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関連審決 不服2015-12178
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事件 平成 28年 (行ケ) 10178号 審決取消請求事件

原告カエルム株式会社
訴訟代理人弁理士小林克行
被告 特許庁長官
指定代理人小林裕子 早川文宏 板谷玲子
裁判所 知的財産高等裁判所
判決言渡日 2017/02/23
権利種別 商標権
訴訟類型 行政訴訟
主文 1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
原告の求めた裁判
特許庁が不服2015-12178号事件について平成28年6月24日にした審決を取り消す。
事案の概要
本件は,商標出願の拒絶査定不服審判請求に対する不成立審決の取消訴訟である。
争点は,本願商標が「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」(商標法3条1項6号)に当たるかである。
1 本願商標及び特許庁における手続の経緯等 原告は,下記の「NYLON」という欧文字を横書きしてなる商標(本願商標)につき,平成25年9月30日にした登録出願(商願2013-76166号。甲11,12)の分割出願として,平成26年6月9日,第9類,第18類,第25類及び第35類に属する商品及び役務を指定商品及び指定役務として,登録出願をしたが(本願。商願2014-47082。甲11,12),平成27年3月26日付けで拒絶査定を受けたので(甲15),同年6月26日,拒絶査定不服審判請求をした(不服2015-12178号。甲16)。
原告は,同日付け及び平成28年2月22日付けで指定商品及び指定役務を変更する手続補正を行い(甲17,21),その結果,本願商標の指定商品及び指定役務は,第35類「被服の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」となった(本願役務)。
特許庁は,同年6月24日, 「本件審判の請求は,成り立たない。 との審決をし, 」その謄本は,同年7月6日,原告に送達された。特許庁は,同年9月29日,前記審決につき,本願役務等を訂正する旨の更正決定をした(乙3)。
(本願商標) 2 審決(更正決定後のもの。以下同じ)の理由の要点 (1) 本願商標は,前記1のとおり, 「NYLON」の欧文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるものである。
そして, 「NYLON」の欧文字は, 「広辞苑第六版」 (株式会社岩波書店)の「ナ イロン【nylon】」の項の記載(甲9の1)「新・田中千代服飾辞典」 , (株式会社同文書院)の「ナイロン[Nylon]」の項の記載(甲9の2)「コンサイスカ ,タカナ語辞典第4版」(株式会社三省堂)の「ナイロン[nylon]」の項の記載(甲9の3)によれば,(合成繊維の)ナイロン」を表す語として一般に知られて 「いる。
また,本願役務の分野においては, 「NYLON」の欧文字及びこれを片仮名で表した「ナイロン」の文字が,10サイトのウェブサイトの記載(甲10の1〜10)のとおり,当該役務の取扱商品であるかばん類や被服,靴等の原材料を表すものとして広く一般に使用されている。
そうすると,本願商標を,その指定役務である被服,履物及びかばん類を取扱商品とする小売等役務に使用するときは,これに接する需要者は, 「当該小売等役務で取り扱われる商品がナイロン製の商品であること」を容易に理解するにとどまるというのが相当である。
したがって,本願商標は,単に小売等役務の取扱商品の品質,原材料を普通に用いられる方法で表したにすぎないものであって,自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないというべきであり,商標法3条1項6号に該当する。
(2) 本願商標を構成する各欧文字については,子細にみれば僅かにデザイン化されているが,当該デザインは,一見しただけでは判別するのが困難といえる程微細なものであり,本願商標に接する需要者が,デザインが施されているとは認識し得ないというのが相当である。したがって,普通に用いられる態様の文字の範囲を脱しているものとはいえない。
(3) 小売等役務には,例えば,店員が顧客に商品の説明をするような便益の提供も含まれ得ることを踏まえれば,商品の品質,原材料等を表示する文字は,店員が顧客に商品の説明をする際に誰しもが必要とするものであって,識別標識として機能し得るとはいい難く,本願商標をその指定役務である小売等役務に使用するときは,当該役務の取扱商品の品質,原材料を表すものであって,自他役務の識別標 識としての機能を欠くものといわざるを得ない。
