LOOPWHEEL」を一切使用していない。 したがって,原告が挙げる使用例は,23ブランドとは名ばかり で,ごく些細な一部での使用例にすぎない。 b 原告が指摘する23ブランドの使用例の全てにおいても,「吊り編 み」,「吊り編み機」の語が必ず併記して使用されており,「LOO PWHEEL」単体での使用例は含まれていない。このことは,「L OOPWHEEL」だけを目にした取引者,需要者が,その意味を全 く理解できないことを意味する。 c 「吊り編み」,「吊り編み機」,その短縮形である「吊り」,「吊 り機」の用語については,原告が指摘する「LOOPWHEEL」と 併記した使用例(甲103の1ないし53)にとどまらず,それ以外 にも,繊維業界の2大日刊新聞(繊研新聞,繊維ニュース),日経M J,日本経済新聞,生地商や繊維メーカー各社が使用するほか,大手 ブランド各社,大手セレクトショップ各社,海外の有名ブランド各 社,その他のブランド各社,及びそれらの販売店や個人ブログなどに おいて,極めて多くの使用例(乙1ないし170(枝番を含む。))が ある。ところが,これらの多数の「吊り編み」,「吊り編み機」,「 吊り」,「吊り機」等の使用例においては,その英語表記として「L OOPWHEEL」の併記は一切されていない。 このように「LOOPWHEEL」を一切使用せず,「吊り編み」 「 , 吊り編み機」等だけを使用する例が,圧倒的多数を占めている。 その結果,「吊り編み」素材を使用した製品については,「吊り編 み」,「吊り編み機」という日本語表記だけで,十分な訴求力がある とともに,取引者,需要者にも明確に認知されている。 このことは,「LOOPWHEEL」が「吊り編み」,「吊り編み 機」を意味するものとしては取引者,需要者に認識され得ない,単な る造語であることを示す取引の実情であるといえる。 d 前記aないしcによれば,「LOOPWHEEL」が,「吊り編 み」,「吊り編み機」を示す用語ではないことを圧倒的多数の取引者 が明確に認識し,また,圧倒的多数の取引者,需要者の間では「吊り 編み」,「吊り編み機」を意味するものとして認知されていないとい えるから,仮に取引者,需要者が「LOOPWHEEL」だけを目に した場合に,それが「吊り編み」,「吊り編み機」を意味することを 認識し得ないというべきである。 したがって,「LOOPWHEEL」が「吊り編み」,「吊り編 み機」を意味するものとして取引者,需要者に認識,使用されてい る事実などはおよそ認められない。 (エ) 小括 以上のとおり,本件商標の登録査定時において,「LOOPWHE EL」が,取引者,需要者によって「吊り編み」,「吊り編み機」を 意味するものとして認識し,使用されていた事実はおよそ認められ ず,また,「LOOPWHEEL」の語だけを目にした取引者,需要 者の圧倒的多数は,その意味を全く理解できなかったものといえる。 もっとも,「loop wheel」は,巻き上げ機に使用される 「部品」の英語表記であり,巻き上げ機自体が取引される場合には,そ の部品の名称も取引に際し必要適切な表示と解される余地もある。し かしながら,本件商標の指定商品には巻き上げ機自体は含まれていな いし,巻き上げ機の部品の表示は,指定商品を流通させるために通常 必要とされる表示ではないから,「loop wheel」の表示 は,本件商標の指定商品の取引に際し必要適切な表示として何人もそ の使用を欲するものとはいえない。 そうすると,本件商標は,その指定商品に使用した場合,取引者,需 要者に特定の意味合いを理解させない造語を表したと認識される商標 であって,自他商品の識別標識としての機能を発揮し得るものである として,本件商標がその登録査定時において商標法3条1項3号に該 当しないとした本件審決の判断に誤りはない。 (2) 取消事由2に対し 前記(1)で述べたとおり,「LOOPWHEEL」は,「巻き上げ機」を 意味する語ではあっても,「吊り編み機」を意味する語ではない。また,「 LOOPWHEEL」は,「吊り編み機」を意味する語として,本件商標 の指定商品の取引者や需要者によって認知されているとはいえないし,「 巻き上げ機」を意味する語としてすら,その取引者や需要者によって認知 されているとはいえない。 したがって,本件商標をその指定商品に使用したときに,商品の品質に ついて誤認を生じさせるおそれはないから,本件商標がその登録査定時に おいて商標法4条1項16号に該当しないとした本件審決の判断に誤り はない。 第4 当裁判所の判断 1 取消事由1(商標法3条1項3号該当性の判断の誤り)について 原告は,本件商標に接する取引者,需要者の間では,本件商標は,「巻き上 げ機又は吊り編み機で編まれた生地」程度の意味合いを認識させ,指定商品の 「織物(「畳べり地」を除く。)」又は「メリヤス生地」の品質を表示したも のとして認識されるから,自他商品の識別標識としての機能を果たすことがで きず,また,仮に被告による本件商標の独占を認めた場合には,他のアパレル メーカーが,「吊り編み機」を使用した被服等の製造・販売に携わるのが困難 となるのはもちろんのこと,吊り編み機を所有し,その技術を継承し,吊り編 み機による事業に特化してきた業者は,発注元を失うことになり,商標法1条 が規定する同法の目的に反することとなるから,本件商標は,その登録査定時 (平成24年5月30日)において,同法3条1項3号に該当する商標であっ たというべきであり,同号の該当性を否定した本件審決の判断は誤りである旨 主張するので,以下において判断する。 (1) 認定事実 ア 本件商標の構成等 本件商標は,「LOOPWHEEL」の欧文字を標準文字で横書きに書 してなる商標である。 本件商標は,「輪」 「ループ」 , などの意味を持つ英単語の「loop」の 語の大文字「LOOP」と,「車輪」,「ホイール」などの意味を持つ英 単語の「wheel」の語の大文字「WHEEL」を組み合わせて,これ を一連表記した商標であって,各構成文字が同じ大きさ,等間隔で表され ており,外観上一体のものとして把握される。 また,本件商標からは,「ループホイール」又は「ループウイール」の 称呼が自然に生じる。 イ 繊維関連の専門書,辞書及び辞典類の記載 証拠(甲50の3,4,100の1ないし18)によれば,別表の(ア) ないし(ト)に係る繊維関連の専門書,辞書及び辞典類には,「ループホイ ール」等の語に関し,次のような記載があることが認められる。 (ア) 「ループ・ホイール編み機」は,ヒゲ針を垂直に配し,「ループ・ ホイール」と呼ばれる部品を備えた円形の編み機であり,巻取装置が編 成装置の上方にあって,編地を上部に巻き上げる「巻き上げ機」である。「 ループ・ホイール編み機」は,「ループ・ホイール機」,「トンプキン 編み機」,「トンプキン機」とも呼ばれる。 「ループ・ホイール編み機」は,「Loop wheel fram e」,「ループ・ホイール機」は,「Loop wheel mach ine」,「Loop wheel knitting machin e」,「巻き上げ機」は,「loop wheel machine」と それぞれ英語表記される。 (イ) 「吊り編み機」 ヒゲ針を放射状に配し, は, 「シンカー・ホイール」と 呼ばれる部品を備えた円形の編み機であり,本体を1本のシャフトに吊 って,編地を下方に巻き取る。「吊り編み機」は,「吊り機」,「つり 丸編み機」,「スィッツル」とも呼ばれる。 「吊り編み機」は,「French circular fram e」,「French circular knitting fra me」,「French circular knitting ma chine」,「吊り機」は,「French circular f rame」 「French , circular knitting m achine」,「Sinker wheel frame」とそれぞ れ英語表記される(別表の(イ),(エ),(カ)ないし(コ),(ス)ないし( タ),(テ))。 もっとも,「吊り編み機」について,「French circul ar loop wheel frame」と英語表記した例(別表の( イ))や,「つり丸編み機」について,「French loop wh eel knitting machine」と英語表記した例(別表 の(シ),(ソ),(チ),(ツ),(ト))がある。 ウ インターネットのウェブページにおける使用例 本件商標の登録査定日(平成24年5月30日)前に,ファッションブ ランド(被告を含む。)関連のウェブページに掲載されたことが確認でき る「LOOPWHEEL」等の語の使用例としては,次のものがある。 (ア) 「FUJISO」関連 「…吊り編みとは,英語でloopwheel(ループウィール)=日本語で吊 り編み機という古き良き時代の編み機で編まれた生地のことです。 ( …」 FUJISO Onlineshop)(甲103の1) (イ) 「BARNS」関連 「…英語で「LOOPWHEEL=ループウイール」と呼ばれる小寸編み機の写 真です。…」(株式会社高荘ウェブページ)(甲103の2),「…こ のTシャツ,和歌山県に現存する大正時代の貴重な吊り編み機で編みこ まれています。『LoopWheel』ループウィールっていうんですがなにしろ この吊り編み機,1時間で編める長さはたったの1mなので1日にわず か12,3枚しか出来上がらないペースでゆっくりと時間を掛けて空気 と一緒に生地を編んでいくんです…」(favoriteブログ)(甲103の 3) (ウ) 「nrab」関連 「…メンズの方ではおなじみ,Loopwheel。吊り編み。…」(NATTO C AFE & CLOTHINGブログ)(甲103の14) (エ) 「Desertic」関連 「…吊り編みとは,英語でloopwheel(ループウィール)=日本語で吊 り編み機という古き良き時代の編み機で編まれた生地のことです。 ( …」 Vaseブログ)(甲103の15),「…ボディはLOOP WHEEL(吊り編み 機)でゆっくりゆっくりと編みたてた生地を使用良質な素材使いもポイ ントなんです。…」(kink sakaeブログ)(甲103の16) (オ) 「FilMelange」関連 「…■About Loop-Wheel Machine 20世紀初頭,日本に輸入された 世界初の機械量産丸編み機,通称『吊り編み機』。