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審判番号(事件番号) データベース 権利
平成23ワ23260商標権侵害差止等請求事件 判例 商標
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事件 平成 21年 (ワ) 43006号 商標権侵害差止等請求事件
裁判所のデータが存在しません。
裁判所 東京地方裁判所 
判決言渡日 2012/09/28
権利種別 商標権
判例全文
判例全文
平 成24年9月28日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官

平成21年(ワ)第43006号 商標権侵害差止等請求事件

口頭弁論終結日 平成24年7月17日

判 決

東京都世田谷区<以下略>

原 告 株式会社チェルシー

訴訟代理人弁護士 土 谷 喜 輝

同 土 橋 央 征

同 荒 牧 浩 昭

東京都目黒区<以下略>

被 告 株式会社PLATFORM

訴訟代理人弁護士 照 井 勝

主 文

1 被告は,原告に対し,269万6816円及びこれに対する平成2

2年1月1日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。

2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。

3 訴訟費用は,これを2分し,その1を被告の負担とし,その余を原

告の負担とする。

4 この判決の第1項は,仮に執行することができる。

事 実 及 び 理 由

第1 請求

1 被告は,原告に対し,369万6816円並びに内金269万6816円に

対する平成22年1月1日から支払済みまで年6分の割合による金員及び内

金100万円に対する平成22年3月30日から支払済みまで年5分の割合

による金員を支払え。

2 被告は,原告に対し,別紙商標権目録6及び7記載の各商標権について,別





紙 登録目録記載の登録の抹消登録手続をせよ。

第2 事案の概要

本件は,原告が,被告に対し,@原告,被告及び株式会社エムズリーグ(以

下「エムズリーグ」という。)の3者間で締結した原告及びエムズリーグが共

有する別紙商標権目録1ないし5記載の各商標権(以下,別紙商標権目録1記

載の商標権を「本件商標権1」,その登録商標を「本件登録商標1」といい,

同目録2ないし7記載の各商標権及びその登録商標についてもこれに準じて

表記する。)の独占的使用権を被告に許諾する旨のライセンス契約に基づく未

払ライセンス料(ロイヤルティ)及び上記ライセンス契約の債務不履行に基づ

く弁護士費用相当額の損害賠償として合計369万6816円及び遅延損害

金の支払を求めるとともに,A原告及びエムズリーグの共有に属する本件商標

権6及び7について,被告に原告の共有持分権を譲渡した事実がないのに,被

告名義の不実の商標権移転登録(別紙登録目録記載の登録。以下「本件移転登

録」という。)がされている旨主張して,上記共有持分権に基づき,本件移転

登録の抹消登録手続を求めた事案である。

第3 当事者の主張

1 請求原因

(1) 当事者

ア 原告は,平成18年7月7日に設立された,アパレル製品の企画,製造,

販売等を目的とする株式会社である。

イ 被告は,平成16年8月20日に設立された,アパレル製品の企画,製

造,販売等を目的とする株式会社である。

(2) 被告のロイヤルティの支払義務

ア(ア) 原告及びエムズリーグと被告は,平成18年8月31日,同日付け

「マスターライセンス契約書」(甲3)をもって,原告及びエムズリー

グが被告に対し,原告及びエムズリーグが被告との間で随時締結する覚





書 記載の各商標(許諾商標)を同覚書に定める指定商品(許諾商品)に

使用し,日本国内において独占的に製造及び販売する権利を許諾するこ

と,被告は,原告及びエムズリーグの双方に対し個別に,許諾の対価(ロ

イヤルティ)として,許諾商品の卸売価格又は小売価格(ただし,いず

れも消費税を含まない。)に各月の販売数量を乗じ,更に5%を乗じて

算出された金員を翌月末日までに支払うこと,契約の有効期間を同年9

月1日から5年間とすることなどを内容とするマスターライセンス契

約(以下「本件ライセンス契約」という。)を締結した。

(イ) 本件ライセンス契約の15条4項は,被告が,本件ライセンス契約

の終了又は解除後15日以内に,仕掛り中の許諾商品の数量,所在場所,

既に販売し,又は今後販売する約定が成立した許諾商品の数量,価格,

販売先等を示す完全なリストを原告及びエムズリーグに提出すること

を条件として,本件ライセンス契約の終了又は解除以前に製造若しくは

製造に着手した在庫商品,半製品及び仕掛り中の商品について,6か月

に限り,通常の取引方法と価格において販売することができる旨を,同

条5項は,前項による本件ライセンス契約の契約期間満了又は解除後の

販売も本件ライセンス契約に定められたロイヤルティの支払の対象と

なる旨を規定している。

イ 原告及びエムズリーグと被告は,本件ライセンス契約締結後,原告及び

エムズリーグが共有する本件登録商標1ないし5について,順次,衣料品

全般,服飾品全般等の指定商品(許諾商品)に使用することのできる商標

(許諾商標)とすることに合意する旨の本件ライセンス契約に基づく覚書

を締結した。

ウ 原告及びエムズリーグと被告は,平成21年6月1日付けで締結された

覚書(以下「平成21年6月1日付け覚書」という。)をもって,同日付

けで,本件ライセンス契約を合意解除した。





エ (ア) 被告は,平成21年6月22日から同年11月26日までの間,本

件登録商標1ないし5を使用した商品を販売し,その売上高は合計53

93万6335円である。

(イ) 前記(ア)の売上高5393万6335円は,本件ライセンス契約の

合意解除後の被告の販売によるものであるが,本件ライセンス契約の1

5条5項に基づき,本件ライセンス契約に定められたロイヤルティの支

払の対象となる。

したがって,被告は,原告に対し,本件ライセンス契約に基づくロイ

ヤルティとして上記売上高に5%を乗じた269万6816円の支払

義務を負う。

(3) 原告の弁護士費用相当額の損害

被告の前記ロイヤルティの支払義務の債務不履行と相当因果関係のある

原告の弁護士費用相当額の損害は,100万円を下らない。

(4) 本件商標権6及び7の原告の共有持分の取得等

ア 原告及びエムズリーグは,平成19年2月19日に共同で本件登録商標

6に係る商標登録出願をし,同年8月24日に本件商標権6の設定登録を

受け,また,同年6月20日に共同で本件登録商標7に係る商標登録出願

をし,平成21年1月9日に本件商標権7の設定登録を受けた。

これにより原告は,本件商標権6及び7の共有持分を取得した。

イ 本件商標権6及び7について,被告を登録名義人とする平成21年6月

12日受付の商標権移転登録(本件移転登録)が経由されている。

しかし,原告が本件商標権6及び7の共有持分を被告に譲渡した事実は

ない。

(5) まとめ

よって,原告は,被告に対し,本件ライセンス契約に基づくロイヤルティ

269万6816円及び本件ライセンス契約の債務不履行に基づく弁護士費





用 相当額の損害100万円の合計369万6816円並びに内金269万6

816円に対する平成22年1月1日(最終取引日の翌月末日の翌日)から

支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金及び内金100万

円に対する同年3月30日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所

定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めるとともに,本件商標権の

共有持分権に基づき,本件移転登録の抹消登録手続を求める。

2 請求原因に対する認否

(1) 請求原因(1)の事実は認める。

(2) 請求原因(2)のうち,アないしウ及びエ(ア)の事実は認め,エ(イ)は争う。

(3) 請求原因(3)は争う。

(4) 請求原因(4)アの事実は認める。同イのうち,本件商標権6及び7につい

て本件移転登録が経由されていることは認め,その余は争う。

3 被告の主張

(1) 本件登録商標1ないし5に係る無償の使用許諾

ア 原告は,平成21年6月4日,被告に対し,本件登録商標1ないし5を

使用した2009年秋冬商品を販売することについて無償の使用許諾(以

下「本件使用許諾」という。)をした。

被告が平成21年6月22日から同年11月26日までの間に行った

本件登録商標1ないし5を使用した商品の販売は,本件使用許諾に基づく

ものであるから,原告主張の本件ライセンス契約の15条5項は適用され

ない。

イ 原告が本件使用許諾を行った経緯等は,以下のとおりである。

(ア) 原告の代表取締役のA1と被告の代表取締役のBは,アパレル製品

の企画,製造,販売等の共同事業を行うため,共同出資(出資比率各2

分の1)して被告を設立し,その上で,A1が設立した個人会社である

原告及びBが設立した個人会社であるエムズリーグに商標権を共有





せ ,原告及びエムズリーグから上記共有に係る商標権のライセンスを受

けた被告が,その登録商標を使用したブランド商品の販売事業を行い,

当該商標権のロイヤルティを原告及びエムズリーグにそれぞれ個別に

支払うことにより,A1及びBが実質的にロイヤルティを取得するとい

うパートナーシップ(以下「本件パートナーシップ」という。)を結ぶ

旨の合意をし,その合意に基づいて,原告,エムズリーグ及び被告の3

