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審判番号(事件番号) データベース 権利
平成15ワ11200商標権侵害差止等請求事件 判例 商標
昭和63ワ3368 判例 商標
平成14受1100損害賠償,商標権侵害差止等請求事件 判例 商標
平成13ネ5605商標権侵害差止等請求控訴事件 平成14ネ5060同附帯控訴事件 判例 商標
昭和53ネ1637 判例 商標
関連ワード 出所表示機能 /  品質保証機能 /  質保証機能 /  指定商品 /  差止 /  並行輸入 / 
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事件 平成 1年 (ワ) 13450号
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裁判所 東京地方裁判所
判決言渡日 1990/12/26
権利種別 商標権
訴訟類型 民事訴訟
主文 原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
請求
一 被告は、別紙第二目録記載の標章(被告標章)を付した被服を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡のために展示し、又は輸入してはならない。
二 被告は、その所有する前項の被服を廃棄せよ。
事案の概要
本件は、原告において、登録番号第一七九五八一三号又は登録番号第二〇六五〇七六号の商標権(本件商標権。その登録商標の構成は、別紙第一目録(一)、
(二)記載のとおり(本件登録商標(一)、(二))。)に基づき、被告に対し、
被告標章の使用の差止めと被告標章を付した被服の廃棄を求め、これに対して、被告において、真正商品の並行輸入を主張している事案である。
一 争いのない事実原告は、本件商標権を有していること。
被告は、平成元年七月頃以降、被告標章を付したジーンズ(被告商品)を輸入し、
これを販売していること。
被告商品は、本件登録商標(一)に係る指定商品(第一七類(被服、布製見回品、
寝具類))の範囲に属すること。
二 争点1 被告標章が本件登録商標(一)に類似するか否か。又は、被告標章が本件登録商標(二)に類似し、かつ、被告商品が本件登録商標(二)に係る指定商品(第一七類(フランス製のジーンズ地よりなる被服、布製見回品、寝具類))に類似するか否か。
2 被告商品が原告の製造販売した真正な商品(真正商品の並行輸入)であるか否か。
争点に対する判断
一 たとえ、被告標章が本件登録商標(一)及び(二)に類似し、かつ、被告商品が本件登録商標(一)及び(二)に係る各指定商品に類似する商品であって、被告標章が、それを付した被告商品の出所が原告であることを示すものであるとしても、被告標章を付した被告商品は、次のとおり、原告の製造販売した真正な商品であるから、被告の被告商品の輸入販売行為は、実質的に違法性を欠き、本件商標権の侵害を構成しないものというべきである。
二1 証拠によれば、次の事実が認められる。
(一) 被告は、アメリカ合衆国カリフォルニア州所在のスペシャリティハウスに発注して、平成元年五月頃、同社から被告商品合計二〇一五本を輸入した(乙一ないし四、五の一、二、被告代表者)。
(二) 被告が輸入した被告商品は、右後ポケット部分に、被告標章(なお、「GUESS」の右肩に(R)が付されている。)が付されており、また、右後ウェスト部分には、アルファベットの大文字で「GUESS」と大きく横書きされ(その右肩には、同様に(R)が付されている。)、その右下にアルファベットの大文字で「U.S.A.」と小さく横書きされた表示が付されている。そして、被告代表者が、本訴提起後に知人に依頼してアメリカ合衆国カリフォルニア州所在のMGAから購入した原告の製造したジーンズにも、同様に、被告標章と同一の標章及び右表示と同一の表示が付されている(乙六の一ないし四、七の一ないし四、被告代表者)。
(三) スペシャリティハウスは、過去一七年間にわたり、被服及びその関連商品の輸出入業務を行っている会社であるが、その取扱う商品については、購入しようとするすべての商品を無差別に摘出して、慎重に検査するとともに、同種類の真正なものと対比し、これが真正なものであることを十分認識した場合にのみ、顧客に対して出荷することができるものとしており、被告に販売した被告商品についても、これが真正なものであることを確認している(乙八の一、二、被告代表者)。
2 右1(一)ないし(三)の事実に加え、本件全証拠によっても、原告が被告商品を製造販売したことを疑わせるような事実が格別認められないことを合わせ考えると、被告商品は、原告の製造販売した真正な商品であると認定することができる。
三 以上によれば、被告標章を付した被告商品は、原告の製造販売した真正な商品であるから、被告による被告商品の輸入販売行為は、商標法1条に同法の目的として規定する、商標を使用する者である原告の業務上の信用の維持を図ることに反することも、需要者である一般消費者の利益を保護することに反することもなく、また、同法がその目的達成のために保護している商標の出所表示機能及び品質保証機能を害することもない、と認められる。したがって、被告の右行為は、実質的にみて違法なものではないということができるから、原告は、本件商標権に基づき、被告の右行為の差止め等を求めることはできないものと解するのが相当である。
裁判官 清永利亮
裁判官 三村量一
裁判官 高野輝久