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関連審決 不服2003-25331
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審判番号(事件番号) データベース 権利
平成15行ケ174審決取消請求事件 判例 商標
平成11行ケ156審決取消請求事件 判例 商標
関連ワード 識別力 /  出所表示機能 /  指定商品 /  指定役務 /  普通名称(3条1項1号) /  3条1項6号 /  結合商標 /  称呼(称呼類似) /  取引の実情 /  補正 / 
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事件 平成 18年 (行ケ) 10343号 審決取消請求事件
原告日本エコシステム株式会社
訴訟代理人弁理士福岡要
被告特 許庁長 官中嶋誠
指定代理人小田明
同 田代茂夫
同 大場義則
裁判所 知的財産高等裁判所
判決言渡日 2006/12/26
権利種別 商標権
訴訟類型 行政訴訟
主文 原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
全容
第1請求特許庁が不服2003-25331号事件について平成18年6月1日にした審決を取り消す。
第2当事者間に争いがない事実1特許庁における手続の経緯原告は,平成14年9月17日,「案件情報」の文字を標準文字で書してなり,指定役務を第35類「職業のあっせん,広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,財務書類の作成又は監査若しくは証明,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,書類の複製,速記,筆耕,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,文書又は磁気テープのファイリング,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与」及び第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」とする商標(以下「本願商標」という。)の商標登録出願をし,平成15年6月26日付けの手続補正書により,第35類の指定役務中,「財務書類の作成又は監査若しくは証明」を「財務書類の作成」と補正したが(以下,同補正後の上記第35類及び第38類の指定役務を「本件指定役務」という。),同年10月27日に拒絶の査定を受けたので,同年12月8日,拒絶査定に対する不服の審判を請求した。
特許庁は,これを不服2003-25331号事件として審理した結果,平成18年6月1日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をし,その謄本は,同月21日,原告に送達された。
2審決の理由審決は,別添審決謄本写し記載のとおり,本願商標は,本件指定役務に使用しても,自他役務の識別標識としての機能を有しないものであり,需要者が何人の業務に係る役務であることを認識することができず,商標法3条1項6号に該当するとした。
第3原告主張の審決取消事由審決は,本願商標が商標法3条1項6号に該当すると誤って判断し(取消事由),その結果,本願商標について,登録を受けられないとの誤った結論を導いたものであるから,違法として取り消されるべきである。
1審決は,「本願商標は、その指定役務に使用しても、自他役務の識別標識としての機能を有しないものであり、需要者が何人の業務に係る役務であることを認識することができない商標といわざるを得ないから、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」(審決謄本2頁第6段落)としたが,誤りである。
