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関連審決 審判1995-1741
関連ワード 識別機能 /  指定商品 /  商標の同一性 /  周知性 /  混同を生ずるおそれ(混同を生じるおそれ) /  ただ乗り(フリーライド) /  不使用 /  外観(外観類似) /  称呼(称呼類似) /  観念(観念類似) /  出所の混同 /  存続期間 /  更新登録 /  不使用取消審判 /  類似商標 /  継続 /  非類似 /  商号 / 
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事件 平成 9年 (行ケ) 153号
裁判所のデータが存在しません。
裁判所 東京高等裁判所
判決言渡日 1998/06/30
権利種別 商標権
訴訟類型 行政訴訟
主文 特許庁が平成7年審判第1741号事件について平成9年4月18日にした審決を取り消す。
訴訟費用は被告の負担とする。
事実及び理由
当事者の求めた裁判
1 原告主文と同旨の判決2 被告「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決
請求の原因
1 特許庁における手続の経緯 被告は、指定商品を商標法施行令(平成3年政令第299号による改正前のもの)に定める商品区分第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」とし、ゴシック体片仮名文字「アフタヌーンティー」及びゴシック体アルファベット文字「AFTERNOONTEA」を二段に横書きしてなる登録第1771710号商標(昭和57年5月20日出願、昭和60年5月30日登録、平成7年8月30日商標権存続期間更新登録。以下「本件商標」という。)の商標権者である。
原告は、平成7年1月13日、本件商標につき、商標法51条1項の規定に基づく商標登録の取消審判を請求した。
特許庁は、同請求を平成7年審判第1741号事件として審理した結果、平成9年4月18日、「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決をし、その謄本は、同年6月2日原告に送達された。
2 審決の理由 審決の理由は、別紙審決書写し(以下「審決書」という。)に記載のとおりであって、その要点は、次のとおりである。
(1) 本件商標は、「アフタヌーンティー」の片仮名文字と「AFTERNOONTEA」の欧文字とを二段に横書きした構成からなるところ、片仮名文字部分と欧文字部分より生ずる称呼観念は、ともに「アフタヌーンティー」及び「午後のお茶(茶話会)」であり、これ以外の称呼観念は生じないものとみるのが相当であるから、本件商標を、片仮名文字部分のみ、又は欧文字部分のみで使用したとしても、社会通念上本件商標と同一の範囲内の使用と認め得るものである。
そうとすれば、被請求人使用商標(審決書別紙(B)、(C)。以下、各被請求人使用商標をいう場合は、被請求人使用商標(B)のように表示する。)は、いずれも本件商標の欧文字部分の使用と認められるものであるから、本件商標の変更使用とは言い得ないものである。
(2) @ 請求人(原告)は、請求人使用商標(審決書別紙(A))が輸入雑貨の販売又は喫茶店の商号として使用され、周知著名であると主張し、その事実を証明するものとして甲各号証を提出しているが、甲各号証によっては、請求人使用商標が、輸入雑貨の販売又は喫茶店の商号(喫茶店の商号は「アフタヌーンティールーム」と認められる。)としてある程度知られている事実を認め得るが、未だ著名の程度には至っていないものと判断するのが相当である。
A 加えて、被請求人使用商標が使用されている商品「被服」と、請求人使用商標が使用されている商品「輸入雑貨」等とは、明らかに非類似の商品と認められるものである。
B しかも、両者の態様も、審決書別紙に示すとおり、白抜きと黒ベタの相違がある。
C してみれば、被請求人(被告)が、被請求人使用商標を商品「被服」について使用したとしても、請求人使用商標との関係において、混同を生ずるおそれはないものというべきである。
3 審決の取消事由 審決は、被告による被請求人使用商標(B)の使用は、商標法51条1項の規定する要件を満たすものであるのに、誤ってこれを満たさないものと認定、判断したものであるから、違法なものとして取り消されるべきである。
(取消事由)(1) 請求人使用商標に類似する商標の使用 審決は、「本件商標を、片仮名文字部分のみ、又は欧文字部分のみで使用したとしても、社会通念上本件商標と同一の範囲内の使用と認め得るものである。」と認定するが、誤りである。
@ 被告が「若い女性向けのシャツ、ブラウス、ワンピース、パンツ、スカート、
セーター、カーディガン、マフラー、靴下」に審決書別紙(B)の形態を有する被請求人使用商標(B)を平成5年3月から使用したことは、被告の自認するところである。
