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審判番号(事件番号) データベース 権利
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平成18ワ5272損害賠償請求事件 平成18ワ8460損害賠償請求事件 判例 商標
平成19ワ14984商標権侵害差止等請求事件 判例 商標
平成20ワ19774商標権侵害差止等請求事件 判例 商標
関連ワード 識別力 /  指定商品 /  普通名称(3条1項1号) /  周知性 /  先使用(32条) /  外観(外観類似) /  称呼(称呼類似) /  観念(観念類似) /  国内 /  更新登録 /  先使用権 /  継続 /  商号 / 
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事件 平成 19年 (ワ) 3083号 先使用権確認
裁判所のデータが存在しません。
裁判所 大阪地方裁判所
判決言渡日 2009/03/26
権利種別 商標権
訴訟類型 民事訴訟
判例全文
判例全文

1
平成21年3月26日判決言渡同日原本受領裁判所書記官
平成19年(ワ)第3083号 先使用権確認請求事件
判決
原告ケンちゃん餃子株式会社
同訴訟代理人弁護士井手大作
被告 P1
同訴訟代理人弁護士草尾光一
同 秦周平
同 福本洋一
同 家近知直
同 松岡史朗
同 山岡嗣也
主文
1原告が,別紙商標目録記載の商標に関し,別紙標章目録1ないし5記載の
態様及び別紙地域目録記載の地域において 「ぎょうざ」について,先使用
による商標の使用をする権利を有することを確認する。
2訴訟費用は,被告の負担とする。
事 実 及 び 理 由
第1当事者の求めた裁判
1原告
主文と同旨
2被告
(1) 原告の請求を棄却する。
(2) 訴訟費用は,原告の負担とする。


2
第2事案の概要
1前提事実(証拠等の掲記のない事実は当事者間に争いがない )。
(1) 当事者(原告)
原告は,食品製造及び販売等を業とする株式会社であるが,主に餃子を
製造販売している(甲139,弁論の全趣旨 。)
(2) 本件商標
被告は,別紙商標目録記載の商標権(以下「本件商標権」といい,その
登録商標を「本件商標」という )を有している。 。
(3) 原告の標章の使用
,(, 「」。) 原告は 餃子 以下 原告の製造販売する餃子を 原告商品 という
を製造し,別紙標章目録記載の各標章(以下,別紙に記載された順に「原
」「」,「」。) 告標章1 ないし 原告標章5 といい 併せて 原告各標章 という
を使用して販売している。
(4) 紛争の発生(確認の利益)
平成14年ころ,原告が原告各標章を使用することについて,被告が異
議を述べたことから,原告は,被告に対し,協議を申し入れた。しかし,
被告は,原告の申し入れに応対しなかった。このため,原告は,被告を相
手方として,大阪簡易裁判所に調停を申し立てたが(平成18年(メ)第2
00号 ,平成19年3月6日,不成立に終わった。 )
2原告の請求(訴訟物)
原告は,本件商標権に類似する原告各標章を使用しており,本件商標登録
,(「」。), 出願の際 別紙地域目録記載の地域 以下 本件地域 というにおいて
原告の業務に係る商品を表示するものとして需用者の間に広く認識されてい
たとして,本件商標につき,同地域において,先使用による商標の使用をす
る権利を有することの確認を求めている(なお,請求の趣旨変更申立書の請
求の趣旨には「先使用権を有することを確認する」と記載されているが,先


3
使用による商標の使用をする権利を有することの確認を求める趣旨であると
理解すべきである。。)
3争 点
本件の争点は,原告の原告各標章の使用が,商標法32条1項先使用
要件を備えているか否かという点と,その要件を備えた地域の範囲である。
第3争点に関する当事者の主張
【原告の主張】
(1) 原告各標章の使用状況
原告の創業者であるP2は,昭和44年ころから 「ケンちゃん餃子」 ,
の商品名で餃子の製造販売を開始し,昭和45年11月に法人化して原告
(),,,, 当時は有限会社 を設立し その後 原告において 引き続き一貫して
上記商品名の餃子の製造販売を継続し,現在に至っている。
その間,原告は,次のとおり,原告各標章を上記商品に使用してきた。
ア原告標章1
原告標章1は,原告の前身及び原告が,昭和44年ころから,原告商
品に使用しているものであるが,現在,一般消費者向け商品であるチル
ド餃子(甲9,10)等の化粧箱の表面及び裏面,並びに業務用冷凍商
品カタログ(甲8)等に使用している。
なお,昭和51年ころ,形態の変更があったが,変更前の形態と概ね
類似している。
イ原告標章2
原告標章2は,原告が,昭和45年ころから,原告商品に使用してい
るものであるが,現在,会社案内(甲4)やチルド商品カタログに使用
している。
ウ原告標章3
原告標章3は,原告標章1とマーク(○にKを入れたものを山形に3