者間で,本件ライセンス契約を締結した。

その後,被告の株式を取得したCがA1及びBが被告において行う共

同事業に加わり,この3者間で締結した平成21年3月1日付け株主間

協定書(乙3)をもって,被告の事業に関連して発生する全ての損益分

配に関し,3者がそれぞれ保有する被告の株式割合(発行済み株式総数

の各3分の1)に応じて取得,保有,負担又は補填する旨の合意をした。

一方,被告は,主としてA1が管理していたブランドの企画,営業等

の失敗により,経営状況が悪化したため,A1が主導して,豊田通商株

式会社(以下「豊田通商」という。)との間で,被告が本件商標権1な

いし5等を豊田通商に譲渡することを柱とする被告の再建策の交渉が

進められていた。その後,同年5月末現在で,被告は,9500万円の

借入金債務及び5100万円相当の在庫商品を抱えるに至った。

このような状況の中で,A1とBは,同年6月4日,本件パートナー

シップの解消に関する話合いをし,@BがA1から被告の株式の3分の

1を750万円で購入すること,A被告の株式会社みずほ銀行(以下「み

ずほ銀行」という。)に対する長期借入金債務についてのA1の連帯保

証をはずすなどA1が被告事業に係る債務及び負担等から免れる代わ

りに,原告をして,被告に対し,本件登録商標1ないし5を使用した商

品の販売処分及び製造を許諾させ,また,平成20年11月30日以前

に発生していた本件登録商標1ないし5の使用に係るロイヤルティを





放 棄させること,B既に合意済みであった原告の被告に対する本件商標

権6及び7の無償譲渡を再度確約することを骨子とする包括的な合意

(以下「本件包括合意」という。)をした。

原告は,A1及びB間の本件包括合意を踏まえて,被告に対し,本件

使用許諾をした。

(イ) A1及びB間で本件包括合意がされたことは,Bが本件包括合意の

内容をまとめて記載し,その確認を求めてA1に送信した平成21年6

月4日付けの電子メール(乙7。以下「6月4日付けメール」という。)

に対して,A1が平成21年6月5日付けの電子メール(乙8。以下「6

月5日付けメール」という。)で,「ほぼ理解できました。退院次第,

豊田と話し,この予定に支障ないよう話します。」と回答し,本件包括

合意の内容を承諾していることから明らかである。そして,6月4日付

けメール中の「ブランドの取扱」,「1)FA/FAB/TD/JMは

2009AWの納品・売掛回収まではPFにて対応します(従い,サン

プル代金・展示会費用は当然PF負担とします)。」との記載は,被告

(「PF」 が本件登録商標1ないし5 「FA/FAB/TD/JM」
) ( )

を使用した2009年秋冬商品(「2009AW」)を販売することを

意味するものであり,本件使用許諾がされたことの根拠となるものであ

る。

また,A1がCに送信した平成21年6月13日付けの電子メール

(乙9。以下「6月13日付けメール」という。)及びA1がBに送信

した同年7月7日付けの電子メール(乙10。以下「7月7日付けメー

ル」という。)中にも,A1が本件使用許諾を含む本件包括合意の内容

を全面的に受け入れた旨が記載されている。

(ウ) 原告の代表取締役で,かつ,唯一の株主であるA1は,平成21年

6月に被告の取締役を辞任した後の同年7月15日以降も,被告の事務





所 に出社し,本件登録商標1ないし5を使用した被告の2009年秋冬

商品の検品,顧客からの問い合わせに対応するなど,被告の2009年

秋冬商品の販売行為について積極的に協力していた。このことは,原告

が本件使用許諾をしていたことを裏付ける事情である。

(エ) 原告は,本訴の提起に至るまで,本件登録商標1ないし5を使用し

た商品の被告の販売行為に関しロイヤルティの支払を被告に求めたこ

とはなかった。このことは,原告が本件使用許諾をしていたことを裏付

ける事情である。

すなわち,Bは,A1との間で本件パートナーシップの解消について

話合いをした際,A1から,被告の上記販売行為に関し対価の支払を求

められたことはなく,また,上記話合いの際に,有償とすることにつき

何らの協議,検討もされておらず,さらには,A1が被告の上記商品の

販売行為に協力した期間中も,そのような支払を求められたことはなか

った。その後,原告は,平成21年7月31日付け「通知書」(甲7の

1)によって,被告に対し,本件登録商標1ないし5を使用した商品の

販売行為の差止めを求めたが,上記通知書には,ロイヤルティの支払を

求める記載はないのみならず,本件登録商標1ないし5の使用が有償で

あることを示唆する記載もない。

このほか,原告,エムズリーグ及び被告が平成20年11月30日付

けで締結した覚書(乙2の1。以下「平成20年11月30日付け覚書」

という。)により,被告の経済状況の悪化に伴い,本件登録商標1ない

し5を使用した商品の販売により発生したロイヤルティの支払を全額

免除することが合意され,同日以降,ロイヤルティの支払は一切行われ

ていなかった。

(2) 本件商標権6及び7の無償譲渡

ア 原告及びエムズリーグは,平成21年6月11日,被告に対し,本件商





標 権6及び7を無償で譲渡(以下,この譲渡を「本件譲渡」という。)し

た。

本件移転登録は,本件譲渡に基づいて経由されたものである。

イ 原告が本件譲渡を行ったことは,次の諸点から明らかである。

(ア)a 原告の代表取締役のA1は,平成21年6月11日,被告の代表

取締役のBの面前で,譲渡人を原告及びエムズリーグ,譲受人を被告

とする本件商標権6及び7に係る「譲渡証書(兼単独申請承諾書)」

(乙56の4枚目。以下「本件譲渡証書」という。)の「譲渡人」欄

の原告名下に原告の実印を押印し,Bに交付した。

本件譲渡証書には,原告及びエムズリーグが本件商標権6及び7に

ついて有するそれぞれの権利を被告に「無償で譲渡したことに相違あ

りません。」との記載がある。

なお,本件譲渡証書の年月日欄には,「平成21年4月28日」と

の手書きの記載がある。これは,A1が本件譲渡証書に押印をした際

に年月日欄が空欄になっていたが,同年6月12日に本件移転登録の

申請手続を行ったD弁理士が上記日付を誤って記載したものであり,

これによって,本件譲渡証書中の原告作成名義の部分が真正に成立し

たことが否定されるものではない。

b また,A1は,本件譲渡証書に押印した際に,Bの面前で,原告の

取締役会が本件譲渡を承認した旨の取締役会承認書(乙56の5枚

目。以下「本件取締役会承認書」という。)の「代表取締役 A1」

名下に原告の実印を押印するとともに,「取締役 A2」名下に「A」

と刻した印鑑を押印した。この「A」と刻した印鑑は,上記押印がさ

れた当日(6月11日),A1の依頼により,Bが購入したものであ

り,A1は,本件パートナーシップの解消に係る他の関係書類におい

ても,上記印鑑を使用して押印している。





な お,原告は,後記のとおり,原告において取締役会は開催されて

おらず,その承認決議を経ていないから,本件譲渡は無効である旨主

張する。

しかし,会社法362条4項が重要な業務執行についての決定を取

締役会の決議事項と定めたのは,代表取締役への権限の集中を抑制

し,取締役相互の協議による結論に沿った業務の執行を確保すること

によって,会社の実質的所有者たる株主の利益を保護しようとする点

にあるというべきである。

しかるところ,A2は,原告の名目的な取締役であり,直接的にも,

間接的にも原告の業務に携わることはなかったのに対し,原告の実質

的所有者たる唯一の株主のA1の了承があったのであるから,仮に原

告の取締役会の承認の過程に形式的な瑕疵があったとしても,本件譲

渡は有効であり,原告の上記主張は理由がない。

(イ) A1,B及びCが締結した平成21年3月1日付け株主間協定書

(乙3)により,同日以降,Cが被告の事業に共同経営者として加わっ

たことから,Cにも平等に損益を分配するための手段として,遅くとも

平成21年5月13日には,原告及びエムズリーグが共有する本件商標

権6及び7を被告に無償譲渡する旨の合意がされた。

本件商標権6及び7の譲渡に対価を支払うということは,事実上,被

告から,A1の個人会社である原告とBの個人会社であるエムズリーグ

に対し,被告の事業に係る収益が分配されるのと同じであり,上記株主

間協定書に反し,Cにのみ不利な結果を生じさせてしまうこととなるこ

とから,本件商標権6及び7の譲渡は無償とされた。

このように本件パートナーシップの解消に関する本件包括合意がさ

れる前から,本件商標権6及び7の無償譲渡は合意されており,このこ

とは,BがA1に送信した6月4日付けメールに「商標」,「18)M





U VEILは既にPFに移管手続き開始しております。」と過去形で記

述されていること,これを受けてA1がBに送信した6月5日付けメー

ル,A1がCに送信した6月13日付けメール及びA1がBに送信した

7月7日付けメール中には,A1において本件商標権6及び7が被告に

譲渡されたことを認識していたことを示す記載があることからも明ら

かである。

(ウ) 本件登録商標6及び7を実際に使用しているのは,被告の完全子会

社である株式会社FRIENDS(以下「FRIENDS」という。)

であるところ,A1がその保有する被告の全株式をBに譲渡すること

は,FRIENDSの経営に全く関与できず,本件登録商標6及び7の

使用にも関与できないことを意味するものであり,また,本件パートナ

ーシップは,A1が被告の株主の地位にあることと密接に関連し,これ

を前提とする取引である。

したがって,A1が平成21年6月1日付け株式譲渡書(乙16の1)