…」(happy−go−l uckyブログ)(甲103の18),「…FilMelange”製造のLOOP WHEEL 丸編み機で編み上げたオーガニック丸胴生地を…」(TYOマガジンウェブ ページ)(甲103の19),「…FilMelange製造のLOOP WHEEL丸編み 機で編み上げたオーガニック丸胴生地を…」(Web Magazine OPENERS)( 甲103の20),「…LOOP WHEEL MACHINE FilMelange製品は,『吊 り編み機』という1950年代生まれの丸編み機で生地を編んでいま す。…」(OSHMAN'Sブログ)(甲103の21),「…LOOP WHEEL MAC HINE FilMelange製品は,『吊り編み機』という1950年代生まれの 丸編み機で生地を編んでいます。…」(F.O.B STOREブログ)(甲103 の22) (カ) 「Pure blue japan」関連 「…ループウィール(loopwheel)とは,”吊り編み機”という古き良 き時代の編み機で編まれた生地の事です。…」(pure blue japanブロ グ)(甲103の26) (キ) 「Gallery1950」関連 「…ちなみにこちら,ヴィンテージのトレーナーなどに良く見られ る,昔ながらの吊り編み機(ループウィール)製法という今では日本に しか実在しない,編み機で作られております。…」(DOUBLEDUTCH CO., LTD.ブログ)(甲103の28) (ク) 「a Package from Art Decades」関連 「…その下に書いてある『KNNITTED BY LOOPWHEEL』という表記です が,『LOOPWHEEL』とは日本語で,「吊り編機」を意味します。」(1L DKブログ)(甲103の33),「…また,無地のシリーズは吊り編み 機(Loopwheel)を使いながらも,あえて細番手の高品質な糸(コットン 90% / カシミア10%)で編まれた天竺をベースに,上質なデイリーウ ェアとして構成されている。…」(MAKES co.,ltd.ウェブページ)(甲 103の34) (ケ) 「UNDERKING」関連 「…ループウィルが入荷しました…」,「…ループウィルとは!?明 治時代から,昭和30年代までに活躍した吊編み機です。…」(UNDERK INGブログ)(甲103の43) (コ) 「STUDIO D’ARTISAN」関連 「…昔の吊編み機(ループウィール)で時間をかけて生地を編む為,繊 維が潰れず柔らかさと極上の着心地・保温性を保っている…」(STUDIO D'ARTISAN&SAブログ)(甲103の45) (サ) 「TRANSIENT EXISTANCE」関連 「…お得意の吊り編機(ループウィールマシン)を使った上質なスウ ェットシャツなどもライナップされており…」(UNIVERSAL RADIOブロ グ)(甲103の49) (シ) 「FABFOUR SKULL JEANS」関連 「LOOP WHEEL MACHINE」,「…最近随分とポピュラーになっている吊 り編み=LOOP WHEEL(ループウィール)とはデニムの旧式シャトル機同 様に現代でいう非効率な旧式な織り機で編まれたニット生地の事で す。…」(FABFOUR BLOG)(甲103の53) (ス) 被告関連 「…生地が「ループウィール・マシーン」=日本語で「吊り編み機」で 作られてるから風合いが長持ちするのです。…」,「…吊り編み機=LO OPWHEEL Machineを使用することについて LOOPWHEELERの語源となって いる,「吊り編み機=Loopwheel Machine」は1960年半ばまではスウェッ トシャツの生地を生産するにはごく一般的な編み機でした。…」(LOOP WEELERウェブページ)(甲104の1),「…吊り編み機=Loop wheel machineを使用することについて LOOPWHEELERの語源となっている,「 吊り編み機=Loop wheel machine」は1960年半ばまではスウェットシャ ツの生地を生産するにはごく一般的な編み機でした。…」(LOOPWEELER ONLINE STORE)(甲104の2),「…そんな失われつつあった吊り編 み機(ループウィール)によるスウェットシャツのスウェットシャツた る所以を取り戻すべく立ち上がったのが『LOOPWEELER ループウィラー) ( 』 の A 氏である。 (Joy-Quest.comウェブページ) …」 (甲105の1) 「 , …ウインドウに掲げられた吊り編み機(英語でループウィール)が目を 引くからだ。…」(日経ビジネスONLINE)(甲105の2),「…ドイ ツの吊り編み機が『loopwheel machine』と呼ばれていたと機械メーカー の人が教えてくれたことからブランド名が付けられた。…」(FERICウェ ブページ)(甲105の3),「…そのブランド名は,「ループウィー ル=吊り編み機」に由来する。…」(BEYES MENウェブページ)(甲10 5の4),「…吊りあみ機(ループウィールマシン)で,時間をかけて 編み上げられたスウェット素材は,しなやかさとタフさ備える。…」(T OKYObikeウェブページ)(甲105の5),「…ループウィラーの製品 は全て吊り編機(Loopwheel)を使用して作られています。