関連審決 | 無効2003-35220 |
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関連ワード | 識別力 / 識別機能 / 指定商品 / 記述的商標(3条1項3号) / 品質誤認(4条1項16号) / 取引の実情 / 無効審判 / |
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事件 |
平成
16年
(行ケ)
189号
審決取消請求事件
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原告 日本製粉株式会社 訴訟代理人弁理士 鈴木正次,涌井謙一,山本典弘,鈴木一永 被告 株式会社ミツカングループ本社 訴訟代理人弁理士 松田治躬,松田雅章,近藤史代 |
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裁判所 | 東京高等裁判所 |
判決言渡日 | 2005/01/20 |
権利種別 | 商標権 |
訴訟類型 | 行政訴訟 |
主文 |
原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 |
事実及び理由 | |
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原告の求めた裁判
「特許庁が無効2003-35220号事件について平成16年3月24日にした審決のうち,[登録第4527874号の指定商品中『第30類 全指定商品』及び『第31類 あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし』についての登録を無効とする。]との部分を取り消す。」との判決。 |
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事案の概要
本件は,後記本件商標の商標権者である原告が,被告請求に係る無効審判において,本件商標についての登録の一部を無効とするとの審決がされたため,同審決のうち一部無効とした部分の取消しを求めた事案である。 1 特許庁における手続の経緯 (1) 本件商標 出願人:原告 商標:別紙審決書写しの末尾に「本件商標」として掲記された構成からなるもの。 出願日:平成12年10月24日(商願2000-115356号) 指定商品:第30類「みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,氷」及び第31類「あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,うるしの実,ホップ,未加工のコルク,やしの葉,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕種,種繭,種卵,飼料,釣り用餌,種子類,生花の花輪,飼料用たんぱく」 登録査定日:平成13年11月19日 設定登録日:平成13年12月7日 商標登録番号:登録第4527874号 (2) 本件手続 審判請求日:平成15年5月30日(無効2003-35220号) 審決日:平成16年3月24日 審決の結論:「登録第4527874号の指定商品中『第30類 全指定商品』及び『第31類 あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし』についての登録を無効とする。その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。」 審決謄本送達日:平成16年4月5日(原告に対し) 2 審決の理由の要点 審決の理由は,別紙審決書写しに記載のとおりである。その要点は,次のとおりである。 (a)「本件商標を構成する『梅』,『うめ』の文字(語)は『バラ科の落葉高木』を表す語であるとしても,『梅』『ウメ』の文字が表示された食品に接する取引者,需要者は,例えば『梅肉』『梅酢』のごとく『梅(ウメ)・・・』と具体的な商品,品質等が表示されていないとしても,『梅の実』若しくは『梅の実の加工品(梅の実の果肉又はそのペースト,粉末,液汁を加味した食品)』であると理解,認識するものというのが相当である。 そうとすれば,本件商標は,その指定商品中,『梅の実の加工品を加味した,みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),食用粉類,食用グルテン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,氷』に使用するときは,該商品の原材料,品質を表示するに止まり,自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。そして,前記以外の商品について使用するときは,梅の実の加工品を加味した商品であるかの如く商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標といわざるを得ない。」 (b)「さらに,上記認定の事実関係よりすれば,本件商標の指定商品中,世人が通常食する商品『米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし』に使用するときは,該商品が『梅の実』であるかの如く商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標というべきである。」 |