A そして、不使用取消審判では、本来使用をしているからこそ保護を受けられるのであり、使用をしなければ取り消されてもやむをえないのに対し、不正使用取消審判では、商標の不当な使用によって一般大衆の利益が害されるような事態を防止し、かつ、そのような場合には当該商標権者に制裁を科する規定である。したがって、登録商標との同一性の概念を認めるとしても、専ら自己の登録商標との同一性のみを考慮して第三者の商標を考慮する必要がない商標法50条1項と、自己の登録商標と第三者の商標との関係を問題とした上で登録商標との同一性を論ずる必要がある商標法51条1項とでは、登録商標の同一性の範囲が異なることは当然である。
しかるに、審決は、第三者の使用する商標との関係で、被請求人使用商標(B)がなぜ本件商標と社会通念上同一といえるのかを明らかにしていない。
B 本件商標中の欧文字部分は、ゴシック体で記載されるのに対して、被請求人使用商標(B)は、本件商標と明らかに態様を異にし、「Afternoon」と「Tea」を1単語として扱うなどの特徴を有する請求人使用商標に近似させるものであるから、被請求人使用商標(B)は、本件商標と同一ではなく、類似商標に当たるものである。
(2) 混同を生ずるおそれ 審決は、被告が被請求人使用商標(B)を商品「被服」について使用したとしても、請求人使用商標との関係において、混同を生ずるおそれはない旨判断するが、
誤りである。
@ 後記(3)ないし(5)に検討するとおり、被請求人使用商標(B)を被服について使用すれば、請求人使用商標との関係において混同を生ずるおそれがあることは明らかである。
A 実際に、原告商品と被告商品との混同は生じている(甲第23号証―株式会社伊藤忠ファッションシステム作成平成6年9月28日付け「【A】「アフタヌーンティー」ブランド認知実態調査―報告書―」、甲第54号証―平成7年7月6日付け【B】報告書)。
(3) 請求人使用商標の著名性 審決は、「請求人使用商標が、輸入雑貨の販売又は喫茶店の商号(喫茶店の商号は「アフタヌーンティールーム」と認められる。)としてある程度知られている事実を認め得るが、未だ著名の程度には至っていないものと判断するのが相当である。」と認定するが、誤りである。
@ まず、原告が請求人使用商標を付して販売、営業活動をするのは、輸入雑貨の販売に限らず、家具、台所用品、日用品、文房具、菓子、紅茶、加工果実等の販売、喫茶店の営業もある。
A 商標法51条1項にいう「他人の業務に係る商品若しくは役務と混同を生ずる」ためには、他人の業務の著名性は要求されていない。周知性は、混同のおそれの有無の判断材料の1つにすぎない。
B そして、請求人使用商標は周知著名である。
(a) すなわち、原告は、昭和56年9月に、家具、台所用品、日用品、文房具、菓子、紅茶、加工果実等の販売及び喫茶店を営業する店舗の商号及び商標として「AFTERNOON TEA」(以下、その商標を「AFTERNOON TEA」商標という。)を選択し、渋谷パルコ店をオープンし、以後、ほぼ毎年店舗数を増やしてきた。
(b) 平成5年度(平成6年3月31日)においては、雑貨の販売を行う「アフタヌーンティー」(以下「アフタヌーンティー店舗」という。)の売上げは38億6、600万円、喫茶を提供する「アフタヌーンティールーム」のそれは41億5、645万円であり(甲第3号証)、平成6年度においては、それぞれ57億6、700万円、60億9、100万円である(甲第24号証)。
店舗数は、平成6年10月31日現在、「アフタヌーンティー店舗」は40、
「アフタヌーンティールーム」は41であり(甲第3号証)、平成7年4月末現在では、「アフタヌーンティー店舗」は41、「アフタヌーンティー・ピザキッチン」は1、「アフタヌーンティールーム」は44である(甲第24号証、甲第96号証)。
(c) 原告は、昭和62年から、請求人使用商標の形態で「AFTERNOON TEA」商標を使用している。
(d) 原告は、バッグ事業本部、リビング事業本部、フード事業本部ほかからなり、バッグ事業本部で扱うバッグの製造販売には「SAZABY」、「agnes b.VOYAGE」商標を選択し、リビング事業本部で扱う家具、雑貨には請求人使用商標、
「ICL」商標を選択し、フード事業本部で扱う喫茶、菓子については請求人使用商標等を選択し、アクセサリーについては、「ageete」を選択し、各店舗で販売、サービスを提供している(甲第36、第37号証)。
さらに、関連会社として、フランス人デザイナー、【C】の衣服等の商品を扱う合弁会社株式会社アニエスベーサンライズ等がある。
(e) 原告は、次のように、広告宣伝につとめている。
甲第25号証―「non・no」平成7年4月5日号甲第26号証―「an・an」平成7年4月7日号甲第27号証―「an・an」平成5年11月26日号(f) また、次のように、雑誌等で取り上げられている。