…」(Online Shop UG.SHAFT)(甲105の6),「…日本に現存する希少な”ループ ウィール マシーン” 吊り編み機” ・ =” によって編んだ生地のみを使用し,正 統なスウェットシャツ,Tシャツを作り続ける『ループウィラー(LOOPW HEELER)』。…」(EYESCREAM.JP)(甲105の7),「…“ループウ ィラー”というブランド名は,“Loop wheel Machine=吊り編み機”に 由来する。…」(OPENERSウェブページ)(甲105の8),「…ちなみ にブランド名のLOOPWHEELERは吊り編み機のドイツ語(Loopwheel machi ne)から由来する。…」(mensfashion.jpウェブページ)(甲105の 9) エ 雑誌の記載等 「解T新書」(別冊Lightning vol.84,平成22年5 月30日発行)の被告の紹介記事には,「ブランド名の語源をループウィ ール=吊り編み機から取っているループウィラー。スウェットシャツはも ちろんのこと,Tシャツまでループウィールを用いて製作している。スウ ェットにループウィールを用いるブランドは少なくないが,Tシャツにま で吊り編み機を使うのは稀な存在と言える。」などの記載がある(甲10 7の2)。 また,平成23年11月21日放送のテレビ番組「ちい散歩」(テレビ 朝日)におけるリポーターが訪問した被告の店舗(Loopwheele r千駄ヶ谷)を紹介するシーンには,画面上にテロップで,「ループウィ ール・マシーン=日本語で「吊り編み機」 と表示されている 」 (甲106)。 (2) 商標法3条1項3号該当性 ア 商標法3条1項3号の商標が商標登録の要件を欠くとされているの は,このような商標は,指定商品との関係で,その商品の産地,販売地,品 質その他の商品の特性を記述する標章であって,取引に際し必要適切な表 示として何人もその使用を欲するものであるから,特定人によるその独占 使用を認めるのは公益上適当でないとともに,一般的に使用される標章で あって,多くの場合自他商品識別力を欠くものであることによるものと解 される(最高裁昭和54年4月10日第三小法廷判決・裁判集民事226 号507頁参照)。 そうすると,本件商標が商標法3条1項3号に該当するというために は,本件商標の登録査定日である平成24年5月30日の時点において,本 件商標がその指定商品との関係で商品の品質を記述するものとして取引に 際し必要適切な表示であり,一般的に使用され得るものである必要があ り,そのような商標であるというためには,本件商標の指定商品の取引 者,需要者によって本件商標がその指定商品に使用された場合に商品の品 質を表示したものと一般に認識されるものでなければならないと解され る。 イ(ア) そこで検討するに,前記(1)イの認定事実によれば,別表の(ア)ない し(ト)に係る繊維関連の専門書,辞書及び辞典類には,「ループ・ホイ ール」は,巻き上げ機であるループ・ホイール編み機の部品の名称を意 味すること,巻き上げ機と吊り編み機とは,いずれも「円形の編み機」の 範疇に属するが,具体的な構造,編地の巻取方法が異なる別個の編み機 であること,「巻き上げ機」の英語表記は,「loop wheel m achine」であることが記載されているものと認められる。 そうすると,上記繊維関連の専門書,辞書及び辞典類の記載から,「 ループ・ホイール」,「loop wheel」の語は,巻き上げ機であ るループ・ホイール編み機の部品を意味するものと認識され,ひいて は,巻き上げ機そのものを想起させるものといえる。しかしながら,上 記繊維関連の専門書,辞書及び辞典類は,本件商標の指定商品の「織物 (「畳べり地」を除く。)」又は「メリヤス生地」の需要者である一般 消費者が普段接することのない専門的な文献であり,上記記載を根拠と して,一般消費者に「ループ・ホイール」,「loop wheel」の 語から巻き上げ機を想起させるものとまで認めることはできない。 他方で,上記繊維関連の専門書,辞書及び辞典類の記載から,「ルー プ・ホイール」,「loop wheel」の語が,吊り編み機を意味す ることや,「巻き上げ機」と「吊り編み機」を包含する上位概念として の「編み機」の名称を示す一般的な用語であることが認識されるものと までは認められない。 もっとも,上記繊維関連の専門書,辞書及び辞典類には,「吊り編み 機」の英語表記として「French circular frame 」,「French circular knitting fram e」,「French circular knitting mac hine」,「吊り機」の英語表記として「French circu lar frame」,「French circular knit ting machine」,「Sinker wheel fram e」との記載があるが(別表の(イ),(エ),(カ)ないし(コ),(ス)ない し(タ),(テ)),他方で,「吊り編み機」について,「French c ircular loop wheel frame」と英語表記した 例(別表の(イ))や,「つり丸編み機」について,「French l oop wheel knitting machine」と英語表記 した例(別表の(シ),(ソ),(チ),(ツ),(ト))もある。 