(4) 甲1〜8によれば,原告が発行する雑誌の題号は, 「NYLON」の末尾の「N」の下に小さく「JAPAN」の欧文字が付されているものであり,また,当該雑誌は,業界において「NYLON JAPAN(ナイロンジャパン)」と称されていることがうかがえるから,本願商標が単独で広く知られている事実を見いだすことができない。さらに,甲1〜8を見ても,本願商標がその指定役務の需要者の間において,直ちに原告が発行する雑誌の題号を想起するほどに知られているとは認められず,また,仮に女性ファッション誌の分野の需要者の間において,本願商標が原告に係る商品を表すものとして相当程度知られているとしても,そのことから直ちに,本願役務の需要者が,前記雑誌の需要者と一致するとまではいい難いから,結局,本願商標から直ちに原告が発行する雑誌の題号を想起するともいえない。
原告主張の審決取消事由(商標法3条1項6号該当性判断の誤り)
審決は,本願商標が商標法3条1項6号に該当するから登録することができないと判断したが,審決は,本願商標の自他役務の識別標識としての機能についての認定を誤り,本願商標の同号該当性の判断を誤ったものである。
本願商標は,各構成文字及び全体の構成態様に特徴があり, 「NYLON」の欧文字を「普通に用いられる方法で」横書きしてなるものではないし,その指定役務に係る取引の実情等を勘案すれば,本願商標は,その役務に係る小売の業務において取り扱われる商品の品質,原材料(素材)を表したものと認識されるにとどまるものではなく,商標法3条1項6号に該当するものではない。
1 本願商標の構成態様に基づく識別標識としての機能について (1) 本願商標は,前記第2の1のとおりの構成態様からなり,本願商標を構成する各文字「N」「Y」「L」「O」「N」は,全て大文字であり,極めて太い線 , , , ,で描かれているほか,それぞれ以下の特徴がある。
ア 「N」の文字は,赤丸部分で示した部分において線の内部に向かう切れ 込みを有する。
イ 「Y」の文字は,その上部の2本に分かれる線の幅が中央部より上部にかけていずれも広がっている。
ウ 「L」の文字は,横線部分が縦線部分に比べて極めて短い。
エ 「O」の文字は,全体としては縦の幅より横の幅が長くて扁平である。
その一方,太い線で囲まれて形成される中央の小さな丸図形部分は,逆に縦長である。
オ 本願商標は,全体として,各構成文字それぞれについて独特の書体で構成しつつ,各文字の上端及び下端を揃え,文字の太さや細さのバランスをとり,それらを横長矩形状の中に収めたようなまとまりとどっしりした存在感がある。
カ 以上のとおり,本願商標は,各構成文字及び全体に特徴があり, 「NYLON」の欧文字を「普通に用いられる方法で」横書きしてなるものではない。
キ 本願商標が欧文字「NYLON」を「Futura」と称する書体と酷似するもので書いていることは,被告指摘のとおりであるが,原告被告が提出した証拠の中に,この書体を用いて「NYLON」を表示したものはない。
(2) 本願商標に接する主体は,ブランド価値によって価格が大きく異なるファッション商品の小売役務の需要者であるから,ブランド価値を形成する重要なツールである商標に対する注意力は,機能が重視される機械製品などの需要者に比べて格段に高い。
また,需要者は, 「被服」「履物」「かばん類及び袋物」の商品の小売店舗で本願 , ,商標に接するが,需要者は,商品に使用された商標,商品の原材料表示及び小売店舗の看板・制服・カゴ等に使用された小売役務の提供主体を示す本願商標を十分に吟味できる環境にある。
このように,本願商標に接する需要者は,本願商標に施されているデザインを十分認識することができる。
2 大文字「NYLON」単独では原材料表示と認識されないことについて (1) 審決は, 「NYLON」の欧文字は,(合成繊維の)ナイロン」を表す語と 「して一般に知られていると認定するが,審決がその根拠とする甲9の1〜3は,いずれも片仮名「ナイロン」についての説明であり,その説明中の欧文字も「Nylon」又は「nylon」であり,大文字「NYLON」ではない。
また,我が国において,通常,大文字「NYLON」が単独で,商品の原材料として商品に表示される状況にはない。家庭用品品質表示法によれば,ナイロンを「被服」 履物」 かばん類及び袋物」 「 , 「 , の原材料として表示するには,ナイロン100%」 「のようにその混用率を表示しなければならず,審決が引用する甲10の1〜10も含め,原被告が提出した証拠において,大文字「NYLON」が単独で原材料等を表示するために用いられているものはない。いずれにおいても, 「NYLON」の文字は,商品名と結合して一連の名称として用いられているか,又は,片仮名「ナイロン」がその説明中に存在している。
このように, 「NYLON」は,商品の原材料の表示の一部として用いられることはあるが,それ自体で単独で被服,履物,かばん類及び袋物の原材料を表示することはなく,もちろん,本願商標の文字書体により原材料を表示したものもない。他方,本願商標は,小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供を,他者のものと区別するために店舗の看板等において単独で使用するものであるから,これに接した需要者は,店舗の看板等における本願商標の使用態様を見て,商品の原材料を表示したものではなく,店舗の名称と認識することが可能である。
