• この表をプリントする
  • ポートフォリオ機能


追加

関連審決 審判1999-30247
関連ワード 指定商品 /  通常使用権 /  専用使用権 /  外観(外観類似) /  観念(観念類似) /  国内 /  連合商標 /  存続期間 /  更新登録 /  継続 /  商号 / 
元本PDF 裁判所収録の全文PDFを見る pdf
事件 平成 13年 (行ケ) 184号 審決取消請求事件
原告 ピエールバルマン ソシエテ アノニム
訴訟代理人弁護士 佐藤雅巳
被告 小泉株式会社
訴訟代理人弁理士 北村 修一郎
裁判所 東京高等裁判所
判決言渡日 2002/06/13
権利種別 商標権
訴訟類型 行政訴訟
主文 原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
この判決に対する上告及び上告受理申立てのための付加期間を30日と定める。
事実及び理由
原告の求めた裁判
「特許庁が平成11年審判第30247号事件について平成13年1月9日にした審決を取り消す。」との判決。
事案の概要
1 特許庁における手続の経緯 被告は、登録第977769号商標(「バルマン」の片仮名文字を書してなり、
旧第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、昭和43年6月4日に登録出願、
同47年8月26日登録。同57年10月26日及び平成5年1月28日の商標権存続期間更新登録。本件商標)の商標権者である。
原告は、平成11年2月26日、被告を被請求人として、商標法50条に基づき本件商標の登録を取り消すとの審決を求める審判請求をし(予告登録日・平成11年3月24日)、平成11年審判第30247号事件として審理されたが、平成13年1月9日「本件審判請求は、成り立たない。」との審決があり(出訴期間90日附加)、その謄本は同月29日原告に送達された。
2 審決の理由の要点 (1) 請求人(原告)の主張 本件商標は、その指定商品のいずれについても、継続して3年以上、我が国において、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれによっても使用されていない。
よって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、指定商品の全部について取り消すべきものである。
(2) 被請求人(被告)の主張 被告は、審判請求が成り立たない理由を次のように述べ、証拠方法として審判乙第1号証ないし審判乙第49号証を提出した。
(2)-1 本件商標は、片仮名の「バルマン」を横一連に表示して成り、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品とするものである。
また、本件商標と旧商標法上の連合商標であった登録第1879415号商標(元連合商標)は、次の態様からなり、その指定商品は本件商標と同一である。本件商標の出願公告公報(商公昭46‐64222)の写しを【審判乙第1号証】として、元連合商標の出願公告公報(商公昭60‐83190)の写しを【審判乙第2号証】として、その登録原簿謄本を【審判乙第3号証】として、それぞれ提出する。
(2)-2 本件商標及び元連合商標通常使用権者である大阪市中央区備後町3丁目1番8号に所在の小泉アパレル株式会社は、本件審判請求の予告登録日前3年以内(平成8年3月24日から平成11年3月23日までの間)に含まれる平成8年3月24日から平成9年3月31日までの間において、日本国内において、商品「被服」について、元連合商標等を使用した。
(2)-3 したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定には該当しないものであって、その登録を取り消されるべきものではない。