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原告の主張(審決取消事由)の要点
1 原告は,前記審決の理由の要点(a)については,指定商品「梅の実の加工品を加味した食用粉類,食用グルテン」及び「その他の食用粉類,食用グルテン」についての認定判断を争い,その余は認める。すなわち,本件商標は,指定商品「梅の実の加工品を加味した食用粉類,食用グルテン」について商品の品質等を表示するものではなく,また,「その他の食用粉類,食用グルテン」商品の品質等の誤認を生ずるおそれのないものである。 原告は,前記審決の理由の要点(b)については,すべてを争う。すなわち,「米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし」のすべてについて,必ずしも「世人が通常食する」とは考え難く,かつ,本件商標をこれらについて使用しても,商品の品質の誤認を生ずるおそれはない。 したがって,指定商品第30類のうち,「食用粉類,食用グルテン」について,商標法3条1項3号及び4条1項16号に違反して登録されたものであるとの審決の判断は,誤りであり,かつ,指定商品第30類のうち「米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦」と第31類のうち「あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし」について,同法4条1項16号に違反して登録されたものであるとの審決の判断は,誤りである。審決のうち,上記に関する部分は,取り消されるべきである。 2(1) 指定商品「食用粉類,食用グルテン」について,本件商標が商品の原材料,品質等を表示するものとして普通に使用されている実例はなく(甲11),逆に「梅」の文字を含む商標登録例が存在している(甲10-1など)。指定商品は,「梅の実の加工品等」に限定されていないので,「みそ」などと同様の認定はできない。 「梅の実の加工品を加味した食用粉類,食用グルテン」なる商品がいかなる商品を意味するか不明であり,具体的な商品を想像することができない。このような不明確,不自然な商品について,原材料,品質等を表示するために本件商標を使用するとは考え難い。 本件商標は,指定商品「食用粉類,食用グルテン」について,具体的な原材料,品質等を表示するわけでも,直感させるわけでもなく,せいぜい原材料,品質等を暗示させるにとどまる。したがって,本件商標を指定商品「食用粉類,食用グルテン」に使用しても,その商品の原材料,品質等を表示するものでも,品質の誤認を生ずるおそれもない。 (2) ところで,本件商標は,明治30年に商品「小麦粉」を指定した原告の登録商標中に,品質・等級を表す目的で使用され(甲12-1),その後,本件商標は,徐々に商標の一部から要部として認識される態様に変更され(甲12-2〜4),昭和63年2月ころまでには「うめ」が単独で認識できる態様での使用も行われて現在に至っている(甲12-4)。現在では,「松」「竹」「梅」を等級を表す記号として使用するケースは稀であり,広辞苑(甲13)にもそのような記載はない。本件商標は,「食用粉類中の小麦粉」については実際に自他商品の識別機能を発揮している商標である。すなわち,本件商標は,「小麦粉」の原材料,品質等を表示する語として普通に使用されている標章ではない。 3 指定商品「米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし」のうち,少なくとも「脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,あわ,きび,ひえ,籾米,もろこし」は,「世人が通常食する商品」とは認められない。そもそも,「世人が通常食するか否か」は,曖昧な概念で,判断する人の年齢,出身地域等で大きく変化する基準であり,審決の判断も多くの矛盾を含んでいる。 本件商標を指定商品「米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし」に使用しても,商品の品質について誤認を生ずるおそれはない。誤認が生ずるおそれがあるか否かは,具体的に判断せざるを得ず,「世人が通常食する商品か否か」という基準を採用することは妥当でない。 4 過去の商標登録例(甲9,10〔枝番号を含む〕)に照らし,本件商標についても同様の判断がされてしかるべきである。 |