(2) 被告は,本願商標をその指定役務に使用した場合,これに接する需要者は,小売の業務において取り扱われる商品の品質,原材料(素材)を表したものと認識するにとどまり,役務の出所を表示するものと認識することはないと主張するが,本願商標に接した需要者で「ナイロン」と称呼することができない者が少なからず存在する。本願商標を読めない以上,商品の品質等の表示であると認識することはできない。
すなわち,本願商標が商品名と結合した一連の名称中にあるものではなく,片仮名「ナイロン」が存在しない状態において,需要者がこれを被服,履物,かばん類及び袋物の原材料にすぎないと認識するときには,本願商標をありふれた書体の「NYLON」と同視し,これを「ナイロン」と読み,合成繊維「nylon」又は「Nylon」と同視し,合成繊維「ナイロン」を意味すると認識するものと考えられる。しかしながら,本願商標から生ずる称呼について,英語の学習機会が多い学生や被服等の繊維に比較的詳しいと思われる主婦を多く含む,10代から70代の男女128人を対象として,アンケートを実施したところ,直ちに「ナイロン」と読めると答えた者は37人で,回答者の約29%にすぎず,その余の91人,すなわち,約71%の人は,本願商標を直ちに「ナイロン」とは読めないという結果であった(甲26)。しかも,「ナイロン」と読めるとした約29%の回答者が,合成繊維の「ナイロン」を直ちに認識するかどうかも,明らかではないし,本願商標の文字書体から単なる品質表示ではないと認識する者も存在すると考えられるから,本 願商標から直ちに合成繊維「ナイロン」を想起する者の数は,より少ないものと考えられる。本願商標に接する需要者は, 「ナイロン」という称呼と合成繊維「ナイロン」の観念を抽出できない一方,その書体と構成態様の特徴とが相まって,小売役務の出所表示と認識するのが自然である。
(3) 被告は,本願役務に係る取引の実情等を勘案すれば,本願商標は,その役務に係る小売の業務において取り扱われる商品の品質,原材料(素材)を表したものと認識されるにとどまると主張する。
しかしながら,小売等役務には,小売業の消費者に対する商品の販売行為は含まれず(甲28),小売役務の提供者は,それぞれ異なる商標が付された多数の商品を仕入れ,販売しているから,小売役務の取引者は,当然,慎重に商品を選択し,商標についての認識度は高くなり,商標の細かな違いであっても区別する能力を備えている。ブランドが極めて重要であるファッション商品においては,ブランドを介して取引者と需要者とは強く結びついているのであり,商品購入の際の注意力は,日用品などと比べて高いのであるから,なおさらである。
また,被服,履物,かばん類及び袋物というファッション商品においては,性別や年齢は注意力に影響するものではない。
さらに,需要者が小売店に入店する際には,店の看板が目印となり,店の看板は,店で取り扱う商品の品質表示とは明確に区別して需要者に認識される。看板に用いられた商標が同じ構成態様で商品の値札に付されていたと仮定しても,店に入って値札を見たとたんに看板のことは忘れ,個別商品の商標とその商品の品質表示の存在を無視し,看板の表示を売られている商品の品質表示と混同し,その商品の品質表示であると認識する需要者はいない。商品の説明部分の中に,看板である商標を用いることもない。ブランドが極めて重要であるファッション商品においては,ブランドの管理を怠って商品説明と紛らわしいような表示をすれば命取りになるから,商標の使用態様には十分注意が払われるものである。
3 原告が出版している雑誌との関係に基づく識別標識としての機能について (1) 本願商標は,原告が発行する雑誌「NYLON/JAPAN」 (NYLON誌。甲1)の題号に表されている小さな文字からなる「JAPAN」を取り去ったものである。NYLON誌は,米国で1999年(平成11年)に創刊されたファッション情報誌の日本版であり(甲12),その紹介文によれば「ヨーロッパ,アジア圏においても多くの読者を獲得しており,世界的に高く評価されて」いるものであり(甲5),我が国においても,視聴率が10%を超える人気番組である「マツコとマツコ」において人気女性ファッション誌として取り上げられたり(甲7),2016年(平成28年)4月26日から同月29日までの間の雑誌売上ランキングで,「女性ファッション」のジャンルで1位になったことがある(甲25)。原告は,NYLON誌の題号と同じウェブマガジンも発行している(甲1)。
本願役務であるファッション商品の小売に関する役務の需要者は,ファッション情報に敏感な者であり,原告が出版する雑誌又はウェブマガジンを知っている。
したがって,ファッション商品の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供という本願役務に使用された本願商標に接する,ファッションに敏感な需要者は,NYLON誌を想起し,本願商標の識別機能を認めるものである。
(2) 被告は,NYLON誌の発行部数や同種の雑誌に占めるシェアの推移が明らかではないと主張するが,NYLON誌は,10年以上発行され続けている雑誌であり,昨今の雑誌不況の中,2015年(平成27年)に20万部を発行し(甲7),2016年(平成28年)に女性ファッション雑誌の売上ランキング1位になったのである(甲25)。この事実によって,NYLON誌の著名性を十分判断することができる。