4
つ重ねたもの)を組み合わせたもので,原告の前身及び原告が,昭和4
4年ころから,原告商品に使用しているものであるが,現在,チルド餃
子等の化粧箱(甲9,10)や業務用冷凍商品カタログ(甲8)に使用
している。
なお,原告標章1と同様,昭和51年ころ,形態の変更があったが,
変更前の形態と概ね類似している。
エ原告標章4
原告標章4は,原告標章2とマーク(上記ウのマークと同じ)を組み
合わせたもので,原告が,昭和45年ころから,原告商品に使用してい
るものであるが,昭和61年ころ作成した会社経歴書(甲5)に使用し
たほか,現在,業務用冷凍商品カタログ(甲8)等に使用している。
オ原告標章5
原告標章5は,原告が,昭和61年ころから,原告商品に使用してい
るものであるが,現在,各種冷凍食品に貼付するシール等に使用してい
る。
(2) 本件地域における需用者の認識
原告は,ラジオCMを放送するなどし,市販用・業務用としての上記原
告商品のシェアは拡大し,全国,特に,本件地域(東京都,埼玉県,神奈
川県,千葉県,茨城県,栃木県,群馬県,山梨県,福島県,長野県,静岡
県,新潟県)を中心として,多大のシェアを獲得し,その結果,原告商品
,(), に使用してきた原告各標章は 本件商標の出願の際 平成8年12月6日
既に,上記地域における需用者の間に広く認識され,原告商品の商品表示
として周知性を獲得していた。
(3) まとめ
原告各標章は,いずれも本件商標に類似しており,前記(1)ないし(3)
の結果,原告は,本件商標につき,本件地域内において,先使用による商


5
標の使用をする権利を有している。
【被告の主張】
(1) 原告各標章の周知性
ア業務用商品
原告商品のうち業務用商品については,原告各標章が,業者間におい
て,原告商品の商品表示として周知性を獲得するだけの販売実績があっ
たとは認められない。
イ市販用商品
原告商品のうち市販用商品(一般消費者向け商品)についても,販売
実績が不明であり,原告各標章が,一般消費者間において,原告商品の
商品表示として周知性を獲得したとは認められない。
,, , なお ラジオCMについても 民間ラジオ局の午前の番組の聴取者は
運転手や個人事業主が多く,主婦の聴取者は少ない。
ウまとめ
上記ア,イのとおりであって,原告が,本件商標について先使用によ
る商標の使用をする権利を取得することについては争う。
(2) 地域による原告各標章の周知性
仮に,原告各標章に周知性が認められたとしても,その場所的範囲は全
国ではなく,周知性が認められる地域に限定されるべきである。
原告の関連会社であるケンちゃん餃子新潟株式会社は,原告にとって新
たな製造拠点に過ぎず,新潟県内におけるラジオCMのカバー率も低く,
新潟県における原告商品の販売実績は不明である。したがって,新潟県に
おける原告商品に使用された原告各標章が周知性を獲得したとは認められ
ない。
第4当裁判所の判断
1原告各標章の使用状況