甲第4号証―主婦の友社「雑貨のすべて」平成5年4月6日発行甲第5号証―「OLIVE」平成4年11月18日発行甲第6号証―「Grand Magasin」平成5年4月号甲第7号証―「mcSISTER」平成3年7月号甲第8号証―「an・an」平成4年1月31日号甲第9号証―主婦の友社「雑貨カタログNo.16」平成6年2月25日発行甲第10号証―「オレンジページ」平成5年2月28日臨時増刊号甲第11号証―学習研究社「私の雑貨No.2」平成5年12月30日発行甲第12号証―「non・no」平成3年8月20日号甲第13号証―「an・an」平成5年3月5日号甲第14号証―主婦の友社「雑貨カタログNo.18」平成6年8月25日発行。
この雑誌で、アフタヌーンティーは、雑貨ショップのベストワンに選ばれている。
甲第15号証―パンニュース社平成5年7月25日付け「パンニュース」甲第16号証の1、2、及び甲第17号証―「MORE」平成4年12月25日号甲第28号証―「AERA」平成6年3月14日号甲第68号証―「週刊ダイヤモンド」平成9年7月19日号甲第69号証―平成8年3月2日付け日本経済新聞甲第70号証―主婦の友社「雑貨カタログNo.22」平成7年8月25日発行甲第97号証―「non・no」昭和56年11月5日号甲第98号証―「an・an」昭和56年11月13日号(4) 形態の近似性 審決は、「両者の態様も、審決書別紙に示すとおり、白抜きと黒ベタの相違がある。」と認定するが、請求人使用商標と被請求人使用商標(B)の形態は極めて近似している。
@ 請求人使用商標は、【D】氏に依頼して作成したものであるが、極めて特徴的な形態を有している。すなわち、請求人使用商標では、通常は大文字Aと同文字に連続するfの文字との間隔は離れているのに対して、間隔を縮め、さらに、本来は二単語である「Afternoon」と「Tea」を、文法的には誤っているにもかかわらず、敢えて1単語として扱って表示している。
A これに対し、被請求人使用商標(B)は、請求人使用商標に比し、「白抜きと黒ベタの相違がある」との差異しかない。
色彩の差異は、商標上はさして重要ではないから、両者は同一商標ともいうべきものである(商標法70条1項)。
(5) 商品又は役務の関連 審決は、被請求人使用商標(B)が使用されている商品「被服」と、請求人使用商標が使用されている商品「輸入雑貨」等とは、明らかに非類似の商品と認められる旨認定するが、誤りである。
@ 被服、かばん類は、家具、台所用品、日用品、文房具、菓子、紅茶、加工果実等の商品、喫茶店の営業と同様に、ファッションに関連する商品であって、「室内生活のすべてを統一したテイストのもとに提案する店」等においては、同一店舗で販売、提供されることもあること、雑誌等においても、トータルファッションの観点から、被服、かばん類と家具、日用品等を一緒に紹介されることも多いものである。
A すなわち、従来の百貨店とは異なり、生活全般について提案し、コーディネートする上で関連する統一したテイストの商品を集める店舗あるいはブランドが多数生じている。これらの店舗、ブランドでは統一したテイストをもとに提案する家具、台所用品、日用品、文房具、菓子、紅茶、加工果実等の販売及び喫茶店等に同一の商標、営業表示が付され使用される。
前記日本経済新聞記事(甲第69号証)にも、「室内生活のすべてを、統一したテイストをもとに提案する店は現在急増中だ。
・・・いずれも家具、インテリア、ファブリックにカフェというA・T的な構成だ。」とした上、「T・C」、「ラ・メゾン・デピス」、「イデーショップ」が紹介されている。その他にも、「無印良品」、「Sony Plaza」、「クロワッサンの店」等が知られている(甲第70ないし第91号証、甲第93、第94号証)。
このような店舗では、従来の商標法上の商品区分にとらわれることなく、家具、
台所用品、日用品、文房具、菓子、紅茶、加工果実、かばん類、衣服、アクセサリー等の商品が喫茶店営業とともに品ぞろえされ、展示がされている。
B アフタヌーンティーは、上記Aの多くの店の中で、最も知られている雑貨ショップである(甲第70号証)。
また、原告は、これら家具、台所用品、日用品、文房具、菓子、紅茶、加工果実、かばん類、衣服、アクセサリー等の商品、喫茶店の役務を、店舗を異にして提供するのみならず、これら商品、役務を一堂に集めて提供する複合店形式を採用している(甲第36、第37号証、甲第44号証)。
すなわち、前記アニエスベーについていえば、8新宿ルミネ店(番号は甲第44号証における番号。以下、同じ。)、13東武池袋店、14東急日本橋店、15伊勢丹相模原店、17千葉そごう店、19有楽町西武店、21札幌店、23神戸大丸店、26阿倍野店、31名鉄セブン店、36大分トキハ店、37福岡サザビーハウス等が、原告の他の商品、役務とともに店舗を構成する(甲第44号証、甲第37号証)。
また、池袋東武店では、アフタヌーンティールーム(喫茶)、アニエスベー(衣服)、アガット(アクセサリー)、サザビー(バッグ)、アフタヌーンティー(雑貨)が3階の同一フロアで売り場が配置されている(甲第48号証)。広島そごう(甲第45、第46号証)、大分トキハ店(甲第47号証)、有楽町西武(甲第49号証)等においても同様である。
