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関連審決 審判1998-35089
関連ワード 識別力 /  指定商品 /  記述的商標(3条1項3号) /  普通に用いられる方法 /  周知性 /  4条1項11号 /  類似性(類否判断) /  外観(外観類似) /  称呼(称呼類似) /  観念(観念類似) /  類似商標 /  非類似 /  商号 / 
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事件 平成 12年 (行ケ) 301号 審決取消請求事件
原告 北海道ワイン株式会社代表者代表取締役 【A】
訴訟代理人弁護士 山田清
被告池田町代表者町長 【B】
訴訟代理人弁護士 小林幸夫
訴訟代理人弁理士 野本陽一
裁判所 東京高等裁判所
判決言渡日 2001/01/18
権利種別 商標権
訴訟類型 行政訴訟
主文 原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
当事者の求めた裁判
1 原告 特許庁が平成10年審判第35089号事件について平成12年7月5日にした審決を取り消す。
訴訟費用は被告の負担とする。
2 被告 主文と同旨
当事者間に争いのない事実
1 特許庁における手続の経緯 被告は、商品区分第33類の「日本酒、洋酒、果実酒、中国酒、薬味酒」を指定商品とする、別紙審決書の写しの別紙記載のとおり、「ロマンティック北街道」の文字を横書きし、「北街道」の文字の上に小さく片仮名で「ホッカイドウ」と記載した構成から成る、登録第3201780号商標(平成6年1月12日商標登録出願、平成8年9月30日商標登録。以下「本件商標」という。)の商標権者である。
原告は、「北街道」の文字を横書きして成り、商品区分33類の「果実酒」を指定商品とする登録第3165021号商標(平成5年7月23日商標登録出願、平成8年6月28日商標登録。以下「引用商標」という。)の商標権者である。
原告は、平成10年3月4日、被告を被請求人として、本件商標は、引用商標との関係で商標法8条1項に該当するにもかかわらず登録されたものであると主張して、その登録を無効にすることにつき審判を請求した。特許庁は、これを平成10年審判第35089号として審理した結果、平成12年7月5日に「本件審判の請求は成り立たない。」との審決をし、その謄本は同月23日原告に送達された。
2 審決の理由 審決の理由は、別紙審決書の理由の写し記載のとおりである。要するに、本件商標と引用商標とは、その外観称呼観念のいずれの点から見ても互いに相紛れるおそれのない商標であって類似性がないから、本件商標は、商標法4条1項11号に違反して登録されたものではなく、同法46条1項によって無効とすることはできない、というものである。
原告主張の審決取消事由の要点
審決は、本件商標が引用商標と類似しないとの誤った判断をしたものであるから、違法として取り消されるべきである。すなわち、審決は、「本件商標は・・・その構成に係る各文字は、同書、同大にほぼ等間隔にまとまりよく一連に表されている上に、これよりは、「ロマンチックな北の街道」又は「ロマンチックな北海道」という如き観念が生ずると認められるものであるから、本件商標は、常に一体のものとして取引に供されるものというべきであり、・・・・本件商標は、
その構成文字に応じて「ロマンティックホッカイドウ」の称呼のみを生じるものと判断するのが相当である。他方、引用商標は、その構成文字に相応して「ホッカイドウ」の称呼を生じるものと認められる。してみれば、両者は、称呼観念において明らかな差があり、外観においても明らかに区別し得るものであり、本件商標と引用商標とは、その外観称呼、及び観念のいずれの点より見ても互いに相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。」としたが、この審決の判断は誤っている。
1 漢字及び仮名より成る商標同士の同一性の判断基準は、主として、@漢字の書体の同一性、A平仮名か片仮名か、B縦書きか横書きかである。
本件商標は、その要部が「北街道」であり、漢字横一列の楷書体である点において、引用商標と同一である。本件商標の「ホッカイドウ」は、単なるルビである。
2 引用商標は、北海道産の果実を原料として北海道の農業を拓き、北海道にとって必要な会社となることを社是とする原告の商号である北海道ワイン株式会社のイメージと、北海道の持つ雄大性と、北の街道のもつロマンティック性を連想させるべく、漢字の「カイ=海」を、同音異義語である「カイ=街」に置き換えて表現したところに顕著性、識別性があり、この顕著性、識別性ゆえに商標権が付与されている。
3(1) ロマンティックの観念は、前記のとおり、「北街道」の文字自体が本来的に持っているものであって、「北街道」に「ロマンティック」を付して初めて生じたものではないから、両商標の間に差異はない。