本願商標は,「案件情報」の文字を標準文字にて一連に横書きにして書してなるものであり,その構成文字に相応して,「あんけんじょうほう」の称呼をごく自然に生ずる。そして,本願商標は,造語であって,広辞苑,大辞泉,新辞林等の辞書辞典等にも,「2001」等の新語関係の書籍にも,掲載Imidasされていないとおり,一般名称ではなく,現実に多数人が使用しているものでも,本件指定役務に関する業界において,常用されている用語でもなく,原告が発明し特許出願中の「複数情報提供方法」(特願2000-237740号)に関し,自他商品の識別のために使用しようとするものであるから,自他役務の識別力がある。また,本願商標は,上記のとおり,出願人の造語であって,多数人が使用するおそれもないから,公益上特定人に独占させるに不適当なものではない。
本願商標と同じような一連不可分の造語について,商標審査基準において商標法3条1項6号に該当するものとして例示されている「地模様,標語,商品の数量等商習慣上商品を表示する場合に用いられる文字等,及び元号」に該当せず,かつ,指定商品との関係で,商標が,自他商品(役務)の識別力を有するかを具体的に判断して,自他商品(役務)の識別力がない商標には該当しないとして登録されたものは,例えば,「ハイタッチ」(登録第695484号,指定商品第25類文房具等),「北海の幸」(登録第890284号,指定商品第32類食品等),「ボン」(登録第687612号,指定商品第21類宝石等),「ハイミンチ」(登録第1057707号,指定商品第33類穀物等),「ふくさ帯」(登録第1183958号,指定商品第17類織物等),「東京レディース」(登録第1213289号,指定商品第17類織物等),「樽一」(登録第1072017号,指定商品第28類酒類),「びっくり市」(登録第1095262号,指定商品第19類台所用品等),「華道家元」(登録第1110776号,指定商品第20類家具等),「歌謡音楽祭」(登録第1193010号,指定商品第24類おもちゃ等)など,多数に上っている。
審決は,「本願商標は,・・・全体として『処理される事柄に関するお知らせ』の意をこれに接する需要者・取引者に容易に認識・理解させるものである。
・・・『案件情報』の語は,前記の意味合いをもって,求人に関するお知らせを『求人案件情報』,また,競売に関するお知らせのことを『競売案件情報』のように,取引市場において普通に使用されている実情がある」(審決謄本2頁第2段落〜第4段落)としている。しかし,取引市場においては,一般にできるだけ短い言葉で言い表そうとして,長い言葉を4文字の短い言葉などで表すことが多く,「求人案件情報」や「競売案件情報」は,それぞれ,「求人情報」や「競売情報」のように取引市場において普通に使用されているのが実情である。
2本願商標は,結合商標であって,構成上及び使用上から,「案件」の文字と,「情報」の文字とに切り離して観察すべきでなく,一連一体のものとして,「案件情報」を全体として観察すべきであり,そうすると,本願商標には,自他役務の識別力が認められる。
被告は,「案件」の文字と,「情報」の文字とに切り離して観察し,「案件」と「情報」には,それぞれ一定の意味があるから,これらを結合した「案件情報」は,これらの一定の意味を結合した意味がある旨主張するが,現実の取引において,そのように結合した意味により使用されている実情はないし,広辞苑等の辞書等にも掲載されていないのであるから,結合商標を切り離して観察し,それぞれの意味を結合した意味があると認定判断するのは不適切である。被告の主張は,例えば,造語である「手机」の文字を「手」と「机」とに切り離して観察し,それぞれ,「手首」の意味合いと「文書作成台」の意味合いとを有するから,「手机」には「手首用の文書作成台」の意味合いがあるとするようなものであり,不適切なことは明らかである。
このことは,結合商標である「リングピン工法」(登録第2691686号,指定商品第7類建築または構築専用材料等)及び「リングアンカー工法」(登録第3316227号,指定役務第37類建築一式工事等)が商標として登録されていることからも明らかである。これらについて,「リング」と「ピン」と「工法」に切り離したり,「リング」と「アンカー」と「工法」に切り離して,それぞれの語に意味があるので,それらを結合した語が,それぞれの語の意味を結合したものであるとして,普通名称と認定されることはない。現実の取引において,それぞれの語の意味を結合した意味で使用されている実情はなく,広辞苑等の辞書等にもそのような意味の記載は存在しないから,「リングピン工法」及び「リングアンカー工法」は,構成上及び使用上から,切り離して観察することなく,全体として観察され,自他商品(役務)の識別力がある商標とされる。