しかしながら,別表の(イ)については,「つりあみき(「吊編機(Fr ench circular frame,French circular loop wheel frame)」との記載 がある一方で,「巻き上げ機」を意味するものとして「ループホイール き」(Loop wheel machine)」との記載もあること(甲100の2), 日本語と英語が併記されている場合には,まず日本語の方に着目するの が通常であることからすると,上記英語表記中の「loop whee l」の語が「吊り編み機」を意味するものと認識されるものとは直ちに いい難い。また,別表の(シ)については,「つり丸編機 (定義)本体 が1本のシャフトにつられ,ひげ針を放射状に配列し,シンカホイール を備え,編地を下方に巻き取る丸編機 (参考対応英語)French loop wheel knitting machine」と記載され,上記「定義」中には「つり丸編 機」が「シンカホイール」を備えているとの記載があること(甲100 の10)などからすると,上記英語表記中の「loop wheel」 の語が「吊り編み機」を意味するものと認識されるものとは直ちにいい 難い。同様に,別表の(ソ)については,「French loop wheel knitting machine:つり丸編機」と記載がある一方で,「loop wheel machine:巻 上編機」との記載があること(甲100の13),同(チ),(ツ),(ト) については,「つり丸編機 French loop wheel knitting machine」と の記載がある一方で,巻き上げ機である「トンプキン機」について「ト ンプキン丸編機 tompkin loop wheel knitting machine」との記載があ ること(甲100の15,16,18)などからすると,上記各英語表 記中の「loop wheel」の語が「吊り編み機」を意味するもの と認識されるものとは直ちにいい難い。 したがって,別表の(シ),(ソ),(チ),(ツ),(ト)に係る上記各英語 表記から,「ループ・ホイール」,「loop wheel」の語が,吊 り編み機を意味することや,「巻き上げ機」と「吊り編み機」を包含す る上位概念としての「編み機」の名称を示す一般的な用語であることが 認識されるとはいえない。 (イ) 次に,本件商標の登録査定日(平成24年5月30日)前に,ファ ッションブランド関連のウェブページに掲載された「LOOPWHEE L」等の語の使用例をみると,被告を除く,12のブランド各社に関連 するウェブページ(前記(1)ウ(ア)ないし(シ))において,「吊り編みと は,英語でloopwheel(ループウィール)=日本語で吊り編み機という古 き良き時代の編み機で編まれた生地」 「LOOP WHEEL , (吊り編み機) , 」「 吊り編みとは,英語でloopwheel(ループウィール)=日本語で吊り編み 機という古き良き時代の編み機で編まれた生地」,「ループウィール(l oopwheel)とは,”吊り編み機”という古き良き時代の編み機で編まれ た生地」 「 , 『LOOPWHEEL』とは日本語で,「吊り編機」を意味します。 , 」「 吊り編み=LOOP WHEEL(ループウィール)とはデニムの旧式シャトル機 同様に現代でいう非効率な旧式な織り機で編まれたニット生地」などと 掲載されている。これらの使用例は,「吊り編み」とは,吊り編み機と いう古い時代の編み機で編まれた生地をいい,吊り編み又は吊り編み機 の英語表記が「loopwheel」,「LOOPWHEEL」,「LOOP WHEEL」であり,「 ループウィール」と発音することなどを示すものであり,これらの使用 例に接した者においては,「LOOPWHEEL」等の語が吊り編み又 は吊り編み機を意味することを理解するものといえる。 また,被告関連のウェブページに掲載された「LOOPWHEEL」等 の語の使用例(前記(1)ウ(ス))をみると,「LOOPWHEELERの語源となっ ている,「吊り編み機=Loop wheel Machine」は1960年半ばまではスウ ェットシャツの生地を生産するにはごく一般的な編み機でした。」,「 ループウィラーの製品は全て吊り編機(Loopwheel)を使用して作られて います。」,「“ループウィラー”というブランド名は,“Loop wheel Machine=吊り編み機”に由来する。」などと掲載されている。これらの 使用例に接した者においては,「Loopwheel」の語は,吊り編み機を意味 するものであり,被告のブランド名の「ループウィラー」ないし「LO OPWHEELER」は,「吊り編み機=Loop wheel machine」に由来 し,被告の製品は吊り編み機を使用して製作されていることを理解する ものといえる。 同様に,前記(1)エの「解T新書」(別冊Lightning vo l.84)の被告の紹介記事及びテレビ番組「ちい散歩」(テレビ朝日)に おける被告店舗の紹介シーンに接した者においても,被告のブランド名 の「LOOPWHEELER」は,「吊り編み機」(ループウィール・ マシーン)に由来し,被告の製品は吊り編み機を使用して製作されてい ることを理解するものといえる。 