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関連ワード 包装 /  指定商品 /  普通名称(3条1項1号) /  普通に用いられる方法 /  類似性(類否判断) /  専用使用権 /  差止 / 
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事件 平成 15年 (ネ) 76号 商標権侵害差止請求控訴事件

控訴人(1審原告) 昭和貿易株式会社
同訴訟代理人弁護士 川村和久
同 梅本弘
同 片井輝夫
同 池田佳史
同 池野 由香里
同 嶋津裕介
同 内藤裕史
同 石黒昭吉
被控訴人(1審被告) 福友産業株式会社
同訴訟代理人弁護士 對崎俊一
裁判所 大阪高等裁判所
判決言渡日 2003/06/26
権利種別 商標権
訴訟類型 民事訴訟
主文 1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
当事者の求めた裁判
1 控訴人 (1) 原判決を取り消す。
(2) 被控訴人は,原判決別紙標章目録1ないし3記載の標章を表示したぶどう出荷用包装資材を製造し,販売してはならない。
(3) 被控訴人は,その所有するぶどう出荷用包装資材から前項記載の標章を抹消せよ。
(4) 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。
(5) 仮執行宣言 2 被控訴人 主文と同旨 (以下,控訴人を「原告」,被控訴人を「被告」という。なお,略称は原判決のそれによる。)
事案の概要
1 本件は,後記の商標権を有する株式会社日本巨峰会から専用使用権の設定を受け,その登録を受けた原告が,原判決別紙標章目録(以下「別紙標章目録」という。)1ないし3記載の標章を表示したぶどう出荷用包装資材を製造販売している被告に対し,その製造販売が自己の専用使用権を侵害するとして,商標法36条1項,2項,37条6号又は7号に基づいて,これらの標章を表示したぶどう出荷用包装資材の製造販売の差止め,被告の所有するぶどう出荷用包装資材からのこれらの標章の抹消を求め,これに対し,被告が,登録商標の「巨峰」という語は,ぶどうの一品種を表す普通名称であるなどと主張して争った事案である。
原判決は,原告の請求をいずれも棄却したため,原告が本件控訴を提起した。
2 基礎となる事実 次のとおり付加,訂正等するほか,原判決2頁6行目から11頁22行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。
(原判決の訂正等) 原判決2頁25行目の「別紙登録商標目録」を「原判決別紙登録商標目録(以下「別紙登録商標目録」という。)」と改め,3頁23行目の「第11号証」の次に「,乙第2号証」を加え,4頁15行目の「第10,第11号証」を「第10ないし第12号証」と改め,同20行目の「第11号証,」の次に「乙第2号証,」を加え,同21行目の「前記(2)のとおり,」を削り,同22行目の「設定を受け」の次に「(弁論の全趣旨),前記(2)のとおり」を加える。
3 争点 原判決11頁24行目から12頁2行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。
争点に関する当事者の主張
原判決12頁4行目から18頁21行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。
当裁判所の判断
1 争点1(標章の類似性)について 原判決18頁24行目から19頁12行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。
2 争点2(「巨峰」という語の普通名称化の有無)について 次のとおり付加,訂正するほか,原判決19頁14行目から49頁20行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。
(原判決の訂正等) 原判決20頁25行目の「など並んで」を「などと並んで」と改め,32頁20行目の「巨峰」の次に「,「キョホウ」」を加え,38頁6行目の「の登録商標」を「において,登録商標」と改め,41頁20行目の「甲第19号証の1,2」及び42頁2行目の「甲第20号証」の次にそれぞれ「,弁論の全趣旨」を,44頁20行目の「存在する」の次に「(弁論の全趣旨)」を各加え,45頁8行目及び同10行目の各「広告」をいずれも「広告等」と,48頁2行目及び同8行目の各「和解条項一」をいずれも「和解条項1項」と,49頁13行目の「本件商標権侵害の責任」を「本件商標権を侵害したこと及びその侵害の責任」と各改める。
3 争点3(「普通に用いられる方法」に当たるか)について 原判決49頁22行目から50頁6行目までに記載のとおりであるから,これを引用する。
4 その他,原審及び当審における原告及び被告提出の各準備書面記載の主張に照らして,原審及び当審で提出,援用された全証拠を改めて精査しても,引用に係る原判決を含め,当審の認定判断を覆すほどのものはない。
結論
以上によると,被告標章は,本件登録商標の指定商品である前記商品の区分第47類中の「葡萄」に当たる本件品種のぶどうを表す普通名称を,普通に用いられる方法で表示したものと認められる。したがって,商標法26条1項2号により,本件商標権の効力は被告標章に及ばず,本件専用使用権の効力も被告標章に及ばないから,原告の請求はいずれも理由がなく棄却すべきところ,これと同旨の原判決は相当であり,本件控訴はいずれも理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。
(当審口頭弁論終結日 平成15年5月20日)
裁判長裁判官 竹原俊一
裁判官 小野洋一
裁判官 黒野功久