第4被告の反論審決の認定判断に誤りはなく,原告主張の取消事由は理由がない。
1原告は,本願商標が自他役務の識別力がある旨主張するが,失当である。
構成全体として,自他役務の識別力を有しない商標は,商標法3条1項6号に該当するとされる(知財高裁平成17年(行ケ)第10651号)。
本願商標は,その構成中の前半の「案件」の語が「処理されるべき事柄」等を意味し,また,構成中の後半の「情報」の語が「ある事柄についての知らせ。
判断を下したり行動を起こしたりするために必要な,種々の媒体を介しての知識。」を意味する比較的平易な熟語として,一般に知られていることから(広辞苑第五版,乙1),構成全体として,これに接する取引者・需要者に対し,「処理される事柄に関するお知らせ」の意味を,容易に認識,理解させるものである。
そして,本願商標を本件指定役務について使用したときは,本願商標に接する取引者・需要者は,「処理される事柄に関するお知らせ」というほどの意味を理解するにとどまるから,本願商標は自他役務の識別標識としての機能を有しない。
2「案件情報」及び「情報」の語は,「求人案件情報」及び「競売案件情報」だけでなく,例えば,「住宅情報」「就職情報」「アルバイト情報」「気象・天気情報」「地震情報」等の用例にみられるように,提供する役務の情報の内容を冠し,「○○情報」と称して,この種の役務の多分野において取引上,普通に使用され,宣伝広告されている。「案件情報」の語は,平成18年5月1日に検索サイト「」を使用した検索結果によっても,職業のあっせん等Googleを内容とするホームページにおいて,多数使用されているし,電気新聞,日刊工業新聞,朝日新聞においても,「職業のあっせん」,「競売の運営」に関係する内容の記事において,多数使用されている。
本願商標の指定役務には,「職業のあっせん」「商品の販売に関する情報の提供」「競売の運営」等の情報提供サービスの役務を含むのであるから,「案件情報」の文字は,本願商標の指定役務に関連する業界において,「処理される事柄に関する情報」の意味合いで使用され,取引者・需要者に容易に認識,理解されていたといえる。
3原告は,本願商標は,造語であって,広辞苑等の辞書等にも,掲載されていないとおり,一般名称ではなく,現実に多数人が使用しているものでも,指定役務に関する業界において,常用されている用語でもなく,また,本願商標は,出願人の造語であって,多数人が使用するおそれもないから,公益上特定人に独占させるに不適当なものではない旨主張する。
しかし,ある商標がどのような意味を有するか,また,需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるか否かの判断は,取引の実情に基づき取引者・需要者の認識を基準として判断されるべきであって,出願人の造語であるとする採択の意図や,辞書に掲載されている語であるか否かにかかわりがない。また,商標法3条1項6号の該当性の当否を論ずる限り,同項3号の該当性において問題とされる公益性の問題を持ち込むことはできず,原告の主張は理由がない。
また,原告は,本願商標の「案件情報」の語は,出願人(原告)が発明し特許出願中の「複数情報提供方法」(特願2000-237740号)に関して,自他商品の識別のために使用しようとするものである旨主張するが,上記特許出願に係る公開特許公報等(特開2002-24461号公報等,乙3の1,2)によれば,「案件情報」の語は,「企業等が外部に委託する仕事を外部(外注企業等)に向かって募集する情報である。」と説明されていて,発明の名称である「複数情報提供方法」との関係からみても,「案件情報」の語は,役務の出所表示機能としての商標的な使用態様,すなわち,自他役務の識別標識としての機能を果たす態様で使用されているものではない。他方,特許出願において,「案件情報」の語が,情報の提供等の役務関連分野で,役務の記述的な説明のために用いられている実例(特願平9-332196号に係る公開特許公報である特開平11-167579号公報,乙4)がある。
さらに,原告は,本願商標は,結合商標であって,構成上及び使用上から,「案件」の文字と,「情報」の文字とに切り離して観察すべきでなく,一連一体のものとして,「案件情報」を全体として観察すべきであり,そうすると,本願商標には,自他役務の識別力が認められる旨主張するが,本願商標の登録要件の存否は,取引の実情に基づき,取引者・需要者の認識を基準として判断されるべきであり,原告の主張は理由がない。