しかしながら,「LOOPWHEEL」等の語の上記使用例は,いず れも, 「LOOPWHEEL」等の語が「吊り編み」 「吊り編み機」 又は の 日本語と併記され,「LOOPWHEEL」等の語が「吊り編み」又は 「吊り編み機」を意味することを説明するのに用いられているのである から,これらの使用例があるからといって,「LOOPWHEEL」の 語のみが単独で本件商標の指定商品の「織物 「畳べり地」 ( を除く。 」 ) 又 は「メリヤス生地」に使用された場合に,需要者である一般消費者の多 数によって,「吊り編み」又は「吊り編み機」を意味するものと認識さ れるとまで認めることはできない。 他方で,繊研新聞,繊維ニュース,日本経済新聞,繊維メーカー各社,大 手ブランド各社等のウェブページ(乙1ないし170(枝番を含む。 ) )に は,「吊り編み機」で編み上げられた生地,被服に関する紹介記事,広 告宣伝等において,「吊り編み」,「吊り編み機」の語を使用した多数 の使用例があるが,これらの使用例では,「LOOPWHEEL」等の 語が併記されていない。このことは,「吊り編み」,「吊り編み機」の 語に「LOOPWHEEL」等の語を使用しなくても,「吊り編み機」で 編み上げられた生地又は被服の商品であることを示すことに支障がない ことをうかがわせるものといえる。 (ウ) 上記(ア)及び(イ)によれば,前記(1)イないしエの「LOOPWHE EL」等の語に関する繊維関連の専門書,辞書及び辞典類の記載,イン ターネットにおける使用例及び雑誌の記載等から,本件商標の登録査定 日である平成24年5月30日の時点において,本件商標の指定商品の 取引者,需要者によって「LOOPWHEEL」の語が「巻き上げ機」又 は「吊り編み機」を意味するものと一般に認識されるものであったとは 認めることはできない。他にこれを認めるに足りる証拠はない。 そうすると,本件商標の登録査定日の時点において,本件商標に接す る取引者,需要者によって,本件商標が「巻き上げ機又は吊り編み機で 編まれた生地を使った被服」あるいは「巻き上げ機又は吊り編み機で編 まれた被服」程度の意味合いを認識させ,指定商品の「織物(「畳べり 地」を除く。)」又は「メリヤス生地」の品質を表示したものとして認 識されるものであったとは認められない。 ウ 以上によれば,本件商標の登録査定時において,本件商標が指定商品の 「織物(「畳べり地」を除く。)」又は「メリヤス生地」との関係で商品 の品質を記述するものとして取引に際し必要適切な表示であって,一般的 に使用され得るものであるとは認められないから,本件商標がその登録査 定時において,商標法3条1項3号に該当する商標であったと認めること はできない。 (3) 原告の主張について ア 原告は,@多くの繊維関連の専門書,辞書及び辞典類において,「LO OPWHEEL」が「巻き上げ機」の英語,又は「吊り編み機」若しくは 「つり丸編み機」の英語の一部として説明されており,また,被告も,辞 書等に「LOOPWHEEL」の語が「巻き上げ機」を意味するものとし て記載されていることを自認していること,A本件商標の指定商品の取引 者,需要者の間において,「LOOPWHEEL」が「吊り編み機」を意 味するものとして認識され,使用されているという現状があること,B被 告自身も,「LOOPWHEEL」は「吊り編み機」を意味するものとし て認識し,使用してきたことなどを根拠として挙げて,本件商標がその登 録査定時において,本件商標に接する取引者,需要者の間では,「LOO PWHEEL」は,「巻き上げ機又は吊り編み機で編まれた生地」程度の 意味合いを認識させるにとどまり,本件商標の指定商品である「織物(「 畳べり地」を除く。)」又は「メリヤス生地」の商品の品質を表したもの と認識するから,自他商品の識別標識としての機能を果たすことができな い旨主張する。 しかしながら,上記@の点については,前記(2)イ(ア)で説示したとお り,前記(1)イの繊維関連の専門書,辞書及び辞典類の記載から,「ループ ・ホイール」,「loop wheel」の語は,巻き上げ機であるループ ・ホイール編み機の部品を意味するものと認識され,ひいては,巻き上げ 機そのものを想起させるものといえるが,他方で,吊り編み機を意味する ことや,「巻き上げ機」と「吊り編み機」を包含する上位概念としての「 編み機」の名称を示す一般的な用語であることが認識されるものとは認め られない。また,上記繊維関連の専門書,辞書及び辞典類は,本件商標の 指定商品の「織物(「畳べり地」を除く。)」又は「メリヤス生地」の需 要者である一般消費者が普段接することのない専門的な文献であり,上記 記載を根拠として,一般消費者に「ループ・ホイール」,「loop w heel」の語から巻き上げ機を想起させるものとまで認めることはできな いし,専門業者である被告が上記専門書,辞書等に「LOOPWHEEL」の 語が「巻き上げ機」を意味するものとして記載されていることを自認して いるからといって一般消費者が「LOOPWHEEL」の語から同様の認 識を持つものとは直ちにはいえない。 次に,上記A及びBの点については,前記(2)イ(イ)で説示したとおり,前 記(1)ウ及びエの「LOOPWHEEL」等の語に関するインターネット等 における使用例から,「LOOPWHEEL」の語のみが単独で本件商標 の指定商品の「織物(「畳べり地」を除く。)」