をもってその保有する被告の全株式をBに譲渡したことによって,本件

登録商標6及び7に係る全ての権利を放棄する意思であったことが容

易に推認される。

4 被告の主張に対する原告の反論

(1) 本件登録商標1ないし5に係る無償の使用許諾の不存在

ア 原告が本件使用許諾をした事実は存在しない。

すなわち,Bは,被告の資金繰り改善のため,A1をはずして経費を抑

え,しかも,既に大きな利益を出しており,将来有望な本件商標権6及び

7を自己が取得するため,本件パートナーシップの解消を決意し,A1が

腰のヘルニアの手術のため入院中であるのを狙って,平成21年6月1日

及び4日にA1の入院先を訪れ,自己に有利な条件で,本件パートナーシ

ップの解消を提案した。しかし,A1は,その提案を受けた際に,Bから,





同 月1日以降において被告が本件登録商標1ないし5を被告が無償で使

用することや,原告が本件商標権6及び7を無償で被告に譲渡することに

ついて承諾していないし,そもそもそのような処理をすることについての

説明すら受けていない。

イ 被告が本件使用許諾の成立の根拠として挙げる諸点は,以下のとおり理

由がない。

(ア) A1が被告主張の本件包括合意をした事実は存在しない。本件パー

トナーシップの解消によってA1が享受する利益は,被告が主張するよ

うな過大なものではなく(例えば,A1のみずほ銀行に対する連帯保証

債務については,被告が平成21年2月28日時点で約6344万円の

純資産を有していたこと,被告の完全子会社であるFRIENDSの本

件登録商標6及び7を使用した商品の売上状況などからすれば連帯保

証人の責任が追及される現実的可能性がなく,A1が連帯保証をはずさ

れたところで実質的な利益はない。),少なくとも,A1は,被告の取

締役であったことから得られていた年額約3000万円の役員報酬を

手放した上で,本件登録商標1ないし5を無償で使用することを許諾し

たり,年間1億8855万円もの売上げを見込める本件商標権6及び7

を無償で被告に譲渡することに見合うような利益を享受していない。

このようにA1が,A1及び原告に一方的に不利な本件使用許諾を含

む本件包括合意に応じる合理的理由はない。

なお,BがA1に送信した6月4日付けメール(乙7)に対する返信

としてA1がBに送信した6月5日付けメール(乙8)には,「ほぼ理

解できました。」との記載があるが,6月4日付けメールに記載されて

いる事項は極めて多岐にわたり,これら全てについて入院中のA1が理

解し,承諾できたはずはなく,6月5日付けメールの上記記載部分は,

被告主張の本件包括合意が成立したことの根拠となるものではない。





(イ) 本件使用許諾については,その成立を裏付ける明確な合意書などの

書面が作成されていない。

BがA1に送信した6月4日付けメール(乙7)には,2009年秋

冬商品,すなわち平成21年6月1日から半年間の本件登録商標1ない

し5を使用した商品に関する費用は,被告が負担することが記載されて

いる。この記載を素直に読めば,平成21年6月から半年間の費用であ

るロイヤルティについても被告が負担することが前提とされているも

のと理解することができる。

また,6月4日付けメールには,平成21年5月までのロイヤルティ

の未収金の放棄の了解を求める記載があるが,同年6月1日以降のロイ

ヤルティの免除に関しては何ら記載がない。

他に原告が本件使用許諾をしたことを示す書面は存在しない。A1と

Bは,関係が親密であったときでも合意事項について契約書を作成して

きたが,関係を終了させるような重要な時期に本件使用許諾に係る合意

書などの書面が作成されていないことは,本件使用許諾の事実が存在し

ないからにほかならない。

(ウ) 被告が,平成21年6月1日以降,本件登録商標1ないし5を使用

した商品の販売を継続することを原告が承諾したことは事実であるが,

そのことは,被告がロイヤルティを全く支払わずに販売を行うことまで

承諾したことを意味するものではない。

(エ) 平成20年11月30日付け覚書(乙2の1)には,別途合意する

期間内に発生するロイヤルティ全額を免除すると規定されているが,原

告及び被告間で免除する期間の合意はされておらず,平成21年6月1

日以降に,被告が本件登録商標1ないし5を使用することによって生じ

るロイヤルティの免除までも約したものではない。

また,原告,被告及びエムズリーズが締結した平成21年6月1日付





け 覚書(甲6)には,本件ライセンス契約及び平成20年11月30日

付け覚書に係る合意を合意解除すること,平成21年6月1日現在にお

けるロイヤルティを全額放棄することが規定されているが,本件ライセ

ンス契約の合意解除後の本件登録商標1ないし5の使用許諾やロイヤ

ルティの免除については全く規定されておらず,本件ライセンス契約の

15条4項及び5項の適用を排除し,又は制限するような記載は存在し

ない。

さらに,被告は,平成20年11月30付け覚書が締結された同日以

降,被告のロイヤルティの支払は一切行われていなかったことを本件使

用許諾の裏付けとなる事情の一つとして挙げるが,A1とBが被告の株

式を50%ずつ保有している間は,被告のロイヤルティの支払を免除し

て被告に利益を残すか,ロイヤルティをA1の個人会社である原告とB

の個人会社であるエムズリーグに支払うかのいずれであっても,A1と

Bにとっては実質的な違いはなく,ロイヤルティの未払は大きな問題と

はならないが,A1がその保有する被告の株式の全てをBに譲渡して共

同事業関係を解消した平成21年6月1日以降は,そのような利益関係

が崩れており,ロイヤルティの支払を受けないことはA1にとって合理

的な行為とはいえないから,上記事情は,本件使用許諾の根拠となるも

のではない。

ウ 以上のとおり,原告が本件使用許諾をしたとの被告の主張は,理由がな

い。

(2) 本件商標権6及び7の無償譲渡の不存在

ア 原告が本件譲渡をした事実は存在しない。

被告が本件譲渡の成立の根拠として挙げる諸点は,以下のとおり理由が

ない。

(ア) 本件譲渡証書(乙56の4枚目)の譲渡人欄の原告名下の印影が原





告 の実印によって顕出されたことは認めるが,原告の意思に基づいて顕

出されたものではない。

すなわち,原告の実印は,被告の事務所で管理され,Bがいつでも押

印することができる状況にあったところ,原告名下の上記印影は,A1

が押印したものではなく,Bが無断で押印したものであり,原告の意思

に基づいて顕出されたものとはいえないから,本件譲渡証書中の原告作

成名義の部分は真正に成立したものではない。

また,本件取締役会承認書(乙56の5枚目)の「取締役 A2」名

下の「A」の印影は,A2の印章によるものではなく,Bが自ら調達し

た印章を使用してA2の許諾なく押印したものであり,A2の意思に基

づいて顕出されたものとはいえないから,本件取締役会承認書中のA2

作成名義の部分は真正に成立したものではない。

A1は,平成21年6月11日及び12日,Bの求めに応じて,本件

パートナーシップの解消に向けた各種書類に押印したが,少なくとも,

本件譲渡証書及び本件取締役会承認書については押印していない。

したがって,本件譲渡証書によって,本件商標権6及び7について,

原告及びエムズリーグから被告に本件譲渡がされたものと認めること

はできない。

(イ) 被告の完全子会社であるFRIENDSによる本件登録商標6及

び7を使用した商品の売上げは年間1億8855万円(甲14)であり,

本件商標権6及び7の価値は非常に高く,これらを無償で被告に譲渡す

ることなどは通常では考えられない。

また,被告主張のA1,B及びCの3者間の平成21年3月1日付け

株主間協定書に基づく被告の共同事業関係が維持されていれば,本件商

標権6及び7が被告に無償譲渡されても3者間で平等に被告の損益を

分担することも可能であるかもしれないが,上記共同事業関係が解消さ





れ た場合には,本件商標権6及び7が被告に無償で譲渡されれば,A1

には何らの利益も分配されないこととなり,このように共同事業関係の

解消の前後では全く事情が異なる。

しかるところ,本件パートナーシップの解消に当たって,BからA1

に対し,本件商標権6及び7を無償で被告に譲渡するという説明は一切

されておらず,A1及びB間の電子メールのやり取りにおいても,「無

償」という言葉は全く出てこない。例えば,6月4日付けメール(乙7)