その他,原告は,本願商標と同じような,一連不可分の造語等が多数登録されている旨主張するが,登録出願に係る商標が登録され得るか否かの判断は,指定商品・役務等の取引の実情を考慮し,当該商標の全体の構成に基づいて,個々の商標ごとに個別具体的に判断されるべきものであって,その全体の構成を異にする原告の掲げる登録例に拘束されるものではなく,原告の示す過去の登録例の事実関係は,本願商標が商標登録の要件を満たすか否かの判断を左右するものではない。
第5当裁判所の判断1審決は,「本願商標は、その指定役務に使用しても、自他役務の識別標識としての機能を有しないものであり、需要者が何人の業務に係る役務であることを認識することができない商標といわざるを得ないから、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」(審決謄本2頁第6段落)としたのに対し,原告は,審決の判断の誤りを主張するので,検討する。
( )本願商標は,「案件情報」の文字を標準文字で書してなるものであるが,1この構成文字のうち,「案件」とは,「処理されるべき事柄。議題とされる事案。」(広辞苑第5版,乙1),「@問題となっている事柄。A調査・審議をすべき事柄。」(大辞林第3版)であり,「情報」とは,「@あることがらについてのしらせ。A判断を下したり行動を起こしたりするために必要な,種々の媒体を介しての知識。」(広辞苑第5版,乙1),「@事物・出来事などの内容・様子。また,その知らせ。Aある特定の目的について,適切な判断を下したり,行動の意思決定をするために役立つ資料や知識。」(大辞林第3版)であって,いずれもごく平易な語である。
そして,例えば,「求人情報」とは,求人についての情報であり,「物件情報」とは,物件についての情報であるように,「情報」の語の前に,情報(知らせ)の内容となり得るものを示す語が置かれているとき,その熟語は,全体として,「情報」の前に置かれた語についての情報(知らせ)という意味の熟語であると容易に理解できるものであることは,当裁判所に顕著である。
そうすると,「案件情報」という語について,これに接する取引者・需要者は,ごく平易な語である「案件」と「情報」からなる語と理解した上で,「案件」についての情報,すなわち,問題となっている事柄についての情報(知らせ)との意味を容易に認識,理解するものである。
( )本願商標の本件指定役務には,「職業のあっせん」,「商品の販売に関す 2る情報の提供」等の情報を提供することを内容とする役務も含まれていて,本願商標を本件指定役務について使用したときには,取引者・需要者は,本願商標について,「問題となっている事柄についての情報(知らせ)」,すなわち,提供の対象となっている情報という程度の意味を理解するにとどまる。
そして,本件指定役務を含む取引において,「案件情報」との語が,普通に,「問題となっている事柄についての情報(知らせ)」として使用されていることは,平成18年5月1日に検索サイト「」を使用して検索しGoogleた結果(乙2)に見られるとおり,現実に,職業のあっせんについての情報を提供するウェブサイトにおいて,「求人案件情報」という語が使用されているほか,メディカル・コンサルティング・システムのホームページには,「求人案件情報」の見出しの下に,「以下に求人案件の一例を掲載いたしました。」とし,看護師,薬剤師の案件情報に続いて,「※現在,PT,OT,医師など,他の案件情報を掲載準備中です。」との記載(乙2の1),株式会社ジェイ・イー・エスのホームページには,「プログラマーの募集,求人.Info 情報。ソフトウェア開発技術者の開発案件情報」の見出しの下に,案件メールマガジン「ソフトウェア開発の最新の案件情報をメール致します。」との記載(乙2の2)があり,株式会社ウェブドゥジャパンが提供する「CROOZ!career」のホームページには,「CROOZ!キャリアで探そうITの仕事」の見出しの下に,「求人案件情報検索結果一覧」として,職種毎に,会社別に,求人の案件情報を掲載(乙2の3)している。また,新聞記事においても,例えば,平成17年5月9日付け電気新聞に,「JeMが取引システムを刷新RAなどの機能向上9日に運用を開始」の見出しで,「ジャパン・イーマーケット(JeM,東京都港区,A社長)は取引システムを刷新し,きょう9日から運用を開始した。