(6) 被告の故意 被告は、請求人使用商標を付していない原告の商品と同一デザインの衣服、バッグ、アクセサリーに、被請求人使用商標(B)を付して使用することによって、請求人使用商標の信用にフリーライドし、あたかも原告が衣服等についても請求人使用商標を付した新たな商品群を発生させようとしたと取引者、需要者に混同を与えようとする意図を有していたものである。すなわち、
@ 被告は、平成5年3月から被請求人使用商標(B)の使用を開始したことを自認する。原告が請求人使用商標を使用開始したのは、前記のとおり、昭和62年であるから、被告は、原告による請求人使用商標の使用開始後に被請求人使用商標(B)を使用したものである。
A 被告は、原告が本件審判請求前10年以上前から継続して、家具、台所用品、
日用品、文房具、菓子、紅茶、加工果実等の販売及び喫茶店を営業する店舗の商号及び商標として、「AFTERNOON TEA」を使用していたことを熟知し、
かつ、原告の営業活動については資料を収集するほど注目し、熟知していたものであるから、原告が昭和62年以降請求人使用商標を使用していたことも熟知していたものである。
B 原告は、請求人使用商標を付したピクニックハンパー(甲第32号証)及び紅茶セット(甲第33号証)を販売している。
被告は、西神そごう(神戸市糀台5―9―4所在)において、少なくとも平成5年12月末ころ、被請求人使用商標(B)を付した被服を販売するに当たり、ディスプレイに原告のピクニックハンパーを使用していた(甲第34号証)。
また、被告は、SHIBUYA109MYPACE2(東京都渋谷区<以下略>所在)において、平成6年3月ころ、被請求人使用商標(B)に付した被服を販売するに当たり、ディスプレイに原告の紅茶セットを使用していた(甲第35号証)。
C 被告は、被請求人使用商標(B)の付されたバッグを販売している(甲第50ないし第52号証)が、これらバッグと原告がSAZABYとの商標を付して販売するバッグは、デザイン、色が全く同一である。
さらに、被告は、プレッションタイプのカーディガンを被請求人使用商標(B)を付して販売している(甲第53号証)。同カーディガンと原告が販売するカーディガンは、デザインが全く同一である。
被告は、アクセサリーに、被請求人使用商標(B)を付して販売している(甲第55号証)。
請求の原因に対する認否及び反論
1 請求の原因1、2は認め、同3は争う。審決の認定、判断は正当であり、原告主張の誤りはない。
2 反論(1) 請求人使用商標に類似する商標の使用について@ 被告が、「被服」に被請求人使用商標(B)の使用を開始したのは、平成5年3月である。
A 本件商標と被請求人使用商標(B)とは、ともに「アフタヌーンティー」の称呼及び「午後の紅茶」の観念が生じるものであり、外観において相違があるとしても、その識別機能において同一というべきであるから、被請求人使用商標(B)は、社会通念上本件商標と同一の範囲内の使用とした審決の判断に誤りはない。
(2) 混同を生ずるおそれについて 被告が被請求人使用商標(B)を商品「被服」について使用したとしても、請求人使用商標との関係において混同を生ずるおそれはない旨の審決の判断に誤りはない。
(3) 請求人使用商標の著名性について@ 商品が非類似の場合に、商標が著名でなくても混同が生じるようなケースは考えにくい。
少なくとも、本件の場合、家具、台所用品、日用品、文房具、菓子、紅茶、加工果実等と、本件商標の指定商品である「被服」とは、商品の形態、用途、生産者、
販売ルート、需要者を異にし、類別すらも異なる非類似商品であるから、このような商品間で出所の混同が生じるためには、一方の商標に相当の著名性がなければならないことは当然である。
A 「アフタヌーンティー店舗」では、請求人使用商標の付された商品のほかに、
「SAZABY」、「agn`es b.VOYAGE」、「ICL」、「agete」商標を付した商品を販売していることは明らかである。したがって、原告主張の販売金額は、請求人使用商標の付された商品の販売金額ではない。
また、原告の喫茶店のサービスマークは、「Afternoon Tea Room」であって、「Afternoon Tea」ではない。
また、その販売金額についても、平成5年度の38億6、000万円、平成6年度の57億6、700万円程度では、周知著名といえるほどの販売実績にはならない。
B 原告の「AFTERNOON TEA」に関する広告宣伝や雑誌記事は、請求人使用商標に関するものではなく、店舗としての「AFTERNOON TEA」に関するものばかりである。これらの記事の中には、店舗名と商標とを混同して記事にしているものもある。
(4) 形態の近似性@ 被請求人使用商標(B)は、黒ベタであるのに対し、請求人使用商標は白抜きになっているとの相違は、両者に異なった印象を与えるものである。
請求人使用商標の書体は、ロンドンのロイド銀行(乙第34号証)、アメリカンエキスプレスのキャッシュカードの「CORPORATE」の部分(乙第35号証)にも使用されており、格別の書体ではない。
