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関連審決 異議1998-90654
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審判番号(事件番号) データベース 権利
平成21行ケ10297審決取消請求事件 判例 商標
関連ワード 包装 /  指定商品 /  公序良俗(4条1項7号) /  4条1項8号 /  権利濫用(権利の濫用) /  外観(外観類似) /  称呼(称呼類似) /  観念(観念類似) /  国内 /  差止 /  登録異議申立 /  外国 / 
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事件 平成 14年 (ネ) 1555号 商標権侵害差止等,商標使用妨害禁止請求控訴事件
控訴人 A株式会社コトブキゴルフ訴訟承継人
控訴人 寿商事株式会社
両名訴訟代理人弁護士 高初輔
被控訴人 ワールドブランズ株式会社
被控訴人 アダムス ゴルフ インク
両名訴訟代理人弁護士 田中徹
同 節田純一
同 城所敦子
裁判所 東京高等裁判所
判決言渡日 2003/07/16
権利種別 商標権
訴訟類型 民事訴訟
主文 本件各控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人らの負担とする。
事実及び理由
控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人ワールドブランズ株式会社(以下「被控訴人ワールドブランズ」という。)は,原判決別紙標章目録記載の標章(以下「本件標章」という。)を付したゴルフクラブを輸入し,販売し,又は販売のために展示し,並びにその容器,包装紙及び広告に本件標章を使用してはならない。
3 被控訴人ワールドブランズは,その占有する本件標章を付したゴルフクラブを廃棄せよ。
4 被控訴人ワールドブランズは,控訴人寿商事株式会社(以下「控訴人寿商事」という。)に対し,1億2059万円及びこれに対する平成11年12月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
5 被控訴人ワールドブランズは,控訴人A(以下「控訴人A」という。)に対し,1812万円及びこれに対する平成11年12月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
6 被控訴人アダムスゴルフインク(以下「被控訴人アダムスゴルフ」という。)の控訴人Aに対する請求を棄却する。
7 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人らの負担とする。
事案の概要
控訴人Aは,原判決別紙商標目録記載の商標権(以下「本件商標権」といい,その商標を「本件登録商標」という。)の商標権者であり,被控訴人ワールドブランズは,本件標章を付したゴルフクラブを輸入,販売等している会社,被控訴人アダムスゴルフは,本件標章を付したゴルフクラブを我が国に輸出しているアメリカ合衆国(以下「米国」という。)の法人である。
本件は,控訴人Aが,被控訴人ワールドブランズに対し,本件商標権に基づき,本件標章を付したゴルフクラブの輸入,販売等の差止めを請求するとともに,控訴人A及び本件商標権の前商標権者である訴訟承継前控訴人株式会社コトブキゴルフ(以下「コトブキゴルフ」という。)が,被控訴人ワールドブランズに対し,本件商標権の侵害を理由とする損害賠償を請求し,他方,被控訴人アダムスゴルフが,控訴人Aに対し,ADAMSの標章(以下,本件標章と同義ないしこれを含む標章として用いる。)を付したゴルフクラブの輸入,販売等につき,本件商標権に基づく差止請求権の不存在確認を求めた事案であり,控訴人A及びコトブキゴルフの請求をいずれも棄却し,被控訴人アダムスゴルフの請求を認容した原判決に対し,控訴人A及びコトブキゴルフがその取消しを求めて控訴し,控訴人寿商事が,吸収合併に伴い,コトブキゴルフを訴訟承継した。
本件の前提となる事実,争点及びこれに関する当事者の主張は,次のとおり当審における主張を付加するほかは,原判決「事実及び理由」欄の「第2 事案の概要」及び「第3 争点に関する当事者の主張」のとおりであるから,これを引用する。
1 控訴人らの主張 (1) 控訴人寿商事は,平成14年9月2日,コトブキゴルフを吸収合併し,本件を含むその権利義務を包括承継した。