・・・,新システムでは,発注者が案件情報を登録する時の一時保存や案件情報の複写・印刷,よく指名する入札者のグループ管理なども可能になった。」との記載(乙2の4),平成12年9月22日付け日刊工業新聞に,「東商新宿支部,インターネット使った異業種交流会を発足」の見出しで,「東京商工会議所新宿支部はインターネットを使った新タイプの異業種交流会『インターネット交流会』を発足させる。会員会社の企業情報をはじめ,ビジネスに結び付く具体的な案件情報を公開するほか・・・」との記載(乙2の5),平成17年3月25日付け日刊工業新聞に,「モネットソフト,人材派遣向け業務支援システム発売」の見出しで,「モネットソフトウェア・・・は,人材派遣会社向け基幹業務支援システム『派遣ムーチョ』を発売した。・・・派遣スタッフのスキル,スケジュール,給与などを一括管理する。契約情報をもとにした勤怠管理のほか,派遣案件の条件からスタッフを選ぶスタッフマッチング機能を搭載しており,案件に最適な人材を派遣できる。オプションで,マッチングに該当したスタッフに案件情報を一斉配信するメール配信機能(20万円)を用意した。」との記載(乙2の6)がある。これらのインターネット情報及び新聞記事情報においては,「案件情報」との語が,問題となっている事柄についての情報という意味において使用されていることが明らかである。
( )したがって,本願商標は,本件指定役務に用いられるとき,構成全体とし3て,自他役務の識別力を有しないというほかなく,商標法3条1項6号に該当するものである。
2原告は,本願商標は,出願人の造語であって,辞書等にも掲載されておらず,現実に多数人が使用しているものでも,本件指定役務に関する業界において常用されている用語でもなく,原告が発明し特許出願中の「複数情報提供方法」(特願2000-237740号)に関し,自他商品の識別のために使用しようとするものであるから,自他役務の識別力があり,また,公益上特定人に独占させるに不適当なものでもない旨主張する。
しかし,上記1( )のとおり,本願商標は,その構成自体から,それに接し1た取引者・需要者は,容易に,「問題となっている事柄についての情報(知らせ)」という意味を認識するものである。このことは,「案件情報」という語の辞書等への掲載の有無に左右されるものではないし,上記1( )のとおり,2現実に,「案件情報」との語が,問題となっている事柄についての情報(知らせ)として,本件指定役務を含む取引において,普通に使用されているのであって,原告の上記主張はいずれも前提を欠くものであり,失当というほかない。
3また,原告は,本願商標は,結合商標であって,構成上及び使用上から,「案件」の文字と,「情報」の文字とに切り離して観察すべきでなく,一連一体のものとして,「案件情報」を全体として観察すべきであり,そうすると,本願商標には,自他役務の識別力が認められる旨主張する。
しかし,本願商標は,上記1( )のとおり,「案件」と「情報」からなると1いうその構成自体によって,それに接する取引者・需要者は,問題となっている事柄についての情報(お知らせ)との意味を容易に認識,理解し,自他役務の識別力がないと認められるものであって,これに反する原告の主張は,採用できない。
その他,原告は,他の登録商標の実例を挙げて,本願商標と同様の一連不可分の造語や結合商標が多数登録されている旨主張するが,登録出願に係る商標が登録され得るか否かの判断は,指定商品・役務等の取引の実情を考慮し,当該商標の全体の構成に基づいて,個々の商標ごとに個別具体的に判断されるべきものであるから,原告主張に係る登録商標の実例は,上記判断を左右するものではない。
4そうすると,本願商標は,本件指定役務に用いられるとき,構成全体として,自他役務の識別力を有しないものと認められ,商標法3条1項6号に該当するものであり,これと同旨の審決の判断に誤りはないから,原告主張の取消事由は理由がなく,他に審決を取り消すべき瑕疵は見当たらない。
よって,原告の請求は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 篠原勝美
裁判官 宍戸充
裁判官 柴田義明
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