6
前提事実,証拠(甲6,7,139,そのほか,この項において引用する
証拠)及び弁論の全趣旨によると,次の事実を認めることができる。
(1) 原告商品の製造販売の開始
原告の創業者であるP2(現在の原告代表者の夫)は,昭和43年10
月ころ,中華料理店を開店し,昭和44年ころより,地元のスーパーマー
ケットに惣菜店を出店し 餃子を製造販売していた この餃子が好評であっ ,。
たため,築地市場の卸売店に販売するようになった。そして,昭和45年
11月,有限会社ケンちゃんを設立し,昭和50年11月,株式会社に組
織変更するとともに,商号を「ケンちゃん餃子株式会社」に変更した(甲
3,5 。)
原告は,昭和45年11月の設立時から 「ケンちゃん餃子」の商品名 ,
で餃子を製造販売し,昭和50年11月には,上記商品名を社名とした。
(2) 販売実績
原告は,昭和45年11月の設立後,昭和47年には,新たな工場(東
京第1工場)を開設,稼働させていたが,製造が追いつかなくなり,昭和
53年11月,ケンちゃん餃子新潟株式会社を設立し(甲83,84 ,)
新潟工場を開設した。さらに,平成5年には,東京第2工場を開設した。
原告の売上は,昭和49年11月決算期には1億2000万円余であっ
たが,年々売上をのばし,その後,平成5年をピークにその後,増減を繰
, ()。 り返しながらも ほぼ7億円以上の売上を計上している 甲13?42
一方,新潟工場では,当初,東京方面に販売していたが,新潟県内の小
売業者に対しても販売するようになり,さらには,その近隣の県の小売業
者に対しても販売するようになった(甲131?133,甲134の1・
2 。その売上は,第9期(昭和61年11月1日?昭和62年10月3 )
1日)で9761万9410円,第10期(昭和62年11月1日?昭和
63年10月31日)で1億1343万0239円,第11期(昭和63


7
年11月1日?平成元年10月31日)で1億2652万8960円で
あった。
また,平成元年2月には,新潟工場と合わせて,年間7000万個の餃
子を作り,国内200社の中で5番目のシェアを有していた旨の記事が新
聞に掲載された(甲79 。)
なお,原告は,設立当初から,一貫して,餃子の製造販売に絞って事業
を展開しており(甲4?8 ,原告が,餃子以外の商品を扱っていること )
を窺わせる証拠はない。したがって,上記売上はいずれも原告商品を販売
したことによるものであることが認められる。
(3) 原告各標章の使用
原告の前身(昭和44年ころから昭和45年11月まで)に引き続き,
原告(昭和45年11月以降)は,設立当初から,原告商品に「ケンちゃ
」 ,(,, ん餃子 の表示を使用するとともに 原告標章1 甲4?9 85?87
89,90,92?127,130)と原告標章3(甲9,10)を使用
してきた。
また,原告は,設立のころから原告標章2(甲4,5,8,130)と
原告標章4(甲5,8,91)とを,昭和61年ころから原告標章5(甲
85?87,89,90,92?127)を,それぞれ原告商品に使用し
てきた。
(4) 宣伝活動
原告は,昭和51年ころ,ラジオCMを放送し,平成2年から平成5年
の間にも,ラジオCMを放送した(甲11,12,43?77,135?
138,140〔枝番を含む。〕)
上記CM放送の受信地域は,関東地方1都6県(神奈川県,埼玉県,千
葉県,栃木県,茨城県)と山梨県を完全にカバーし,さらに,福島県,長
野県,静岡県,新潟県の一部を含むものである(甲80 。)


8
また,平成12年,原告のホームページを開設した。
先使用による商標の使用をする権利の発生の有無
(1) 本件商標と原告各標章との類似
原告各標章を使用した原告商品は,餃子であり,本件商標の指定商品
同一であるところ,次のとおり,原告各標章は,いずれも本件商標に類似
する。
ア原告標章1
原告標章1は 「ケンちゃん餃子」という文字を横一列に記載した表 ,
示であり,本件商標と対比すると,外観では 「ぎょうざ」と「餃子」 ,
, ,,。 という 平仮名か漢字かという相違点があるが その他は 同一である
また,称呼も同一である。観念は,いずれも「ケン」のつく人名の愛称
(,「」, であると推認される このことは 原告の創業者の名が P2 であり
被告の名が「P1」であることからも窺える。。)
したがって,原告標章1と本件商標は類似する。
イ原告標章2
原告標章2は,皿の上に「ケンちゃん餃子」という文字を「ケンちゃ
」 「」 (,「」 ん と 餃子 と二段にして記載した表示であり なおケンちゃん
のうち「ちゃん」が「餃子」の左肩から左端にかかるように記載されて
いる,その要部は 「ケンちゃん餃子」にあるといえる。 。),
そうすると,上記アのとおり,原告標章2と本件商標は類似する。
ウ原告標章3
原告標章3は,原告標章1とマーク(○にKを入れたものを山形に3
つ重ねたもの)を組み合わせたものであるが,マークに具体的な称呼
観念はなく,その要部は 「ケンちゃん餃子」にあるといえる。 ,
そうすると,上記アのとおり,原告標章3と本件商標は類似する。
エ原告標章4