また、商標に用いられるロゴを作成する場合は、文字及び語の間隔を詰めてデザインするのが常である。被請求人使用商標(B)は、通常よく採用されるレタリングの方法に従ったものにすぎない。A また、被告は、被請求人使用商標(B)のようにローマ字だけで使用している場合もあるが、基本的には、背景にエッフェル塔の図形が文字部分と一体的に配されている商標を使用しているものである(甲第22号証の1、2)。
(5) 商品又は役務の関連について 室内生活のすべてを統一したテイストのもとに提案する店舗が急増し、販売店舗として1つのジャンルを形成しているというのであれば、単なる衣服等だけを販売する旧来のアパレル店舗とは異なる新しい店舗群を形成し、新たな需要者をつくり出しているというべきである。この新しい店舗群でも、一部被服を取り扱っているから、例外的には原告の商品と被告の商品とを取り違えて購入する者もあろうが、
これをもって常に混同が生ずると解することはできない。
(6) 被告の故意について 被告には、請求人使用商標の信用にフリーライドし、取引者、需要者に混同を与えようとの意図は全くない。
@ 被告が、平成5年3月に被請求人使用商標(B)の使用を開始した経緯は、次のとおりである。すなわち、被告は、昭和59年7月から、商標「AFTERNOONTEA」をティーシャツ、トレーナーに使用してきた。そして、被告の直営店でもそれら製品の販売を開始し、その売上高もかなりのものとなった。このような売上の増加に伴い、平成元年11月ころに、「AFTERNOONTEA」ブランドを婦人服全般のトータルな商品ブランドに構成し直して、卸部門で取引先のデパート、専門店に本格的に卸売をしようということになり、商品及び販売企画の立案が続けられてきた。ところが、平成4年5月19日に「広島アルファベット」店等を閉鎖することになり、これに伴い、「AFTERNOONTEA」商品(ティーシャツ、トレーナー)の小売りを中止した。しかしながら、長年使用してきた商標「AFTERNOONTEA」を生かすことになり、卸売部門において、平成5年3月に、被請求人使用商標(B)を採用した下げ札を作成し、若い女性向けのシャツ、ブラウス、ワンピース、パンツ、スカート、セーター、カーディガン、マフラー、靴下、ベルト、かばん類、ネックレス等のアクセサリー等の商品にこれを付して、被告の得意先である全国の専門店、デパートに卸売を開始し、「AFTERNOONTEA」商品を積極的に展開するようになったものである。
A 被告が原告と多少の取引関係にあったとしても、原告の営業内容について熟知していたものではなく、被告が原告を格別意識していたとか、請求人使用商標をいわば営業上のターゲットとしているということはできない。
B 被告は、平成元年以降は、一部被告の直営店で小売りをする以外は、すべてデパートその他の小売店に卸販売をしているもので、デパート内及びその他の小売店での販売には一切関与していない。
したがって、原告のピクニックハンパー(甲第34号証)及び紅茶セット(甲第35号証)を店頭のディスプレイに使用していたことがあったとしても、それは被告の与り知らないことである。
C 被告のバッグ(甲第50ないし第52号証)は、ありふれたバッグである。被告は、バッグを春・夏物と、秋・冬物のそれぞれで50ないし60点を製造している(乙第33号証)。
このような多数のバッグの中に、たとえ1、2点似たようなバッグが含まれるとしても、被告が原告の商品に故意に接近させているいったことはできない。
プレッションタイプのカーディガン(甲第53号証)についても、事情は同様である。
被告は、アクセサリーについて、「アフタヌーンティー」と「AFTERNOONTEA」を二段に横書きしてなり、装身具、かばん類等を指定商品とする登録第2023874号商標の商標権者である。アクセサリーについての被請求人使用商標(B)の使用は、この商標権に基づいて行っている。
証拠(省略)
理 由1 請求の原因1(特許庁における手続の経緯)、2(審決の理由の記載)は、当事者間に争いがない。
2 そこで、原告主張の取消事由の当否について検討する。
(1) 請求人使用商標に類似する商標の使用について@ 本件商標の形態は、当事者間に争いがない。
被告が「若い女性向けのシャツ、ブラウス、ワンピース、パンツ、スカート、セーター、カーディガン、マフラー、靴下」に平成5年3月から審決書別紙(B)の形態を有する被請求人使用商標(B)を使用したことは、被告の自認するところである。
A 上記に説示の事実によれば、被告が商標権者である本件商標は、ゴシック体片仮名文字「アフタヌーンティー」とゴシック体アルファベット大文字「AFTERNOONTEA」とを二段に横書きしてなるものであるのに対し、被告の使用する被請求人使用商標(B)は、アルファベット文字のみで「AfternoonTea」と表したもので、「A」と「T」のみを大文字とし、他のアルファベット文字を小文字で表し、二つの単語からなるものであるように表示しながら、「Afternoon」と末尾の「n」と「Tea」の「T」を近接させたもので、文字の配列において請求人使用商標と同一である。しかも、書体において白抜きの請求人使用商標を黒ベタにしたものとまったく同一の形態であることが明らかであって、このような変更により、被請求人使用商標(B)は、請求人使用商標と同一の形態に近づく方向へ変更されているものである。したがって、被請求人使用商標(B)の使用は、使用上普通に行われる程度の変更を加えたものと解することはできず、商標法51条1項にいう「登録商標に類似する商標の使用」に当たると認められる。