(2) 称呼についても、「北街道」の部分については、いずれも「ホッカイドウ」の称呼が一般的である。審決は、本件商標が、「ロマンティックホッカイドウ」の称呼のみを生じるという。しかし、これは、引用商標のもつ漢字の形状の顕著性を無視している。本件商標が「ロマンティックホッカイドウ」と片仮名文字のみで表現しないで、あえて「ロマンティック北街道」としたのは、「北街道」の持つ漢字の形状の顕著性を利用したものにほかならないから、本件商標は、「ホッカイドウ」の称呼をも生じると解するべきである。
(3) 審決は、本件商標において、「ロマンティック」と「北街道」が横一列に表記されていることをもって、両者が常に一体のものとして取り扱われる理由としていると解される。しかし、この「ロマンティック」の部分を「北街道」の上に冠し、二段表示としても、称呼としては、結局、「ロマンティックホッカイドウ」となるのだから、横一列の表記であることは、両者が一体のものとして取り扱われるとみるべき根拠にはならない。本件商標が、「北街道」に「ロマンティック」を付加したところで、これにより「北街道」のほかの新たな顕著性を何ら生んでいないことは明らかである。
現に、被告は、審判請求後に、新たにその主張に符合させるために、本件商標のとおり横一列の「ロマンティック北街道」ラベルを作成しているものの、従来も現在も二段表示を使用している。平成11年11月15日付けのものから現在のものまでの被告のインターネットホームページで入手した商品ラインナップでは、上記の二段表示となっており、この事実は、本件商標の主要部分が「北街道」に存する何よりの証左である。
(4) 「ロマンティック」や「ROMANTIC」の語は、本件商標におけるように、主要部分である「北街道」の形容詞として使用する場合には、それ自体顕著性、識別性を有することはありえない。
すなわち、「北街道」に、単に一般形容詞を付加することによって新たな顕著性、識別性を有することとなるとして商標権が認められるとするならば、例えば「メルヘン北街道」、「美しの北街道」、「ビューティフル北街道」、「雄大北街道」、「豊かな北街道」、「冷涼北街道」、「清冽北街道」、「フレッシュ北街道」等際限なくあらゆる形容詞を付けることによって、容易に、引用商標である「北街道」の商標権の専有力が奪われることになり、もはや形容詞を付さない「北街道」の顕著性、識別性は撲滅されてしまう。このような形容詞の付加により先願商標と全く異なった顕著性、識別性が生じたことが明白でない場合には、後願の商標に権利性を付与すべきではない。これを許すことは、先願の商標に権利を付与した趣旨に反し、ひいては商標制度を骨抜きにすることになる。
4 被告の反論は、いずれも失当である。
(1) 被告の例示する「ブーケ」、「ガーデン」、「ハーモニー」は、いずれも一般的に使用される名詞であり、それ自体何ら顕著性を有する商標ではないから、
これに加えて何ら顕著性のない一般名詞や形容詞を付加しても、先の識別力を失わせることはありえない。
(2) 被告は、その製造する果実酒等について「トカップ」の商標権を有している。被告の論理に従うと、これに「ロマンティック」を付加した「ロマンティックトカップ」を商標として使用しても、何ら「トカップ」の商標権の効力に抵触しないことになる。このような結果を認めることは、類似商標に対し、果てしなく別の独立の商標としての資格を認めることになり、商標権を認める法の趣旨は失われる。
(3) 仮に、本件商標と引用商標とが異なる表示であることを認めたとしても、
両者の実際の用法に照らし、このような表示は、類似であるとして登録を拒絶すべきある。
被告の反論の要点
審決の認定・判断は正当であり、原告主張のような違法はない。
1 本件商標は、「ロマンティック」部分と「北街道」部分に段落を設けず、文字の大きさ、彩色、字間を統一して、一連に「ロマンティック北街道」と表記するとともに、漢字部分の振り仮名を「ロマンティック」と同じく片仮名文字で表記して成るものである。「ロマンティック」の語は、英語「romantic」の語を直感させ、「伝奇的。空想的。浪漫的」の語義を有する形容詞であって、商品「果実酒」の品質表示、等級表示その他の記述的な表示として通常用いられる語では、
全くないばかりか、「ロマンティック街道」といえば、例えば、新村出編「広辞苑」第4版(1995年11月10日、株式会社岩波書店発行)によれば、「ドイツ南部、ヴュルツブルクからアウクスブルクを経てフュッセンに至る道路。長さ約350キロメートル。沿道にローテンブルク・ディンケルスビュール・ネルトリンゲンなど、古いたたずまいを残す町が連なり、多くの観光客が訪れる。」とあるように、世界的に著名な観光的名称であるから、本件商標は、これに近似する名称である、と直感させるものであって、全体的に統一した特定の印象並びに観念を具有するものである。
してみれば、本件商標は、あくまで一連一体的にロマンティックホッカイドウと称呼されるものと解されるべきである。すなわち、本件商標の自然的称呼は「ロマンティックホッカイドウ」である。
