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事件 |
平成
26年
(行ケ)
10113号
審決取消請求事件
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裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
判決言渡日 | 2014/10/29 |
権利種別 | 商標権 |
訴訟類型 | 行政訴訟 |
判例全文 | |
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判例全文
平成26年10月29日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 平成26年(行ケ)第10113号 審決取消請求事件 口頭弁論終結日 平成26年10月1日 判 決 原 告 X 訴訟代理人弁護士 浜 田 治 雄 被 告 マルブルグ タペテンファブリッ ク ジェー.ビー.シェーファー ゲーエムベーハー ウント コン パニー カーゲー 訴訟代理人弁理士 廣 江 武 典 同 廣 江 政 典 同 西 尾 務 同 橋 本 哲 同 服 部 素 明 同 吉 田 哲 基 同 中 山 公 博 同 隅 田 俊 隆 主 文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 特許庁が取消2013−300199号事件について平成26年3月26 日にした審決を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 第2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯等 原告は,以下の商標(登録第1249896号。以下「本件商標」という。) の商標権者である(甲15,乙1,2)。 (本件商標) 登録出願:昭和48年4月26日 設定登録:昭和52年2月10日 更新登録:昭和62年7月22日,平成9年8月8日,平成19年2月2 7日 指定商品:第5類「防虫紙」,第17類「コンデンサーペーパー,石綿紙, バルカンファイバー」,第27類「壁紙」,第28類「昆虫採 集用具」 被告は,平成25年3月12日,特許庁に対し,本件商標は,その指定商 品である第17類「コンデンサーペーパー,石綿紙,バルカンファイバー」 及び第27類「壁紙」について,継続して3年以上日本国内において商標権 者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実がないから商 標法(以下「法」という。)50条1項の規定により取り消されるべきであ るとして,本件商標の商標登録(以下「本件商標登録」という。)の取消し を求めて審判(以下「本件審判」という。)を請求し(以下「本件取消請求」 という。),本件取消請求は,同月29日に登録された。 特許庁は,本件取消請求を取消2013−300199号事件として審理 し,平成26年3月26日,「登録第1249896号商標の指定商品中, 第17類「コンデンサーペーパー,石綿紙,バルカンファイバー」及び第2 7類「壁紙」については,その登録は取り消す。」との審決(以下「本件審 決」という。)をし,その謄本は,同年4月3日,原告に対して送達された。 原告は,平成26年5月2日,本件審決の取消しを求める本件訴訟を提起 した。 2 本件審決の理由の要旨 本件審決の理由は,別紙審決書の写しのとおりであり,その要旨は以下のと おりである。 原告が本件取消請求に係る商品又は商品の包装に本件商標を付したことを明 らかにする証拠は見当たらないから,法2条3項1号にいう使用行為があった ものとは認められない。本件取消請求に係る商品又は商品の包装に本件商標を 付したものを譲渡し,引き渡し,譲渡若しくは引渡しのために展示し,輸出し, 輸入し,又は電気通信回線を通じて提供したことを明らかにする証拠は見当た らないから,同項2号にいう使用行為があったものとは認められない。本件取 消請求に係る商品に関する広告,価格表若しくは取引書類に本件商標を付して 展示し,若しくは頒布し,又はこれらを内容とする情報に本件商標を付して電 磁的方法により提供したことを明らかにする証拠は見当たらないから,同項8 号にいう使用行為があったものとは認められない。原告は原告が行っている商 品「壁紙」を販売するための宣伝・広告等の営業活動は,法2条3項1号,2 号及び8号に該当する旨主張するが,原告が行っていた業務は,被告の業務に 係る商品「壁紙」の紹介,案内及び提案等であるから,他人のために行う労務 又は便益,すなわち役務の提供に相当するものであって,本件商標が本件取消 請求に係る指定商品について使用されたものとは認められない。原告は,とり わけ商品「壁紙」を販売するための広告に本件商標を使用したといえる旨主張 するが,法2条3項8号に規定する広告とは,自己の業務に係る商品「壁紙」 の広告でなければならないところ,原告は他人(被告)の業務に係る商品「壁 紙」の見本帳等を持って関係各社を訪問し,商品「壁紙」やその製造ノウハウ を販売するため各種壁紙の紹介,案内及び提案等を行っていたことから,これ を自己(原告)の業務に係る商品「壁紙」の広告に本件商標を使用していたも のとはいえない。