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関連審決 審判1990-11640
関連ワード 指定商品 /  商標の同一性 /  不使用 /  外観(外観類似) /  国内 /  連合商標 /  使用許諾 /  正当な理由 /  パリ条約 /  外国 /  非類似 / 
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事件 平成 4年 (行ケ) 144号
裁判所のデータが存在しません。
裁判所 東京高等裁判所
判決言渡日 1993/11/30
権利種別 商標権
訴訟類型 行政訴訟
主文 原告承継参加人の請求を棄却する。
訴訟費用は原告承継参加人の負担とする。
この判決に対する上告のための附加期間を90日と定める。
事実及び理由
当事者双方の求めた裁判
1 原告承継参加人(1) 特許庁が平成2年審判第11640号事件について平成4年3月2日にした審決を取り消す。
(2) 訴訟費用は被告の負担とする。
2 被告主文第1、第2項同旨
請求の原因
1 特許庁等における手続の経緯 原告(脱退)(以下単に「原告」という。)は、昭和57年1月20日、欧文字で「VUITTON」と横書きしてなる商標(以下「本件商標」という。)について、指定商品を平成3年政令第299号による改正前の商標法施行令別表第4類(以下「旧第4類」と略称する。同表の他の類についても同じ。)「せっけん類、
その他本類に属する商品」として商標登録出願し、商標登録第1799205号により登録されたが、平成2年7月5日、被告から商標登録取消の審判が請求され同年8月17日その旨登録され、平成2年審判第11640号事件として審理された結果、平成4年3月2日「登録第1799205号商標の登録は取り消す。」との審決があり、その謄本は同年3月25日原告代理人に送達された。
その後、原告承継参加人は、平成5年2月8日、原告から本件商標権を譲り受け、同年9月6日その旨の登録を経由した。
2 審決の理由の要点 本件商標の指定商品、登録日及び構成は前項記載のとおりであり、本件商標は、
現に有効に存続しているものである。
被告(請求人)は、本件商標は商標法50条に該当すると主張して、本件商標の登録を取り消すとの審決を求めた。
原告(被請求人)は何ら答弁していない。
よって、按ずるに、商標法50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品について当該商標を使用していることを証明し、又は使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消を免れない。
しかるところ、本件審判の請求に対し原告は何ら答弁、立証するところがない。
したがって、本件商標の登録は、商標法50条により取り消すべきものである。
3 審決を取り消すべき事由 原告は、本件商標登録の取消審判請求の登録前3年以内に本件商標を使用したから、結局審決の判断は誤っており、審決は違法として取消しを免れない。
(1) 取消事由1 原告は、平成2年7月16日付日本工業新聞に原告の扱う商品である香水等に関する広告に本件商標を附したものであり、同広告が頒布されたことが明らかであるから、前記登録前3年以内に本件商標を使用した。
なお、原告は、「VUITTON」という標章について旧第4類だけでなく、旧第13類、旧第17類、旧第21類、旧第23ないし第27類の各類の指定商品について、それぞれ別個に商標登録を経ており、上記広告では、そこに列記された各商品について「VUITTON」という商標を使用しているというべきであり、商標と商品との間の結付きの特定は十分されている。
被告は、この広告は、本件商標登録の取消を免れることのみを目的として名目的にされたものにすぎない、と主張する。しかし、被告が交渉したルイ・ヴィトン・ジャパン株式会社(以下「訴外会社」という。)は、原告の関連会社によりその株式を保有されているにすぎず、原告を株主としておらず、原告から被告との商標使用許諾交渉に関する代理権を与えられていないから、被告が同社と交渉したからといって何の意味ももたない。さらに、後記のとおり、原告は現実にも本件商標を使用しているから、この主張は失当である。