9
原告標章4は,原告標章2とマーク(上記ウと同じ)を組み合わせた
ものであるが,マークに具体的な称呼観念はなく,その要部は 「ケ,
ンちゃん餃子」にあるといえる(前記イ参照 。)
そうすると,上記アのとおり,原告標章4と本件商標は類似する。
オ原告標章5
原告標章5は,男児の笑顔の図柄の下に「ケンちゃん」という文字を
横一列に記載した表示であるが,男児の笑顔に特段の特徴がないことに
比べ 「ケンちゃん」は,上記男児の名前であることが想起されること ,
,「」 。, からケンちゃん により強い自他商品識別力があるといえる 一方
本件商標である「ケンちゃんギョーザ」のうち 「ギョーザ」は商品を ,
,「」。 表す普通名称であり 自他商品識別力は ケンちゃん にあるといえる
,「」,,, 原告標章5と本件商標は 上記 ケンちゃん において 外観 称呼
観念において同一である(前記ア参照 。)
したがって,原告標章5と本件商標は類似する。
(2) 本件地域における需用者の認識
ア前記1(2),(3)によると,原告各標章を付した原告商品の売上は,
少なくとも,本件地域を中心に7億円前後というものであり,新潟工場
による製造,販売も合わせると,これを相当程度上回る。
また,前記1(4)のとおり,本件地域において,ラジオCMを放送し
,,() たことも考慮すると 遅くとも 本件商標の出願 平成8年12月6日
の際には,原告各標章は,原告商品の商品表示として,本件地域を中心
に,需用者の間に広く認識されるに至ったと認めることができる。
イ被告は,原告商品のうち,業務用商品と市販用商品との販売実績が不
。, , 明であると主張する たしかに その内訳は必ずしも明らかではないが
上記売上高によると,相当長期にわたり,店舗等において消費者の目に
触れたことが窺え,また,前記1(4)のとおり,ラジオによるCM放送


10
などを通じ,本件地域内では,業者間だけでなく,一般消費者間でも,
原告各標章が,原告商品の商品表示として広く認識されるに至ったと認
定して差し支えないと考える。
ウまた,被告は,仮に,原告各標章に周知性が認められたとしても,そ
の場所的範囲は,全国ではなく,地域を限定すべきであると主張し,特
, 。,, に 新潟県における周知性を争っている しかし 前記1(2)のとおり
新潟工場で製造したもののうち,新潟県内や近隣の県の小売業者に対し
ても販売していることが認められ,上記認定を左右するに足りる事情は
窺えない。
(3) まとめ
以上によると,少なくとも本件地域においては,本件商標の出願の際,
原告各標章が,需用者の間で周知であったということができ,原告は,本
件商標につき,本件地域において,先使用による商標の使用をする権利を
取得したということができる。
なお,商標法32条1項により,商標の使用権が認められる以上,その
, , 使用権の内容は 先使用時における使用態様に限定されるわけではないが
原告は,本件商標の使用権の確認を求めるにあたり,原告各標章の態様の
使用に限定した使用権の確認を求めており,その限度で認容することとす
る。
第5結 論
以上によると,原告の請求は理由があるから,これを認容し,訴訟費用の
負担につき民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。
(口頭弁論終結日 平成21年1月19日)
大阪地方裁判所第26民事部


11
裁 判 長 裁 判 官山田陽三
裁 判 官島村雅之
裁 判 官北岡裕章


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商標目録
登録番号第4222852号
出願日平成8年12月6日
登録日平成10年12月18日
更新登録日平成20年12月24日
商品の区分第30類
指定商品ぎょうざ
登録商標


13
地域目録
東京都,埼玉県,神奈川県,千葉県,茨城県,栃木県,群馬県,山梨県,福島
県,長野県,静岡県,新潟県

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