以上のとおりであるから,原告は,本件取消請求の登録前3 年以内(以下「要証期間内」という。)に日本国内において,商標権者,専用 使用権者又は通常使用権者のいずれかが,請求に係る指定商品について,本件 商標を使用した事実を証明し得なかったものといわなければならない。 3 取消事由 本件商標の使用の有無に係る判断の誤り 第3 当事者の主張の要旨 〔原告の主張〕 1 従来であれば,商品「壁紙」の生産者である被告は,日本国内において当該商 品を販売するためには,自ら販売網を構築して直接販売するか,商社等を通じて 販売するしかなく,コストや労力の負担が大きかった。そこで,原告は,被告に 代わって,商品「壁紙」の販売促進のための宣伝・広告等の営業活動を,顧客と なり得る日本の特定の企業・事業者に対して,個人の立場で行い,その結果,商 品「壁紙」の購入を希望するに至った企業・事業所は,原告を介することなく直 接生産者である被告に発注することにしたもので,これにより,生産者である被 告が自ら販売網を構築したり,商社等を通じて販売するのに費やす労力やコスト を減らし,同時に原告も商品の売買に伴う事務処理に忙殺されることなく,商品 「壁紙」の販売促進のための宣伝・広告等の営業活動に集中することができるよ うにしたものである。 2 そこで,原告は,平成19年5月21日,被告との間でマーケティングコンサ ルタント契約(以下「本件契約」といい,その契約書(甲1)を「本件契約書」 という。)を締結した上で,別紙の商標(以下「本件使用商標」という。)を付 した商品「壁紙」の見本帳(甲2)や壁紙現物見本等を携え,企業や事業所を訪 問して商品「壁紙」の販売促進の営業活動を行っている。上記原告の行為は,法 2条3項1号,2号及び8号に規定される,自己の業務に係る「商品又は商品の 包装に標章を付する行為」 「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し, , 引き渡し,譲渡若しくは引渡しのために展示し,輸出し,輸入し,又は電気通信 回線を通じて提供する行為」及び「商品若しくは役務に関する広告,価格表若し くは取引書類に標章を付して展示し,若しくは頒布し,又はこれらを内容とする 情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当し,とりわけ同法2 条3項8号に該当するものであるから,本件商標は,要証期間内に,原告により 商品「壁紙」について使用されている。 3 被告は,本件契約は,平成21年6月に終了した旨主張するが,同時点におい て,被告は原告に対して本件契約に基づく手数料を平成19年5月分から全く支 払っておらず,被告による本件契約の解除は一方的なものであって,権利の濫用 (民法1条3項)に当たり又は公序良俗に違反(民法90条)するものであるか ら,認められない。原告は,被告に対し,再三にわたり手数料の支払を求めてき たが,これ以上支払がなければ法的措置を取ることを検討している旨を平成24 年12月1日付けで通知したところ,平成25年1月にようやく被告から支払を 受けた。しかし,同支払額は原告に支払われるべき手数料の全額ではないため, 本件契約は有効に継続し,原告は,依然として本件契約に基づき,被告に対する サービスを提供している。 4 また,仮に本件契約が終了しているとしても,原告による本件商標の使用に影 響を与えるものではない。原告は,本件契約によって本件商標の使用権を得てい るものではなく,商標権者として,本件契約が終了しているか否かにかかわらず, 本件商標を指定商品の「壁紙」等に独占的に使用する権限を有するからである。 5 以上のとおり,商標権者である原告が,要証期間内に日本国内において,本件 取消請求に係る指定商品中,少なくとも「壁紙」について本件商標の使用をして いる事実は明らかであるから,商標権者による使用の事実が証明されていないと する本件審決は,法2条3項に規定される登録商標の使用の解釈を誤ったもので あり,取り消されなければならない。 〔被告の主張〕 1 原告は,本件契約に基づいて,壁紙の見本帳(甲2)を携えて企業や事業所 を訪問し,被告が製造販売する商品である「壁紙」の紹介,案内及び提案等を 行うなど,被告の製造販売する商品「壁紙」の販売促進の営業活動を行ってい たが,かかる原告の行為は,「商品の販売に関する情報提供及び助言」又は「商 品の販売促進」に相当する役務であって,原告はこの役務の対価を被告から得 ていた。また,上記壁紙の見本帳は,被告が製造販売する商品「壁紙」の販売 促進及び宣伝広告のために,被告が本件使用商標を付して作成したものであっ て,その背表紙には黄色地に「WATARI」の文字,住所及び電話番号が記 載されているが,これは,原告が,関係各社を訪問して被告が製造販売する商 品「壁紙」の紹介,案内及び提案等をする際に,原告が便宜上自己の名称と連 絡先を記載したものである。