B これに反する被告の主張は採用することができない。
(2) 混同を生ずるおそれについて@ 甲第36、第37号証及び弁論の全趣旨並びに各項に掲記の証拠によれば、次の事実が認められる。
(a) 原告は、昭和56年9月に、家具、台所用品、日用品、文房具、菓子、紅茶、加工果実等の販売及び喫茶店営業等を行う店舗の商号及びそこで取り扱う生活雑貨等の商標として「AFTERNOON TEA」を選択し、第1号店として渋谷パルコ店を開店した。
その後、「アフタヌーンティー店舗」の店舗数は増加し、平成4年度(平成5年3月31日現在)で28店、平成7年4月末現在で41店である。「アフタヌーンティー店舗」における請求人使用商標を付した生活雑貨商品の売上額は、平成4年度において31億1、680万円、平成6年度において57億6、700万円である。
原告は、喫茶店営業のための商標として、「AFTERNOON TEA ROOM」を採用し、昭和56年から営業しているが、「アフタヌーンティールーム」の店舗数は、平成7年4月末現在で44店(他に、アフタヌーンティー・ピザキッチンが1店ある。)であり、その売上額は、平成5年度で41億5、645万円、
平成6年度で60億9、1000万円である。
(甲第3号証、甲第24号証、甲第96号証)(b) 原告は、昭和62年から、「アフタヌーンティー店舗」で販売する生活雑貨に審決書別紙(A)の形態を有する請求人使用商標を使用している。
請求人使用商標は、「Afternoon」の最後の「n」と「Tea」の「T」との間を一字分空けることなく近接させた点に特徴がある。
原告は、昭和62年から、喫茶営業の商標である「Afternoon Tea Room」の書体に、請求人使用商標に類似した書体を使用しているが、原告による使用の形態は、「Afternoon」の末尾の「n」と「Tea」の「T」との近接の程度が強くないため、「AfternoonTea」と1つの単語のごとく理解されることはなく、しかも、その後ろに同じ程度の間隔で「Room」との単語を配しているため、「AfternoonTea」と文法的に誤った商標が使用されているとの印象は与えないものである。
(甲第29、第30号証、甲第31号証の1ないし16)(c) 原告は、本件審判請求時までに、次に記載のとおり、広告宣伝を行った。
「OLIVE」平成2年ころ発行(甲第66号証)において、「アフタヌーンティーはおかげさまで今年5周年を迎えました。」との広告を行った。
「an・an」平成3年9月20日号(甲第65号証)において、請求人使用商標を比較的大きく表示した広告を行った。
「an・an」平成5年11月26日号(甲第27号証)において、クリスマスに向けた広告を掲載し、掲載された商品を販売している店舗を表示するため「アフタヌーンティー」「アフタヌーンティールーム」との記載がある。
(d) 被告が被請求人使用商標(B)の使用を開始した平成5年3月(実際の発行日)までに限ると、「アフタヌーンティー店舗」やそこで販売されている商品については、次のとおり、雑誌等に掲載されている。
「non・no」昭和56年11月5日号(甲第97号証)の渋谷パルコパート3に関する記事の中で、出店している店の一つとして、「アフタヌーンティー店舗」と「ティールーム」が取り上げられている。「an・an」昭和56年11月13日号(甲第98号証)においても、同様である。
「mcSISTER」平成3年7月号(甲第7号証)の日常の小道具に関する記事の中で、「アフタヌーンティー店舗」と「アフタヌーンティールーム」の商品のいくつかが紹介され、請求人使用商標も、商品の写真中に写っている。
「non・no」平成3年8月20日号(甲第12号証)のアフタヌーンティーを徹底研究するとの記事の中で、店舗の商号として「アフタヌーンティー」、「A・T」と記載されている。
「an・an」平成4年1月31日号(甲第8号証)の雑貨屋を特集した記事の中で、「アフタヌーンティー店舗」やそこで販売される商品が取り上げられている。
「OLIVE」平成4年11月18日発行(甲第5号証)、「MORE」平成4年12月25日号(甲第16号証の1、2、甲第17号証)、「オレンジページ」平成5年2月28日臨時増刊号(甲第10号証)、「an・an」平成5年3月5日号(甲第13号証)及び「Grand Magasin」平成5年4月号(甲第6号証)においても、同様である。
主婦の友社「雑貨のすべて」平成5年4月6日発行(甲第4号証)のアフタヌーンティーの歩みに関する記事の中で、アフタヌーンティーが原告の雑貨ブランドである旨の記載がある。
(e) 平成5年4月から、本件審判請求のあった平成7年1月までの間に、「アフタヌーンティー店舗」やそこで販売されている商品は、次のとおり、雑誌等に掲載されている。