には,「MUVEILは既に移管手続き開始しております。」との記載

があるが,その移管が「無償」であることを示す記載はない。また,7

月7日付けメール(乙10)には「放棄」との言葉が用いられているが,

これは,「MUVEIL」というブランドがA1のもとを離れて,その

経営に関与できなくなるという趣旨で用いたにすぎず,無償譲渡の趣旨

で用いたものではない。

原告としては,適正な対価が支払われるのであれば,将来的に本件商

標権6及び7を被告に譲渡する意思はあったが,このような対価の合意

もされていない段階では,未だ,本件商標権6及び7の譲渡契約は成立

していない。

イ 仮に被告主張の本件譲渡の成立が認められるとしても,原告において取

締役会は開催されておらず,その承認決議を経ていないから,本件譲渡は

無効である。

ウ 以上のとおり,原告及びエムズリーグが本件譲渡をしたとの被告の主張

は,理由がない。

第4 当裁判所の判断

1 被告のロイヤルティの支払義務(請求原因(2))について

(1) 請求原因(1),(2)アないしウ及びエ(ア)の事実は,いずれも当事者間に

争いがない。





原 告は,本件ライセンス契約の15条5項の規定により,被告が,本件ラ

イセンス契約の合意解除後の平成21年6月22日から同年11月26日

までの間に行った本件登録商標1ないし5を使用した商品の販売は,本件ラ

イセンス契約に定められたロイヤルティの支払の対象となるから,被告は,

原告に対し,本件ライセンス契約に基づくロイヤルティとして上記商品の販

売による売上高合計5393万6335円に5%を乗じた269万681

6円の支払義務を負う旨主張する。

これに対し被告は,原告が,平成21年6月4日,被告に対し,本件登録

商標1ないし5を使用した2009年秋冬商品を販売することについて無

償の使用許諾(本件使用許諾)をし,被告の上記商品の販売は,本件使用許

諾に基づくものであるから,本件ライセンス契約の15条5項の規定は適用

されない旨主張する。

そこで,以下において,被告主張の本件使用許諾の成否について判断する。

ア 前提事実

上記争いのない事実と証拠(甲1ないし15,18,乙1ないし8,1

1ないし16,19ないし30,33,38ないし40,50,56ない

し58(枝番のあるものは枝番を含む。),原告代表者A1,被告代表者

B)及び弁論の全趣旨を総合すれば,本件の経過等として,次の事実が認

められる。

(ア) A1は,昭和62年,アパレル大手の企業グループであるビギグル

ープの契約社員となり,ビギグループに属する1社の取締役に就任する

などした後,平成16年初めころ,ビギグループを退社し,同年3月に

衣料品の販売等を業とする株式会社トランスコンチネンツの代表取締

役に就任した。

一方,Bは,伊藤忠商事株式会社に入社し,プラント建設や米国で車

輌製造の経営に携わり,米国のコーネル大学のビジネススクールでMB





A を取得した後,転職した会社から株式会社トランスコンチネンツへ役

員として派遣され,A1と知り合った。

(イ) A1とBは,アパレル製品の企画,製造,販売等の共同事業を行う

ため,共同出資(出資比率各2分の1)して,平成16年8月20日,

被告を設立し,Bがその代表取締役に就任した。その後,平成18年5

月16日にA1が被告の代表取締役に就任したことから,被告の代表取

締役は,B及びA1の2名となった。

その後,同年7月7日,A1が単独で全額出資して原告を,Bが単独

で全額出資してエムズリーグをそれぞれ設立し,A1及びBがそれぞれ

代表取締役に就任した。

A1とBは,そのころまでに,被告における共同事業に関し,A1が

設立した個人会社である原告及びBが設立した個人会社であるエムズ

リーグに商標権を共有させ,原告及びエムズリーグから上記共有に係る

商標権のライセンスを受けた被告が,その登録商標を使用したブランド

商品の販売事業を行い,当該商標権のロイヤルティを原告及びエムズリ

ーグにそれぞれ個別に支払うことにより,A1及びBが実質的にロイヤ

ルティを取得するというパートナーシップ(本件パートナーシップ)を

結ぶ旨の合意をした。

この合意に従って,原告及びエムズリーグと被告は,平成18年8月

31日,本件ライセンス契約(甲3)を締結した。本件ライセンス契約

は,原告及びエムズリーグが被告に対し,原告及びエムズリーグが被告

との間で随時締結する覚書記載の各商標(許諾商標)を同覚書に定める

指定商品(許諾商品)に使用し,日本国内において独占的に製造及び販

売する権利を許諾すること,被告が,原告及びエムズリーグの双方に対

し個別に,許諾の対価(ロイヤルティ)として,許諾商品の卸売価格又

は小売価格(ただし,いずれも消費税を含まない。)に各月の販売数量





を 乗じ,更に5%を乗じて算出された金員を翌月末日までに支払うこ

と,契約の有効期間を同年9月1日から5年間とすることなどを内容と

する。

(ウ) 原告及びエムズリーグが,被告が商標権の設定登録を受けた本件商

標権1について,平成18年9月15日,被告から,その移転登録を受

け,また,原告及びエムズリーグが,別紙商標権目録2ないし7記載の

とおり,共同で本件登録商標2ないし7に係る商標登録出願をし,それ

ぞれ商標権の設定登録を受けたことにより,本件商標権1ないし7は,

原告及びエムズリーグの共有となった。

原告及びエムズリーグと被告は,本件登録商標1ないし5について,

順次,衣料品全般,服飾品全般等の指定商品(許諾商品)に使用するこ

とのできる商標(許諾商標)とすることに合意する旨の本件ライセンス

契約に基づく覚書を締結した。

また,原告及びエムズリーグは,被告の完全子会社として設立された

FRIENDSに対し,本件登録商標6及び7の使用を許諾した。

(エ)a 被告は,本件登録商標1ないし5を含む許諾商標を使用した許諾

商品の製造販売の事業を展開した。被告における共同事業の役割分担

は,A1がブランドの企画,確立,営業等の事業全体を行い,Bが経

理,総務等の経営管理を行うというものであった。

しかし,平成19年ころ,被告の業績が悪化したため,Bは,豊田

通商との間で,本件商標権1ないし5の売却交渉を開始したが,合意

に至らなかった。

b 原告及びエムズリーグと被告は,平成20年11月30日,@経済

状況の悪化に伴い,別途合意する期間内に発生するロイヤリティ(ロ

イヤルティ)全額を免除すること,A同日現在の被告の原告及びエム

ズリーグに対する未払ロイヤルティ総額864万1998円を20





回 の均等分割払とすることなどに合意する旨の覚書(乙2の1)を締

結した。

A1及びBは,そのころ,株式会社NATURAL NINE(以

下「NATURAL NINE」という。)の代表取締役のCに対し,

Cが被告の株主となり,被告における共同事業に参加するよう要請し

た。

その後,被告とNATURAL NINEとの間で同年12月30

日付けで締結された株式交換契約に基づく株式交換が完了したこと

に伴い,NATURAL NINEは,被告の完全子会社となり,ま

た,平成21年2月28日付けで,Cが,被告の発行済み株式総数の

うちの3分の1に相当する750株を保有する株主となった。

A1,B及びCは,同年3月1日付けで,@3者がそれぞれ被告の

発行済み株式総数のうちの3分の1に相当する750株を保有する

株主であることの確認,A被告並びにその完全子会社であるFRIE

NDS及びNATURAL NINEの事業に関連して発生する全

ての損益分配に関し,3者がそれぞれ保有する被告の株式割合(各3

分の1)に応じて取得,保有,負担又は補填することの合意などを内

容とする株主間協定書(乙3)を締結した。

これにより被告における事業は,平成21年3月1日以降,A1,

B及びCの3者の共同事業となった。

この3者の共同事業においては,被告の事業収益を平等に分配する

ため,原告及びエムズリーグが共有する商標権については全て無償で

被告に譲渡し,今後新しく立ち上げるブランドの商標については全て

被告が商標登録を受けることが想定されていた。

その後,同年3月から4月にかけて,本件登録商標1ないし5を使

用した被告の2009年秋冬商品の展示会が開催された。





c A 1は,平成21年3月ころ,豊田通商との本件商標権1ないし5

の売却交渉を再開した。A1は,その交渉過程において,豊田通商か

ら,本件商標権1ないし5の購入の条件として,本件商標権1ないし

5の譲渡の受け皿となる新会社を設立し,その代表者にA1が就任す

ることを提案され,この提案を受け入れる前提で,豊田通商との交渉

を進めていた。

一方,Bは,同年4月ころ,被告の事業におけるA1とのパートナ

ーシップの解消を考えるようになった。

(オ)a 被告の事業がA1,B及びCの3者の共同事業となった後も,被

告の財務状況は改善されず,平成21年5月末現在で,被告は,95

00万円の借入金債務及び5100万円相当の在庫商品を抱えるに

至った。上記借入金債務のうち,みずほ銀行に対する長期借入金債務

(同月末現在の残高合計4500万円)(乙11の4,12の4)に

ついてA1及びBが連帯保証をしていた。

b A1は,平成21年5月18日に腰のヘルニアの手術のため都内の

病院に入院し,同月25日に手術を受けた後,同年6月10日に退院

した。

その間の同年6月1日及び4日の2回にわたり,Bは,A1の入院

先を訪問し,被告の事業におけるA1とのパートナーシップの解消の

申出をし,A1との間で話合いをした。

Bは,同月4日の訪問の後,A1との話合いの内容をまとめた電子

メール(6月4日付けメール)をA1に送信した。

6月4日付けメール(乙7)には,次のような記載がある。

(a) 「ブランドの取扱:」

「1)FA/FAB/TD/JMは2009AWの納品・売掛回収

まではPFにて対応します(従い,サンプル代金・展示会費用は当





然 PF負担とします)。2010SSに関する費用は資金的に負担

する余裕ありません故,メンバーにはPFでのコスト発生がないよ

うご指示頂戴できればと思います。」(判決注・「FA」は本件登

録商標1及び2の略称,「FAB」は本件登録商標3の略称,「T

D」は本件登録商標4の略称,「JM」は本件登録商標5の略称,

「PF」は被告の略称である。また,「2009AW」は「200

9年秋冬」,「2010SS」は「2010年春夏」を意味する。)