(2) 原判決の事実認定には,以下のとおり誤りがある。@原判決は,控訴人Aが,1996年のPGA展示会において20年来の知り合いである米国法人コブラゴルフ・インコーポレイテッドの創始者のBと会い,一緒に被控訴人アダムスゴルフのブースを含むいくつかのブースを視察した際,同人に対し,「タイトライズ製品は,将来重要なゴルフクラブになるかもしれない。」という趣旨の感想を述べたと認定しているが,控訴人Aは,PGA展示会でBの存在を認識し,目は合わせたが,会話をした事実はない。A原判決は,控訴人AとC(以下「C」という。)のいずれが本件登録商標の商標登録出願を申し出たかという点について,両者の供述は食い違っていると説示するが,この点は,Cの誤認である。Bコトブキゴルフによる本件登録商標を付したゴルフクラブの宣伝広告が平成10年5月と6月に集中的に行われた点について,原判決は,本件登録商標について同年3月24日に申し立てられた登録異議申立事件(平成10年異議第90654号,以下「本件異議申立事件」という。)の手続を自己に有利に進行させることのみを目的としてされたことが強く推認されると認定しているが,誤りである。C控訴人Aと有限会社アダムスとの間の金銭消費貸借関係については,これを裏付ける客観的な証拠として,平成7年6月26日付けの金銭消費貸借契約書(甲11)が存在する。
(3) 原判決は,控訴人らが,被控訴人ワールドブランズ又は被控訴人アダムスゴルフに対し,本件商標権に基づく差止請求権ないし損害賠償請求権を行使することは,権利の濫用に当たると判断したが,誤りである。すなわち,1987年(昭和62年)にDが被控訴人アダムスゴルフを創業する前の昭和60年ころより,Cは,日本国内でアダムスないしADAMSの標章を付してゴルフクラブを製造,販売していたところ,平成2年4月,有限会社アダムスを設立し,同年8月ころからコトブキゴルフとの間で取引を始めた。その後,有限会社アダムスの経営状況が苦しくなってきたため,平成7年6月26日,控訴人Aは,有限会社アダムスに対し,営業資金として200万円の融資をした。そして,そのころ,一つには,Cに対し金銭を貸し付けた控訴人Aがその担保を取得する趣旨で,一つには,コトブキゴルフが有限会社アダムスから本件商標を付したゴルフクラブを仕入れ,販売する際の自己使用の趣旨で,コトブキゴルフの名義で商標登録をしたものであって,これは日本国内法に基づく正当な行為である。したがって,コトブキゴルフ及び同社から本件商標権を譲り受けた控訴人Aによる被控訴人ワールドブランズ及び被控訴人アダムスゴルフに対する権利行使は,権利の濫用に当たらない。
2 被控訴人らの主張 (1) 控訴人らの上記1(1)の主張事実は認める。
(2) 控訴人らの上記1(2),(3)の主張はすべて争う。
当裁判所の判断
1 コトブキゴルフは,平成8年3月12日,「ADAMS」の英文字と「アダムス」の片仮名文字を上下2段に横書きしてなり,指定商品を別表第28類「運動用具」とする本件登録商標の商標登録出願をし,平成9年11月21日,設定登録を受けたこと,コトブキゴルフの代表取締役である控訴人Aは,コトブキゴルフから本件登録商標を譲り受け,平成11年3月1日,その登録を経たこと(甲1,2),控訴人寿商事は,平成14年9月2日,コトブキゴルフを吸収合併し,本件を含むその権利義務を包括承継したこと,一方,被控訴人アダムスゴルフは,ゴルフクラブの製造,販売を主たる業とする米国法人であり,米国等においてADAMSの標章(本件標章)を付したゴルフクラブを製造,販売していること,被控訴人ワールドブランズは,被控訴人アダムスゴルフから上記標章を付したゴルフクラブを輸入し,我が国において販売していること,以上の事実は当事者間に争いがないか,証拠及び弁論の全趣旨によって容易に認定することができる。
また,ゴルフクラブは本件商標権の指定商品に含まれること,本件登録商標のうちの「ADAMS」の英文字部分とADAMSの標章(本件標章)は,その外観が類似し,「アダムス」という称呼が同一であることも当事者間に争いがなく,両者は「アダムス」という人の氏名若しくは団体の名称又はこれらの略称の観念を生ずる点でも同一であるから,ADAMSの標章(本件標章)は,本件登録商標と類似するというべきである。
2 本件商標権の商標権者である控訴人Aの被控訴人ワールドブランズ及び被控訴人アダムスゴルフに対する本件差止請求権の行使,並びに控訴人A及び本件商標権の前商標権者であるコトブキゴルフを包括承継した控訴人寿商事の被控訴人ワールドブランズに対する本件損害賠償請求権の行使が,権利の濫用に当たるか否か(争点1)について判断する。
(1) コトブキゴルフが本件登録商標の商標登録出願をした経緯等に関する事実認定は,原判決の認定(原判決11頁9行目〜13頁10行目)のとおりであるから,これを引用する。