本願商標に接する者全てがNYLON誌を想起するほど著名とはいえないが,NYLON誌の20代を中心とした女性読者層(甲4)の中には,本願商標とNYLON誌とを関連付ける者も少なからずいるものと考えられる。現に,前記2(2)のアンケートでは,5名がNYLON誌の存在を認識していた。
また,「マツコとマツコ」という番組で紹介されたように,NYLON誌は,「N YLON/JAPAN」ではなく, 「NYLON」の文字で特定され,同視されている(甲7)。原告は,本願役務と同一の役務について,本願商標と同一の文字書体からなる商標「NYLON/JAPAN」について商標権を有しているが(甲29),本願商標の権利化は,NYLON誌の読者を守るだけでなく,原告の今後の事業展開に資するものである。
被告の反論
本願商標は,これをその指定役務に使用した場合,需要者をして,小売の業務において取り扱われる商品の品質,原材料(素材)を表したものと認識されるにとどまるものであって,役務の出所を表示するものと認識されることはないから,自他役務の識別標識として機能し得ない。また,原告の主張する本願商標の使用の事実によっては,審決時において,本願商標が,原告による被服,履物,かばん類及び袋物の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供といった役務を表示するものとして認識されるに至っているとも認められない。
してみれば,本願商標は,需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というべきであり,商標法3条1項6号に該当する。審決の認定,判断に何ら違法な点はなく,これが取り消されるべき理由はない。
1(1) 本願商標は,前記第2の1のとおり,セリフを持たない書体(サンセリフ書体)による「NYLON」の欧文字を太字で表してなるものであるが,標章を構成する文字をサンセリフ書体で表すことや文字からなる標章を太字で表すことは,一般的に行われている(乙4〜11)。また,原告主張の,「N」の縦線と斜線との接点における鋭角部に切れ込みがあること, 「Y」の2本の線の太さが上部にかけて広がっていること, 「O」の外側輪郭は縦方向に扁平であるのに対し,内側輪郭は横方向に扁平であることなどは,凝視して初めて気付く程度の微細な点であるし,L」 「の縦線が横線に比して長いことも, 「L」を表す際にしばしば見受けられる手法といえる(乙5)。加えて,上記各欧文字は,一般に知られている「Futura」と称 する書体を太字で表したものと態様が酷似している(乙5,7)。
そして,本願商標は,同じ書体からなる欧文字を,同じ大きさで表し,かつ,等間隔に配してなるものであるから,これに接する需要者は,その構成全体から,外観上,特徴あるものとして強く印象付けられることはない。
そうすると,本願商標は,これに接する需要者をして, 「NYLON」の欧文字を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認識されるにとどまる。
(2) 原告は,本願役務に係る取扱商品は,いわゆるファッション商品であるから,本願商標に接する需要者による商標に対する認識能力は高く,本願商標に施されたデザインを十分に認識し得る旨主張するが,上記取扱商品である被服,履物,かばん類及び袋物の需要者は,性別や年齢に関わりのない極めて多数の者であり,商品を購入する際に払う注意力が必ずしも高くない者も少なからず含まれている。
前記(1)の本願商標の構成を併せ考慮すれば,本願商標をその指定役務に使用した場合,これに接する需要者は,本願商標を構成する各欧文字やその構成全体について,特徴あるものとして強く印象付けられることはなく,むしろ,普通に用いられる方法で表示するものとして認識するというべきである。
2(1) 「NYLON」の欧文字は,合成繊維の一種である「ナイロン」の欧文字表記「nylon(Nylon)」とつづり字を同じくするものである(甲9の1〜3)。そして, 「ナイロン」は,絹に似た光沢をもつ,強度の高い合成繊維であって,軽量,耐水性があるなどといった特長をも有し,各種の成形品としても広く用いられているものであり,本願役務に係る取扱商品である被服,履物,かばん類の原材料等としても広く用いられている。
ところで,本願役務は,その取扱いに係る被服,履物,かばん類及び袋物の小売の業務において,需要者の購買意欲を喚起するなどし,販売促進を図るべく行われるサービス活動であり,顧客に対し,商品選択が容易となるように商品を揃えて陳列したり,商品の特長等を説明,助言したりする行為のほか,商品の購入に当たり,買い物かごやレジ袋を提供する行為等を含む。そして,被服,履物,かばん類及び 袋物は,商品のデザイン(形状,色彩を含む。,機能,原材料(素材)が商品選択 )のきっかけとなり得るものであるが, 「ナイロン」は,例えば,被服,履物,かばん類及び袋物に係るインターネットを通じた通信販売のウェブサイトにおいては,顧客の商品選択の便宜を図るべく,原材料(素材)その他の特長等を説明するための用語として,その欧文字表記である「NYLON(Nylon,nylon)」の語を含め,一般に広く用いられている(甲10の6〜8,乙8〜11,15〜20,22〜30)。