(b) 「役員人事:」

「4)5月末付け定例株主総会でA1さん,A1さんの奥様の役員

の改選は行いません。結果Bだけを改選します。」,「5)A1さ

んには5月末付けにてフレンズの監査役を辞任頂きます。」,「6)

上記4)&5)に伴い,3社からお支払いします給与総額2.5百

万円は6月25日付けが最終となります。」

(c) 「株式:」

「8)BがA1さんのお持ちの株式を取得原価7.5百万円で買い

取らせていただきます。」,「9)上記4)&8)に伴いPFにて

抱える負債はBが全責任を持つこととなります。A1さんにてBと

共同してみずほに入れていただいております連帯保証人(長期借入

分のみ)は,A1さんの保証をはずすべく交渉を早急に行います。」

(d) 「B人事:」

「11)5月末にてチェルシーの監査役は辞任させていただきま

す。(給与は発生しておりません) 通帳・代表印・会社設立資料

一式をお持ちします。」

(e) 「商標:」

「18)MUVEILは既にPFに移管手続き開始しておりま

す。」,「20)現在チェルシー・エムズリーグにはPF&FRか





ら 未収金(ロイヤリティー分)が各社約7百万円あります。…両社

ともにこの未収金を放棄することでご了解いただければと思いま

す。資金的に余裕がございません故,何卒宜しくお願い致します。 ,


「…来週金曜日には登記いたします故,来週水曜日・木曜日に捺印

を頂戴するべく30分ほどお時間を頂戴できれば幸いです。」(判

決注・「MUVEIL」は本件商標権6及び7を意味し,「FR」

は「FRIENDS」の略称である。)

c A1は,平成21年6月5日,Bに対し,6月4日付けメールに対

して返信した。

6月5日付けメール(乙8)には,「ほぼ理解できました。」,「退

院次第,豊田と話し,この予定に支障ないよう話します。」との記載

がある。

(カ)a A1は,平成21年6月9日,Bに対し,A1が翌10日に退院

予定であることを連絡するとともに,「捺印等」は「木曜」(11日)

の11時か,「金曜日」(12日)の朝でもよいかを問い合わせる旨

の電子メールを送信(乙29の1)し,これを受けたBは,11日午

前11時に被告の事務所(代官山)で捺印作業を行いたい旨の返信(乙

29の2)をした。

b A1は,平成21年6月11日の朝,Bに対し,病院の貴重品預け

に印章を預けて取り忘れたので,「明日朝一番,もう一度時間もらえ

ますか?」と記載した電子メール(乙29の3)を送信した。これを

受けたBは,「認印で対応できますので朝購入してきます。雨の中申

し訳ありませんが11時宜しくお願いします。」と返信(乙29の4)

をし,A1がこれを了承したので,「A」と刻した印鑑(乙30)を

購入した。

A1とBは,同日11日午前11時ころから,被告の事務所で,被





告 における共同事業の解消に関する関係書類に捺印をした。

Bは,同日,D弁理士に対し,「MUVEIL関連の商標の譲渡に

関して一連の資料に捺印が完了しましたので,本日送付申し上げま

す。…変更手続き何卒よろしくお願い申し上げます。」,「尚,エム

ズリーグ・チェルシーが保有するそのほかの商標権に関しては,商社

と引き続き交渉中にて進展あれば別途ご相談申し上げます。」などと

記載した電子メール(乙20の1)を送信した。

c D弁理士は,平成21年6月12日,特許庁に対し,Bから送付を

受けた本件商標権6及び7の譲渡に関する一連の資料(本件譲渡証

書,本件取締役会承認書等)を添付書類として提出し,本件移転登録

の申請を行い,その旨の移転登録がされた。

本件譲渡証書(乙56の4枚目)及び本件取締役会承認書(乙56

の5枚目)は,D弁理士が同年5月22日にBに送付した譲渡人をエ

ムズリーグ及び原告,譲受人を被告とする「年月日」欄が空欄の「譲

渡証書(兼単独申請承諾書)」と題する書面(乙19の2の1枚目),

原告の取締役会出席者を「代表取締役 A1」,「取締役 A2」及

び「監査役 B」とする「年月日」欄が空欄の「取締役会承認書」と

題する書面(乙19の2の2枚目)に各名義人の名下に原告の実印,

被告の実印,「A」と刻した印鑑及びBの印鑑がそれぞれ押印されて

作成されたものである。

D弁理士は,本件移転登録の申請の際,Bから送付を受けた本件譲

渡証書及び本件取締役会承認書の「年月日」欄に「平成21年4月2

8日」とそれぞれ手書きで書き加えた。

なお,Bは,本件移転登録の申請に先立つ平成21年5月13日,

A1及びCに対し,「今回の商標権の移管に伴い,MUVEIL関連

の商標をPLATFORMに移管したく思います。(つまり,最終的





に エムズリーグ,チェルシーには商標が残らない形とし,今後の商標

の維持費に関してはPLATFORMにて負担します。)などと記載

した電子メール(乙33)を送信していた。

d A1とBは,平成21年6月12日の午前中に,前日に引き続き,

被告の事務所で,被告における共同事業の解消に関する関係書類に捺

印をした。

同月11日及び12日に捺印された関係書類には,原告,被告及び

エムズリーグ間の本件ライセンス契約及び平成20年11月30日

付け覚書の合意解除等に関する平成21年6月1日付け覚書(甲6),

A1,B及びC間の「株主間協定書に関連する合意解約契約書」(乙

4),A1の被告に対する被告の株式の譲渡に関する「株式譲渡書」

(乙16の1),「株主名簿記載請求書」(乙27)等が含まれてい

る。

e Bは,平成21年6月12日,A1に対し,A1の保有に係る被告

の全株式(750株)の譲渡代金として750万円を支払った。

また,同日,A1について,被告の代表取締役及び取締役の退任の

登記(退任日は同年5月30日)が経由された。

(キ)a 被告は,平成21年6月22日から,本件登録商標1ないし5を

使用した2009年秋冬商品の販売を開始した。

A1は,被告の取締役を退任した後も,被告の事務所に出社し,被

告の2009年秋冬商品の検品,顧客からの問い合わせに対応するな

ど,被告の2009年秋冬商品の販売について協力をした。

b みずほ銀行と被告及びBは,平成21年7月29日,みずほ銀行が

被告の長期借入金債務(前記(オ)a)に関するA1の連帯保証債務を

免除することなどを内容とする合意をした。

c A1は,豊田通商から提案されていた本件商標権1ないし5の譲渡





の 受け皿となる新会社として,平成21年7月1日に株式会社マーベ

リック(以下「マーベリック」という。)を設立し,その後も,豊田

通商との間で,本件商標権1ないし5の売却交渉を進めていたが,同

月28日ころ,上記売却交渉は決裂した。

(ク)a 原告の代理人弁護士は,平成21年8月4日到達の内容証明郵便

で,被告に対し,@本件ライセンス契約の合意解除によって,使用権

限を喪失しているにもかかわらず,被告が本件登録商標1ないし5を

使用した商品の販売等を継続しているので,それらの一切の使用を直

ちに停止することを求める,A本件商標権6を被告に移転する旨の登

録がされているが,原告はこれを承諾したことはないので,直ちにそ

の手続を取り消すことを求める旨の通知(甲7の1,2)をした。

これに対し,被告の代理人弁護士は,同月17日付け回答書(甲8)

で,@被告には,本件ライセンス契約の15条4項に基づき,一定の

範囲で商品を販売する権限が留保されている,A本件商標権6につい

ては,本件譲渡証書等にA1が捺印していることから明らかなよう

に,被告に移転することが適法かつ有効に合意されているなどとし

て,上記通知に係る原告の主張に応じられない旨の回答をした。

b 原告は,平成21年11月27日,本件訴訟を提起した。

イ 検討

(ア) 以上の認定事実を踏まえ,被告主張の本件使用許諾の成否について

検討するに,被告代表者Bの供述(乙1の陳述書を含む。以下「Bの供

述」という。)中には,BとA1が,平成21年6月4日,被告におけ

る共同事業の解消に関する話合いをした際,A1は,被告の2009年

秋冬商品に本件登録商標1ないし5を無償で使用することを許諾し,B

が送信した6月4日付けメール及びA1が返信した6月5日付けメー

ルで,原告が本件使用許諾をしたことの確認をした旨の供述部分があ





る。

(イ)a しかしながら,他方で,原告代表者A1の供述(甲15の陳述書

を含む。以下「A1の供述」という。)中には,これと反対の趣旨の

供述部分があり,また,原告と被告間には,本件使用許諾の成立を客

観的に裏付ける合意書等の書面は作成されていない。

もっとも,BがA1に送信した6月4日付けメール中には,「ブラ

ンドの取扱:」として,「1)FA/FAB/TD/JMは2009

AWの納品・売掛回収まではPFにて対応します(従い,サンプル代

金・展示会費用は当然PF負担とします)。」(前記ア(オ)b(a))と

の記載がある。この記載は,本件登録商標1ないし5(「FA/FA

B/TD/JM」)を使用した2009年秋冬商品(「2009AW」)

