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関連ワード 指定商品 /  ありふれた標章 /  称呼(称呼類似) /  取引の実情 / 
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事件 昭和 48年 (行ケ) 132号
裁判所のデータが存在しません。
裁判所 東京高等裁判所
判決言渡日 1974/06/26
権利種別 商標権
訴訟類型 行政訴訟
主文 原告の請求は、棄却する。
訴訟費用は、原告の負担とする。
この判決に対する上告のための附加期間を三月とする
事実及び理由
当事者の求めた裁判
原告訴訟代理人は、「特許庁が、昭和四十八年三月二十七日、同庁昭和四二年審判第七、三八九号事件についてした審決は、取り消す。訴訟費用は、被告の負担とする。」との判決を求め、被告指定代理人は、主文第一、二項同旨の判決を求めた。
請求の原因
原告訴訟代理人は、請求の原因として、次のとおり述べた。
一 特許庁における手続の経緯 原告は、昭和四十一年一月七日、別紙記載のとおり、欧文字二字と数字一字とを組み合せた「VO5」及び片仮名文字「ブイオーフワイブ」を上下二段に横書にした構成の商標について、商標法施行令別表第一類「化学品(他の類に属するものを除く。)、薬剤、医療補助品」を指定商品として、商標登録出願をしたところ、昭和四十二年六月二十四日、拒絶査定を受けたので、同年十月十二日、これに対する審判請求をし、同年審判第七、三八九号事件として審理されたが、昭和四十八年三月二十七日、「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決があり、その謄本は、同年六月二十一日、原告に送達(出訴期間として三月附加)された。
二 本件審決理由の要点 本願商標の構成は、前項掲記のとおりであるが、この「VO5」のように、欧文字二字と数字一字とを組み合せたものは、一般に商品の種別又は型式を表示するため、取引上普通に使用されているところであるとともに、その下に並記された「ブイオーフワイブ」の文字も、「VO5」に相応する振仮名的附記にすぎないものというのが、取引の実情に照らし相当とするから、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当し、登録することができない。
三 本件審決を取り消すべき事由 本願商標の構成及びその指定商品が本件審決認定のとおりであることは争わないが、本件審決は、本願商標をもつて、きわめて簡単でかつありふれた標章のみからなる商標であるとした点において認定を誤つたものであり、違法として取り消されるべきである。すなわち、
(一) 「VO5」の部分は、本願商標の指定商品の種別、規格、型式を表示する記号ではない。本願商標の指定商品の取引分野においては、本願商標のように、欧文字二字と数字一字とを組み合せた標章が、商品の種別、規格、型式を表示する記号として使用されるという例はない。このような組合せの中には、取引上商品の規格、型式等を表示する記号を意味するものもないではないが、記号として使用するときには、商標をその前後に配したりするのが取引の一般的傾向であるから、そうした配置のない本願商標においては、「VO5」の部分は商品の規格、型式の記号そのものではない。
(二) 「ブイオーフワイブ」の部分は、「VO5」の振仮名的附記ではない。たとえ「VO5」が商品の規格、型式を表示するものであるとしても、それは「ブイオーゴ」又は「ブイオーゴバン」と呼ばれるのが通常であり、英語的に「ブイオーフワイブ」と一連に呼ぶ称呼は、特に数字部分に着目すれば、商品の規格、型式等としてではなく、むしろ商標としての称呼である。また、商品取引界において一般に使用されている規格、型式は、欧文字と数字を組み合せたもののみを商標等に並記して、その発音は表記しない傾向にあり、しかも、欧文字二字の表音を片仮名文字であらわしたものが商標として使用される傾向にある(甲第六号証の一から五十)から、取引者、需要者としては、「VO5」の部分を規格、型式をあらわすものと考えても、「ブイオーフワイブ」の部分をその振仮名的注釈と解釈するものではない。
(三) 本願商標は、「VO5」の部分とこれに並書した片仮名文字「ブイオーフワイブ」の部分とが組み合されて構成されているものである。したがつて、「VO5」の部分は特別顕著性がないとしても、本願商標は、全体として、きわめて簡単でかつありふれた標章のみからなる商標ではない。
被告の答弁
被告指定代理人は、請求の原因に対する答弁として次のとおり述べた。
原告主張の事実中、本件に関する特許庁における手続の経緯、本願商標の構成及び指定商品並びに本件審決理由の要点が、いずれも原告主張のとおりであることは認めるが、その余は争う。本件審決の認定ないし判断は正当であり、原告主張のような違法の点はない。本願商標のうち「VO5」の部分は、指定商品の規格、型式を表示するにすぎず、「ブイオーフワイブ」の部分は、これに対する振仮名的附記にすぎないから、全体として、きわめて簡単でかつありふれた標章のみからなる商標とみるべきものである。すなわち、