そうすると,本願商標をその指定役務に使用した場合,これに接する需要者は,小売の業務において取り扱われる商品の品質,原材料(素材)を表したものと認識するにとどまり,役務の出所を表示するものと認識することはないというべきであるから,本願商標は,自他役務の識別標識として機能し得ない。
(2) 原告は, 「NYLON」の欧文字及びこれを片仮名で表した「ナイロン」の文字は,商品の原材料の表示の一部として用いられることはあるが,それ自体単独で商品の原材料を表示することはないとした上で,本願商標は,小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供を他者のものと区別するために,店舗の看板等において単独で使用するものであるから,これに接する需要者は,その使用態様を見て,商品の原材料を表示したものではなく,店舗の名称と認識する旨主張する。
しかしながら,本願商標のように,特定された商品の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供を指定役務とする登録出願に係る商標が,その便益の提供において取り扱われる商品の品質や原材料を表示するものであるか否かは,当該商標の構成態様及び指定役務に基づき,その指定役務に係る取引の実情等を勘案して,需要者がどのように認識するかといった観点から個別具体的に判断すべきである。そして,本願商標は,前記1のとおり,需要者をして, 「NYLON」の欧文字を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認識されるものであり,また,本願役務に係る取引の実情等を勘案すれば,その役務に係る小売の業務において取り扱われる商品の品質,原材料(素材)を表したものと認識されるにとどま るものであって,役務の出所を表示するものと認識されることはない。原告引用の家庭用品品質表示法や繊維製品品質表示規程は,需要者が本願役務に係る取扱商品の品質,原材料(素材)を表したものと認識する表示が取引において広く一般に使用されている実情を否定するものとはなり得ない。
3 NYLON誌について,我が国を始めとする各国等における発行部数や同種の雑誌内に占めるシェアの推移は明らかでなく,また,原告が本願商標を本願役務に使用した事実も見当たらず,その他原告提出の証拠を総合しても,性別や年齢に関わりのない極めて多数の者が需要者たり得る本願役務との関係において,審決時に,本願商標が,原告による被服,履物,かばん類及び袋物の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供といった役務を表示するものとして,需要者の間で認識されるに至っていると認めるに足りる事実は見いだせない。
そうすると,本願商標をその指定役務に使用した場合,これに接する需要者が,原告の発行するNYLON誌を想起することはないというべきである。
当裁判所の判断
1 本願商標は,前記第2の1のとおり,欧文字の大文字「NYLON」を横書きしたものである。その書体は,原告も自認するとおり, 「Futura」と称する書体を太字で表したものと酷似したものであるが,Futura」 「 と称する書体は,セリフ(文字の線の端につけられる線・飾り)のない書体であるサンセリフ書体の一種であり,フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」の「サンセリフ」の項において,ジオメトリック・サンセリフ(直線や円弧など,幾何学的な図形により骨格が形成されているサンセリフ体)の例の筆頭として取り上げられているほか,写真・イラスト,動画素材等のダウンロード素材を販売するウェブサイトにおいて,定番フォントの1つとされている(乙4,5,7)。また,文字からなる標章を太字で表すことも,一般的に行われていることである(乙5〜11)。そして,本願商標は,この書体により概ね同じ大きさで書かれた文字を,概ね等間隔に, 横一列に配置したものである。
そうすると,本願商標は,欧文字の大文字「NYLON」を,一般に知られている書体により,ありふれた大きさと配置で横書きしたにとどまるものであるから,これに接する需要者をして,外観上,特徴あるものとして強く印象付けられるとはいえず,欧文字の大文字「NYLON」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認識されるにとどまるものと認められる。
2(1) 本願商標を構成する欧文字の大文字「NYLON」は,合成繊維の一種であるナイロンの欧文字表記「nylon」を大文字で表したものと一致する(甲9の1〜3)。
そこで,本願役務の取扱商品である被服,履物,かばん類及び袋物に関する取引の実情について検討すると,次のとおり認められる。
