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関連審決 不服2008-19421
この判例には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
平成21行ケ10031審決取消請求事件 判例 商標
平成20行ケ10442審決取消請求事件 判例 商標
平成20行ケ10439審決取消請求事件 判例 商標
平成20行ケ10295審決取消請求事件 判例 商標
平成21行ケ10034審決取消請求事件 判例 商標
関連ワード 識別機能 /  指定商品 /  混同を生ずるおそれ(混同を生じるおそれ) /  4条1項11号 /  類似性(類否判断) /  結合商標 /  外観(外観類似) /  称呼(称呼類似) /  観念(観念類似) /  取引の実情 /  補正 /  信義則 /  継続 / 
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事件 平成 21年 (行ケ) 10102号 審決取消請求事件
原告InnovaVision株式会社
同訴訟代理人弁理士菅原正倫 高野俊彦
被告特許庁長官
同 指定代理 人田村正明小林由美子 安達輝幸
裁判所 知的財産高等裁判所
判決言渡日 2009/09/15
権利種別 商標権
訴訟類型 行政訴訟
主文 原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
全容
第1請求特許庁が不服2008-19421号事件について平成21年3月3日にした審決を取り消す。
第2事案の概要本件は,原告が,下記1のとおりの手続において原告の本件出願に対する拒絶査定不服審判の請求について特許庁が同請求は成り立たないとした別紙審決書(写し)の本件審決(その理由の要旨は下記2のとおり)には,下記3のとおりの取消事由があると主張して,その取消しを求める事案である1特許庁における手続の経緯(1)本件出願及び拒絶査定本願商標の構成:別紙図面のとおり(上記審決書の別掲本願商標と同じ。)指定商品:第9類「眼鏡,光学機械器具」出願日:平成19年10月23日出願番号:商願2007-108683号拒絶査定日:平成20年7月1日(2)審判手続及び本件審決審判請求日:平成20年7月31日審決日:平成21年3月3日審決の結論:「本件審判の請求は,成り立たない。」審決謄本送達日:平成21年3月13日2本件審決の理由の要旨本件審決の理由は,要するに,本願商標は,「EyeLux」の欧文字を横書きして成る引用商標(登録第4624197号)と称呼を共通にする類似の商標であり,両商標の指定商品も同一又は類似であるから,本願商標は商標法4条1項11号に該当する,というものである。
3取消事由(1)本願商標についての認定の誤り(取消事由1)(2)本願商標と引用商標との類否判断の誤り(取消事由2)第3当事者の主張1取消事由1(本願商標についての認定の誤り)について〔原告の主張〕(1)本件審決は,本願商標が「アイラックス」,「アイルクス」又は「アイルックス」の称呼を生ずることを前提として,本願商標は引用商標が外観において相違し,観念において比較することができないとしても,称呼において相紛らわしいものであるから,両商標は互いに類似すると判断したが,誤りである。
(2)本願商標の左端の斜め帯状部分は,「Lux」の欧文字よりも2ないし3倍も長く,かつ,太く見えるものであるから,本願商標の指定商品に係る需要者は,同帯状部分をアルファベットの「I」と認識することはできない。
また,その横の「-」についても,これを常にハイフンであるということはできず,「マイナス」の表記であることもあるし,何ら意味を持たない付加部分である場合もあるから,需要者は本願商標の「-」をハイフンであると認識することもできない。
(3)以上によると,本願商標が「I-Lux」であることを前提として,本願商標から「アイラックス」等の称呼が生ずるとした本件審決の認定は誤りであり,これを前提とする本願商標と引用商標の類否についての判断も誤りであるから,本件審決は取り消されるべきである。
〔被告の主張〕(1)原告は,本願商標の審査・審判時において,本願商標が「I」の文字と「Lux」の文字をハイフンをもって結合させたものであること,本願商標は「アイラックス」,「アイルックス」又は「アイルクス」と称呼される一連の造語であると主張していたのであり,これと異なる前提に立って本件審決の誤りを主張することは許されない。