このように,原告は,「商品の販売に関する情報 提供及び助言」及び「商品の販売促進」に相当する役務を提供したにすぎない のであって,原告の上記行為は,法2条3項1号,2号及び8号のいずれにも 該当しない。 このことは,本件契約書(甲1)によっても明らかである。本件契約書の2 項には「X氏は,壁装材セグメントにおいてマルブルグ社の壁装材の代理者と して専属的かつ独占的に活動し,マルブルグ社の指示のみに従うものとする」 と,3項には「マルブルグ社の壁装材の日本における流通および/販売…に関 するすべての決定および活動は,マルブルグ社による専属的かつ独占的な効果 となるものである。」と,それぞれ規定され,原告は,被告の指示の下で,被 告のために営業活動を行っていたにすぎない。すなわち,本件商標を商品「壁 紙」について使用していたのは,原告ではなく,被告であると考えるべきであ る。 2 また,法2条3項8号に規定する「広告」とは,自己の業務に係る商品につ いての広告であるところ, 「壁紙」 商品 を製造販売しているのは被告であって, 原告は商品「壁紙」を製造販売していない。一方,原告は,過去に被告との間 で本件契約を締結し,本件契約に基づいて,被告が製造販売する商品「壁紙」 の紹介,案内及び提案等を行ったのであって,この行為は,「商品の販売に関 する情報提供及び助言」及び「商品の販売促進」に相当する役務であるから, 原告が主張する「広告活動」は,法2条3項8号の規定する「広告」ではない。 3 原告は,本件契約が有効に継続している旨主張する。しかし,本件契約は, 本件契約書の5項に基づき,被告が平成21年3月16日付けでした解除の申 出によって,同年6月30日をもって終了した。また,被告から原告に対して 本件契約に基づく金員の支払が行われ,原告が当該金員を受領したことで,本 件契約は完全に終了した。 4 以上のとおり,原告は,要証期間内に日本国内において,商標権者,専用使 用権者又は通常使用権者のいずれの者も,本件取消請求に係る商品について, 本件商標を使用した事実を証明していないから,本件商標の指定商品中,第1 7類「コンデンサーペーパー,石綿紙,バルカンファイバー」及び第27類「壁 紙」について,本件商標登録を取り消した本件審決に誤りはない。 第4 当裁判所の判断 1 本文中に掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 被告は,壁装材(壁紙)を製造販売するドイツ所在の法人である。 原告と被告は,平成19年5月21日,以下の内容のマーケティングコン サルタント契約(本件契約)を締結した(甲1)。 「1 マルブルグ社は,日本国において壁装材を販売している。X氏は,日 本の壁装材市場におけるビジネスのコンタクト先や知識を有している。 2 X氏は,日本市場における壁装材についての問合せ事項および/また は開発についてマルブルグ社に通知し,同開発においてマルブルグ社を サポートするものとする。X氏は,壁装材セグメントにおいてマルブル グ社の壁装材の代理者として専属的かつ独占的に活動し,マルブルグ社 の指示のみに従うものとする。 3 マルブルグ社の壁装材の日本における流通および/販売や,コレクシ ョンブックの配置および/または販売,および/または日本市場におけ る現在および/または将来の顧客への供給,に関するすべての決定およ び活動は,マルブルグ社による専属的かつ独占的な効果となるものであ る。 4 X氏は,日本におけるマルブルグ社の売上高の3%の手数料を受け取 る。手数料は,各暦年の終わりに毎年X氏に支払う。このようなコンタ クト先の開発に関する如何なるおよび全てのコストは,その全部がX氏 によって賄われる。 5 この契約は,2008年6月30日迄を限度とするが,いずれかの当 事者によって,満了日である毎年6月30日の3カ月以内に書面で終結 されない限り,自動的にさらに12カ月ずつ延長することができる。」 被告は,平成16年頃,被告の製造販売する壁紙の販売促進及び宣伝広告 のために,上表紙及び背表紙に別紙の本件使用商標を付した壁紙見本帳(乙 5。以下「本件見本帳」という。)を作成していたが,原告との間で本件契 約を締結したことから,原告が関係各社を訪問して被告の製造販売する商品 である「壁紙」の紹介,案内及び提案等をする際に利用できるよう,平成1 9年5月21日,原告に対し,本件見本帳を送付した。 原告は,本件見本帳の送付を受けた後,本件見本帳の背表紙に「WATA RI」の文字,原告の住所及び電話番号を記載した黄色地のシールを貼付し た上で,本件契約に基づき,顧客となり得る日本の企業や事業者に対して, 本件見本帳や壁紙の現物見本等を提示しながら被告の製造販売する商品であ る「壁紙」の販売促進,宣伝広告等の営業活動を行い,その結果,「壁紙」 の購入を希望するに至った企業や事業者は,原告を介することなく,直接, 製造販売者である被告に対して「壁紙」を発注し,被告から「壁紙」の納入 を受けていた。(甲2〜4,乙5,7〜9) 被告は,平成21年3月16日 件契約を同年6月30日をもって終了させるとして,本件契約を解除する旨 の意思表示を行い,同意思表示は,同年3月17日以後,原告に到達した。 