控訴人らは,上記の事実認定を争うので検討すると,@(1996年のPGA展示会における控訴人AとBとの会話)の点については,乙12の1,2及び乙14によれば,原判決認定に係る事実を認めることができ,これに反する原審における控訴人A本人の供述及び当審で提出された同人の陳述書(甲12)は信用することができない。また,A(控訴人A供述とC証言との食違い)の点に関する原判決の説示は,本件登録商標の商標登録をいずれが提案したかという重要事項について,当事者である控訴人AとCの供述内容が食い違っていること自体,両名の供述の証拠価値を減殺させるという趣旨であると解され,その判断に誤りはないというべきであるし,B(コトブキゴルフの宣伝広告の目的)の点も,後記(3)のとおり,本件異議申立事件とコトブキゴルフによる宣伝広告実施との時間的関係,当該宣伝広告の掲載内容その他の事実に照らせば,当時のコトブキゴルフの目的は,専ら,本件異議申立事件の手続を自己に有利に進行させることにあったと推認するのが相当である。さらに,C(控訴人Aと有限会社アダムスの金銭消費貸借契約の存在)の点については,両者の取引の実体から見て不自然というべきであり,かえって,控訴人Aないしコトブキゴルフの不正な目的の存在を推認させる面があることは,後記(3)で判示するとおりである。以上によれば,控訴人らの上記主張は採用の限りではない。
(2) 上記認定事実によれば,ADAMSの標章(本件標章)が,被控訴人アダムスゴルフの製造,販売するゴルフクラブを示すものとして,米国において注目されるようになったのは1996年(平成8年)1月のPGA展示会からであるところ,控訴人Aは,その展示会を視察し,ADAMSの標章(本件標章)を付したタイトライズ製品に注目し,将来,重要なゴルフクラブになるかもしれないとの認識を有するようになったこと,その後,控訴人Aが代表者であったコトブキゴルフは,上記展示会の終了後間もない同年3月12日,被控訴人アダムスゴルフの許諾を得ることなく,上記ADAMSの標章(本件標章)と類似する本件登録商標の登録出願をしていること,コトブキゴルフは,従前から,外国においてゴルフ用品製造業者又は販売業者を示すものとして使用されている商標につき,我が国において上記製造業者又は販売業者に無断で商標登録出願をすることを数多く繰り返しており,その件数は,昭和53年6月から平成8年9月までの間の主なものだけでも,原判決別表1,2記載の合計19件に上ることが認められる。
以上によれば,本件登録商標の商標登録出願時における控訴人Aないしコトブキゴルフの目的は,当時,米国において,被控訴人アダムスゴルフの製造,販売するゴルフクラブを示すものとして,ADAMSの標章(本件標章)が注目されるようになっていたことに着目し,近い将来,我が国においても,同商標が注目されるようになる可能性が高いとの判断の下に,我が国で登録されていないことを幸い,あらかじめ,同商標に類似する本件登録商標につき商標登録を受けることにより,我が国内において,ADAMSの標章(本件標章)を付した商品の輸入総代理店等の有利な立場を得たり,あるいは,被控訴人アダムスゴルフの名声に便乗して不正な利益を得るために使用することにあったと推認するのが相当である。
ところで,我が国おいて,外国における他人の氏名,名称又はこれらの略称からなる商標の使用を知りながら,それと無関係の者が,当該他人の許諾を得ることなく,当該商標又はこれに類似する商標の設定登録を受けることは,商標法4条1項8号,15号等によって商標登録を受けることができない場合があり得るのはもとより,その目的が,我が国で登録されていないことを幸い,当該他人の氏名,名称又はこれらの略称に便乗して不正な利益を得るなどの不正な意図をもって使用することにあるものと認められる限り,公正な商取引の秩序を乱し,ひいては国際信義に反するものとして,公序良俗を害するおそれがある商標というべきであるから,同項7号によって商標登録を受けることができないと解される(東京高裁平成11年3月24日判決・判例時報1683号138頁,同平成11年12月22日判決・判例時報1710号147頁参照)。本件において,本件登録商標の出願当時,被控訴人アダムスゴルフの名称あるいは同社が使用するADAMSの標章は,我が国おいてはいまだ周知著名であるとはいえなかったものの,上記認定のとおり,控訴人Aないしコトブキゴルフは,同標章が米国では注目されるようになっていたことを知った上で,近い将来,我が国においても同商標が注目されるようになる可能性が高いとの判断の下に,我が国で登録されていないことを幸い,被控訴人アダムスゴルフの名声に便乗して不正な利益を得るために使用する目的をもって,同被控訴人の許諾を得ることなく,本件登録商標の商標登録出願をしたものであると認められるから,本件登録商標は,公正な商取引の秩序を乱し,ひいては国際信義に反するものとして,同項7号にいう公序良俗を害するおそれがある商標に該当するというほかはない。
(3) 控訴人らは,本件登録商標につきコトブキゴルフ名義で商標登録出願をしたのは,控訴人Aが,アダムスないしADAMSの標章を付したゴルフクラブの製造販売業者でコトブキゴルフの取引先でもある有限会社アダムスに対し,平成7年6月26日に営業資金として貸し付けた200万円の貸金債権の担保の趣旨と,有限会社アダムスからアダムスないしADAMSの標章を付したゴルフクラブを仕入れ,販売する際の自己使用の趣旨であった旨主張する。