パンニュース社「パンニュース」平成5年7月25日(甲第15号証)の記事の中で、ティールームとパン、菓子の販売と雑貨の販売を合体させた原告の独特の店舗形式等についての記述がある。
学習研究社「私の雑貨No.2」平成5年12月30日発行(甲第11号証)の中で、「アフタヌーンティー店舗」の中から渋谷店等が取り上げられ、商品のいくつかの写真も掲載されている。
主婦の友社「雑貨カタログNo.16」平成6年2月25日発行(甲第9号証)では、京都大丸サザビーコーナーが取り上げられ、商品のいくつかの写真も掲載されている。
「AERA」平成6年3月14日号(甲第28号証)の雑貨人気を取り上げた記事の中で、原告が取り上げられ、日本橋・アフタヌーンティー店の写真も掲載されている。
主婦の友社「雑貨カタログNo.18」平成6年8月25日発行(甲第14号証)の読者が選んだ雑貨ショップベスト10で、昨年に引き続き、「アフタヌーンティー」が断然トップであったことが記載され、さらに、「アフタヌーンティー店舗」のうち日本橋東急店を取材した記事等が掲載されている。
本件審判請求後のものであるが、主婦の友社「雑貨カタログNo.22」平成7年8月25日発行(甲第70号証)の読者が選んだ雑貨ショップベスト10で、
「アフタヌーンティー」が三年連続断然トップであったことが記載され、さらに、
「アフタヌーンティー店舗」のうち有楽町西武店を取材した記事等が掲載されている。なお、同雑誌には、請求人使用商標が大きく記載され、「株式会社サザビーの「アフタヌーンティー」で取り扱っております雑貨には、上記のロゴタイプを使用しています。雑貨以外の衣類やバッグ、アクセサリーに、そっくりのマークを使用した商品がありますが、私たちの「アフタヌーンティー」とは一切関係ありません。」等と記載された原告の広告も掲載されている。
A 請求人使用商標の著名性 上記@に認定の事実によれば、原告が本件審判請求をした平成7年1月時点はもちろん、被告が被請求人使用商標(B)の使用を開始した平成5年3月時点においても、原告が「アフタヌーンティー店舗」の商号として及びそこで販売される生活雑貨の商標として使用する「AFTERNOON TEA」が、その主たる顧客層である若い女性層に周知であり、請求人使用商標も、同様に、「アフタヌーンティー店舗」で販売される生活雑貨の商標として若い女性層を中心に周知であったことが認められる。
この認定に反する被告の主張は、採用することができない。
B 形態の近似性について 請求人使用商標の形態が審決書別紙(A)のとおりであることは、前記認定のとおりであり、これによると、請求人使用商標は、「Afternoon」の末尾の「n」と「Tea」の「T」を近接させたものであり、この点に特徴があると認められる。
これに対し、被請求人使用商標(B)の形態が審決書別紙(B)のとおりであることは、前記のとおり当事者間に争いがなく、被請求人使用商標(B)は、白抜きと黒ベタの違いはあるが、請求人使用商標と同一の書体を使用し、被請求人使用商標(B)と同様に、「Afternoon」の末尾の「n」と「Tea」の「T」を近接させたものであり、上記請求人使用商標の特徴をそのまま有しているものである。
そうすると、被請求人使用商標(B)は、白抜きと黒ベタの違いはあるが、請求人使用商標に極めて形態が近似した商標であるといわざるをえない。
被告は、被請求人使用商標(B)は、黒ベタであるのに対し、請求人使用商標は白抜きになっているとの相違は、両者に異なった印象を与えるものと主張するが、
そのように認めることはできず、むしろ同一商標の使用上の微差にすぎないとの印象を与えるものである。
被告は、請求人使用商標の書体は、ロンドンのロイド銀行(乙第34号証)、アメリカンエキスプレスのキャッシュカードの「CORPORATE」の部分(乙第35号証)にも使用されており、格別の書体ではなく、また、商標に用いられるロゴを作成する場合は、文字及び語の間隔を詰めてデザインするのが常であり、被請求人使用商標(B)は、通常よく採用されるレタリングの方法に従ったものにすぎないと主張する。確かに、乙第34号証の1ないし4及び乙第35号証によれば、
請求人使用商標と同一の書体が、ロンドンのロイド銀行のパンフレット類及びアメリカンエキスプレスカードの表の「CORPORATE」の部分(乙第35号証)に使用されていることが認められるが、他にも一般的に多く使用されているありふれたものであることをうかがわせる証拠もないことからすると、被請求人使用商標(B)に使用された書体が請求人使用商標のそれとまったく同一であることが、単なる偶然の一致であると認めることはできない。しかも、請求人使用商標や被請求人使用商標(B)における「n」と「T」との間隔がレタリングの方法によっても通常行われる程度のものであることを認めるに足りる証拠はない。そうすると、被請求人使用商標(B)は、数あるアルファベットの書体の中から請求人使用商標と同一のアルファベットの書体を選び、かつ、「n」と「Tea」の「T」を近接させたという点において請求人使用商標と同一の形態にしたものであるから、被請求人使用商標(B)は請求人使用商標に近似しない旨の被告の主張は採用することができない。