(一) ローマ字二字と数字とを結合した標章が商品の種別又は型式を表示するため普通に使用されていることは、取引上顕著な事実であり、本願商標の指定商品についても例外ではないから、本願商標における「VO5」の文字は、指定商品の種別、規格、型式を表示するにすぎない。
(二) 本願商標における「ブイオーフワイブ」の部分は、「VO5」の部分の下に並べて記載されており、しかも、「VO5」を規格、型式を表わす品番とみた場合の呼び名に則した振仮名である以上、その上に並記した「VO5」が規格、型式を表示するものであることを限定的に明示し、取引者、需要者がこれを商標と誤解しないよう念のため附記された注釈的な断り書であるとみるのが相当である。
証拠関係(省略)
理 由(争いのない事実)一 本件に関する特許庁における手続の経緯、本願商標の構成及び指定商品並びに本件審決理由の要点が、いずれも原告主張のとおりであることは、当事者間に争いがない。
(本件審決を取り消すべき事由の有無について)二 原告は、本件審決が、本願商標をもつて、きわめて簡単でかつありふれた標章のみからなる商標であるとしたのは認定を誤つたものであり、違法として取り消されるべきものである旨主張するが、この主張は、以下に説示するとおり、理由がないものといわざるをえない。すなわち、本願商標のうち「VO5」の部分が商標法第3条第1項第5号にいう「きわめて簡単」な標章に当たるとするを相当とすることは、当事者間に争いのない本願商標の構成に徴し明らかというべきところ、成立に争いのない乙第二、第三号証の各二に本件口頭弁論の全趣旨を参酌すると、右「VO5」のように、欧文字二字と数字一字とからなる標章が商品の種別、型式などを表示するものとして取引上、本願商標の指定商品である化学品、薬剤等を含む種々の商品部門において、普通に使用されている事実を肯認しうべく、これを左右するに足る証拠はないから、右「VO5」の部分は、欧文字二字と数字一字とを組み合せた標章である意味において、前記法条にいう「ありふれた標章」の範疇に属するものとみるを相当とする。原告は、右部分のように欧文字二字と数字一字を組み合せたものの中には、取引上、商品の規格、型式等を表示する記号を意味するもののあることを認めつつも、少なくとも本願商標の指定商品の取引分野においては、このような組合せの標章が商品の種別等を表示する記号として使用される例はない旨主張するが、その主張が事実に添わないものであることは前認定の事実に徴し明らかであるのみならず、前記法条にいう「ありふれた標章」に当たるかどうかは、必ずしもその指定商品と係りのないことであるから(商標法第2条第1項参照)、原告の前示主張は、採用しうべき限りではない。また、本願商標のうち「ブイオーフワイブ」の部分が、本願指定商品の取引者、需要者間において、その大きさ、書体に係りなく、その上部に併記された「VO5」の部分の称呼を特定する振仮名的役割を果すものとして理解されるであろうことは、両者の構成、特にその関係位置及び後者が欧文字を含むに対し前者が片仮名文字のみからなるものであることからみて、経験則上、きわめて明らかなところというべく、これを左右するに足る証拠資料はない。しかして、本願商標のうち「VO5」の部分が、きわめて簡単で、かつ、ありふれた標章というべきものであること前認定のとおりである以上、
該部分とこれに対する振仮名的存在であり、したがつて、これと称呼を同じくする片仮名部分とを前記のように併記した本願商標もまた、全体として、きわめて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標というべく、もともと、きわめて簡単で、かつ、ありふれた標章である「VO5」の部分に、これと称呼を同じくする片仮名部分を併記(附記というのは妥当ではない。)したからといつて、直ちに、きわめて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標の域を脱したものとみるのは相当ではなく、これを左右するに足る適確な証拠はない(原告の挙示援用する甲第六号証の一から五十一、第七号証の一から三七の登録例が、本件に関する当該裁判所の右の判断にいささかの消長を及ぼしうべきものでないことはいうまでもない)。(ちなみに、本件審決のこの点に関する説示は、必ずしも理をつくしたものとはいいがたいが、そのいわんとするところは、叙上の説示と趣を同じくするものと解されないではない。)(むすび)三 叙上のとおりであるから、その主張の点に判断を誤つた違法のあることを理由に本件審決の取消を求める原告の本訴請求は、理由がないものといわざるをえない。よつて、これを棄却することとし、行政事件訴訟法第7条、民事訴訟法第八十9条及び第百五十8条第2項の規定を適用して、主文のとおり判決する。
裁判官 三宅正雄
裁判官 中川哲男
裁判官 橋本攻
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