(2)また,仮にこの点を措くとしても,以下のとおり,本願商標が「I-Lux」であるとの本件審決の認定に誤りはない。
本願商標は,黄色で着色された楕円図形と紺色で着色された「I-Lux」の文字とから成る結合商標である。
本願商標の上記文字部分は,「-」(ハイフン)により「I-Lux」と一連に表記した構成となっており,紺色の文字部分と黄色の図形部分は一見して分けて見てとれるものである。
本願商標の図形部分は,その配置の仕方に工夫があるとしても,黄色の楕円図形という以外に直ちに特定の観念を生じさせるものではなく,文字部分を引き立てる背景的な図形としか認識し得ない。
したがって,本願商標は,その外観構成上,紺色で表記された「I-Lux」の文字部分が,取引者・需要者に対して,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものである。
(3)以上によると,本願商標からは「アイラックス」,「アイルクス」又は「アイルックス」の称呼が生ずるというべきであり,本件審決の認定に誤りはないから,取消事由1は理由がない。
2取消事由2(本願商標と引用商標との類否判断の誤り)について〔原告の主張〕(1)商標の類否は,称呼,外観及び観念を総合的に考察して判断すべきであるところ,仮に本願商標と引用商標とが共通の称呼を生ずるとしても,両商標は外観上及び観念上著しく相違するから,商品の出所を誤認混同するおそれは認められない。
(2)本願商標は,主にソフトコンタクトレンズの「DISCONシリーズ」のすべての商品名の冒頭に付されており,わが国では平成15年から,台湾では平成9年から継続して大々的に使用され,広告宣伝も幅広く行われたため,本願商標は,原告の商品である「DISCONシリーズ」を示すものとして需要者の間に広く知られるに至っている。
(3)以上のとおり,本願商標は出願人たる原告の商品であることを示すものとして需要者に知られており,引用商標の「EyeLux」と混同することはないというべきであるから,本願商標が引用商標と類似するとの本件審決の判断は誤りであり,本件審決は取り消されるべきである。
〔被告の主張〕(1)本願商標と引用商標とは外観上相違するが,「アイラックス」,「アイルクス」又は「アイルックス」の称呼において同一であり,観念においてはいずれも特定の観念を生じさせないため比較することができないものである。
本願商標と引用商標とから生ずる「アイラックス」等の称呼は簡潔でなじみやすいものであり,上記〔原告の主張〕(2)のとおり,本願商標において「I-Lux」の文字部分が,取引者・需要者に対して,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものである。
(2)本願商標と引用商標に共通する指定商品である「眼鏡」には比較的安価な商品や使い捨ての商品が含まれており,一般消費者も含まれる取引者・需要者が商標について常に細心の注意を払うものと期待することはできない。
また,指定商品「眼鏡」を取り扱う分野においては,「アイ」の表示(称呼)は「眼鏡」に密接に関連する「目」を意味する英単語である「eye」(アイ)の意味で使用されることが多い。
(3)以上によると,本願商標と引用商標の外観上の相違が,称呼の同一によって生ずる混同のおそれを否定するものと考えることはできず,両商標は需要者をして商標の出所を誤認混同させるおそれがあるというべきであるから,両商標の類否についての本件審決の判断に誤りはなく,取消事由2は理由がない。
第4当裁判所の判断1取消事由1(本願商標についての認定の誤り)について(1)原告の本件訴訟における主張と本件出願手続等における意見等原告は,本願商標が「I-Lux」であることを前提として,本願商標から「アイラックス」,「アイルクス」又は「アイルックス」の称呼が生ずるとした本件審決の認定は誤りであると主張するが,本件出願手続においては,平成20年5月21日付け意見書(乙55),同年10月2日付け手続補正書(乙56)及び同年12月12日付け意見書(乙57)を提出しているところ,これらの書面には出願人又は審判請求人たる原告の意見又は説明として,「本願商標は,「I-Lux」の文字を図案化して横書きで表したもので,…その文字列のとおり「アイラックス」,「アイルックス」又は「アイルクス」と称呼される一種の造語である。」(乙55),「本願商標「I-Lux」の称呼は「アイラックス」である。」(乙56)及び「本願商標は,文字「I-Lux」と黄色い楕円が一体化された商標であり,その文字列のとおり「アイラックス」,「アイルックス」又は「アイルクス」と称呼される一種の造語である。」(乙57)との記載があることが認められる。