(2) 取消事由2 原告は、昭和62年(1987年)10月13日に日本法人であるブルーベル・ジャパン株式会社に対し、本件商標を附した商品である香水「ウール・ダブサンス」及び香水料(オード・トワレ)「オード・ヴォアイヤージュ」(以下この香水と香水料とをあわせて「本件香水等」という。)を販売し、同年10月26日、関税を支払い、通関を終了することにより本件香水等を輸入して、本件商標を使用した。
なお、この輸入は、薬事法22条1項にいう「業としての輸入」ではないから輸入許可を要求される性格のものではないし、仮に薬事法という行政法規に違反するとしても、本件商標の使用というのを妨げないというべきである。
ところで、本件香水等に附した標章は、本件商標である「VUITTON」に「LOUIS」という付記的文字が配されており、原告は、本件商標と別個に欧文字により「LOUIS VUITTON」と横書きしてなる商標について登録を受けてはいる。
しかしながら、全体として登録商標に類似する商標ないしは非類似の商標が使用されている場合においても、その一部に登録商標が含まれている限りは、文理上登録商標が使用されているというべきである。また、パリ条約5条C(2)は、「商標の所有者が一の同盟国において登録された際の形態における商標の識別性に影響を与えることなく構成部分に変更を加えてその商標を使用する場合には、その商標の登録の効力は、失われず、また、その商標に対して与えられる保護は、縮減されない。」と規定しているから、識別標識としての商標の同一性を害しない程度の変更使用がされる場合には、登録商標そのものが使用されていなくても、不使用取消の対象とならないと解すべきである。本件で用いられた標章において、付加された「LOUIS」はフランス人のありふれた名であり、それ自体は商標の保護の対象とならず、「VUITTON」の独立性を損わない。さらに、「LOUIS VUITTON」は需要者又は取引者において「ビトン」又は「ヴィトン」とも呼ばれ、「ヴィトン」といえば「LOUIS VUITTON」を想起する関係にあり、雑誌、新聞等においても同様であるから、本件商標が使用されたといって差支えない。
請求の原因の認否及び被告の主張
1 請求の原因1、2の事実は認める。
2 同3の審決の取消事由は争う。
(1) 取消事由1について 平成2年7月16日付日本工業新聞上でされた新聞広告の頒布は、本件商標登録の取消を免れることのみを目的として名目的にされたものにすぎず、平成3年法律第65号による改正前の商標法(以下単に「改正前商標法」という。)2条3項3号に規定された行為に該当しない。
すなわち、被告は、いずれも指定商品を旧第4類「せっけん(薬剤に属するものを除く。)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く。)香料類」として昭和63年商標登録願第109041号(ビトンハイ)をはじめ合計10件の登録出願をしたが、本件商標と連合する登録第1799204号商標を引用する拒絶理由通知を受けたので、平成2年7月4日、原告を被請求人として本件商標の不使用を理由とする登録取消審判を請求した。その審判請求に先立って、被告担当者が原告の日本法人である訴外会社の担当者(法務渉外部長【A】)と面会して商標の譲渡又は使用許諾の話合いに応ずるように求めた。その際、被告担当者が、その時点から3年間遡る期間内に日本国内において本件商標の使用が行われたことがないとの調査結果を示したが、訴外会社の担当者は全く反論することなく、物別れとなった。その後訴外会社担当者、さらに原告訴訟代理人高松弁護士から被告の申入れに対する回答がなされたが、その状況からして訴外会社担当者が原告の意思と無関係であったとは考えられない。
また、上記新聞広告は、「HEURES D’ABSENCE」と「LOUIS VUITTON」と本件商標とを三行に書き、その下に二種の図柄を挟んで下部に小さく多数の商品を列記してあるにすぎず、三種の標章のどれがどの商品に関する広告として付されているのか、全く特定されておらず、同広告の頒布はその点からも改正前商標法2条3項3号に規定する行為に該当しない。
