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関連審決 取消2014-300062
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事件 平成 26年 (行ケ) 10234号 審決取消請求事件

原告X
同訴訟代理人弁理士 白坂一 播磨里江子
被告岩崎電気株式会社
同訴訟代理人弁理士 澤野勝文 川尻明
裁判所 知的財産高等裁判所
判決言渡日 2015/11/26
権利種別 商標権
訴訟類型 行政訴訟
主文 1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
請求
特許庁が取消2014-300062号事件について平成26年9月24日にした審決を取り消す。
事案の概要
1 特許庁における手続の経緯等 ? 被告は,昭和37年12月21日,指定商品を第11類「電球類及照明器具」として,「アイライト」の片仮名を横書きして成る商標(以下「本件商標」という。)につき,設定の登録を受けた(商標登録第0602699号。甲1,乙1)。
本件商標は,5回にわたり,商標権の存続期間の更新が登録され,その間,平成 1 16年4月14日に,指定商品を第11類「電球類及び照明用器具」とする指定商品の書換えが登録された(甲1)。
? 原告は,平成26年1月30日,本件商標の不使用を理由として本件商標の商標登録の取消しを求める審判を請求し,同年2月18日,同審判の請求が登録され,取消2014-300062号事件として係属した。
特許庁は,同年9月24日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との別紙審決書(写し)記載の審決(以下「本件審決」という。)をし,同日,その謄本が原告に送達された。
? 原告は,同年10月24日,本件審決の取消しを求める本件審決取消訴訟を提起した。
2 本件審決の理由の要旨 本件審決の理由は,別紙審決書(写し)のとおりである。要するに,被告が,平成23年10月12日付けで,本件商標が付された個装箱で包装したメタルハライドランプ水中灯を納品した行為(以下「本件行為」という。)を認定し,同行為をもって,本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間」という。)に日本国内において,商標権者である被告が上記請求に係る指定商品について,本件商標と社会通念上同一ということのできる商標を使用していたことを証明したものと認められるから,本件商標の登録は,商標法50条の規定により取り消すことはできない,というものである。
3 取消事由 商標法50条所定の使用の事実を認定した誤り ? 被告が提出した証拠から本件行為を認定できないこと ? 本件行為が商標法50条所定の「使用」の事実に該当しないこと
当事者の主張
〔原告の主張〕 1 被告が提出した証拠から本件行為を認定できないことについて 2 被告が提出した証拠(乙3〜乙6,乙8〜乙11)から,本件商標の使用の事実を認めることはできず,したがって,本件審決の認定,判断は誤りである。
? 乙第3号証について 乙第3号証の写真は,「メタルハライドランプ水中灯」と本件商標である「アイライト」を印字したラベルが貼付された個装箱の存在を示すものにすぎず,本件行為を立証するものではない。
しかも,乙第3号証は,その撮影日,撮影場所及び撮影者が不明であり,客観的な裏付けを欠く。さらに,@被告が平成18年にHIDランプ集魚灯「アイライト」の全種類について見込み生産を中止し,在庫を抱えなくて済む受注生産に切り替えたことに鑑みると,ラベルの在庫も抱えていないはずであること,A乙第3号証に写っているラベルは,新しいものと見られること,B乙第3号証の写真は,本件商標を表示したラベルと一般的な箱を用いれば,容易に撮影できるものであることから,乙第3号証については,審判に提出された平成26年3月20日の時点において,被告が本件商標を印字したラベルを作成して個装箱に貼付し,これを撮影したものとみることができる。
? 乙第4号証及び乙第5号証について 乙第4号証(物品受領書)及び乙第5号証(請求書控え)のいずれにも,「アイライト」は表示されておらず,これらの書証は,取引において本件商標を使用したことを立証するものとはいえない。
乙第4号証には,平成23年10月12日付けでメタルハライドランプ水中灯が被告の取引先である静岡ミツワ電機株式会社沼津営業所(以下「ミツワ電機」という。)に納入された旨が記載されているところ,「M2000BW/V」及び「特殊用途HIDランプ」と記載されているのみであり,納入された商品が「アイライト」であるとの記載はなく,また,その商品が,本件商標を表示したラベルを貼付した個装箱に入れられた状態で納品されたか否かは不明である。
