審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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平成15行ヒ265 | 判例 | 商標 |
昭和33オ1104審決取消請求 | 判例 | 商標 |
平成14受1100損害賠償,商標権侵害差止等請求事件 | 判例 | 商標 |
昭和55行ツ30審決取消 | 判例 | 商標 |
昭和33オ766商標登録願拒絶査定抗告審判審決取消請求 | 判例 | 商標 |
関連ワード | 指定商品 / 出所の混同 / 判定 / |
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元本PDF | 裁判所収録の全文PDFを見る |
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事件 |
昭和
29年
(オ)
251号
商標登録願拒絶査定審決取消請求
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裁判所のデータが存在しません。 | |
裁判所 | 最高裁判所第三小法廷 |
判決言渡日 | 1955/07/05 |
権利種別 | 商標権 |
訴訟類型 | 行政訴訟 |
主文 |
本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 |
事実及び理由 | |
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全容
上告代理人鈴江武彦の上告理由第一点について。 論旨は所論甲、乙の二つのことを前提として、原判決は商標権の範囲を不当に拡大して、商標法2条1項11号の適用を誤り、ひいて憲法13条、29条に違反するものであると主張する。すなわち論旨は先ず(甲)「石鹸等の雑貨については一般需要者は商標についての注意は重きをおかないことが一般経験則である。」と主張するけれども、そのような経験則は認められない。従つて原判決が、「一般世人は原告の販売する石鹸を、株式会社主婦之友社代理部において取扱販売している商品と誤まり考え、その出所の混同を生ずる虞が多分にあるものといわなければならない、」とし、「石鹸のように広く一般家庭主婦が購買、消費する商品にあつては、これらの購買者について生ずる混同誤認のおそれは一層重視されなければならない」との理由を以て上告人の請求を斥けたのは相当であつて、これを目して所論のように商標権の範囲を不当に拡大したものということはできない。また論旨は(乙)証人Aが「著名なのは雑誌だけだ」と述べていると主張するけれども、弁論調書にはそのような記載はない。従つてAの証言は所論のように明確な誤認のないことの反証とはならない。右の次第であるから、所論甲及び乙を前提とする違法違憲の主張はすべて理由がない。 同第二点について。 論旨は、原判決は、主婦之友社代理部の化粧品等の販売実績を具体的に示さず、また証拠によつて認定していない、と主張する。しかし原判決は、判文上明らかなとおり、「右代理部における元年間の商品の取扱額は約一億二、三千万円、うち石鹸は大体百万円位である」ことを適法な証拠を綜合して認定しているのである。論旨は理由がない。 同第三点について。 論旨は判例違反を主張するけれども、援用の判例は本件とは事例を異にし適切でない。 同第四点について。 石鹸等の雑貨については一般需要者は商標についての注意は重きをおかないものであるという一般経験則のないことは前記のとおりである。このような一般経験則あることを前提とする論旨は採用できない。原判決は論旨援用の判例に反するものでないこと明らかである。 同第五点について。 論旨挙示の事例は多くは商品を異にしており、本件の先例とするに足りるものはない。援用の判例も「具体的に諸般の事情を観察してこれを判定すべき」ことを判示しているのであるから、原判決がこの判例に違背しているということはできない。 同第六点について。 論旨は主婦之友社がその取扱石鹸に商標を附していないのに、雑誌と石鹸との間に特別な関係があるとした原判決は違法であると主張する。しかし株式会社主婦之友社は雑誌「主婦之友」を発行しているかたわら代理部の名称を用いて、通信販売及び売場経営によつて、図書、繊維製品、薬品、化粧品等の取扱販売をしているのであつて、右取扱商品中石鹸は他社の製品であり、「主婦之友」なる商標を用いていないけれども、上告人の指定商品石鹸に「主婦の友」なる商標を使用すれば、主婦之友社取扱の商品と誤認せられる虞があることは明白であるといわなければならない。それ故原判決には所論のような違法はない。 以上の理由によつて、民訴401条、95条、89条に従い、裁判官全員一致の意見を以て、主文のとおり判決する。 |
裁判長裁判官 | 河村又介 |
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裁判官 | 島保 |
裁判官 | 小林俊三 |
裁判官 | 本村善太郎 |
裁判官 | 垂水克己 |