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被告の主張の要点
1 審決の認定判断に誤りはない。 2 「梅の実」,「梅肉」,「梅の乾燥粉末」,「乾燥梅肉」,「梅肉エキス」等の加工品が,極めて多くの食品に加味されて応用され,その応用・適用範囲が極めて広範な食品分野にわたるものである(甲3〜5)。また,食用粉類中の小麦粉で作ったパイ生地と梅の実の加工品である梅ジャムを合わせてパイ作りがされており(甲4),食用グルテン,特に小麦グルテンなどが他の食材を加味されて和菓子などの食品製造に用いられることを考慮すると,「梅の実の加工品」と「食用粉類,食用グルテン」は,極めて密接な関連性を有する食品である。そうすると,梅の実を加工した梅肉・乾燥粉末・乾燥梅肉・エキス等が添加される食品として,「食用粉類,食用グルテン」という商品を容易に想起できるのであり,これらの商品に「梅」の文字が使用された場合は,両者の密接な関連性ゆえに取引者・需要者は,何らかの加工処理により,梅の実の加工品を加味した商品であるかのごとく想起し認識することはあり得る。 また,「梅の実の加工品」が加味された「食用粉類,食用グルテン」が現に存在するし,「梅」との商標は,商品の原材料,品質等を表示する語として普通に使用されている(乙1〜5)。 原告は,明治30年以来の使用等を主張するが,「梅」のマークが品質,等級を示す目的で採択されたことは明らかである。また,「梅」の文字のみにより自他商品の識別機能を果たしているとは認められない。なお,取引の実情として,今日でも,「松・竹・梅」の組合せが等級表示の意味合いで用いられている(乙24)。 3 審決は,一般に「食品」と称される商品であるか否かを区別するために,「世人が通常食する商品」との表現を用いたものであり,その区別は,日常経験則上,判然としている。審決に原告の主張するような矛盾などはない。 4 過去の審査例によれば,「梅」の文字又はこれを含む商標の登録出願が,自他商品の識別力を有しないものとして拒絶されている(甲7,8-1〜3)。 原告の挙げる登録例(甲9,10〔いずれも枝番号を含む〕)は,本件商標とは事案を異にする。 |
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当裁判所の判断
1 前記第2,2に審決の理由の要点(a)として記載した認定判断の当否について (1) 原告は,審決の理由の要点(a)として記載した認定判断が誤りである具体的理由として,前記第3,2の(1)のとおり主張する。 検討するに,商標法3条1項3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは,このような商標は,取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから,特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに,一般的に使用される標章であって,多くの場合自他商品識別力を欠くものであることによるものと解される(最高裁昭和54年4月10日第三小法廷判決・裁判集民事126号507頁,判例時報927号233頁参照。)。この趣旨に照らせば,登録査定時において,当該商標が指定商品の原材料又は品質を表すものと,取引者,需要者に広く認識されている場合はもとより,将来を含め,取引者,需要者にその商品の原材料又は品質を表すものと認識される可能性があり,これを特定人に独占使用させることが公益上適当でないと判断されるときには,その商標は,同号に該当するものと解するのが相当である(このように解すべきであることは,当裁判所が繰り返し判示しているところである。例えば,平成12年6月13日判決〔平成11年(行ケ)第410号事件〕,平成12年10月25日判決〔平成12年(行ケ)第164号事件,判例時報1743号126頁〕,平成15年4月21日判決〔平成14年(行ケ)第222号事件〕,平成15年9月30日判決〔平成14年(行ケ)第501号・502号事件〕参照。以上はいずれも最高裁ホームページに掲載。)。 審決は,梅の実を加工し,これを他の食品に加味した食品が存在すること,その食品に「梅肉ドレッシング」「梅酢ドレッシング」「梅の酢みそ」「梅酢」「梅ごま」「つぶ梅肉」「梅ぽん酢」「梅みつ」「梅ヨーグルト」のような表示がされ実際に販売されていること,商標登録された指定商品において,「梅を加味した焼肉・だんご・魚・野菜のたれ」「梅肉を加味したソース」「梅を加味してなる黒酢」「梅又はそのエキスを主材とする乳清飲料」の表示をもって商品名とされていることを認定している。