乙第5号証にも,製品名として「M2000BW/V」と記載されているのみで 3 あり,その製品が「アイライト」であるとの記載はなく,また,その製品が,本件商標を表示したラベルを貼付した個装箱に入れられた状態で納品されたか否かは不明である。
? 乙第6号証について ア 乙第6号証(水中灯「アイライト」の取引に関する証明願兼証明書)においても,メタルハライドランプ水中灯が本件商標を表示したラベルを貼付した個装箱に入れられた状態で納品されたか否かについては,言及されていない。この点に関し,被告の埼玉製作所の従業員であるAの陳述書(乙14)には,「2011年10月7日に行った2000Wメタルハライドランプ水中灯アイライト(M2000BW/V)に関する製品受渡検査及び包装工程検査の事実」について説明する旨記載されているところ,一般的なチェック工程及び補助材と乙第6号証との関係についての説明はあるものの,平成23年10月7日の検査時の状況と乙第6号証との関係については言及されていない。
したがって,本件行為の当時,実際に,本件商標が印字されたラベルが個装箱に貼付されていたか否かは,依然として不明である。
イ さらに,以下の点によれば,乙第6号証の信用性は,低いものというべきである。
(ア) 被告によれば,乙第6号証の別紙写真は,被告の従業員であるBが撮影したものであるところ,同人は,本件行為に係る平成23年10月12日のメタルハライドランプ水中灯の取引に関わりのない者と推認される。
(イ) 上記取引当時における個装箱のラベルの状態を知り得るのは,Aであると推認されるが,乙第6号証は,被告代表者が作成し,前記(ア)のとおりBが別紙写真を撮影し,被告の従業員であるCが同写真撮影のために新たに個装箱の取り寄せを依頼したものであり,いずれも,前記取引当時における個装箱のラベルの状態を知るはずもない者である。
(ウ) 乙第6号証は,平成26年3月に,前記(イ)のとおり被告代表者が作成し 4 たものであり,ミツワ電機代表者であるDが証明に係る陳述をしている。
しかしながら,被告の従業員数が1000人以上であり,ミツワ電機の従業員数も500人以上であることに鑑みると,被告代表者及びDのいずれにおいても,平成23年10月12日当時において取引されている商品を実際に確認していたとは考えられず,また,約2年半も経過した平成26年3月に,上記取引当時の商品の包装状態を記憶していることについては,疑問である。加えて,前記(イ)のとおり,被告代表者が上記取引当時における個装箱のラベルの状態を知っているとは考えられず,Dにおいても同様である。
(エ) 乙第6号証は,Dではなく,被告が別紙写真を用いて作成したものであり,このこと自体からも,信用性を欠く。また,乙第6号証の別紙写真は,前記?の乙第3号証の写真と同様の理由により,審判に提出された平成26年3月の時点において,被告が本件商標を印字したラベルを作成して個装箱に貼付し,これを撮影したものとみることができる。
? 乙第8号証について 乙第8号証(平成27年1月26日付けランプ用個装箱の取引に関する証明願兼証明書)には,株式会社田島紙工(以下「田島紙工」という。)が,平成23年10月6日に,本件商標を表示したラベルが貼付された個装箱の製作を被告から受注し,同月7日に納品した旨が記載されているところ,被告代表者及び田島紙工代表者であるEのいずれにおいても,平成23年10月6日当時において納品された個装箱を実際に確認していたとは考えられず,また,それから3年以上経過した平成27年1月26日の時点において,上記納品の内容を記憶していることについては,疑問である。E自身が,箱本体の組立て及びラベル貼付の加工をしたとも,考えられない。加えて,乙第8号証は,Eではなく,被告が従業員に撮影させた写真を用いて作成したものであり,このこと自体からも,信用性を欠く。
? 乙第9号証について 乙第9号証(平成27年1月26日付けラベルの取引に関する証明願兼証明書) 5 には,コスモプリンツ株式会社(以下「コスモプリンツ社」という。)が,約10年以上前に,被告から依頼されて本件商標を表示したラベルを印刷した旨が記載されているところ,被告代表者及びコスモプリンツ社の代表者であるFのいずれにおいても,10年以上前に印刷されたラベルの表記を詳細に記憶しているとは考えられない。加えて,乙第9号証は,Fではなく,被告が従業員に撮影させた写真を用いて作成したものであり,このこと自体からも,信用性を欠く。
仮に,前記記載のとおりの事実が存在したとしても,そのラベルが要証期間内に使用されたことを立証したことにはならない。
? 乙第10号証及び乙第11号証について 乙第10号証(注文書)及び乙第11号証(買掛金伝票(納品書))は,それぞれ,個装箱の注文と納品を示すものにすぎず,実際に本件商標「アイライト」の印字されたラベルを貼った個装箱が納品されたことを立証するものということはできない。また,被告において本件商標を表示したラベルが貼付された個装箱にメタルハライドランプ水中灯を入れて納品したことを直接立証するものともいうことができない。