われていないとして本件契約の解除の効力を争い,平成24年12月1日付 けで,被告に対し,平成19年から平成23年までの日本における被告の各 年当たりの販売に関するデータを提供した上で手数料を支払うよう要請する などしながら,被告が本件契約の解除の効力が発生したと主張する平成21 年6月30日以後も,少なくとも平成25年11月に至るまで,引き続き, 本件見本帳や壁紙の現物見本等を顧客となり得る企業や事業者に提示し,被 告の製造販売する商品である「壁紙」の販売促進,宣伝広告等の営業活動を 継続した。(甲5〜12,乙3,4) 2 原告による本件商標の使用の有無 原告は,本件契約に基づき,本件使用商標を付した本件見本帳や壁紙現物見本 等を携え,企業や事業所を訪問して商品「壁紙」の販売促進の営業活動を行って いることから,かかる原告の行為は,法2条3項1号,2号及び8号の使用行為 に該当する旨主張する。 法50条2項によれば,法50条1項に基づいて商標登録を取り消すことにつ いて審判の請求があった場合においては,その審判の請求の登録前3年以内に日 本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求 に係る指定商品についての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しな い限り,商標権者は,その指定商品に係る商標登録の取消しを免れないところ, 本件においては,商標権者である原告による「商標の使用」があるかが問題とな る。 法において,「商標」とは,標章(文字,図形若しくは記号,若しくはこれ らの結合又はこれらと色彩との結合)であって,業として商品を生産し加工し 証明し又は譲渡する者がその商品について使用するものであり(法2条1項柱 書き,1号),使用される自己の特定の商品を他の商品から識別する,すなわ ち,商標の付された商品の出所を表示するためのものである。そして,法は, この商標を保護することによって,商標を使用する者の業務上の信用の維持を 図り,もって産業の発展に寄与し,併せて需要者の利益を保護することを目的 とする(法1条)ものであるから,業として商品を生産し証明し又は譲渡する 者がその商品について使用するものでない限り(法2条1項1号),「商標の 使用」(法2条3項)には該当しないと解するのが相当である。したがって, 他人が業として生産し証明し又は譲渡する「商品」について商標を付したとし ても,当該商標は,自己の商品を他の商品から識別する出所識別標識としての 機能を有しないから,「商標の使用」に該当するものではない。 しかるに,前記1の認定事実によれば,原告は,被告との間で締結した本件 契約に基づき,あるいは被告から本件契約解除の意思表示を受けた後も,解除 の効力を争い,本件契約が存続しているとの見解に立って,本件契約の趣旨に 基づき,本件使用商標を付した本件見本帳を顧客に対して提示するなどして, 被告が製造販売する商品である「壁紙」の販売促進,宣伝広告等の営業活動を 行っており,商品である「壁紙」の販売・引渡しは,専ら被告及び顧客間にお いて行われている。このように原告は,業として商品である「壁紙」を生産し 加工し証明し又は譲渡する者ではなく,本件見本帳に付された本件使用商標も, 被告の商品である「壁紙」を他の商品から識別する出所識別標識としての機能 を有するにすぎず,原告の商品を他の商品から識別する出所識別標識としての 機能を何ら有しないものである。 そうすると,そもそも原告が本件使用商標の付された本件見本帳を顧客に対 して提示する行為は,原告が業として生産し加工し証明し又は譲渡する「商品」 に関する広告に本件商標を付して展示する行為ということはできないから,法 2条3項8号の商標の使用があったということはできない。 また,要証期間内において,原告が業として生産し加工し証明し又は譲渡す る「商品」(本件取消請求に係る指定商品「コンデンサーペーパー,石綿紙, バルカンファイバー」及び「壁紙」)について,「商品又は商品の包装に標章 を付する行為」(法2条3項1号),「商品又は商品の包装に標章を付したも のを譲渡し,引き渡し,譲渡若しくは引渡しのために展示し,輸出し,輸入し, 又は電気通信回線を通じて提供する行為」(法2条3項2号)及び「商品…に 関する広告,価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し,若しくは頒布し, 又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」 (法2条3項8号)があったことを認めるに足りる証拠はない。 3 結論 以上の次第であるから,本件審決は相当であって,原告主張の取消事由は理 由がなく,原告の本訴請求は棄却されるべきものである。 よって,主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第4部 裁判長裁判官 富 田 善 範 裁判官 大 鷹 一 郎 裁判官 田 中 芳 樹 別 紙 |