(3) 審決の判断 (3)-1 被告は、通常使用権者の小泉アパレル株式会社が本件商標及び元連合商標を使用していると主張する。そして、元連合商標「ミニバルマン」を「ジャケット」に使用し、十字屋株式会社に販売し、納品したとして審判乙第5号証ないし第14号証を提出している。また、本件商標「バルマン」を「(ア)パンツ、(イ)ショートワンピース、(ウ)ミニスカート、(エ)ミニスカート、(オ)ロングスカート」に使用していると主張し、山之内繊維株式会社に販売し、納品したとして審判乙第16号証ないし第39号証を提出している。そして、通常使用権者は本件商標及び元連合商標に商品「婦人用の衣服」の、主として小売業のバイヤー向けの新作発表商談会(通常使用権者を含む数社の共催)を継続して開催していると主張し、審判乙第42号証ないし第49号証を提出している。
(3)-2 そこで、審判乙第5号証ないし第14号証をみるに、審判乙第5号証は、平成8年秋・冬物の企画書の写しであるが、これには、「’96 AUTUMN & WINTER」の文字、「mini-VALMAN」及び「ミニバルマン」を上下二段に表示した文字、図形、素材を示す「NYLON TWILL(QUILTING)」の文字、そして、「660-0953」及び「130 140 150 160」等の表示がみられるところ、これら表示を総合してみると、上下二段に表された「mini-VALMAN」及び「ミニバルマン」は元連合商標を表したものであり、図形はその形状よりして商品「ジャケット」を表し、「660-0953」及び「130 140 150 160」は該ジャケットの商品コード及びサイズを表したものとみられものである。
しかして、審判乙第6号証、審判乙第10号証及び審判乙第13号証は十字屋の注文伝票兼用の納品伝票である計算課用(タイプ用II型)であるところ、審判乙第6号証には、「品名『フードツキジャケット、ミニバルマン』、十字屋の伝票番号;00-173596、通常使用権者の伝票番号;676470、発注日;96年12月6日』」、審判乙第10号証には、「品名『フードツキジャケット、ミニバルマン』、十字屋の伝票番号;00-173611、通常使用権者の伝票番号;676472、発注日;96年12月6日」、そして、審判乙第13号証には、
「品名『フードツキジャケット、ミニバルマン』、十字屋の伝票番号;00-173633、通常使用権者の伝票番号;676474、発注日;96年12月6日」がそれぞれみられる。
そして、審判乙第7号証、審判乙第11号証及び審判乙第13号証は十字屋の発注に係る商品を佐川急便株式会社に運送を委託した際の送り状であるところ、審判乙第7号証には、「十字屋の伝票番号とみられる00173596、株式会社十字屋山形店、受領日96年12月11日」、審判乙第11号証には、「十字屋の伝票番号とみられる00173611、株式会社十字屋仙台店、受領日96年12月11日」、そして、審判乙第14号証には、「十字屋の伝票番号とみられる00173633、株式会社十字屋銚子店、受領日96年12月12日」がそれぞれみられる。
そして、審判乙第8号証は通常使用権者の商品出入帳であるところ、これには商品コードとみられる「660-0953」及び「96/12/12 十字屋山形店 676470」、「96/12/12 十字屋仙台店 676472」、「96/12/12 十字屋銚子店 676474」更には「96/12/18 十字屋仙台店 686012」がみられる。そして、審判乙第9号証は通常使用権者の売掛金元帳であるところ、これには「12|12、676470、ミニバルマン」、
「12|12、676472、ミニバルマン」、「12|12、676474、ミニバルマン」更には「12|18、686012、ミニバルマン」がみられる。
そして、審判乙第12号証は株式会社仙台十字屋の返品入日記であるところ、これには「品名」の欄に「ジャケット ミニバルマン、660-0953」がみられ、「伝票番号」として「686012」がみられる。
しかして、審判乙第5号証に示された商品コード「660-0953」が通常使用権者の商品出入帳(審判乙第8号証)にみられ、この商品出入帳には、年月日、
仕入先名、加工先名、出荷先名及び伝票No.に「96/12/12 十字屋山形店 676470」「96/12/12 十字屋仙台店 676472」「96/12/12 十字屋銚子店 676474」「96/12/18 十字屋仙台店 686012」の記載がみられ、売掛金元帳(審判乙第9号証)には伝票No.及び商品名に「676470 ミニバルマン」「676472 ミニバルマン」「676474 ミニバルマン」「686012 ミニバルマン」の記載がみられる。