さらに,乙第10号証及び乙第11号証中の「PD0202L01/M2000BW-1P」の記載と,乙第6号証及び乙第8号証の各別紙写真に見られる「M2000BW-V」の記載とは厳密には一致しておらず,同一の物が発注及び納品されたか疑わしい。
? 証拠間の矛盾について 被告が販売するHIDランプ集魚灯「アイライト」は,需要が大幅に減少し,特に平成18年以降は,被告が受注生産に切り替えたほどである。
この点に鑑みると,本件商標を表示したラベルの枚数につき,平成15年頃に2000枚程度が田島紙工に支給されたという乙第17号証の記載と,平成27年4月に被告の従業員が田島紙工を訪問した際に約100枚あったことを確認したという乙第16号証の記載とは,明らかに矛盾する。
6 2 本件行為が商標法50条所定の「使用」の事実に該当しないことについて 以下の点によれば,仮に本件行為が認定されたとしても,商標法50条所定の「使用」の事実に該当しない。
? 本件商標は,本件行為当時,被告が販売していたメタルハライドランプ水中灯について,出所表示機能を果たしていなかった。
ア 被告とミツワ電機との取引状況 被告が提出した証拠中,本件商標が表示されているのは,乙第3号証の写真及び乙第6号証の別紙写真に写っている個装箱に貼付されたラベルのみである。乙第4号証(物品受領書)及び乙第5号証(請求書控え)のいずれにおいても,メタルハライドランプ水中灯は,「M2000BW/V」と記載されており,本件商標は記載されていない。
加えて,乙第5号証には,製品「M2000BW/V」の価格が明記されているのに対し,本件商標を表示したラベル及びこれを貼付した個装箱には,値段に関する記載の存在は確認できない。
イ 前記アの個装箱に貼付されたラベルの表示態様 白地のラベルに,上から順に,「メタルハライドランプ水中灯」 「アイライト」 ,及び「M2000BW-v」の文字が表示されている。
本件商標である「アイライト」が黄色地に白抜きの文字で表示されているのに対し,「メタルハライドランプ水中灯」及び「M2000BW-v」は,いずれも黒の太文字で,「アイライト」の文字よりも濃く鮮明に表示されている。また,文字の大きさは,「M2000BW-v」が最も大きい。
以上によれば,個装箱に貼付されたラベルにおいては,「M2000BW-v」の文字が,本件商標である「アイライト」の文字よりも,目を引く顕著な態様で表示されている。
ウ 小括 前記ア及びイによれば,被告及びミツワ電機のいずれも,メタルハライドランプ 7 水中灯につき,「アイライト」ではなく,「M2000BW/V」の名称で認識して受発注を行っていたものということができる。
? 被告は,メタルハライドランプ水中灯を入れる個装箱に本件商標を使用していたにすぎず,これをもって,本件商標の指定商品である電球類及び照明用器具に本件商標を使用していたということはできない。
? 商標とは,業として商品を生産し,証明し,又は譲渡する者がその商品について使用をするものである(商標法2条1項1号)から,商標法50条所定の「使用」とは,業としての使用を意味する。そして,商標法が保護する業務上の信用は,商標の継続使用により化体するものであり,このことから,「業として」は,「一定の目的の下に反復・継続する行為として」を意味するものと解される。
そして,以下の点によれば,本件行為当時,被告が本件商標を反復継続して使用する意思を有していなかったことは明らかであるから,本件行為は,業としての使用ということはできない。
すなわち,1990年代後半以降,HIDランプ集魚灯の需要が大幅に減少したこと,LEDランプ集魚灯が出現したことから,近年,HIDランプ集魚灯である「アイライト」の需要は相当に減少しており,乙第4号証及び乙第5号証によれば,3年間で,1個のHIDランプ集魚灯「アイライト」の受注が1回あったのみであった。しかも,被告は,前記1?のとおり,平成18年にHIDランプ集魚灯「アイライト」の全種類について受注生産に切り替え,市場の流通性が閉ざされたにもかかわらず,宣伝広告等を何ら行っていなかった。これらの事実によれば,被告には,HIDランプ集魚灯「アイライト」につき,反復継続して多数の取引相手との間で取引をする意思を有していなかったものと推認できる。
〔被告の主張〕 1 被告が提出した証拠から本件行為を認定できないことについて 被告は,平成23年10月6日に田島紙工に発注し,同月7日に同社から納品された,本件商標を表示したラベルが貼付された品目「PD0202L01/M2 8 000BW-1P」の個装箱(乙11)に入れたメタルハライドランプ水中灯「アイライト」(M2000BW-V)を,ミツワ電機に販売しており,したがって,本件行為を認定した本件審決の判断に誤りはない。