(2) 取消事由2について 原告が本件商標を附して輸入したと主張する商品である本件香水等は化粧品であるから、薬事法22条により厚生大臣から輸入販売業の許可を得た者でなければ業として輸入できず、同法23条13条14条により輸入しようとする化粧品は品目ごとに厚生大臣の承認又は許可を受けることが必要であるのに、それらの許可、承認の立証がないから、原告主張の輸入の事実の証明はないというべきである。
また、原告が本件香水等に附したと主張する標章は、本件商標と連合商標でなく、別個の商標として登録されている「LOUIS VUITTON」であって、
本件商標ではない。
なお、登録商標をその一部に含む標章であっても他の部分と合体して登録商標そのものの独立性が失われているような場合には登録商標の使用があったというべきではない。そして、「LUI」は昭和59年5月29日に旧第四類せっけん類、歯磨、化粧品、香料類を指定商品として登録第1688679号により商標登録されているし、また、「ルイ」と「LOUIS」を併記した文字が附された商標又は「LOUIS」の文字が附された標章とこれらの文字が附されない単独の商標が独立性を有するとして商標登録を認められている例が少なくないのであるから、「ルイ」がありふれた名であるとして、商標の保護外であるということはできない。
さらに、原告が「ルイ・ヴィトン」の標章が「ヴィトン」の商標と混用されていることを立証するために提出した証拠においては、多くは後者は前者とともに併用され、単に編集上の便宜等で略称されているにすぎないし、七割以上が鞄を商品として後者を使用しており、本件商標の指定商品である化粧品、香水等の分野では両者が混用されているとはいえない。
証拠関係(省略)
理 由1 争いがない事実 請求の原因1(特許庁における手続の経緯)、同2(審決の理由の要点)の各事実は、当事者間に争いがない。
2 取消事由1について(1) 本件全証拠によっても、原告が指定商品に関する広告に本件商標を附して頒布し、本件商標を使用した事実は認められない。
(2) もっとも、甲第3号証によれば、平成2年7月16日発行の日本工業新聞には別紙記載の新聞広告(以下「本件広告」という。)が掲載されたことを認めることができる。
(3) しかしながら、甲第2、第3号証、証人【B】の証言により真正に成立したものと認められる乙第7号証、同証人の証言と弁論の全趣旨に前記認定事実及び当事者間に争いがない事実を総合すれば、次の事実を認めることができ、
この認定を左右する証拠はない。
@ 被告は、昭和63年9月24日、特許庁に対し旧第4類(「化粧品」を指定商品として「ビトンハイ」、「VITON HI」、「ビトンハイ エース」、「VITONHI ACE」等の商標の登録出願をしたところ、原告が登録を受けた本件商標及び「ビトン」の片仮名文字を横書きしてなる商標(以下あわせて「本件商標等」という。)を引用した拒絶理由通知を受けた。
A そこで、被告において商標管理の業務を担当する【B】は、かねて訴外会社の法務渉外部長【A】と知合いであったので、同社が原告の日本法人であるとの認識の下に、平成2年6月6日、同社の【A】を訪ね、被告に対し本件商標等の使用権の設定又は許諾をしてほしい、と申し入れた。
その際、【A】は、本社に伺いを立てて返事すると述べたが、被告側では、「ビトン」又は「VUITTON」そのものの商標を附した商品は使用されていないことを調査済であったので、【B】は、【A】に対し、もし本件商標等の使用権の設定又は許諾を得られないときは被告において不使用取消の審判を申し立てる用意があると告げた。
B 【A】は、同年6月29日、【B】に対し電話で本件商標等の使用権の設定又は許諾をすることを拒絶する旨を回答した。
また、同年7月2日には被告に対し、弁護士高松薫から原告代理人として本件商標等について使用権の設定又は許諾をすることを拒絶する趣旨の書面による回答が寄せられた。
C 平成2年7月5日、被告から特許庁に対し不使用を理由とする本件商標登録取消の審判が請求され、同年8月17日その旨登録され、平成2年審判第11640号事件として審理された。
D 前記Cの審判請求後であって、その旨の登録がなされる前である平成2年7月16日発行の日本工業新聞に原告の依頼に基づき本件広告が掲載頒布された。
E 原告の関連会社が、訴外会社の株式を保持している。また、弁護士高松薫は、
その後平成3年3月15日原告から本件商標に係る標章管理人に選任され、同年4月11日その旨登録を経た。