2 これに対し、引用商標は、その構成中、「街道」の語義が「各都市間を結ぶ主要道路」であることは明らかである。例えば、「裏街道」のように、その前の語が地理的な方角、方向あるいは地名を表す場合が多いから、引用商標の自然的称呼は、「キタカイドウ」である。
仮に、引用商標から、「ホッカイドウ」の称呼を生じうると解しても、上述のとおり、本件商標の自然的称呼は、一連の「ロマンティックホッカイドウ」であるから、両者は、何ら類似するものではない。
3 原告の主張する個々の点に対する反論は次のとおりである。
(1) 「北街道」がロマンティックの観念を本来的に持っているとの原告の主張は誤りである。
(2) 本件商標の登録無効と被告の商標の使用態様は無関係である。
(3) Bという商標があるとき、A+Bという商標が併存して登録され、しかも、これによってBの識別性は何ら失われないことは、いくらでもある。例えば、
菓子等の第30類分類で、次の各商標が併存して登録されており、これらの場合において、後者の登録は、何ら、前者の登録商標の識別性を失わせるものではない。
@ 「BOUQUET/ブーケ」と「Romantic Bouquet」 A 「GARDEN/ガーデン」と「Romantic Garden」 B 「ハーモニー/HARMONY」と「ロマンチックハーモニー/ROMANTIC/HARMONY」
当裁判所の判断
1 本件商標と引用商標の共通点について (1) 本件商標の一部である「北街道」の文字は、引用商標と同一であるから、
本件商標と引用商標との間に、外観上の共通点があることは、明らかである。
(2) 本件商標中の「北街道」の文字部分は、その上方に小さい片仮名で記載された「ホッカイドウ」の振り仮名に従って、「ホッカイドウ」と読まれるものと認められる。これに対し、引用商標である「北街道」には、振り仮名がないので、
「ホッカイドウ」又は「キタカイドウ」と読まれるものと認められる。被告は、引用商標の自然の読み方は、「キタカイドウ」であって「ホッカイドウ」ではない旨主張する。しかし、「北街道」は、1文字目の「北」と3文字目の「道」が、地名である「北海道」と共通しているため、全体として、地名の「北海道」を連想させることが十分にあり得る。また、引用商標は、その指定商品である「果実酒」に用いられた場合には、その原料の産地又は製品の販売地である地名としての「北海道」を連想させることが十分に考えられる。したがって、引用商標は、「ホッカイドウ」とも、読まれるというべきである。被告の主張は採用できない。そうすると、本件商標と引用商標との間には、「北街道」の文字部分の読み方においても、
共通点があることになる。
(3) 本件商標中の「北街道」の文字及び引用商標の「北街道」の文字が、いずれも、これに接した取引者・需要者に対し、地名である「北海道」を連想させることは、上述したところから明らかである。両商標には、この点においても共通点があるということができる。
2 本件商標と引用商標の類否について しかしながら、当裁判所は、上記の各共通点を考慮しても、本件商標と引用商標との間には、商標法8条1項あるいは同法4条1項11号にいう「類似」の関係があるとはいえないとするのが相当であると解する。その理由は以下に述べるとおりである。
(1) 引用商標である「北街道」の文字から連想される語である「北海道」の語自体は、本来、商品の産地、販売地を表示する語であって、自他商品の識別力に欠け、かつ特定人に独占させるのが適切でないものであるため、そのまま普通に用いられる方法で表示した標章の形では、商標の登録が認められない性質のものである(商標法3条1項3号参照)。
引用商標である「北街道」は、地名である「北海道」の「海」の字を「街」の字に置き換えて表現した漢字の形状のゆえに自他識別性が認められることは、原告主張のとおりである。しかしながら、「北街道」は、上記のとおり、自他識別力を欠く「北海道」を連想させるがゆえに、他の語と結合して用いられた場合には、原告において、宣伝広告等に努めるなどすることによって、「北街道」の文字が原告の商品を示すものとして周知性を獲得しない限り、取引者・需要者からは、単に地名ないし生産地の表示として認識される可能性(地名ないし生産地としての「北海道」の代りに、これを目立たせるため、これをもじって「北街道」とした、と認識させる可能性)が高く、その漢字の形状に着目することによって特定人の商標として認識されることはほとんどないというべきである。ところが、本件全証拠を検討しても、「北街道」の文字が宣伝広告等によって周知性を獲得したことを示す資料は見当たらない。したがって、引用商標は他の語と結合することによって、容易に原告の商標としての識別力を失うことになる可能性が大きく、その自他識別力は極めて弱いものといわざるを得ない。