の「納品・売掛回収」までは被告が対応すること,これに伴い,その

サンプル代金,展示会費用を被告において負担することを述べるもの

であって,被告において本件登録商標1ないし5を使用した2009

年秋冬商品の販売を行うことを示すものといえるが,上記販売に係る

本件ライセンス契約に基づくロイヤルティについては,何ら述べるも

のではないから,原告が本件登録商標1ないし5の使用を無償で許諾

したことの根拠となるものではない。6月4日付けメールを全体とし

てみても,同日現在のロイヤルティの未収金の放棄を求める趣旨の記

載はあるものの(前記ア(オ)b(e)の「20)」),被告が同日以降

に販売する本件登録商標1ないし5を使用した2009年秋冬商品に

ついてロイヤルティを発生させないことや,原告がそのロイヤルティ

を免除することをうかがわせる記載は存在しない。

また,A1及びBが平成21年6月11日ないし12日に押印した

原告,被告及びエムズリーグ間の本件ライセンス契約及び平成20年

11月30日付け覚書の合意解除等に関する平成21年6月1日付





け 覚書(甲6)には,原告及びエムズリーグが同覚書締結日現在にお

いて被告に対して有する未払ロイヤルティに係る債権及び遅延損害

金の全額を放棄する旨の規定(2条),当事者間に,同覚書締結日現

在で,同覚書に定めるほか,本件ライセンス契約及び同覚書に関し,

何ら債権債務のないことを相互に確認する旨の規定(4条)が存在す

るが,同覚書締結後に被告が販売する2009年秋冬商品に関するロ

イヤルティについて定めた規定は存在しない。

他に本件使用許諾の成立をうかがわせる書面の証拠提出はない。

b 次に,A1は,原告,被告及びエムズリーグ間の本件ライセンス契

約が平成21年6月1日付け覚書で合意解除された後の同月22日

以降において,本件登録商標1ないし5を使用した被告の2009年

秋冬商品の販売に協力しているが(前記ア(キ)a),このことは,原

告が本件ライセンス契約の15条5項の規定により上記合意解除後

の販売に係るロイヤルティの支払を求めることと相反するものでは

なく,原告が上記合意解除後の被告の2009年秋冬商品の販売にお

ける本件登録商標1ないし5の使用を無償で許諾したことの根拠と

なるものでもない。

この点に関連して,被告は,原告が,本訴の提起に至るまで,本件

登録商標1ないし5を使用した商品の被告の販売行為に関しロイヤ

ルティの支払を被告に求めたことはなかったこと,平成20年11月

30付け覚書(乙2の1)が締結された同日以降,被告からロイヤル

ティの支払は一切行われていなかったことは,原告が本件使用許諾

していたことを裏付ける事情である旨主張する。

しかしながら,@A1及びB間の被告における共同事業を解消する

ことの一環として,A1が,その保有する被告の全株式をBへ譲渡し,

被告の取締役を退任し,さらには,原告,被告及びエムズリーグ間の





本 件ライセンス契約の合意解除がされる以前は,A1においては,被

告における本件登録商標1ないし5を使用した販売事業の収益につ

いて,被告から取締役の役員報酬,株式配当等で直接的に分配を受け

るか,被告がA1の個人会社である原告にロイヤルティを支払うこと

により間接的に分配を受けるかのいずれによっても実質的な差異は

なかったこと,A一方で,A1,B及びCの3者間の平成21年3月

1日付け株主間協定書(乙3)により,被告における損益について3

者が平等に負担,補填等をすることに合意していたことからすると,

A1あるいは原告が,被告の業績が悪化していた状況下で,被告に対

し,本件ライセンス契約に基づくロイヤルティの支払を差し控えてい

たことについては,合理的な理由があるものとうかがわれるが,A1

及びB間の被告における共同事業が解消された後においては,原告が

被告に対し本件登録商標1ないし5の使用を無償で許諾することに

ついて,A1にとって合理的な理由を見出し難い。

したがって,被告の上記主張は,採用することができない。

(ウ) 前記(イ)の認定事実に照らすならば,前記(ア)のBの供述部分は措

信することができない。

他に被告主張の本件使用許諾の事実を認めるに足りる証拠はない。

(2) 以上によれば,原告が主張するとおり,被告は,原告に対し,本件ラ

イセンス契約に基づくロイヤルティとして上記商品の販売による売上高

合計5393万6335円に5%を乗じた269万6816円の支払義

務を負うものと認められる。

したがって,原告は,被告に対し,本件ライセンス契約に基づくロイヤ

ルティとして269万6816円及びこれに対する支払期日の経過後で

ある平成22年1月1日(最終取引日の翌月末日の翌日)から支払済みま

で商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の支払を求めることがで





き る。

2 原告の弁護士費用相当額の損害(請求原因(3))について

原告は,被告の前記1(2)のロイヤルティの支払義務の債務不履行と相当因

果関係のある原告の弁護士費用相当額の損害は,100万円を下らず,被告が

同額の損害賠償の支払義務を負う旨主張する。

しかるところ,民法419条によれば,金銭を目的とする債務の履行遅滞に

よる損害賠償の額は,法律に別段の定めがある場合を除き,約定利率又は法定

利率により,債権者は,その損害の証明をする必要がないとされているが,そ

の反面として,たとえそれ以上の損害が生じたことを立証しても,その賠償を

請求することはできないものというべきであり,債権者は,金銭債務の不履行

による損害賠償として,債務者に対し,弁護士費用その他の取立費用を請求す

ることはできないと解するのが相当である(最高裁判所昭和48年10月11

日第一小法廷判決・裁判集民事110号231頁参照)。

したがって,原告は,被告の上記ロイヤルティの支払義務の債務不履行によ

る損害賠償として,弁護士費用相当額の損害を請求することはできないから,

原告の上記主張は,理由がない。

3 本件商標権6及び7の原告の共有持分権の取得等(請求原因(4))について

(1) 原告及びエムズリーグが,共同で本件登録商標6及び7に係る商標登録

出願をし,平成19年8月24日に本件商標権6を,平成21年1月9日に

本件商標権7の設定登録をそれぞれ受けたことにより,原告が本件商標権6

及び7の共有持分を取得したこと(請求原因(4)ア),本件商標権6及び7

について,被告を登録名義人とする平成21年6月12日受付の商標権移転

登録(本件移転登録)が経由されていること(請求原因(4)イ前段)は,当

事者間に争いがない。

被告は,原告及びエムズリーグが,平成21年6月11日,被告に対し,

本件商標権6及び7を無償で譲渡(本件譲渡)し,これに基づいて本件移転





登 録が経由された旨主張する。

ア 前記1(1)ア(カ)c認定のとおり,本件移転登録は,譲渡人をエムズリ

ーグ及び原告,譲受人を被告とする本件譲渡証書(乙56の4枚目),原

告の取締役会出席者を「代表取締役 A1」,「取締役 A2」及び「監

査役 B」とする本件取締役会承認書(乙56の5枚目)等に基づいて経

由されたものである。

本件譲渡証書には,本件商標権6及び7は,エムズリーグと原告の「所

有」のところ,「今般,それぞれの権利を貴社に無償で譲渡したことに相

違ありません。」,「また,貴社に無償で譲渡した上記商標権について,

その移転登録申請を貴社が単独ですることに異議なく,これを承諾しま

す。」と印字され,その年月日欄には,手書きで日付が記入され,「平成

21年4月28日」と表記されている。

そして,本件譲渡証書の譲渡人欄における原告の印影が原告の実印によ

って顕出されたものであることは,当事者間に争いがないから,反証のな

い限り,上記印影は,原告の意思に基づいて顕出されたものと事実上推定

され,本件譲渡証書中の原告作成名義の部分全体が,真正に成立したもの

と推定される。

イ これに対し,A1の供述中には,@本件譲渡証書には,A1がBに預け

ていた原告の実印が押印されているが,A1は,本件譲渡証書に原告の実

印を押印していない,A本件譲渡証書中の「無償で譲渡した」という文言

を読んだ記憶がなく,本件商標権6及び7を無償で被告に譲渡するという

ような説明をBから受けていない,B本件取締役会承認書は,本訴に至る

までそれ自体を見たことがなく,A1が,本件取締役会承認書中の「取締

役 A2」名下に認め印を押印したことはない,C本件登録商標6及び7

を使用した商品は,平成21年6月時点で,他の被告のブランド商品と比

べると,売上高自体はそんなに大きくなかったが,長年の経験から,それ





か ら半年後,1年後にはかなりの勢いで売上げが伸びる有望な商品である

と確信しており,A1がBに被告の株式を譲渡し,被告が完全にBのもの

になった状態で,本件商標権6及び7の無償での譲渡をA1が承諾するは

ずがない旨の供述部分がある。そして,平成21年6月11日当時,Bが,

被告の事務所で,原告の実印を保管・管理していたことは,当事者間に争

いがない。また,本件登録商標6及び7を使用した商品は,その当時,原

告及びエムズリーグから使用許諾を受けた,被告の完全子会社であるFR