ア ナイロンは,現在はポリアミド系の合成高分子化合物の総称として用いられ,絹に似た光沢を持つ,強度の強い合成繊維として,各種の成型品としても広く用いられている(甲9の1〜3)。
そして,ナイロンは,本願役務の取扱商品である被服,履物,かばん類及び袋物においても,原材料(素材)として用いられており(甲9の2,3,10の1〜10,乙8〜30),被服に関しては,ストッキング,靴下,下着,レインコート,ドレスなどに幅広く使われているほか,ウールなどの繊維を補強する目的で混紡され,特にニット製品に用いられている(甲9の2,3,10の4,乙14)。また,かばん類に関しては,ナイロンが耐久性,耐摩耗性が高く,軽量性に優れていることなどから, 「かつてはビジネスバッグといえば革製が主流でしたが,いまやナイロンがビジネスバッグ素材の主流の座を取って代わったといっていいでしょう。という評 」価がされているほか, 「男女問わず人気のトートバッグを,レザー・ナイロン・キャンバスと,主要な3つの素材でNAVI CARSがセレクト。」として,ナイロンがトートバッグの主要な3つの素材のうちの1つであるとされている(甲10の1, 2,乙12,21)。
イ 本願役務の取扱商品である被服,履物,かばん類及び袋物を販売するウェブサイトにおいて,次のとおり, 「NYLON」という表記が,顧客に対し商品の原材料(素材)を示すために用いられている。
(ア) 「OCEAN&GROUND【オーシャンアンドグラウンド】/NYLON ZIP JACKET」(甲10の7,乙16) (イ) 「ナイロンベスト/PRINTED NYLON VEST/トミーヒルフィガー(メンズ)(TOMMY)(甲10の8) 」 (ウ) 「YB-3105 NYLON TWILL JACKET(BLACK)(乙9) 」 (エ) 「RIP-STOP NYLON STRETCH/ジップジャケット 16FW CPFU/チャンピオン(C3-HSC03)(乙10) 」 (オ) 「NYLON FULLZIP JACKET-ナイロンフルジップジャケットプリント対応」(乙11) (カ) 「AWF NYLON JACKET」(乙28) (キ) 「【NIKE】ナイキ CLASSIC CORTEZ NYLONクラシック コルテッツ ナイロン 532487-018/15SU ABC-MART限定 018WGRY/WT」(乙17) (ク) 「BAGGU/NYLON BACK PACK」 (甲10の5,乙15) (ケ) 「NYLON COLLECTION!登場」(乙29) ウ 前記イと同様に,本願役務の取扱商品である被服,履物,かばん類及び袋物を販売するウェブサイトにおいて, 「Nylon」「nylon」又は「ナイロ ,ン」という表記が,顧客に対し商品の原材料(素材)を示すために用いられているものは,次のとおりである。
(ア) 「Nylon Jacket」(乙18) (イ)「DANTON/nylon coat」 ナイロンコート」乙19) , 「 ( (ウ) 「セシール レディース ナイロンジャケット(撥水・花粉ガード)」(乙22) (エ) 商品一覧の分類の1つとして,「ナイロンジャケット」(乙23) (オ) 「ジャケット/アウター」のカテゴリの1つとして「ナイロンジャケット」(乙26) (カ) 「greeley nylon winter boot men」,「グリーリー ナイロン ウィンター ブーツ メン」(甲10の10,乙25) (キ) 「ラ バガジェリー LA BAGAGERIE Nylon round design ボストンバッグ(BLACK)(甲10の6) 」 (ク) 「tobiuo/turn turn nylon S」(乙8) (ケ) 「nylon dot shoes bag」「ナイロンドットシュ ,ーズバッグ」「Nylon , Doted Shoes Bag」(乙20) (コ) 「エポキシナイロンショルダー(28289), 」「ナイロンビジネスバッグ◎(28241), 」「ナイロンアーチトート(18121)(乙24) 」 (サ) 「トートバッグ 素材を選びやすく,素材別でご案内します。 として, 」「トートバッグ ナイロン」(乙27) (シ) 「新作ナイロンバッグコレクション」(乙30) エ 繊維製品品質表示規程(乙2)は,繊維製品の品質に関し表示すべき事項として,被服については,繊維の組成を表示すべきものとし(1条,別表第1),「繊維の組成の表示については,組成繊維であるすべての繊維の名称を示す用語にそれぞれの繊維の混用率を百分率で示す数値を併記して表示」することを遵守すべきものとしているが(3条1号),表示に際しナイロン繊維を示すときには,指定用語として「ナイロン」又は「NYLON」を使用しなければならないとしている(6条1項,別表第5)。
(2) 前記(1)認定の取引の実情によれば,ナイロンは,本願役務の取扱商品であ る被服,履物,かばん類及び袋物において, 「ナイロンジャケット」のように商品分類の1つとして用いられることがあるなど,相当程度利用されている原材料(素材)であること,上記取扱商品の販売に当たっては,当該商品の原材料(素材)がナイロンであることを示すために, 「ナイロン」, 「Nylon」, 「nylon」と共に「NYLON」の表示も少なからず用いられており, 「NYLON JACKET」 「N やYLON VEST」のように, 「NYLON」の後ろに商品の種別を示す名称を続けて利用されていることが認められる。