(2) 本件商標中の「ロマンティック」の文字は、「@伝奇的、空想的、浪漫的。A雰囲気などの甘美なさま。」(広辞苑・第4版参照)、「現実離れしていて空想的で甘美なさま。小説にありそうなさま。」(大辞林参照)を意味する語である。したがって、本件商標は、これに接した取引者・需要者に、「ロマンティックな(雰囲気等の甘美な)印象を与える土地である北海道」を連想させる。「ロマンティック」の文字と結合した「北街道」の文字は、前記のとおり、原告の商標としての周知性を獲得していないがゆえに、単に地名を表す語として取引者・需要者に認識されるにとどまり、「ロマンティック」と分離されて、特定人の商標であると認識されることは、ほどんどないものというべきである。そうすると、本件商標は、「ロマンティックホッカイドウ」との称呼を生じるものである。
これに対し、引用商標は、単なる地名である「北海道」を連想させるにとどまり、本件商標のように特定の印象を与える土地としての北海道を連想させるものではない。単なる地名としての「北海道」が取引者・需要者に与える印象は、
「ロマンティック」のほかにも、原告が他の個所で例示するように、「メルヘン」、「美しい(ビューティフル)」、「雄大」、「豊かな」「冷涼」、「清冽」、「フレッシュ」等、多数にのぼるから、これに接した取引者・需要者がどのような印象を受けるかは、人によって様々であり、このうちの特定の印象が「北海道」から生じると解するのは相当でない。
原告は、「北街道」の文字自体が「ロマンティック」の観念を本来的に持っているから、「北街道」に「ロマンティック」の語を付加しても、何ら観念が変わらない旨主張する。しかしながら、原告の主張は、「北街道」ないしこれから連想される「北海道」が取引者・需要者に与える印象のひとつに「ロマンティック」があるという限りにおいては正しいものの、これが取引者・需要者に与える多様な印象の一つにすぎないにもかかわらず、引用商標が、当然に、取引者・需要者に「ロマンティックな北海道」という印象を与えるとするものであって、失当である。原告の主張は採用できない。
(3) 以上によれば、本件商標は、全体が一体のものとして「ロマンティックな北海道」と認識されるとともに、「ロマンティックホッカイドウ」の称呼を生じるものであるから、引用商標とは、外観観念及び称呼を異にするものというべきである。
原告は、引用商標に、単なる一般形容詞を付加することによって新たな顕著性を生ずることを認めると、「北街道」の識別力が失われ、商標権を認めた趣旨に反する結果を生じる旨主張する。しかしながら、上記のとおり、引用商標は他の語と結合することによって、容易に自他識別力を失う可能性が大きく、その自他識別力は極めて弱いものといわざるを得ないから、他の一般形容詞を付加することによって、別個の観念が発生したものとして別個の商標権が成立することを認めたとしても、何ら引用商標が本来有する識別力を失わせることにはならない。
また、前記のとおり、「北街道」は、商標権者である原告の主観的意図はどうあれ、客観的には、独占適応性を欠く地名ないし生産地としての「北海道」の代わりに用いられているという要素の大きいものであり、取引者・需要者にもそのように認識される可能性が高い語であるから、引用商標に一般形容詞を付加した語について、広く引用商標の商標権の効力が及ぶものとして、大きな独占力を認めるのは、産地ないし販売地の表示を特定人に独占させるべきではないとする商標法3条1項3号の趣旨に照らし、相当でないというべきである。換言すれば、このような性質を有する語を自己の商標として選択した者は、その語が他の者の商標の一部として上記のように使用されることを、甘受しなければならないものというべきである。
原告の主張は失当である。
なお、原告は、上記のように解すると、例えば、被告が商標権を有する「トカップ」に、被告以外の者が「ロマンティック」を付加した「ロマンティックトカップ」を使用しても、「トカップ」の商標権に抵触しないことになる旨主張する。しかし、この場合に商標権への抵触が生じるか否かは、「トカップ」の語の持つ自他識別力や独占適応性の有無・程度についての判断に係るものであり、この判断を経ることなく一概にいうことはできないから、直ちに「北街道」の語と同列に論ずることはできない。
(4) 原告は、被告が本件商標を、実際には、「ロマンティック」と「北街道」を上下二段に分けて表示する方法で使用していることを指摘する。しかしながら、
この事実が認められるとしても、そこから、不正競争ないし商標の不正使用(商標法51条53条参照)の問題が発生するかどうかの問題は別として、それ自体では、商標の類否の判断を左右するものではないというべきである。
原告の主張は、採用できない。
(5) 以上のとおり、本件商標と引用商標との間に類似性を認めることはできないから、原告主張の審決取消事由は理由がなく、その他審決にはこれを取り消すべき瑕疵は見当たらない。
よって、本訴請求を棄却することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟
7条、民事訴訟法61条を適用して、主文のとおり判決する。
裁判長裁判官 山下和明
裁判官 山田知司
裁判官 阿部正幸