C 商品又は役務の関連について 原告が本件審判請求をした平成7年1月時点はもちろん、被告が被請求人使用商標(B)の使用を開始した平成5年3月時点においても、原告が「アフタヌーンティー店舗」の商号として及びそこで販売される生活雑貨の商標として使用する「AFTERNOON TEA」がその主たる顧客層である若い女性層に周知であり、
しかも、請求人使用商標が、同様に、「アフタヌーンティー店舗」で販売される生活雑貨の商標として若い女性層を中心に周知であったことは、前記認定のとおりであるところ、「シャツ、ブラウス、ワンピース、パンツ、スカート、セーター、カーディガン、マフラー、靴下」は、若い女性層が上記生活雑貨と同様に強い関心を持つ商品であると認められる。
D 混同を生ずるおそれについての判断 以上の認定事実及び説示に照らすと、被告が請求人使用商標に形態が極めて近似した被請求人使用商標(B)を若い女性向けの「シャツ、ブラウス、ワンピース、
パンツ、スカート、セーター、カーディガン、マフラー、靴下」に使用すれば、被告が単に「AFTERNOONTEA」の商標を使用することによって当然生ずる出所の混同のおそれを超えて、その商品が原告又は原告と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品ではないかとその出所について誤認混同されるおそれがあるものと認められる。
被告は、被請求人使用商標(B)のようにローマ字だけで使用している場合もあるが、基本的には、背景にエッフェル塔の図形が文字部分と一体的に配されている商標を使用している旨主張するが、被告が被服につき被請求人使用商標(B)のようにエッフェル塔の図形なしに使用したことがある以上、他の多くの場合にエッフェル塔とともに使用していることをもって、混同のおそれがないということはできない。
(3) 被告の故意について@ 被告は平成5年3月から被請求人使用商標(B)を使用したものであるところ、被請求人使用商標(B)は、白抜きと黒ベタの違いはあるが、請求人使用商標に極めて形態が近似した商標であることは、前記認定のとおりである。
A 甲第36号証(原告会社案内)及び弁論の全趣旨によれば、原告は、平成5年3月当時、「SAZABY」の商標を使用して、バッグを販売し、合弁会社株式会社アニエスベーサンライズを通じて、フランス人デザイナー、【C】の衣服等の商品を販売していたこと、当時、被告は原告の存在を十分認識していたことが認められるが、特にファッション関連の商品を取り扱う会社は、自己の取り扱う商品に関連する業界の情報や流行に関する情報に敏感であるから、被告の担当者も、【C】の衣服等の商品を販売し「SAZABY」の商標を使用したバッグを販売する原告に関心を持ち、原告の他の取扱商品である生活雑貨が請求人使用商標を使用して販売され、請求人使用商標が若い女性層を中心に周知であることを当然知っていたものと推認することができる。
そして、前記認定のとおり、請求人使用商標に形態が極めて近似した被請求人使用商標(B)は、請求人使用商標に依拠して考案されたものといわざるをえない。
そうすると、被告の担当者は、被請求人使用商標(B)を被告の販売する被服に使用すれば、その商品が原告又は原告と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品ではないかとその出所について誤認混同されるおそれがあることを認識していたものと認められる。
B 被告は、平成5年3月から、若い女性向けのブラウス、スカート、かばん類等の商品につき、被請求人使用商標(B)を使用して積極的に展開するようになった経緯につき種々主張するが、なぜ請求人使用商標に極めて近似する被請求人使用商標(B)を使用するに至ったかについては、首肯するに足りる説明をせず、単に請求人使用商標の書体が格別のものではない等と主張しているにすぎないところ、前記説示のとおり、被請求人使用商標(B)は形態に特徴のある請求人使用商標と無関係に採用されたものとは到底認められないものであるから、被告主張の平成5年3月からの新しい商品展開の経緯は、上記認定を左右するものではなく、他に上記認定を左右するに足りる証拠はない。
(4) 結論 したがって、被請求人使用商標(B)の使用は、本件商標の変更使用とはいい得ないとの審決の判断、及び被告が、被請求人使用商標(B)を商品「被服」について使用したとしても、請求人使用商標との関係において、混同を生ずるおそれはないとの審決の判断は、いずれも誤りであり、しかも、被告には故意も認められるものであるから、原告主張の取消事由は、理由がある。
3 よって、原告の本訴請求を認容することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条、民事訴訟法61条を適用して、主文のとおり判決する。
裁判官 永井紀昭
裁判官 濱崎浩一
裁判官 市川正巳
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