? 乙第3号証について 乙第3号証の写真の撮影者,撮影場所及び撮影年月日は,証拠説明書に記載されている。また,メタルハライドランプ水中灯を入れる個装箱は,当該水中灯の形状及びサイズに合わせて作る特注仕様品であり,市販されている既製品の箱を使用することはできない。
? 乙第4号証及び乙第5号証について ア 物品受領書や請求書等の取引書類には,通常,取引に係る商品を特定する全ての情報を表示し得るほどのスペースがなく,また,簡易迅速が重んじられる商取引においては,商品番号等で商品を特定し,商標や商品名の表示を省略することは,日常的に行われている。
以上に鑑みると,乙第4号証及び乙第5号証には,「アイライト」の表示はないものの,乙第2号証,乙第3号証及び乙第6号証から,取引に係る商品がメタルハライドランプ水中灯「アイライト」であることは,明らかである。
イ メタルハライドランプ水中灯は,衝撃や振動が加えられると破損するおそれが大きいガラス製品であり,破損すれば,負傷のおそれ,封入物の水銀の飛散による健康被害,環境破壊のおそれがある。また,直接手で触れることによって手の脂や汚れが付着した場合,そのままの状態で使用すると,破損,短寿命,低照度の原因となるおそれがある。したがって,メタルハライドランプ水中灯を,個装箱に入れないで納品,販売することはあり得ない。
また,メタルハライドランプ水中灯の個装箱は,販売,返品,輸送,持ち運び,保管,廃棄及び取扱説明書の収納に必要不可欠なものである。
以上によれば,乙第4号証及び乙第5号証に記載されている商品番号「M2000BW/V」のメタルハライドランプ水中灯が乙第3号証及び乙第6号証の別紙写 9 真に写っている個装箱に入れられてミツワ電機に納品,販売されたことは,容易に推認でき,殊更に証明を要するまでもない。
? 乙第6号証について ア 前記?イのとおり,メタルハライドランプ水中灯を個装箱に入れずに販売することはあり得ず,メタルハライドランプ水中灯が乙第6号証の別紙写真に写っている個装箱に入れられてミツワ電機に納品,販売されたことは,容易に推認でき,殊更に証明を要するまでもない。
イ 以下の点によれば,乙第6号証の別紙写真に写っている個装箱と同じものが,本件審判の請求の登録前から製造されていたことが認められる。
すなわち,乙第8号証によれば,@その別紙写真に写っているランプ用個装箱(1ピース包装箱)は,田島紙工が,箱本体の組立てと箱表面に「メタルハライドランプ 水中灯 アイライト M2000BW-v」のラベルを貼付する加工とを行って製造したものであること,A田島紙工は,平成23年10月6日に上記個装箱と同じものを被告から受注し,同月7日に納品したことが認められ,これらの事実は,被告が平成23年10月6日付けで田島紙工に対して発行した包装箱の「注文書」である乙第10号証及び田島紙工が同月11日付けで被告に対して発行した「買掛金伝票(納品書)」である乙第11号証によって裏付けられる。また,乙第9号証によれば,コスモプリンツ社は,従来から現在に至るまで,被告が製造,販売する製品に使用するラベルや取扱説明書等の印刷を請け負っており,10年以上前,被告からの依頼により前記別紙写真のランプ用個装箱に貼付されている前記ラベルを印刷したことが認められる。
2 本件行為が商標法50条所定の「使用」の事実に該当しないことについて ? 乙第3号証及び乙第6号証の別紙写真に写っている個装箱は,本件商標の指定商品を個別に包装するために使用する専用の包装箱であるから ,その箱の表面に付した商標は,指定商品について使用されたものと認められる。
? 商標法第50条2項は,審判被請求人は,要証期間内に登録商標の使用の 10 事実があることを証明すれば,商標登録の取消しを免れるというものであり,上記使用の事実が複数回あることを証明しなければ商標登録の取消しを免れないというものではない。
したがって,本件商標の使用の証明に係る「メタルハライドランプ水中灯」の取引が1度であるという理由によって本件商標の登録を取り消すことはできない。
? 本件行為に係るメタルハライドランプ水中灯「アイライト」の取引は ,ミツワ電機との間で物品受領書,請求書等の取引書類を取り交わして行われたものであるから,ロット販売商品以外の商品については,1個からの販売(取引)も普通一般に行われていることにも鑑みると,前記取引は,反復継続的意思をもって業として行う通常の商取引である。
当裁判所の判断
1 本件行為について ? 認定事実 後掲証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下のとおり認められる。
ア 被告は,各種光源,照明器具,光応用機器(紫外線・赤外線・電子線応用)等の製造及び販売を業とする株式会社である(甲6)。