そうすると,被告が主張するとおり,原告は,本件出願に係る一連の手続において,本願商標から「アイラックス」,「アイルックス」又は「アイルクス」の称呼が生ずることを自ら主張していたものであるから,そのような原告が,本件訴訟に至って,これと明らかに矛盾する主張をすることは信義則上許されないというべきであり,取消事由1の主張は採用することができない。
(2)本願商標から生ずる称呼ちなみに,本願商標の構成は上記第2の1(1)のとおりであり,上記原告の意見書等にあるように,本願商標が「I-Lux」を図案的に表記したものであることは容易に認識することができる。
そして,このことは本願商標が付された原告の商品が「アイラックス・フレッシュカラー」などの名称で販売されている事実(乙58)からも裏付けられるものである。
そうすると,本願商標から,「アイラックス」,「アイルクス」又は「アイルックス」の称呼が生ずることは明らかであり,本件審決の認定に誤りはない。
(3)以上によると,いずれにしても,取消事由1は理由がないことが明らかである。
2取消事由2(本願商標と引用商標との類否判断の誤り)について(1)原告の主張原告は,この点につき,本願商標と引用商標とが共通の称呼を生ずるとしても,両商標は外観上及び観念上著しく相違するから,商品の出所を誤認混同するおそれは認められないと主張するので,以下,検討する。
ア本願商標と引用商標との識別機能本願商標における図形部分は黄色の楕円形を背景とするものであって,主として「I-Lux」の文字部分を引き立たせるものであるから,本願商標における出所識別機能の主たる部分は「I-Lux」の文字部分が担っているものというほかない。他方,「EyeLux」の欧文字を横書きして成る引用商標において,使用されている文字が図案化されているなどの事情もないことから,引用商標の出所識別機能についても文字部分が担っていることは明らかである。
指定商品についての取引の実情また,本願商標と引用商標の指定商品として共通する「眼鏡」の取引においては,取引者が,商品に付された商標の称呼によって商品を指定することが普通に行われると認められるほか,例えば原告の商品である使い捨てのコンタクトレンズがインターネット上で片仮名表記により検索される場合がある(乙58)ように,需要者が商標の称呼を頼りに商品特定することも普通に行われていると認められる。
ウそうすると,少なくともこれらの場合において,本願商標と引用商標とが外観上相違することによって,商品の出所についての誤認混同を生ずるおそれがないということはできないのであり,原告の主張を採用することはできない。
(2)原告は,さらに,本願商標は,原告の商品である「DISCONシリーズ」を示すものとして需要者の間に広く知られるに至っているから,引用商標との間で出所を誤認混同するおそれはないとも主張する。
しかしながら,原告の主張は,本願商標と引用商標とに共通する指定商品である「眼鏡」に含まれる「コンタクトレンズ」についての事情をいうものにすぎず,本願商標の指定商品全般について引用商標との間で出所の誤認混同を生ずるおそれがないとまて主張するものではない。また,「コンタクトレンズ」に限ってみても,仮に本願商標が原告の商品を示す標章として需要者の間に広く知られるに至っていたとしても,原告がわが国において本願商標に係る商標の使用を開始したという平成15年以前に出願され,かつ,登録された引用商標が現に存在することを前提とする以上,上記のとおり引用商標と称呼を共通にする本願商標が引用商標との商品の出所についての誤認混同を生ずるおそれを否定することはできない。
したがって,原告のその他の主張は失当である。
(3)以上によると,取消事由2も理由がないことが明らかである。
3結論以上の次第であるから,原告の請求は棄却されるべきものである。
裁判長裁判官 滝澤孝臣
裁判官 高部眞規子
裁判官 杜下弘記
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