そして、審判乙第6号証、第10号証及び第13号証には「676470」「676472」「676474」がみられ、これが十字屋のそれぞれの伝票No.に一致するものであって、かつ、審判乙第6号証、第10号証及び第13号証には品名「フードツキジャケット ミニバルマン」の記載がみられ、これが売掛金元帳の伝票No.及び商品名に一致しているものとみられる。しかして、審判乙第6号証、
第10号証及び第13号証の伝票番号「00-173596」「00-173611」「00-173633」は審判乙第7号証、第11号証及び第14号証の佐川急便株式会社に運送委託した際の送り状の伝票番号「00-173596(株)十字屋山形店」「00-173611(株)十字屋仙台店」「00-173633(株)十字屋銚子店」と一致するとみられるものであり、その受領印がそれぞれ96年12月11日である。そして、通常使用権者の商品出入帳にみられる商品コード「660-0953」及び「96/12/18 十字屋仙台店 686012」並びに売掛金元帳にみられる「686012 ミニバルマン」が、十字屋仙台店の示す審判乙第12号証の伝票番号「686012」と一致してなり、商品「ジャケット ミニバルマン」及び商品コード「660-0953」と対応してなるものがみられる。
これらを総合してみると、通常使用権者と「(株)十字屋山形店」の間で1996年12月11日付けで「ミニバルマン」を使用して商品「ジャケット」の取引があり、通常使用権者と「(株)十字屋仙台店」の間で1996年12月11日付けで「ミニバルマン」を使用して商品「ジャケット」の取引があり、通常使用権者と「(株)十字屋銚子店」の間で1996年12月11日付けで「ミニバルマン」を使用して商品「ジャケット」の取引があったものと認められる。そして、通常使用権者と「(株)十字屋仙台店」の間で1996年12月13日付けで商品相違による返品があったものと認められる。
しかして、通常使用権者と株式会社十字屋山形店、株式会社十字屋仙台店及び株式会社十字屋銚子店との間で商品「ジャケット」について「ミニバルマン」の商標が使用されたものと認められ、そして、この「ミニバルマン」商標は、社会通念上、元連合商標の使用と認められるものである。
そして、審判乙第42号証ないし第44号証、審判乙第46号証及び第47号証をみるに、これらは通常使用権者の展示会の案内状であるところ、審判乙第42号証は平成8年4月の開催のものであり、審判乙第43号証は平成9年4月の開催であり、審判乙第44号証は平成9年6月の開催、審判乙第46号証は平成10年3月の開催、そして、審判乙第47号証は平成10年4月開催の案内状である。これら案内状には「バルマン」「ミニバルマン」及び「小泉アパレル株式会社」が記載されている。
審判乙第45号証は1997年(平成9年)11月4日付け日本繊維新聞であるが、これには「小泉アパレル」が、東京、大阪、名古屋、九州等の各地で「バルマン」「ミニバルマン」についての展示会を開催していることが紹介されている。
審判乙第48号証は1997年(平成9年)11月25日付け日本繊維新聞であるが、これには「小泉アパレル」の記載と共に「『バルマン』はジーニング路線をふくらませる。ビンテージ、ノンウォッシュに続いて、やわらかい素材などで幅出し。ジャンパースカート、スカートではコンフォートジーンズ戦略が奏功し、オーバーオール(上代三千九百円)は月刊十万点の実績である。」の記載がみられる。
審判乙第49号証は別冊チャネラー ファッション ブランド年鑑 1997であるが、これには「小泉アパレル(株)、本社大阪市中央区備後町3-1-6、★バルマン(VALMAN)、〔服種〕パンツ、ジャケット、スカート、〔中心上代〕3900〜4900円」等の記載がみられる。
これらの事実からしてみると、小泉アパレル株式会社は、パンツ、ジャケット、
スカート等の被服の製造及び販売若しくは被服等新作企画の開催を継続して行っているものとみられる。