イ 被告の埼玉製作所技術課「集魚灯『アイライト』」漁船機関昭和62年10月特集号(乙2,社団法人漁船機関技術協会)には,「弊社のアイライト」につき,@照明用HIDランプの技術と経験を基に開発された高効率の集魚灯であり,メタルハライドランプと高圧ナトリウムランプがあること,Aメタルハライドランプは,船上用及び水中用として,2kWと4kWのものがあり,その光源色には白色と緑色があることが記載されている。また,「表-1 アイライト特性一覧表」には,船上灯としてのメタルハライドランプには,「形式M2000B-W,発光色白色,ランプ電力2000W」「形式M2000B-G,発光色緑色,ランプ電力200 ,0W」「形式M2000B-F,発光色白色(けい光色) , ,ランプ電力2000W」,「形式M4000B-W,発光色白色,ランプ電力4000W」があり,水中灯と 11 してのメタルハライドランプには,「形式M2000BW-W,発光色白色,ランプ電力2000W」「形式M2000BW-G,発光色緑色,ランプ電力2000 ,W」「形式M4000BW-W,発光色白色,ランプ電力4000W」「形式M4 , ,000BW-G,発光色緑色,ランプ電力4000W」があることが,記載されている。また,被告が平成2年頃から平成12年頃にかけて配布していたパンフレットには,「アイライト 集魚灯ランプ」 「アイライト , 集魚灯ホルダ」 「アイライ ,ト サンマ灯具」などの記載がみられる(乙16)。
このように,被告は,照明用HIDランプを基に開発された集魚灯である船上灯のメタルハライドランプ及び高圧ナトリウムランプ並びに水中灯のメタルハライドランプ及び高圧ナトリウムランプを製造,販売しており,いずれのランプも「アイライト」と呼んでいた。
ウ 平成19年頃以降,LED集魚灯の普及,実用化が推進されるようになり,HIDランプ集魚灯を使用する漁船は,減少する傾向にある。被告においても,ほぼ同じ頃,需要減を受けて,HIDランプ集魚灯「アイライト」の生産方式を従前の見込み生産から受注生産に切り替えた。
しかし,HIDランプ集魚灯は,LED集魚灯よりも照射範囲が広く,集魚能力が勝っていることから,現在でもHIDランプ集魚灯を使用している漁船はあり,被告は,HIDランプ集魚灯「アイライト」の交換ランプの注文を受けている。
HIDランプ集魚灯「アイライト」は,用途の特殊性,大型で非常に高価なランプであることに加え,点火に専用の電源装置を要することなどから,その需要者は,イカ釣り漁船やサンマ棒受け網漁船の船主に限られ,一般の消費者や企業が購入するものではない。このことから,被告は,従前から,インターネットによる広告など一般の消費者や企業に向けた広告宣伝は,行ってこなかった(乙16)。
エ メタルハライドランプ水中灯は,衝撃や振動が加えられると破損するおそれが大きいガラス製品であり,破損すれば,負傷のおそれ,封入物の水銀の飛散による健康被害,環境破壊のおそれがある。また,直接手で触れることによって手の脂 12 や汚れが付着した場合,そのままの状態で使用すると,破損,短寿命,低照度の原因となるおそれがある。したがって,メタルハライドランプ水中灯を,個装箱に入れないで納品,販売することはあり得ない。
また,メタルハライドランプ水中灯の個装箱は,販売,返品,輸送,持ち運び,保管,廃棄及び取扱説明書の収納に必要不可欠なものである。
オ 田島紙工は,被告が製造,販売するランプ類の個装箱の製造を受注しており,その中には,HIDランプ集魚灯「アイライト」の一種であるメタルハライドランプ水中灯「アイライト」も含まれていた。
田島紙工は,平成14年頃から平成15年頃,メタルハライドランプ水中灯「アイライト」の個装箱(以下「本件個装箱」という。)に貼付するラベル(以下「本件ラベル」という。)を,被告から支給された。
本件ラベルは,長方形をしており,長辺を縦,短辺を横として,上段から,「メタルハライドランプ」「水中灯」の文字がいずれも白地に黒の太字で表示されてい ,る。その下に,本件商標である「アイライト」の文字がオレンジ地に白抜きで表示され,次いで,「M2000BW-v」の文字が白地に黒の太字で表示されており,下方には水中灯のイラストが白色でオレンジ地に描かれている。
田島紙工においては,以下の工程により,本件個装箱を製造していた。すなわち,@ロール裁断機を用いて段ボールを個装箱の展開サイズに裁断し,Aダイカッタを用いて裁断した段ボールを個装箱の展開形状に打ち抜き,Bこれを接着剤でサイド貼りして箱構造に組み立て,C組立て完了後,本件ラベルの裏面に糊を塗布し,個装箱の表面に張り付ける(乙16,乙17)。
カ 被告の照明調達課が平成23年10月6日付けで田島紙工宛てに作成した注文書(乙10)には,注文NO10682519の「PA0178L01/M2000BW-12P」1枚,注文NO10682522の「PD0202L01/M2000BW-1P」1枚の記載があり,田島紙工が作成した買掛金伝票(納品書)(乙11)には,注文主として被告の照明調達課が,出荷日として「2011/1 13 0/07」が,それぞれ記載されており,注文NO10682519の「PA0178L01/M2000BW-12P」1枚,注文NO10682522の「PD0202L01/M2000BW-1P」1枚と記載されている。