(4) 前記(3)における認定事実と後記3における検討の結果によれば、原告は、平成2年6月6日の直後頃、訴外会社の法務渉外部長【A】を通じて、被告が本件商標等の使用権の設定又は許諾を受けたいとの意向を持ち、その意向がかなえられないときは本件商標等について不使用取消の審判を請求する意思があることを知らされたが、現実に本件商標はそれまでに使用されていなかったため、放置すれば不使用取消の審決を受ける危険性が高かったことから、その審決を免れるために、急拠同年7月16日、本件広告を出すに至ったと推認することができる。
そして、本件広告は、別紙記載のとおりであって、商標と商品を雑然と並べて表示しただけのものであり、しかも、掲示された商標は5種類に及び、記載された商品に至っては明示された13種類もの多きに達するだけに留まらず、「その他多数」との包括的な文言を表示しており、この広告を見た者がどの商品についてどの商標が附されるべきものかすぐに理解するには困難を伴うことが認められる。
しかも、本件広告が掲載頒布された当時、同広告に記載された商品について「VUITTON」という標章を附したものが日本国内において販売されていた事実は認められない。
(5) ところで、改正前商標法50条による登録商標の不使用取消の審判の制度の趣旨は、商標法上の保護は、商標の使用によって蓄積された信用に対して与えられるのが本来的な姿であって、一定期間登録商標の使用をしない場合には保護すべき信用が発生しないかあるいは発生した信用も消滅してその保護の対象がなくなるし、他方、不使用の登録商標に対して排他的独占的な権利を与えておくのは国民一般の利益を不当に侵害し、かつその存在により権利者以外の商標使用希望者の商標の選択の余地を狭めるから、審判請求をする利益を有する者の請求によりこのような商標登録を取り消させることにある、というべきである。一方で、改正前商標法2条3項3号は、商標の広告的な使い方にも信用の蓄積作用があるから、商標を広告に用いる場合にも商標の使用とみるべきだとする見地に立っていると解される。
そうすると、単に不使用取消の審判を免れる目的で名目的に商標を使用するかのような外観を呈する行為があっただけでは、改正前商標法2条3項3号にいう商品に関する広告に標章を附して展示又は頒布する行為には該当せず、したがって同法50条による不使用取消の審判請求を免れることはできないと解すべきである。
(6) (4)における認定によれば、本件商標は現実にそれまで使用されていなかったところ、本件広告の内容は甚だ漠然としたもので、本件広告は専ら不使用取消を免れるために名目的に本件商標を附した広告が頒布されたような外観を与えるためになされたにすぎない。原告承継参加人は、訴外会社は原告の関連会社によりその株式を保有されているにすぎず、原告から被告との本件商標権使用許諾に関する代理権を与えられていなかったから被告が同社と交渉したからといって何の意味も持たない旨主張するが、前記(4)認定の経緯に照らし、原告は被告から本件商標につき登録取消の審判請求がなされる可能性が高いことを知り得たことが明らかであり、訴外会社が原告主張の代理権限を有していたか否かは上記認定を左右するものではない。
したがって、前記(2)の事実をもって改正前商標法2条3項3号にいう商品に係る広告に標章を附して頒布する行為に該当するということはできず、他に前記(1)の判断を左右する証拠はない。
3 取消事由2について(1) 原告承継参加人は、原告が昭和62年(1987年)10月13日に日本法人であるブルーベル・ジャパン株式会社に対し本件商標を附した商品である本件香水等を販売し、同年10月26日に通関を終了することにより本件香水等を輸入して、本件商標を使用した、と主張するが、本件全証拠によっても、原告が本件商標を附した商品を輸入した事実を認めることはできない。
(2) もっとも、甲第5号証の1ないし6、第6号証の1ないし4、第8、第9号証、証人【C】の証言により真正に成立したものと認められる甲第7号証、証人【C】の証言によれば、ブルーベル・ジャパン株式会社がフランス国パリ市の原告承継参加人に対し本件香水等を代金合計5988フランで発注したので、原告承継参加人は昭和62年10月13日これを郵便小荷物によりパリ市から日本国東京都内のブルーベル・ジャパン株式会社に宛てて発送し、同社は、これを受領し、同年11月30日原告承継参加人に対し上記代金を外国送金し、また、同年12月18日関税及び通関料を納付したこと、本件香水等にはいずれも「LOUIS VUITTON」との標章が附されていたことが認められる。