しかしながら,コトブキゴルフは,本件の原審甲事件に係る訴えの提起(平成11年5月28日)に先立つ本件異議申立事件においては,本件登録商標の登録出願の経緯につき,「控訴人Aが,有限会社アダムスの代表者であるCに対し,アダムス及びADAMSの標章について商標登録をしておかないと,他人が先に商標登録をした場合には,商標権侵害の問題が生ずるおそれがある旨の指摘をしたところ,Cはこれに恩義を感じてコトブキゴルフの名義で商標登録出願をすることを承諾した」旨主張していたことが認められ(乙11の3[平成10年10月19日付け商標登録異議意見書]),そもそも本件訴訟における上記の主張とは食違いが見られるところである。
そして,200万円の貸金債権の担保という主張については,これに沿う証拠として,原審における証人Cの証言及び控訴人A本人の供述並びに当審で提出された甲11,12とが存在するが,原審段階から顕在化していた争点について,金銭消費貸借契約証書(甲11)のような重要な証拠が,訴えの提起から4年後の控訴審第2回口頭弁論期日において初めて提出されること自体,奇異なことであるといわざるを得ないし,そもそも,控訴人Aが有限会社アダムスに200万円の融資をしたことが仮に事実であったとしても,なにゆえに控訴人Aが有限会社アダムスないしCに対し,そのような好意的取扱いをしたのかという点は,コトブキゴルフと有限会社アダムスとの取引の実体から見て不自然というべきである。すなわち,本件登録商標の商標登録出願の前後におけるコトブキゴルフの有限会社アダムスからのゴルフ用品の仕入額は,平成7年が52万5000円,同8年が93万9000円,同9年が86万1336円,同10年が64万5000円(乙11の3添付の仕入伝票)と比較的少額であり,このような少額の取引相手に対し,200万円の融資という好意的取扱いをすること自体,かえって,上記(2)において認定した控訴人Aないしコトブキゴルフの不正な目的の存在を推認させる面があるといわざるを得ない。
他方,有限会社アダムスからアダムスないしADAMSの標章を付したゴルフクラブを仕入れ,販売する際の自己使用の趣旨であるとの主張については,上記のとおり,コトブキゴルフの有限会社アダムスからのゴルフクラブの仕入額が比較的少額であることに照らせば,コトブキゴルフが,その程度の少額の取引における購入,販売の便宜のために,ADAMSの標章(本件標章)と類似する本件登録商標についてわざわざ商標登録出願をしたということ自体,甚だ不自然,不合理というべきである。
この点について,控訴人らは,その主張を裏付ける証拠として,コトブキゴルフによる宣伝広告の実績を示す新聞記事(甲4の12,13)を提出する。しかしながら,コトブキゴルフによるアダムスないしADAMSの標章を付したゴルフクラブの宣伝広告は,本件登録商標の出願後はもとより,設定登録がされた後においても行われた形跡がなく,平成10年5月7日付けスポーツニッポンの記事(甲4の12)が初めてであること,コトブキゴルフによる本件登録商標を付したゴルフクラブの宣伝広告は,同年5月及び6月に集中的に行われている(甲4の12,13,弁論の全趣旨)ところ,その時期は,本件異議申立事件において,コトブキゴルフから代理人弁理士の同年4月27日付け選任届(乙11の2)が提出された直後に当たること,上記の宣伝広告においては,掲載された多数のゴルフ用品のうち,他はいずれも有名なブランドのものであるのに,その中に有名とはいえない有限会社アダムス製造のADAMSの商標を付したゴルフクラブが各1本掲載されているものであることが認められる。これらの事実によれば,上記の宣伝広告は,コトブキゴルフが真実その販売に係る製品を宣伝するというよりは,むしろ,本件登録商標に係る本件異議申立事件の手続を自己に有利に進行させることのみを目的として行われたものであると推認するのが相当である。
したがって,控訴人らの上記主張は採用することができない。
(4) そうすると,本件商標権の商標権者である控訴人Aの被控訴人ワールドブランズ及び被控訴人アダムスゴルフに対する本件差止請求権の行使,並びに控訴人A及び本件商標権の前商標権者であるコトブキゴルフを包括承継した控訴人寿商事の被控訴人ワールドブランズに対する本件損害賠償請求権の行使は,商標法4条1項7号に該当する無効理由が存在することが明らかな商標権に基づくものであって,特段の事情がうかがわれない本件においては,権利の濫用に当たるというべきである。
3 以上によれば,控訴人らの被控訴人ワールドブランズに対する請求は,その余の点について判断するまでもなく理由がないから,これを棄却すべきであり,他方,控訴人Aに対し,ADAMSの標章を付したゴルフクラブの輸入,販売等につき,本件商標権に基づく差止請求権の不存在確認を求める被控訴人アダムスゴルフの請求は理由があるから,これを認容すべきである。
よって,以上と同旨の原判決は相当であって,本件各控訴は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 篠原勝美
裁判官 長沢幸男
裁判官 早田尚貴