上記の「PA0178L01」及び「PD0202L01」は,オンライン受発注システムのコンピュータによって自動的に付番されるコードであり,「M2000BW」は,ランプの型式番号(形式)を示すものであり,「1P」は,ランプを1本ずつ個包装する1ピース箱(個装箱)を示す(乙17)。
キ 被告の埼玉製作所の従業員であるAが作成した製品受渡検査成績書(乙14別紙T)には,「検査日 2011年10月7日(金)」と記載されており,「製品形式」の欄に「M2000BW/V」 「生産数」の欄に「1」の記載があり, , 「ロットの合否判定」については「合格」の不動文字に印が付けられている。
また,Aが作成した包装工程検査成績書(乙14別紙U)には,「製造日 11年10月7日(金)」と記載されており,「形式」の欄に「M2000BW/V」,「仕掛数(本)」の欄に「1」 「良品数(本) , 」の欄に「1」 「不良数(本) , 」の欄に「0」の記載がある。また,同書面には,「品質特性,管理項目」として,「※1 箱表示状態」「※2 , マーク確認」及び「※3 取扱説明書」が挙げられており,これらの各項目につき,形式別に「実測,チェック」及び「合否判定」の欄が設けられている。
箱表示状態の実測チェックは,包装箱に貼付されたラベルの印刷表示や包装箱に直接印刷された表示の判読の可否をチェックするものであり,マーク確認の実測チェックは,製品であるランプの外球に付された品名や型式番号(形式)等のマークと包装箱に表示された品名や型式番号(形式)等との不一致の有無をチェックするものである。取扱説明書の実測チェックは,取扱説明書の同封の有無をチェックするものであるが,メタルハライドランプ水中灯アイライトについては,更に,個装箱内のランプのネック部に,当該ランプを個装箱内で安定させるための段ボール紙製の補助材が取り付けられているか否かもチェックする。「M2000BW/V」 14 の「※1 箱表示状態」「※2 , マーク確認」「※3 , 取扱説明書」の各「実測,チェック」欄及び「合否判定」欄には,いずれも「?」印が付けられている(乙14)。
ク 被告の静岡営業所が発行した物品受領書(乙4)には,「御得意先」としてミツワ電機の沼津営業所が記載されており,「11/10/12」,伝票番号「195042」,製品名欄に「M2000BW/V 特殊用途HIDランプ」,数量欄に「1」と記載されている。
被告の静岡営業所がミツワ電機の沼津営業所宛てに発行した平成23年10月31日付け「請求書控え 11年10月度」(乙5)中には,「11年 月 日」欄に「10.12」,伝票番号に「195042」,製品名欄に「M2000BW/V」,数量欄に「1」,単価欄に「28,000」,金額(合計)欄に「¥28,000」と記載されている。
? 本件行為の認定について ア 前記?において認定したとおり,@被告は,遅くとも昭和62年頃から高効率のHIDランプ集魚灯を「アイライト」として製造,販売していたが,平成19年頃以降,その需要が減少し,受注生産に切り替えたこと,Aもっとも,現在でもHIDランプ集魚灯を使用している漁船はあり,被告は,HIDランプ集魚灯「アイライト」の交換ランプの注文を受けていること,BHIDランプ集魚灯「アイライト」には,船上灯と水中灯があり,「M2000BW」は水中灯の形式の1つであること,C田島紙工は,HIDランプ集魚灯「アイライト」の一種であるメタルハライドランプ水中灯「アイライト」を含む被告が製造,販売するランプ類の個装箱の製造を受注しており,平成14年頃から平成15年頃,本件個装箱に貼付する本件ラベルを被告から支給されたこと,D田島紙工においては,裁断するなどした段ボールを箱構造に組み立てた後,その表面に本件ラベルを糊で貼付して本件個装箱を製造していること,E被告の照明調達課が,平成23年10月6日付けで,田島紙工に対し,水中灯としてのメタルハライドランプである形式「M2000BW」 15 を1本ずつ個包装する1ピース箱(個装箱)を発注し,同月7日,納品されたこと,F同日,被告の埼玉製作所において,「M2000BW/V」の製品受渡検査及び包装工程検査が実施され,「M2000BW/V」は,いずれの検査も合格したこと,G同月12日,被告が,ミツワ電機に対し,「M2000BW/V」1本を2万8000円で売却し,同日納品したことが認められる。
これらの事実によれば,平成23年10月12日,被告がミツワ電機に対して売却した「M2000BW/V」1本は,同月7日に田島紙工から被告の照明調達課に納品された「M2000BW」の1ピース用の個装箱に入れられていたものと推認することができる。そして,前記「M2000BW/V」が合格した包装工程検査には,前記?キのとおり,包装箱に貼付されたラベルの印刷表示等の判読の可否をチェックする箱表示状態の実測チェック,製品であるランプの外球に付された品名や型式番号(形式)等のマークと包装箱に表示された品名や型式番号(形式)等との不一致の有無をチェックするマーク確認の実測チェックが含まれていることに鑑みると,前記「M2000BW」の個装箱には,本件ラベルが貼付され,前記「M2000BW/V」の品名や型式番号(形式)等のマークに加え,「アイライト」が表示されていたものと推認することができる。