IENDSが販売していたところ(前記1(1)ア(ウ)),FRIENDS

の平成20年度(平成20年3月1日から平成21年2月28日まで)の

決算報告書(甲14)中の損益計算書には,平成20年度の売上高が1億

8871万5989円である旨の記載がある。

ウ(ア) しかしながら,他方で,Bの供述中には,@A1とBは,平成21

年6月11日,被告の事務所で,被告における共同事業の解消に関する

関係書類に捺印作業を行った,ABは,その際,A1に対し,被告の事

務所の金庫に保管していた原告の実印とBが同日の朝被告の従業員に

購入させた「A」と刻した認め印を手渡し,A1は,Bの面前で,原告

の実印及び上記認め印を用いて,本件譲渡証書及び本件取締役会承認書

を含む一連の関係書類に押印した,B本件商標権6及び7の被告への無

償譲渡については,Bが,同月4日に,A1の入院先の病院で,A1と

の間で被告における共同事業の解消に関する話合いをした際,A1にき

ちんと説明しており,その際,A1から,有償のライセンスにしたいと

か,有償の譲渡にして欲しいなどの申入れがされたことはなかった旨の

供述部分がある。

(イ)a そして,@被告における事業がA1,B及びCの3者の共同事業

となった平成21年3月1日以降,被告の事業収益を平等に3者で分

配するため,原告及びエムズリーグが共有する商標権については全て





無 償で被告に譲渡し,今後新しく立ち上げるブランドの商標について

は全て被告が商標登録を受けることが想定されていたこと(前記1

(1)ア(エ)b),ABがA1及びCに送信した平成21年5月13日

付け電子メール(乙33)中には,「今回の商標権の移管に伴いMU

VEIL関連の商標をPLATFORMに移管したく思います。(つ

まり,最終的にエムズリーグ,チェルシーには商標が残らない形とし,

今後の商標の維持費に関してはPLATFORMにて負担します。)

…ご了解いただければと思います。」との記載があり,この記載によ

れば,Bは,上記メールをもって,原告及びエムズリーグから被告へ

の本件商標権6及び7の移転を実行に移す意思を表明していたこと

が認められ,また,D弁理士がBに送信した同月22日付け電子メー

ル(乙19の1)によれば,Bは,同日時点において,上記移転に向

けた具体的な準備に着手していたことが認められること,BBがA1

に送信した6月4日付けメールに,「18)MUVEILは既にPF

に移管手続き開始しております。」として本件商標権6及び7の被告

への移転に向けた手続が進められていることなどが記載されており,

これに対して,A1が6月5日付けメールで「ほぼ理解できました。」

と返信していること(前記1(1)ア(オ)b(e),c),Cその後,A

1が入院先から退院後の6月11日に,被告の事務所で,被告の共同

事業関係の解消に関する関係書類の捺印作業が,A1とBによって行

われ,同日の捺印作業終了後に,Bから,D弁理士に対し,本件商標

権6及び7の譲渡に関する本件譲渡証書,本件取締役会承認書等の一

連の資料が送付され,それを受けて,D弁理士が,翌日の12日に,

本件譲渡証書,本件取締役会承認書等を添付した本件移転登録の申請

を行い,その旨の移転登録が経由されたこと(前記1(1)ア(カ)aな

いしc),以上の@ないしCを総合すると,原告及びエムズリーグが





共 有する本件商標権6及び7を被告に譲渡する話は,遅くとも平成2

1年5月13日時点で,BからA1に明らかにされ,さらには,A1

とBが同年6月4日に被告における共同事業の解消に関する話合い

をした時点では,Bが依頼したD弁理士によって上記譲渡の具体的な

準備が進められており,6月4日付けメール中の「18)MUVEI

Lは既にPFに移管手続き開始しております。」との記載は,上記譲

渡の具体的な準備が進められていることを意味すること,6月4日付

けメールを読んだA1においても,原告及びエムズリーグが共有する

本件商標権6及び7の被告への移転のための具体的な準備が進めら

れていることを理解したものと認められる。

これらの事情は,Bが,平成21年6月4日に,A1の入院先の病

院で,A1との間で被告における共同事業の解消に関する話合いをし

た際,本件商標権6及び7の被告への無償譲渡についてA1にきちん

と説明したとのBの前記(ア)Bの供述部分と符合するものといえる。

また,上記Cの本件移転登録の申請経過からすると,本件譲渡証書

及び本件取締役会承認書は,A1とBが同月11日に捺印作業を行っ

た被告の共同事業関係の解消に関する関係書類の中に含まれていた

ものとみるのが自然である。

そして,上記@ないしBに照らせば,Bは,上記捺印作業を行った

当時,本件商標権6及び7が原告及びエムズリーグから被告へ無償で

譲渡されることについてA1が了解しているものと認識していたこ

とがうかがわれるから,Bが,あえて原告又はA1に無断で本件譲渡

証書の譲渡人欄の原告名下に原告の実印を押印したり,A1に無断で

本件取締役会承認書の「取締役 A2」名下に「A」と刻した印鑑を

押印すべき動機付けがあったものとは考え難い。

b この点に関し,A1は,前記イ@及びBのとおり,A1が,本件譲





渡 証書に原告の実印を押印したこと,本件取締役会承認書中の「取締

役 A2」名下に押印したことをいずれも否定する供述をしている

が,他方で,A1の供述中には,被告の共同事業関係の解消に関する

関係書類の一つであるA1のBに対する被告の株式の譲渡に関する

「株式譲渡書」(乙16の1)の「譲渡人 A1」名下の「A」の印

影は,Bから渡された「A」と刻した印鑑によって押印したことを認

める旨の供述部分があり,上記印鑑は,Bが平成21年6月11日の

朝,A1から病院に印鑑を取り忘れたとの連絡を受けて購入した印鑑

(前記1(1)ア(カ)b)と同一の印鑑であることが推認される。そし

て,上記「株式譲渡書」の「A」の印影と本件取締役会承認書中の「取

締役 A2」名下の印影とを対照すると,同一の印影であることがう

かがわれることからすると,A1が,Bから渡された「A」と刻した

印鑑を用いて本件取締役会承認書中の「取締役 A2」名下に押印し

たとしても不自然であるとはいえない。

また,A1とBが同月11日及び12日の両日に捺印した被告の共

同事業関係の解消に関する関係書類には,原告,被告及びエムズリー

グ間の本件ライセンス契約及び平成20年11月30日付け覚書の

合意解除等に関する平成21年6月1日付け覚書(甲6),A1,B

及びC間の「株主間協定書に関連する合意解約契約書」(乙4)が含

まれているところ(前記1(1)ア(カ)d),上記覚書の原告名下には

原告の実印の印影が, 「株主間協定書に関連する合意解約契約書」
上記

の「A1」名下には「A」と刻した印影がそれぞれ顕出されているが,

原告は,これらの書類の原告作成名義及びA1作成名義の部分の真正

の成立を争っていない。このことは,A1は,上記関係書類の捺印作

業の際,Bから渡された原告の実印及び「A」と刻した印鑑を用いて,

自らこれらの書類に押印したことを強く推認させるものである。しか





し ,A1は,本人尋問において,A1が自ら押印した記憶があるのは,

上記「株式譲渡書」のみであると供述していることに照らすと,上記

捺印作業において押印した関係書類に関するA1の記憶はあいまい

であり,ひいては,本件譲渡証書に原告の実印を押印したこと,本件

取締役会承認書中の「取締役 A2」の名下に押印したことをいずれ

も否定するA1の供述部分(前記イ@及びB)も,明確な記憶に基づ

くものであるのか疑わしいといわざるを得ない。

(ウ) さらに,前記1(1)アの前提事実及び弁論の全趣旨を総合すると,

@A1とBが平成21年6月1日及び4日に被告の共同事業関係の解

消に関する話合いをした当時,A1は,豊田通商との間で,原告及びエ

ムズリーグが共有する本件商標権1ないし5の売却交渉を進めており,

豊田通商から,購入の前提条件として提案されていた本件商標権1ない

し5の譲渡の受け皿となる新会社を設立し,その代表者にA1が就任す

ることについて了承していたこと,Aその新会社は,豊田通商の資金援

助を受けて,本件商標権1ないし5を使用した商品の取引を展開するこ

とが予定され,A1は,新会社における上記取引により利益が得られる

ものと期待していたことが認められる。

上記認定事実に加えて,BA1とBは,被告における共同事業の解消

に当たって,Bが,平成21年6月12日,A1に対し,A1の保有に

係る被告の全株式(750株)の譲渡代金として750万円を支払った

こと(前記1(1)ア(オ)b(c),(カ)e),Cみずほ銀行と被告及びB

が,同年7月29日,みずほ銀行が被告の長期借入金債務(同年5月末

現在の残高合計4500万円)に関するA1の連帯保証債務を免除する

ことなどを内容とする合意をしたこと(前記1(1)ア(オ)b(c),(キ)

b),DA1とBの双方が同年6月当時において本件登録商標6及び7

を使用した商品の売上高が被告の他のブランド商品と比較してそれほ





ど 大きくなかったと認識していたこと(原告代表者A1,被告代表者B)