(3) 本願役務は,被服,履物,かばん類及び袋物の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供であり,取扱商品の品揃え,陳列,接客サービス等といった最終的に取扱商品の販売により収益を上げるためのサービス活動をいい,顧客の商品選択が容易となるように,商品の原材料(素材)その他の特長等を説明することも含まれる。
(4) 以上によれば,欧文字の大文字「NYLON」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認識される本願商標を,その指定役務に使用した場合,これに接する需要者は,当該指定役務の小売の業務における取扱商品である被服,履物,かばん類及び袋物の原材料(素材)として相当程度利用されているナイロンを表したものと認識するにとどまり,役務の出所を表示するものと認識するとはいえないから,本願商標は,自他役務の識別力を欠くものと認められる。
3(1) 原告は,本願商標は,各構成文字及び全体の構成態様に特徴があり, 「NYLON」の欧文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるものではないし,本願商標に接するファッション商品の小売役務の需要者は,ブランド価値を形成する重要なツールである商標に対する注意力が高い上,小売店舗において,商品に使用された商標,商品の原材料表示及び小売店舗の看板・制服・カゴ等に使用された小売役務の提供主体を示す本願商標を十分に吟味できる環境にあるから,本願商標に施されているデザインを十分認識することができると主張する。
しかしながら,本願商標が「Futura」と称する一般に知られている書体により,ありふれた大きさと配置で横書きしたにとどまるものであり,欧文字の大文字「NYLON」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認識されるにとどまることは,前記1のとおりである。原告主張の各構成文字の特徴は,一般に知られている書体における特徴にすぎない上,凝視して初めて気付く程度の微細な点であって,原告主張の構成態様の特徴と併せても,これに接する需要者をして,外観上,特徴あるものとして強く印象付けられるとはいえない。
そうすると,本願役務の需要者の商標に対する注意力の程度など,その余の点を検討するまでもなく,原告の主張は,理由がない。
(2) 原告は, 「NYLON」は,商品の原材料の表示の一部として用いられることはあるが,単独で被服,履物,かばん類及び袋物の原材料を表示することはなく,本願商標の文字書体により原材料を表示したものもない一方,本願商標は,店舗の看板等において単独で使用するものであるから,これに接した需要者は,本願商標の使用態様を見て,商品の原材料を表示したものではなく,店舗の名称と認識することが可能であると主張する。
しかしながら,欧文字の大文字「NYLON」が,「ナイロン」 「Nylon」 , ,「nylon」と同様に,商品の原材料(素材)がナイロンであることを示すために用いられていることは,前記2(1)のとおりであり,法令上も, 「NYLON」は,ナイロン繊維を示す表示として「ナイロン」と選択的に用いることが許容されている。また,本願商標の書体は,一般に知られている書体にとどまり,当該書体により商品の原材料(素材)を表示することが不自然なものとはいえないから,当該書体により商品の原材料(素材)を表示した証拠が提出されていないことをもって,本願商標に接した需要者が商品の原材料(素材)を表したものと認識し得ない根拠とすることはできない。
さらに,本願商標が設定登録された場合,その使用態様は,原告主張のような小売店舗の看板等において単独で使用する態様に制限されるものではなく,本願役務 には,顧客の商品選択が容易となるように,取扱商品の原材料(素材)その他の特長等を説明することも含まれることからすれば,本願商標をその指定役務の取扱商品と共に使用する態様も想定されるのであって,本願商標の使用態様を単独で使用する態様に限定して検討することは相当でない。
以上によれば,原告の主張は,理由がない。
(3) 原告は,実施したアンケート結果に基づき,本願商標に接した需要者で「ナイロン」と称呼することができない者が少なからず存在するが,本願商標を読めない以上,商品の品質等の表示であると認識することはできないと主張する。
しかしながら,本願役務の取扱商品である被服,履物,かばん類及び袋物を販売するウェブサイトにおいて,当該商品の原材料(素材)がナイロンであることを示すために, 「NYLON」という表記が少なからず用いられていること,また,法令上も, 「NYLON」という表記が,ナイロン繊維を示す表示として「ナイロン」と選択的に用いることが許容されていることは,前記2(1)のとおりであり,これらは,いずれも,本願役務の取扱商品の需要者において, 「NYLON」という表記をもって,合成繊維のナイロンを指すことを理解できることを前提としたものである。これに対し,原告主張のアンケート(甲26の1〜128)は,その回答用紙を見る限り,冒頭に本願商標を示した上で, 「★上の単語についてご質問★/下記@〜Bのいずれかにご記入又は丸をつけてください。/あまり考えずにお願いいたします。