イ 以上の事実によれば,被告は,平成23年10月12日付けで,ミツワ電機に対し,本件商標を表示した本件ラベルが貼付された本件個装箱に入れて,メタルハライドランプ水中灯「アイライト」である形式「M2000BW/V」1本を2万8000円で売却し,同日,納品したものと認定できる。
したがって,本件審決が,本件行為を認定したことに,誤りはない。
? 原告の主張について ア 原告は,被告が販売するHIDランプ集魚灯「アイライト」は,需要が大幅に減少し,特に平成18年以降は,被告が受注生産に切り替えたほどであることに鑑みると,本件商標を表示したラベルの枚数につき,平成15年頃に2000枚程度が田島紙工に支給されたという乙第17号証の記載と,平成27年4月に被告の 16 従業員が田島紙工を訪問した際に約100枚あったことを確認したという乙第16号証の記載とは,明らかに矛盾する旨主張する。
イ この点に関し,乙第17号証において,Eは,「各種ラベルの支給枚数につきましては,定かに記憶しておりませんが,(中略)左右二列に振り分けて入れられる小判サイズ(短冊サイズ)のラベルなら倍の2000枚余りであり,支給枚数が多いラベルは複数の抽斗に収納するなどしているところ,水中灯アイライト(M2000BW-V)のラベルを収納する抽斗は一つで足りていますから,そのラベルの支給枚数は2000枚程度ではなかったかと思います。」と述べている。
したがって,田島紙工に支給された本件ラベルの枚数が2000枚程度という乙第17号証の記載内容は,専らEの記憶に基づくものであり,それも,本件ラベルを収納する引き出しが1つで足りていることをもって,上記支給枚数を推測したものにすぎない。
そうすると,乙第17号証の前記記載内容が原告の指摘する乙第16号証の記載内容と矛盾するとしても,前記?及び?の認定事実を左右するものではなく,したがって,原告の前記主張は,採用できない。
2 本件行為が商標法50条所定の「使用」の事実に該当するか否かについて ? 前記1のとおり,被告は,本件行為,すなわち,平成23年10月12日,メタルハライドランプ水中灯「アイライト」である形式「M2000BW/V」を,本件ラベルが貼付された本件個装箱に入れて売却,納品したものと認められ,これは,商標法2条3項2号所定の「商品の包装に標章を付したものを譲渡」する行為であるから,商標法50条所定の「使用」の事実が認められる。
? 原告の主張(前記第3の2?)について ア 原告は,@乙第4号証及び乙第5号証のいずれにおいても,メタルハライドランプ水中灯は,「M2000BW/V」と記載されており,本件商標は記載されていないこと,A乙第3号証の写真及び乙第6号証の別紙写真に写っている個装箱に貼付されたラベルにおいて,「M2000BW-v」の文字が,本件商標である 17 「アイライト」の文字よりも,目を引く顕著な態様で表示されていることなどから,被告及びミツワ電機のいずれも,メタルハライドランプ水中灯につき,「アイライト」ではなく,「M2000BW/V」の名称で認識して受発注を行っていたものということができるとして,本件商標は,本件行為当時,被告が販売していたメタルハライドランプ水中灯について,出所表示機能を果たしていなかった旨主張する。
イ しかしながら,商標法50条の主な趣旨は,登録された商標には,その使用の有無にかかわらず,排他独占的な権利が発生することから,長期間にわたり全く使用されていない登録商標を存続させることは,当該商標に係る権利者以外の者の商標選択の余地を狭め,国民一般の利益を不当に侵害するという弊害を招くおそれがあるので,一定期間使用されていない登録商標の商標登録を取り消すことについて審判を請求することができるというものである。
上記趣旨に鑑みれば,商標法50条所定の「使用」は,当該商標がその指定商品又は指定役務について何らかの態様で使用されていれば足り,出所表示機能を果たす態様に限定されるものではないというべきである。
ウ また,原告の上記主張は,以下のとおり採用できない。
(ア) 前記1?イのとおり,被告が製造,販売するHIDランプ集魚灯「アイライト」には,メタルハライドランプと高圧ナトリウムランプがあり,メタルハライドランプは,船上灯と水中灯に分かれ,それぞれにおいてさらに,発光色やランプ電力等によって,「M2000B-W」 「M2000BW-W」など複数の形式に ,分かれている。