(3)-3 原告は、小泉アパレル株式会社は通常使用権者でない旨主張しているが、商標登録原簿をみるところ、その商標原簿上に通常使用権者の設定の登録がなされていないとしても、商標権者である株式会社小泉と小泉アパレル株式会社とはその商号の一部である「小泉」を共通にし、両者の住所が「本社大阪市中央区備後町3-1-6」と一致することからすると、両者の間には何らかの関係を有するものと推定できるから、小泉アパレル株式会社は通常使用権者と推認し得るものである。現に商標権者は小泉アパレル株式会社を通常使用権者として、自己の登録商標の使用を証明しようとするものである。
そして、「ミニバルマン」は元連合商標と認められ、かつ、商品「ジャケット」は本件商標の指定商品中の「被服」に属する商品と認められるものである。
(3)-4 してみると、被告は、本件商標の連合商標(元連合商標)を本件審判の登録前3年以内に日本国内においてその指定商品中の「被服」について使用していたことを認めることができる。
(4) 審決の結論 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
原告主張の審決取消事由
審決は、小泉アパレル株式会社が通常使用権者であり、商標「ミニバルマン」が被服に使用されていると認定したが、誤りである。
審決は、「ミニバルマン」は本件商標の連合商標であると認定しているが、本件商標の連合商標(元連合商標)は、欧文字「mini-VALMAN」と片仮名「ミニバルマン」とを上下二段に配してなるものであって、誤りである。
この連合商標と、審決が認定した被告使用の商標「ミニバルマン」とは外観において明らかに異なる。連合商標の上段部「mini-VALMAN」からも下段部「ミニバルマン」からも具体的な観念を生じない。したがって、被告使用商標「ミニバルマン」は連合商標と同一の範囲外にあり、商標「ミニバルマン」の使用が仮にあったとしても(原告はこの使用の事実があったことも争うものであるが)、これは本件商標の連合商標の使用ではなく、したがって、本件商標の使用ではない。
審決取消事由に対する被告の反論
商標「ミニバルマン」が通常使用権者である小泉アパレル株式会社によって指定商品に使用されてきており、これが、本件商標の連合商標の使用の範囲内であるとした審決の認定判断に誤りはない。
当裁判所の判断
審決の理由の要点(3)-2に記載の審判乙号各証は、本訴においても同番号で乙号各証として提出されているが、審判乙号各証に対応する乙号各証によれば、審決の理由の要点(3)-2に認定されている事実を認めることができ、その認定に誤りはない。この認定事実によれば、小泉アパレル株式会社は、平成8年12月、株式会社十字屋に販売した商品であるジャケットについて「ミニバルマン」の商標を付して使用していたことが明らかである。また、小泉アパレル株式会社が、元連合商標(本件商標と旧商標法上の連合商標であった登録第1879415号商標)の通常使用権者であるとした審決の認定(審決の理由の要点(3)-3の説示)も正当であり、誤りがあるとは認められない。
そして、審決認定のように、小泉アパレル株式会社によって、指定商品に含まれる被服に使用された商標「ミニバルマン」は、元連合商標の同一の範囲内のものと認めるのが相当である(この点に反する原告の主張は理由がない。)ので、本件商標の連合商標が本件審判請求の予告登録日前3年以内に使用されていたものということができる。さらに、平成9年4月1日以降平成12年3月31日までの間に、
平成8年改正商標法(平成9年4月1日施行)第50条第1項の規定に基づいて請求された審判(本件審判請求日は平成11年2月26日)においては、商標法の旧第50条第2項の規定(連合商標の使用に関する特例)の適用がある(平成8年法律第68号附則第10条第2項)ので、元連合商標の使用が認められることを根拠にして、本件商標の登録は商標法第50条の規定により取り消すことはできないとした審決の判断に誤りはない。
結論
よって、原告の請求は棄却されるべきである。
(平成14年4月16日口頭弁論終結)
裁判長裁判官 永井紀昭
裁判官 塩月秀平
裁判官 田中昌利
  • この表をプリントする