/@読み: /Aぱっと見たところでは読むのは難しい。/B雑誌の名称である。」という形式で回答を求めるものであるか,冒頭に「下記@〜Bのいずれかにご記入ください。/ぱっと見てお願いいたします。」と記載して,その下に本願商標を示した上で,「@読み方: /A読み方はよく分からない。ぱっとは読めない。
(←丸をつけてください。/B雑誌の名称と知っている。←丸をつけてください。」 ) ( )という形式で回答を求めるものであって,本願役務と無関係に本願商標の称呼を確認したものにすぎないから,回答者集団の適格性等を検討するまでもなく,本願商標が本願役務に使用された場合に,これに接した需要者が合成繊維のナイロンを想 起しないことを示すものとは認められない。
原告の主張は,理由がない。
(4) 原告は,小売役務の提供者は,それぞれ異なる商標が付された多数の商品を仕入れ,販売しているから,小売役務の取引者は,慎重に商品を選択し,商標についての認識度は高くなり,商標の細かな違いであっても区別する能力を備えており,ファッション商品においては,性別や年齢は注意力に影響するものではないし,また,需要者が小売店に入店する際には,店の看板は,店で取り扱う商品の品質表示とは明確に区別して需要者に認識され,看板に用いられた商標が同じ構成態様で商品の値札に付されていたと仮定しても,個別商品の商標とその商品の品質表示の存在を無視し,看板の表示を売られている商品の品質表示であると認識する需要者はいないと主張する。
しかしながら,本願役務の取扱商品である被服,履物,かばん類及び袋物には,ファッション性が高いものから生活必需品まで幅広い商品が含まれるから,その小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供という指定役務の需要者も,性別や年齢を問わず,ファッションに関心が高い者から低い者まで幅広い者が含まれるといわざるを得ないし,そのような幅広い需要者が,被服,履物,かばん類及び袋物を選択する動機も,ブランドのみならず,デザイン,機能,原材料(素材),価格など多様であるから,本願役務の取扱商品の需要者の商標に対する注意力が格別高いものということはできない。
また,本願商標が設定登録された場合,その使用態様は,原告主張のような小売店舗の看板に使用した上で,店内で使用するという態様に制限されるものではないから,そのような使用態様に限定して検討することは相当でないし,仮に小売店舗の看板に使用されていたとしても,被服,履物,かばん類及び袋物(の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供)の需要者には幅広い者が含まれることからすれば,これらの商品を購入するに当たり,店舗の看板を確認した上で入店する者ばかりであるということもできないから,看板の表示との対比を理由として, 本願商標が商品の原材料(素材)を表すものではないことを認識できるとはいえない。
原告の主張は,理由がない。
(5) 原告は,本願役務の需要者は,ファッション情報に敏感な者であり,その指定役務に使用された本願商標に接した需要者は,NYLON誌を想起して,本願商標の識別機能を認めると主張する。
しかしながら,本願役務の需要者には,性別や年齢を問わず,ファッションに関心が高い者から低い者まで幅広い者が含まれることは,前記(4)のとおりであって,NYLON誌の読者層である20代を中心とした女性(甲4),すなわち,競合誌の読者等を含むNYLON誌の存在を知っていると考えられる性別・年齢層よりも,むしろNYLON誌の存在を知らないと思われる者の方が多数を占めるのであるから,原告の主張は,既にその前提において失当であるし,NYLON誌の題号は,「NYLON/JAPAN」であって,本願商標と同一ではないところ,本願商標が本願役務に現に使用され,その使用実績により自他役務の識別力(被告主張とは異なり,当該役務の出所が原告であると認識されることまでは要しない。 を有する )ことを認めるに足りる証拠もない。
原告の主張は,理由がない。
4 以上によれば,本願商標は,自他役務の識別力を欠くものであるから,商標法3条1項6号の「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」に該当するものであり,本願商標が同号に該当することを理由として登録することができないとした審決の判断に誤りはなく,原告主張の審決取消事由は理由がない。
よって,原告の請求を棄却することとして,主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 清水節
裁判官 片岡早苗
裁判官 古庄研
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