この点に鑑みると,前記集魚灯の受発注等に当たり,「アイライト」のみでは,対象の特定として十分ではないこともあるということができる。現に,Aが作成した製品受渡検査成績書(乙14別紙T)及び包装工程検査成績書(乙14別紙U)には,前記?キのとおり「M2000BW/V」が記載されているほか,同じくHIDランプ集魚灯「アイライト」に含まれる船上灯としてのメタルハライドランプで,ランプ電力2000Wのものを意味するとみられる「M2000B/BUH- 18 E40」「M2000B/BUH」が記載されている。
, 以上によれば,被告とミツワ電機は,受発注に当たり,HIDランプ集魚灯「アイライト」のうちのどの製品を対象とするかを特定するために,「M2000BW/V」など形式を明らかにする名称を用い,物品受領書や請求書など取引関係の書類においても,同名称を記載していたものと推認できる。
(イ) 本件ラベルは,乙第3号証の写真及び乙第6号証の別紙写真に写っている個装箱に貼付されたラベルと同一のものと認められ,その外観は,前記1?オのとおりであるところ,本件商標である「アイライト」の文字は,本件ラベルの上方に,白地に黒の太字で表示された「メタルハライドランプ」「水中灯」の文字に続いて, ,オレンジ地に白抜きで表示され,上記の文字と同様,鮮明に読み取ることができる。
(ウ) 以上によれば,本件行為当時,メタルハライドランプ水中灯につき,「アイライト」が出所表示機能を果たしていなかったということはできず,原告の前記主張は,採用できない。
? 原告の主張(前記第3の2?)について ア 原告は,被告は,メタルハライドランプ水中灯を入れる本件個装箱に本件商標を使用していたにすぎず,これをもって,本件商標の指定商品である電球類及び照明用器具に本件商標を使用していたということはできない旨主張する。
イ しかしながら,商標法50条所定の「使用」とは,同法2条3項各号所定のいずれかの行為がされていれば足り,商品そのものに本件商標を付する場合に限定されるものではない。そして,前記?のとおり,被告は,平成23年10月12日,メタルハライドランプ水中灯「アイライト」である形式「M2000BW/V」を,本件ラベルが貼付された本件個装箱に入れて売却,納品したものと認められ,この行為は,「商品の包装に標章を付したものを譲渡」(商標法2条3項2号)に該当する。よって,原告の前記主張は,採用できない。
? 原告の主張(前記第3の2?)について ア 原告は,商標法50条所定の「使用」とは,業としての使用を意味し,「業 19 として」は,「一定の目的の下に反復・継続する行為として」を意味するものと解されるところ,本件行為当時,被告が本件商標を反復継続して使用する意思を有していなかったことは明らかであるから,本件行為は,業としての使用ということはできない旨主張する。
イ しかしながら,乙第5号証によれば,被告とミツワ電機との間には,平成23年10月5日から同月31日までの間,複数回にわたる取引があり,同月12日のメタルハライドランプ水中灯「アイライト」である形式「M2000BW/V」の売買は,その取引の一環として行われたものとみることができる。
また,前記1?のとおり,HIDランプ集魚灯は,平成19年頃以降,需要が減少したものの,現在でもHIDランプ集魚灯を使用している漁船はあり,被告は,HIDランプ集魚灯「アイライト」の交換ランプの注文を受けていること,HIDランプ集魚灯「アイライト」は,需要者がイカ釣り漁船やサンマ棒受け網漁船の船主に限られているので,被告は,従前から,一般の消費者や企業に向けた広告宣伝は行ってこなかったことが認められる。これらの点に鑑みれば,原告指摘のとおり,被告が前記の需要減少を受けてHIDランプ集魚灯「アイライト」を受注生産に切り替えた後,宣伝広告等を行ってこなかったとしても,それは,被告においてHIDランプ集魚灯「アイライト」に係る取引を継続する意思を有しないことを示すものではない。
さらに,HIDランプ集魚灯「アイライト」は,前述したとおり需要者が限られており,商品の性質上,頻繁な交換を要するものとも考え難いことから,証拠上,3年間で受発注が1回のみしか認められなかったことも,前記取引継続の意思の存在を否定するものとはいえない。
ウ 以上によれば,本件行為当時,被告が本件商標を反復継続して使用する意思を有していなかったとはいえず,したがって,原告の前記主張は,採用できない。
? 小括 以上によれば,被告は,本件行為,すなわち,平成23年10月12日,メタル 20 ハライドランプ水中灯「アイライト」である形式「M2000BW/V」を,本件ラベルが貼付された本件個装箱に入れて売却,納品したものと認められ,これは,商標法2条3項2号所定の「商品の包装に標章を付したものを譲渡」に該当するから,商標法50条所定の使用の事実が認められる。
3 結論 以上によれば,原告主張の審決取消事由には理由がなく,したがって,原告の請求は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 部眞規子
裁判官 田中芳樹
裁判官 鈴木わかな