この認定は,証拠(甲3〜6)に照らし是認し得るものである。これらによれば,「食用粉類,食用グルテン」の例ではないものの,多種多様な食品に梅の実の加工品を加味した例が存在するものといえる。 さらに,乙1によれば,「梅末,梅エキス」を加味した「きな粉」が存在し,「焼梅」との表示がされていること,乙2によれば,「梅の粉末」を加味した「小麦粉」が存在し,「梅うどん」との表示がされていること,乙3によれば,「梅」を加味した「キャッサバ粉」が存在し,「冷凍クリスタルビーン/梅入り」との表示がされていることが認められ,原告は,想像することができないというが,少なくとも「食用粉類」に梅の実の加工品を加味した例が現に存在する。 以上の事実に照らせば,本件商標が「梅の実の加工品を加味した食用粉類,食用グルテン」に使用された場合には,本件商標の登録査定当時において,指定商品「食用粉類,食用グルテン」の取引者,需要者に,本件商標がその商品の原材料,品質を表示するものと認識される(少なくとも認識される可能性がある)ものと推認されるのであり,かつ,本件商標は,取引に際し必要適切な原材料又は品質を表示するものであって,特定人による独占使用を認めるのは公益上適当でないというべきである。 一方,本件商標が「上記以外の食用粉類,食用グルテン」に使用されたときには,上記取引者,需要者において,梅の実の加工品を加味した商品であるかのように,商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものと認められる。 そうすると,審決の認定判断は,是認し得るものであって,原告の上記主張は,採用することができない。 (2) 原告は,さらに,前記第3,2の(2)のとおり主張する。 しかし,指定商品を「食用粉類,食用グルテン」としたまま,その一部の商品である「小麦粉」に関して,商標法3条1項3号の要件を満たさないことを主張しても,失当であるというほかない。 その点をおくとしても,原告は,広辞苑(甲13)に記載がないことを根拠に,現在では,「松」「竹」「梅」を等級を表す記号として使用するケースは稀であるとし,これを前提に上記の主張をする。しかし,そのような事実を認めるに足りる証拠はなく,原告の主張は前提を欠く(確かに,広辞苑には記載が見当たらないが,一般に広く知られている他の辞典では,等級を表すものと説明されている。例えば,大辞林(三省堂,平成11年10月1日新装第2版)の「松竹梅」の項,日本語大辞典(講談社,平成7年7月3日第2版第1刷)の「松竹梅」の項,国語大辞典(小学館,昭57.2.12第1版第7刷)の「松竹梅」の項参照。)。 さらに検討を進めても,「食用粉類中の小麦粉」について,本件商標が自他商品の識別機能を発揮しているとの事実は,本件全証拠によっても認めるには足りない。 (3) 以上によれば,審決の理由の要点(a)として記載した審決の認定判断は,是認し得るものであり,この誤りをいう原告の主張は,採用することができない。 2 前記第2,2に審決の理由の要点(b)として記載した認定判断の当否について 原告は,審決が「世人が通常食する」と説示した点を非難する。 審決の説示全体の趣旨に照らせば,審決は,前記のように「梅」が食物として認識されることから,社会通念上,食物として認識されるのが通常であるといえる商品について本件商標を使用するときは,同じ食物として,その商品が「梅の実」であるかのように品質の誤認を生ずるおそれがあるというものであると解される。 本件商標の指定商品の内容に照らせば,その需要者は,食品関係の業者のみならず,一般消費者をも含むものというべきである。そうすると,一般消費者の観点から,社会通念上,食物として認識されるのが通常であるといえるか否かを基準として,上記のような認定判断をすることは相当である。審決は,上記と同じ趣旨で「世人が通常食する」と表現したものと理解し得る。よって,審決に原告が主張するような違法はない。 そして,既に検討したところに照らせば,審決の理由の要点(b)として記載した審決の認定判断は,是認し得るものである。 3 過去の登録例について 原告は,過去の登録例を援用しつつ,本件商標についてもこれらと同様の判断がされてしかるべきである旨主張する。 しかし,原告が援用する過去の登録例(甲9,10〔枝番号を含む〕)を,過去の登録拒絶例(甲7,8〔枝番号を含む〕)とも対比しつつ検討するならば,上記登録例は,本件商標とは事案を異にするものであり,本件商標について,過去の登録例と同様の判断をすべき理由は見当たらないのであって,原告の主張は,採用することができない。 4 結論 以上のとおり,原告主張の審決取消事由は理由がないので,原告の請求は棄却されるべきである。 |
裁判長裁判官 | 塚原朋一 |
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裁判官 | 田中昌利 |
裁判官 | 佐藤達文 |