又は「メリヤス生地」に 使用された場合に,需要者である一般消費者の多数によって,「LOOP WHEEL」の語から「吊り編み」又は「吊り編み機」を意味するものと 認識されるものとは認められない。 また,上記使用例によれば,被告は,「Loopwheel」の語が吊り編み機の 英語表記であるとの認識の下に,被告のブランド名の「LOOPWHEE LER」は,「吊り編み機=Loop wheel machine」に由来する旨の広告宣 伝をしていたことが認められるが,このような被告自身の認識が一般消費 者の多数の認識と一致するとまで認めるに足りる証拠はない。なお,原告 は,前記(1)ウのインターネットにおける使用例のほかに,本件商標の登録 査定日後の使用例や,記事掲載日が特定できない使用例も,本件商標の登 録査定時において,「LOOPWHEEL」の語が「吊り編み」,「吊り 編み機」を意味するものとして使用されていたことの根拠となり得る旨主 張(前記第3の1(1)ウ(イ))するが,本件商標の登録査定日以前に使用さ れていたことが確認できない以上,上記主張は採用することができない。 以上によれば,本件商標がその登録査定時において,本件商標に接する 取引者,需要者の間では,「LOOPWHEEL」は本件商標の指定商品 である「織物(「畳べり地」を除く。)」又は「メリヤス生地」の商品の 品質を表したものと認識し,本件商標は,自他商品の識別標識としての機 能を果たすことができないとの原告の主張は,理由がない。 イ 次に,原告は,仮に被告による本件商標の使用の独占を認めた場合に は,他のアパレルメーカーが,「吊り編み機」を使用した被服等の製造・ 販売に携わるのが困難となるのはもちろんのこと,吊り編み機を所有し,そ の技術を継承し,吊り編み機による事業に特化してきた業者は,発注元を 失うことになり,商標法1条が規定する同法の目的に反することとなる旨 主張する。 しかしながら,前記(2)ウのとおり,本件商標の登録査定時において,本 件商標が指定商品の「織物(「畳べり地」を除く。)」又は「メリヤス生 地」との関係で商品の品質を記述するものとして取引に際し必要適切な表 示であって,一般的に使用され得るものであったものとは認められない。 そうすると,被告による本件商標の商標登録を認めたからといって公益 上適当でないということはできないし,また,原告が主張するような事態 を招来するものとは認め難い。 したがって,原告の上記主張は,理由がない。 (4) 小括 以上のとおり,本件商標がその登録査定時において商標法3条1項3号に 該当する商標であったものと認められないから,これと同旨の本件審決の判 断に誤りはなく,原告主張の取消事由1は理由がない。 2 取消事由2(商標法4条1項16号該当性の判断の誤り)について 原告は,「LOOPWHEEL」は,編み機(「巻き上げ機」あるいは「吊 り編み機」)を意味する語として,その取引者や需要者によって認知されてお り,「被服」を取り扱う業界においては,「巻き上げ機又は吊り編み機で編ま れた生地」程度の意味合いを認識させるにすぎないものであり,本件商標をそ の指定商品中「巻き上げ機又は吊り編み機で編まれた生地以外の生地」につい て使用するときは,商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから,本 件商標は,その登録査定時(平成24年5月30日)において,商標法4条1 項16号に該当する商標であったというべきであり,同号の該当性を否定した 本件審決の判断は誤りである旨主張する しかしながら,前記1(2)イ(ウ)で説示したとおり,本件商標の登録査定日の 時点において,本件商標に接する取引者,需要者によって,本件商標が「巻き 上げ機又は吊り編み機で編まれた生地」程度の意味合いを認識させ,指定商品 の被服の品質を表示したものとして認識されるものであったとは認められ ず,本件商標が編み機(「巻き上げ機」あるいは「吊り編み機」)を意味する 語として,取引者や需要者によって認知されていたとはいえないから,原告の 上記主張は,その前提において,採用することができない。 したがって,原告主張の取消事由2は理由がない。 3 結論 以上の次第であるから,原告主張の取消事由はいずれも理由がなく,本件審 決にこれを取り消すべき違法は認められない。 したがって,原告の請求は棄却されるべきものである。 