を総合すると,原告及びエムズリーグから使用許諾を受けて本件登録商

標6及び7を使用した商品を販売していた被告の完全子会社であるF

RIENDSの平成20年度の売上高が1億8871万5989円で

あることを考慮しても,A1及びB間の被告における共同事業関係の解

消に関する合意事項の一つとして本件商標権6及び7を被告に無償で

譲渡することは,A1にとって,特段不合理な取引であるということは

できない。

かえって,Bは,A1に対し,平成21年7月3日に,原告及びエム

ズリーグが共有する本件商標権1ないし5を含む複数の商標権を平成

21年7月15日付けでA1が同月1日に設立したマーベリックに有

償で譲渡する旨の「商標権譲渡契約書」のひな形(甲18の2)を送付

したが,一方で,A1は,Bに対し,本件商標権6及び7の対価に関す

る問い合わせを何ら行っておらず,その後,A1がBに送信7月7日付

けメール(乙10)には,A1が「入院中にBさんの申し入れを全面的

に受け入れた上で,こちらとしては,中でも安全なMUVEILも放棄

した」との記載があることからすると,A1は,平成21年7月15日

当時,本件商標権6及び7が被告に無償で譲渡されることを了承してい

たものとうかがわれる。

(エ) 前記(ア)ないし(ウ)の諸点に照らすならば,A1の前記イ@ないし

Cの各供述部分は,いずれも措信することができない。

なお,本件譲渡証書の年月日欄には,手書きで日付が記入され,「平

成21年4月28日」と表記されているところ(前記ア),当該年月日

欄は,平成21年6月11日の時点では空欄であったが,その後,D弁

理士によって「平成21年4月28日」と手書きで記入されたことは,

前記1(1)ア(カ)cのとおりである。D弁理士が,当該記入をした理由





は ,本件全証拠によっても不明であるといわざるを得ないが,このこと

をもって,本件譲渡証書中の譲渡人欄の原告の実印が原告の意思に基づ

いて顕出されたとの前記推定を妨げるものではない。

他に上記推定を妨げるに足りる証拠はなく,また,本件譲渡証書中の

原告作成名義の部分全体が真正に成立したとの前記推定を妨げるに足

りる証拠もない。

(エ) したがって,本件譲渡証書中の原告作成名義の全体が真正に成立し

たものと認められる。

また,Bの供述及び前記(ア)ないし(ウ)によれば,本件取締役会承認

書中の「取締役 A2」名下の印影は,A1がA2に代行して,「A」

と刻した印鑑を用いて押印したものと認められるから,本件取締役会承

認書中のA2作成名義の部分も真正に成立したものと認められる。

エ(ア) そして,本件譲渡証書及び前記1(1)アの認定事実によれば,原告

と被告は,平成21年6月11日,本件商標権6及び7の共有持分を被

告に無償で譲渡する旨の合意をしたものと認められるから,被告主張の

本件譲渡の事実が認められる。

(イ) この点に関し,原告は,仮に被告主張の本件譲渡の成立が認められ

るとしても,原告において取締役会は開催されておらず,その承認決議

を経ていないから,本件譲渡は無効である旨主張する。

そこで検討するに,原告の上記主張は,その法的根拠を示すものでは

ないため,その主張の趣旨が必ずしも明確とはいい難く,それ自体失当

というほかない。なお,株式会社の重要な業務執行の決定等について取

締役会の承認が必要とされる理由は,代表権を有する代表取締役への権

限の集中を抑制し,取締役相互の協議による結論に沿った業務の執行を

確保することによって,会社の実質的所有者たる株主の利益を保護しよ

うとする点にあるものと解されるところ,本件譲渡については,原告の





実 質的所有者たる唯一の株主のA1の了承があったのであるから,仮に

原告の取締役会の承認の過程に形式的な瑕疵があったとしても,原告の

株主の利益を害するものとはいえないから,原告の上記主張は採用する

ことができない。

他に被告主張の本件譲渡の事実を覆すに足りる証拠はない。

(2) 以上によれば,原告が保有する本件商標権6及び7の共有持分は,本件

譲渡により被告へ移転され,本件移転登録は,本件譲渡に基づいてされたも

のと認められる。

したがって,原告の本件移転登録の抹消登録手続請求は理由がない。

4 結論

以上によれば,原告の請求は,269万6816円及びこれに対する平成2

2年1月1日から支払済みまで年6分の割合による金員の支払を求める限度

で理由があるからこれを認容することとし,その余の請求はいずれも理由がな

いからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。



東京地方裁判所民事第46部



裁判長裁判官 大 鷹 一 郎




裁判官 高 橋 彩




裁判官 上 田 真 史





( 別紙) 商標権目録

1 登録番号 商標登録第4873252号

出願日 平成16年9月21日

設定登録日 平成17年6月17日

移転登録日 平成18年9月15日

登録商標




指 定商品 第25類

「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,

水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,

毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,

布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用

サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャ

ップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バ

ンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴び

ょう・靴保護金具」を除く。 ,靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き


手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,仮装用衣服,運動用

特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。 ,乗馬靴」






2 登 録番号 商標登録第5092591号

出願日 平成19年2月14日

設定登録日 平成19年11月16日

登録商標




指 定商品 第14類

「貴金属,キーホルダー,宝石箱,記念カップ,記念たて,身飾

品(「カフスボタン」を除く。 ,カフスボタン,宝玉及びその模造


品,宝玉の原石,貴金属製靴飾り,時計」

第18類

「かばん金具,がま口口金,蹄鉄,皮革製包装用容器,愛玩動物

用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,

つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,革ひも,原革,原皮,な

めし皮,毛皮」





3 登 録番号 商標登録第5218646号

出願日 平成20年8月8日

設定登録日 平成21年3月27日

登録商標




指 定商品 第14類

「キーホルダー,宝石箱,身飾品(「カフスボタン」を除く。 ,カ


フスボタン,宝玉及びその模造品,宝玉の原石,時計」

第18類

「かばん金具,がま口口金,蹄鉄,皮革製包装用容器,かばん類,

袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つ

えの柄,乗馬用具」

第25類

「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,

水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲー

トル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,

手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,

保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイ

トキャップ,帽子,防暑用ヘルメット,ガーター,靴下止め,ズ

ボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の

引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。 ,げた,草履類」






4 登 録番号 商標登録第5043316号

出願日 平成18年7月21日

設定登録日 平成19年4月27日

登録商標




指 定商品 第14類

「貴金属,キーホルダー,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割

り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキ

ンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製針箱,

貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製宝石箱,貴

金属製の花瓶及び水盤,記念カップ,記念たて,身飾品(「カフス

ボタン」を除く。 ,カフスボタン,貴金属製のがま口及び財布,


宝玉及びその模造品,宝玉の原石,貴金属製コンパクト,貴金属

製靴飾り,時計,貴金属製喫煙用具」

第25類

「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,

水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,

毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,

布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用

サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャ

ップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バ

ンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴び

ょう・靴保護金具」を除く。 ,靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き


手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,仮装用衣服,運動用

特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。 ,乗馬靴」






5 登 録番号 商標登録第5090777号

出願日 平成19年1月29日

設定登録日 平成19年11月9日

登録商標




指 定商品 第14類

「貴金属,キーホルダー,宝石箱,記念カップ,記念たて,身飾

品(「カフスボタン」を除く。 ,カフスボタン,宝玉及びその模造


品,宝玉の原石,貴金属製靴飾り,時計」





6 登 録番号 商標登録第5073318号

出願日 平成19年2月19日

設定登録日 平成19年8月24日

登録商標




指 定商品 第14類

「貴金属,キーホルダー,宝石箱,記念カップ,記念たて,身飾

品(「カフスボタン」を除く。 ,カフスボタン,宝玉及びその模造


品,宝玉の原石,貴金属製靴飾り,時計」

第18類

「かばん金具,がま口口金,蹄鉄,皮革製包装用容器,愛玩動物

用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,

つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,革ひも,原革,原皮,な

めし皮,毛皮」

第25類

「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,

水泳着,水泳帽,和服,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,

ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カ

バー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バン

ダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,

ナイトキャップ,帽子,防暑用ヘルメット,ガーター,靴下止め,

ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴

の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。 ,靴合わせくぎ,靴






く ぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,仮装

用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。 ,乗


馬靴」





7 登 録番号 商標登録第5194911号

出願日 平成19年6月20日

設定登録日 平成21年1月9日

登録商標




指 定役務 第35類

「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に

対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる

顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行

われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸

売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品

の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,

時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対す

る便益の提供,宝玉及びその模造品の小売又は卸売の業務におい

て行われる顧客に対する便益の提供」





( 別紙) 登録目録

甲区順位番号2番

【特定承継による本権の移転】

受付年月日 平成21年6月12日

受付番号 010194

登録名義人 株式会社PLATFORM(被告)