(3) しかしながら、本件全証拠によってもブルーベル・ジャパン株式会社と原告とは互いに取引先の関係にあるにすぎず、同社が本件商標の商標権者又はその使用権者と同視しうる法律関係にあるとは認められないから、上記(2)の事実によっても、同社が「LOUIS VUITTON」との標章を附した本件香水等を輸入した事実が認められるだけであり、原告が本件香水等を輸入したということはできない。
しかも、ブルーベル・ジャパン株式会社が輸入した本件香水等に附された標章は「LOUIS VUITTON」であって、これをもって本件商標の使用と認めることはできない。すなわち、乙第1号証の1、2によれば、「LOUIS VUITTON」との欧文字からなる商標が、昭和57年2月26日、指定商品を旧第4類「香料類、その他本類に属する部品」とし、原告(当時の名称はルイ・ヴィトン・エス・アー)を権利者として商標登録(第1502683号)されたことが認められ、上記(2)の商標使用はこの登録商標に係るものといわなければならず、
本件商標の使用ということはできない。
したがって、いずれにしても、前記(2)の事実により前記(1)の判断を動かすことはできない。
なお、原告承継参加人は、全体として別の登録商標に類似する商標が使用されている場合であっても一部に登録商標が含まれるときは、文理上又はパリ条約5条C(2)の規定から登録商標が使用されているというべきであるし、上記「LOUIS VUITTON」の標章において本件商標に附加された「LOUIS」の部分は、フランス人のありふれた名であり、それ自体は商標の保護の対象とならない、
と主張する。
確かに、ある標章が使用された場合においてその標章と登録商標とが外観等で若干相違していても、当該指定商品の取引者、需要者に同一の標章と認識できる程度の差異であるときは、登録商標の使用として認めることができることは、パリ条約5条C(2)の規定をまつまでもない。しかし、甲第5号証の1ないし6、第6号証の1ないし4によれば、上記(2)において認定した「LOUIS VUITTON」の標章は、全体が合体して上記第1502683号の登録商標として使用されており、文字の構成においては本件商標と同一である「VUITTON」の部分の独立性は完全に失われており、本件商標とは同一性がないことが認められるから、上記(2)の事実により本件商標が使用されたということはできない。また、
前記のとおり、昭和57年2月26日に商標登録第1502683号により「LOUIS VUITTON」との欧文字からなる商標が原告を権利者として商標登録されたにもかかわらず、本件商標がこの商標と連合商標とされないまま商標法7条2項により拒絶されないで昭和60年8月29日登録されたことを考慮に入れれば、上記原告承継参加人の主張は失当である。
さらに、原告承継参加人は、「LOUIS VUITTON」は、需要者又は取引者において「ビトン」又は「ヴィトン」とも呼ばれるから、「LOUIS VUITTON」の標章を使用すれば、本件商標を使用したとして差支えない、と主張する。
しかしながら、本件において問題とすべきは本件商標の使用、すなわち「VUITTON」の標章が使用されていたかどうかであり、したがってこの標章が需要者又は取引者から「LOUIS VUITTON」と呼ばれていたことを理由に「LOUIS VUITTON」の標章を使用すれば本件商標を使用したことになる、
と主張するのならばともかく、その逆を主張する上記の原告承継参加人の主張は失当というほかはない。
4 よって、審決の違法を理由にその取消を求める原告の本訴請求は失当としてこれを棄却し、訴訟費用の負担及び上告のための附加期間の付与について、行政事件訴訟法7条、民事訴訟法89条158条2項の各規定を適用して、主文のとおり判決する。
裁判官 竹田稔
裁判官 成田喜達
裁判官 佐藤修市
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