知的財産高等裁判所第4部 裁判長裁判官 富 田 善 範 裁判官 大 鷹 一 郎 裁判官 齋 藤 巌 (別表) 記号 発行年 分類 (ア) 昭和4年 「ループ・ホィール編機」(Loop 「ループ・ホィー 「フランス式円型編機 wheel frame) ル編機」 (French circular frame)」 =「巻上げ機」 =部品 =「釣機械」 =「スウィツル式」 (イ) 昭和26年 「トンプキン機」(Tompkin’s lo − 「吊編機(French circular fram op wheel frame)」 e,French circular loop wheel =「巻上機」 frame)」」 =「ループ・ホイールき(Loop wh =「フランス式丸編機」 eel machine)」 =「吊機械」 =「トンプキン式巻上編機」 =「單につり」 =「スイッツル」 (ウ) 昭和27年 「ループ・ホイール・フレーム」 「ループ・ホイー 「シンカー ホイールを有する佛 ・ =「ループ・ホイールき(Loop wh ル」 式編機」 eel machine)」 =部品 =「吊り機」 =「トンプキン機」 =「スイッツル」 =「巻上げ機」 =「仏式」 (エ) 昭和28年 「ループ ホィール編機(Loop wh 「ループ・ホイー 「吊編機」 eel frame)」 ル」 =「フランス式円型編機(Frenc =「トムプキン」 =部品 h circular knitting frame)」 =「巻き上げ機」 =「スイツル」 (オ) 昭和32年 「ループホエール編機」 − 「円型編機」 =「巻上機」 =「スイツル」 =「トンプキン」 =「吊機」 (カ) 昭和38年 「トムプキン編機(Loop Wheel Fr − 「吊編機(French Circular Knit ame)」 ing Frame)」 =「ループ・ホイール編機」 =「吊機」 =「巻き上げ機」 =「スイッツル」 (キ) 昭和40年 「巻上げ機(Loop Wheel machine) − 「吊編機(French circular fra 」 me)」 =「トンプキン機」 =「つりき(French circular fr =「ループ・ホイール機(Loop Wh ame,Sinker wheel frame)」 eel kniting machine)」 =「スイッツル」 =「スイッル」 (ク) 昭和40年 「捲上機(loop wheel machine)」 「loop wheel」 「吊機(French circular frame, =「トンプキンス」 =部品 Sinkes wheel machine)」 =「吊」 =「スイッツル」 =「捲下げ機」 (ケ) 昭和42年 「捲上機(loop wheel machine)」 =「loop wheel」 「吊機(French circular frame =「トンプキンス」 =部品 sinkes wheel machine)」 =「吊」 =「スイッツル」 =「捲下げ機」 (コ) 昭和43年 「トンプキン機(Tompkin’ loop s − 「吊編機(French circular fram wheel machine)」 e)」 =「巻上げ機(loop wheel machin =「つりき(French circular fr e)」 ame,Sinker wheel frame)」 =「ループ・ホイール機(Loop wh =「スイッツル」 eel kniting machine)」 =「スイッル」 =「つりあみき」 (サ) 昭和48年 − ループホイール − =部品 (シ) 平成11年 「トンプキン編機(Tompkin loop − 「つり丸編機(French loop whee wheel knitting machine)」 l knitting machine)」 (ス) 平成14年 「トンプキンス編機(Tompkin’s − 「吊り編機(French circular kn knitting machine)」 itting machine)」 =「巻き上げ機(loop wheel mach =「台丸編機」 ine)」 =「シンカートップ編機」 (セ) 平成15年 「トンプキンス編機(tompkins)」 − 「吊編機(sinker wheel frame =「巻上機」 )」 =「ループ・ホイール・マシン(l =「スイッツル」 oop wheel machine)」 (ソ) 平成16年 「巻上編機(loop wheel machine − 「つり編機(つり機)」 )」 =「French circular frame」 「つり丸編機」 =「French loop wheel knitting machine」 (タ) 平成18年 「トンプキン機(tompkin’ loop s − 「吊編機(French circular fram wheel machine)」 e)」 =「巻上げ機」 =「吊機」 =「スイッツル」 (チ) 平成19年 「トンプキン丸編機(tompkin loo − 「つり丸編機(French loop whee p wheel knitting machine)」 l knitting machine)」 (ツ) 平成22年 「トンプキン丸編機(tompkin loo − 「つり丸編機(French loop whee p wheel knitting machine)」 l knitting machine)」 (テ) 平成24年 「トンプキンス編機(Tompkin’s − 「吊り編機(French circular kn knitting machine)」 itting machine)」 =「巻き上げ機(loop wheel mach =「台丸編機」 ine)」 =「シンカートップ編機」 (ト) 平成24年 「トンプキン丸編機(tompkin loo − 「つり丸編機(French loop whee p wheel knitting machine)」 l knitting machine)」 |